fc2ブログ

<憑依>わがまま少女②~末路~(完)

生まれつき憑依能力を持ち、
やりたい放題の少女…!

彼女の人生の行方は…?

※リクエスト作品デス!
--------------------------

「あははははははははは~!」

どこからか用意したのか、
特撮に登場しそうな悪の女幹部のような
妖艶な格好した女性が、
学校内を歩いていた。

鞭を振るい、怯える児童を
容赦なく叩いていくー

「--あたしは悪党よ~!」
そう叫ぶ女性はーーー

昨日、沙菜を呼び出し、
沙菜を叱ろうとした担任教師・涼子先生だった。

妖艶な格好で、鞭を振るう涼子先生ー

涼子先生は、沙菜を叱ろうとしたため
沙菜に”わるもの”だと決めつけられた挙句、
沙菜に憑依されて、昨日の放課後に
悪の女幹部衣装を買いに行き、
そして今日、その格好で学校にやってきたのだった。

「--涼子先生は、わるいひとだもん!」

涼子先生に憑依している沙菜は笑う。

沙菜がたまに見る特撮モノでは
こういう悪い女の人がいる。

涼子先生はわるものだから、
こさせるのが正しいと沙菜は思った。

「おほほほほほほほほ!」
涼子先生の身体で、高らかに笑って見せる。

「--涼子先生!何をしているのですか!」
「おい!止めろ!」

他の先生たちが近づいてくる。

「--あたしに跪きなさい!」
涼子先生が鞭を振るう。

「あっはははははは!あ~はははははは!」

学校中で暴れまわる涼子先生。

憑依している沙菜は、
涼子先生に”わたしはわるもの”と
刻み付けて行くー

「んへっ…」
時々白目になりながら、涎を垂らしている
涼子先生ー

やがてー
涼子先生から光の玉が飛び出し、
沙菜が姿を現した。

憑依から解放された涼子先生ー
しかしー
変らず、笑いながら
鞭を振るい続けているー

やがてー
駆けつけた警察に、涼子先生は
妖艶な格好をしたまま連行された。


「--わるいやつをやっつけた!いぇ~い!」
沙菜は、連行されていく涼子先生を
見ながらそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「な…なぁ…どうしちゃったんだよ」

婚約していたのにー。

そう思いながら、
面会にやってきた涼子先生の彼氏ー。

涼子先生は、不貞腐れた態度で
腕を組みながら彼氏の方を見つめる。

「--急に学校で暴れたりしてー…
 どうしたんだよ?」

彼氏は戸惑っている。

しかしー
そんな彼氏を前にしても
涼子先生は、もう元の先生には戻れなかったー

「--あたしは悪党よ!
 おほほほほほほ!
 あははははははははは!」

狂ったように笑いだす涼子先生。

「涼子…」
彼氏は唖然とすることしかできなかったー

ほどなくして、
彼氏は涼子との関係を解消し、
涼子の前に姿を現さなくなったー…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからもー
沙菜のやりたい放題は続いたー

「--わたし、いらな~い!」

屋上から飛び降りる児童ー。
前日に沙菜と喧嘩した児童だー。

沙菜に憑依されて、
”処分”されたー

沙菜のやりたい放題は続くー。
沙菜は、そのまま成長したー。
大切なことを、何も学べないままー

生まれつき、憑依能力を持っていた沙菜はー
反省することもー
遠慮することもー
周囲と協力することもー
思いやることもー

学べなかった。

全て、自分の思い通りにできるー
そんな環境で育った沙菜は、
人間として大切な事を、何ひとつ学ぶことはできなかった。

気に入らなければ、捨てるー。
自分に反対するものは、”わるもの”


そんな考えのまま、沙菜は中学生になった。

中学に入学しても同じー。
沙菜はやりたい放題だった。

どんどん可愛くなっていく沙菜ー。
やがて、沙菜は、性的なものに目覚める年齢になると、
男子たちを自分のしもべにして、
毎日のように学校でエッチをしまくった。

「んふふふ~♡」

誰も沙菜には口出しができないー

沙菜は周囲を自分の都合のいいように染め上げて、
邪魔なやつは、”わるもの”として処分したー

そんなやりたい放題の人生を送りながら
沙菜は高校生にまでなった。

可愛らしく、大人しい雰囲気の美少女…
という感じの風貌だがー、
その中身は”子供のまま”
なんでもやりたい放題の超・わがまま少女だった。


高校でも、男子を従えて、
時には、他の女子の身体に憑依して
エッチをしまくった。

沙菜はエッチの魅力に溺れていたー


だがー
ある日ー
”それ”は始まったー

「--今日もエッチしよ~♡」
沙菜が、お気に入りの男子に抱き着く。

しかしー
”信じられない言葉”が返ってきた。

「う~ん…
 今日は…いいかな」

「--!?」
沙菜は表情を歪める。

今までー
自分が誘えば喜んで男子たちは
乗ってきたはずだー。

男子全員に一度は憑依して、
沙菜にメロメロになるように
書き換えてある。

それなのにー

「ど…どうして?
 わ、、わたし、今日ヤリたいの!」
沙菜が叫ぶ。

しかし、
その男子は、ぼーっとした感じで、
沙菜の言葉を拒否するのだったー

「----わるもの」
沙菜は、不貞腐れた様子で頬を膨らませたー。

高校生になっても
何も、変わっていないー

その放課後ー
その男子生徒は、屋上から飛び降りたー。

幸いー、一命は取り留めたものの、
意識不明の状態だったー


翌日ー

沙菜は男子とエッチがしたくてうずうずしていたー。

別の男子を誘う―

しかしー
その男子の反応も薄いー

「--はぁ?」
男子から否定されて、沙菜は思わず声をあげた。

「わたしとのエッチを拒否するなんて
 あり得ないんだけど!?」

イライラした様子で自分の髪を掻き毟る沙菜。
そして、沙菜は叫んだ。
”あんたは、ポチよ!”

とー。

沙菜が光の玉になり、
その男子に憑依しようとするー

しかしー

「---!?!?!?!」

沙菜はー
光の玉になることができなかったー

”ど、どうして!?”

表情を歪める沙菜ー。
憑依能力が、、、使えない…?


「---わたし、何で沙菜と仲良くしてるんだろう?」
クラスの女子の一人がふいにそう呟いた

「確かに…というか、ウザくない?」
他の女子生徒も呟く。

「--!?!?!?」
沙菜は表情を歪める。

「ど、どういうこと!?」

クラスの女子は、全員絶対服従にしてあるはずー

なのにー?

沙菜は怒りの形相で
不満を漏らした2人の女子生徒を睨むー。

そして今度は、憑依能力をしっかり発動すると、
その二人の女子に憑依して、
二人の服を引き千切り、
そのまま校舎内を走らせてやったー。

二人は、即日退学になった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「…・…」

夜ー

沙菜は自分の手を見つめる。

沙菜は、”ある仮説”に
辿り着いていたー

それはー

”自分の憑依能力が失われつつある”
という仮説。

「--嘘よ!」
沙菜は、怒りの形相で立ち上がった。

そんなこと、あるはずがないー

自分は選ばれた人間なのだとー。

・・・・・・・・・・・・・・・

しかしー

沙菜の憑依能力はどんどん弱まっていた。

「---ねぇ!わたしとエッチしようよ!」
沙菜が不満そうな表情で叫ぶ。

いつも、誘えば必ずエッチに
応じてくれていた男子たちが
呆れ顔で言う。

「沙菜ちゃん、性格悪いからな~!」
「だよな!わがままだし!」

男子たちは、沙菜の憑依による影響から
抜け出しつつあった。

「---わるもの…」
沙菜が呟く。

「あんたたち、みんなわるものよ!
 やっつけてやるから!」

大声で叫ぶ沙菜。

沙菜は光の玉になって、
そのうちの男子一人に憑依しようとしたー。

しかしー
男子の身体にぶつかった途端は、
沙菜ははじかれるようにして
吹き飛ばされてしまった。

「---ど、、どうして!」
沙菜は泣きそうになりながら
男子の方を見る。

「くそっ!くそっ!くそっ!」
沙菜は怒りの形相で
教室の床を叩き始めた。

生まれてからずっと
わがままを通してきた沙菜に
今の状況が耐えられるはずがなかったー。

そしてー
わがままを通してきた彼女はー
まるで、何も成長していなかった

「--あああああああああ!」
沙菜は怒り狂った形相で男子に襲い掛かる。

しかし、男子は呆れた表情で
それを軽く受け流すと、
教室から失笑が漏れだした。

「どうして…」

沙菜は次第に孤立していくー。
他の女子たちも、沙菜による憑依の影響から
抜け出し始めていたー

次第に沙菜はいじめの対象になりー
無視されるようになった。


「---どうして…」
沙菜は自宅でも学校でも、
不満を口にせずにはいられなかった。

自信に満ち溢れていた表情は
すっかり失われて、
髪もボサボサになり、
自暴自棄になっていたー


沙菜はーーー
成長と共に、憑依能力を失いつつあった。

人間、小さい頃に何か病気をしたり、
何か異常があっても、
成長するにつれて、それが治ることがあるー。

沙菜の”憑依能力”もそれだったー。

沙菜にとってはこの上ない最高の能力。
だがー、人間にとっては”異常”な能力。
体が、沙菜の意図しないところで、少しずつ
”異常”を取り払いながら成長した結果ー
憑依能力は弱まり、そして、完全に消えようとしていたー。

人間の身体の自己修復能力的なものが、
沙菜の”異常”な部分を勝手に治そうとしていたー

それゆえにー
憑依能力は消えつつあった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---………わたし…」
刑務所で問題行動を起こし続けていた
沙菜の小学生時代の担任・涼子先生は
正気を取り戻していたー

学校で鞭を振るって暴れ―
婚約者にも呆れられー

あれから、もう何年も経った。

「わたし…どうしてあんなことしちゃったの…」
涼子先生は、すっかりおとなしくなり、
刑務所で、失意の日々を送るのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー」

”ポチ”として、
脳を書き換えられてしまっていた
小学生時代のクラスメイト・丸江は、
正気を取り戻し、
沙菜に記憶を書き換えられていた
丸江の両親も、沙菜の力が
弱まったことで正気を取り戻した。

「--丸江」

「お母さん…!」

小学生時代から、”ポチ”にされていた丸江は、
ようやく解放されたのだった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そしてー

学校で完全に孤立した沙菜は
変わり果てた姿で、教室の隅っこにいた。

学校の支配者としてわがままし放題だった沙菜。

しかしー
今は、もう、沙菜の言うことを聞く人間はいない。

沙菜は、髪をぐしゃぐしゃになるまで
掻き毟る。

「許せない…
 許せない…
 許せない…!」

唇から血が出るまで
唇をかみしめる沙菜。

絶対に許せないー。

どうして周囲は自分の思い通りに動かないのか。
みんなみんな”わるもの”ばっかりだ、と。

「----絶対に、許さない…」

自分の思い通りにならないー。
そんな気持ちを生まれてはじめて味わった沙菜には
今の状況は、到底耐えられるものではない。

沙菜は、教室の机を蹴り飛ばすと、
狂ったように笑いながら、
授業中の教室から飛び出してしまった。

唖然とする先生やクラスメイトたちー。

その日から沙菜は高校に来なくなった。
そしてー、家にも帰らなくなった。

消息を絶つ直前、
沙菜は、家族を含む、自分のLINEから
送信できる相手全員にこう送っていた。

”わるものは、正義のヒーローが
 みんなやっつけるもん”

とー。


消息を絶った沙菜が、
今、どこにいるのかは、
沙菜にしか、わからないー。



おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを題材とした作品でした~!
(原文は昨日のあとがきに~)

小さい頃からずっと憑依してやりたい放題だと、
急にそれがなくなったら、きっと皆様も…

お読み下さりありがとうございました!

コメント

非公開コメント

プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
の小説を公開していきます!

基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

ツイッターやってます!

カテゴリ

検索フォーム