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<憑依>かくれン墓③~みつかった~(完)

夜の廃虚でのかくれんぼー。
見つかったら身体を奪われて”処分”されるー。

恐怖のかくれんぼから、
逃れることはできるのか…。
--------------------------

「---ど~こかな!」
眼鏡をかけた女子大生の潤子は、
いつもの冷静でクールな雰囲気を
失い、無邪気にスキップしながら
隠れている友達を探していた。

「--ど~こかな!ど~こかな!」
潤子の目にはまだ涙が浮かんでいる。

乗っ取られる直前に浮かべた涙ー

けれどー
今の潤子は、唇が避けそうなぐらいに
不気味な笑みを浮かべていたー

「--わたしを置いて帰るなんて許せない~
 ちゃんと見つけて
 お仕置きしなくちゃ!きゃはははははっ!」

笑う潤子ー

かくれんぼの鬼にされてー
置き去りにされてー
そのまま命を落とした少女の怨霊に
突き動かされて、潤子は
”最後のひとり”を見つけようとするー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--…なんで出ないのよ!?」
美月は、焦った表情を浮かべていたー

廃虚の高台に身を隠している美月ー。

潤子と連絡を取り合って、
一緒に逃げようとして
スマホに連絡を入れたー

しかしー
潤子から応答はないー

”かくれんぼ中だから出ないのか”

それともー

「---もう!」
美月は表情を歪めたー

少し離れた場所の
廃虚の一角ではー
潤子の使っていたピンク色のスマホがー
むなしく鳴り響いているー

「--に、、逃げなくちゃ」
美月は、高台から周囲を見渡す。

蘭の姿はないー

美月は冷静に考える。

奈江は、破裂して死んだはずー。
そのあと、蘭が白い少女みたいなものに
乗り移られて乗っ取られたー

潤子は連絡が取れないー

と、なると、潤子はかくれんぼ中で
息をひそめているか、
それとも、既に蘭に見つかってー…

「---落ち着くのよ、わたし…」
美月は呟く。

もしも、潤子が蘭に見つかったのであれば、
蘭も、奈江の時と同じように”破裂”した可能性は高いー
そして、今度は潤子がー。

時計を見る美月。

かくれんぼの制限時間は30分と
最初に話し合っている。
もしも、潤子がかくれんぼ中で電話に出ないのなら、
あと5分すれば、電話に出るはずだ。

かくれんぼ開始から、既に25分経過しているー

「でもー」
美月は高台から廃虚を見渡す。

今は、ここから見える範囲内に
蘭も、潤子も、萌美も居ないー

だったらー
「逃げるなら、今しかないよね」

心霊モノが好きな美月は微笑む。
”チャンスを生かした登場人物は生き延びる”

とー。

そうと決めた美月は、
高台からゆっくりと階段を下り、
廃虚の出口に向かって走り出した。

途中ー

懐中電灯の光が、見えたー

「--!!」
美月は思わず身を隠す。

「~~ど~こかな!?」

潤子の声ー

「潤子…?」
美月は表情を歪めたー

「--見つけたらお仕置きよ~」
「ーーえへへへへへへ♡」

さっきの蘭とまったく同じ
台詞を言う潤子。

それにー
潤子はあんな喋り方をしないー

「潤子…あんたまで…」
美月は呟く。

恐らく、謎の白い少女は
潤子にー

「-くしゃん!」

ーーーー!!!!

しまったぁ~…

美月は、そう心の中で叫んだ。

こんな時に、くしゃみをしてしまうなんてー

懐中電灯がこちらの方を照らす。
「み~つけた♪」
潤子が微笑む。

「--くっ」
美月は、物陰に隠れた。

何かー

何か方法はーーー

美月は、周囲を見渡す。

そしてー
廃虚に落ちている
鉄パイプのようなものを見つけた。

それを握る美月ー。

友達である潤子を鉄パイプで殴るー?
美月は躊躇した。

しかしー

”奈江が破裂”したときのことを
思い出す美月ー

見つかればー
今度は潤子が破裂してー
自分が幽霊に憑りつかれるー?

そう考えた美月は、
もう迷わなかった。

「うあああああああああ!」
飛び出した美月。

潤子の背後から後頭部を
思いきり殴りつけた美月。

「ぐぇぇ!?」
潤子の眼鏡が飛び、
潤子はそのまま地面の土に
うつ伏せで倒れたー

「--はぁ…はぁ…」
美月は、倒れた潤子を見ながら思うー

こ、これじゃ、わたし、殺人鬼じゃん…

とー。

でもー
死ぬわけにはいかないー
大学でー
警察でー
なんて説明しようー?

オバケが廃虚にいて
友達が破裂して
友達が憑りつかれて
わたしは戦いました?

言い訳を考えて
困惑する美月ー

そのときだった。

「うふふふふふ…
 いったぁ~い♡」

潤子が起きあがった。

頭からは血が流れているのにー

潤子は起き上がると、
美月の方を見た。

片目が白目を剥いて、
唇が変な方向に曲がっているー

顔は土まみれ―

それでも、潤子は笑ったー

「--ひっ!?」
美月は悲鳴を上げる。

「--暴力はいけないんだよ~?」
潤子が不気味に微笑みながら近寄ってくる。

そしてー
美月の首を掴むと、
そのまま手に力を入れた。

「や…やめて…潤子…」
苦しみの悲鳴をあげる美月。

潤子は笑うー

「先生、言ってたでしょ~?
 暴力はだめだって~
 
 きゃははははははは!」

笑う潤子ー
白目を剥いている片目ー
もう片方の目は瞳孔が開いていたー

「---!?」
美月はそんな潤子を見て思うー

さっき、鉄パイプで殴った時に
潤子はもう、死んでいるー?

「--きゃはははははは!
 このからだ、死んじゃったみたい~」

潤子が笑いながら言うー

口から血を流し始める潤子ー

それでも、潤子の身体は動いているー

「--あ、、あ、、あんた、、何なの!?」
美月が苦しみながら叫ぶ。

「--わたし~?」
潤子は不気味な笑みを浮かべた。

「わたしね~
 ずっとずっと、ここでかくれんぼの鬼をしてるの~!
 ふふ…
 でもね~、わたし、見つけられないの…
 隠れてる友達を、、見つけられないの~…うふふふ」

笑いながら言う潤子ー

美月は、首をしめられながら思うー

地縛霊か何かー?

とー。

美月の身体から次第に力が抜けて行くー
このままじゃ、殺されるー

美月はふと思うー

誤算があったー
心霊モノで
”仲間を見捨てて逃げようとした登場人物”は
殺されるー

「--あぁ…うっかり」
美月はそう呟いてー
諦めかけたー

その時だったー

別の懐中電灯の光がこちらに向くー。

「--!?」
美月も潤子も驚く。

「み…み、、み~つけた?」

かくれんぼの鬼ー
萌美だったー

かくれんぼ開始後から、
萌美はずっとビクビクしながら
一人、隠れている4人を
探していたー

たまたま誰とも遭遇せずに、
的外れな場所を探していた萌美は、
無事だったのだったー。

「な、、何、、してるの??」
萌美がビクビクしながら言う。

振り向く潤子ー。
そしてー悲鳴をあげる萌美。

「---!!」
チャンスだと感じた美月は、
潤子の手が弱まったスキをついて
鉄パイプで潤子を思いっきり殴りつけた。

「ぐふっ!?」
吹き飛ぶ潤子。

「---ごめん!」
美月はそう叫ぶ。

潤子はもう死んでいるー。

助けることはできないー
だったら…

「きゃああああああああ!」
萌美が叫びながら走り去ってしまう。

やけにオーバーリアクションに見える萌美。

「あっ!萌美、待って!」
美月が叫ぶ。

萌美は無事だったー。

奈江も、蘭も、潤子も死んだー

せめて、萌美だけでもー。

「---ひひひひひひ」
背後から笑い声がするー。

よろよろと、ゾンビのように
潤子が歩いてきたー。

服も破けて、半裸の状態になった潤子が、
美月の方に向かってくる。

「---ちょ……」

既に死体になっている潤子ー
けれども、潤子の身体はまだ操られて、
動かされていたー

潤子の両親が見たら、どう思うだろうかー。

そんな風に思いながら
美月は、再び鉄パイプで潤子を
攻撃しようとするー

「ごめんね!潤子…!」
涙ぐみながらそう叫ぶ美月ー

しかしー

潤子の身体から、光の触手のようなものが
飛び出したー

「---!?」

飛び出した光の触手のようなものが
美月のスカートの中に飛び込む。

「きゃ!?」
美月が思わず叫ぶ。

そしてー

「んっ!?!?あぁああああああっ♡」

美月のアソコから、
光の触手のようなものが中に入り込む。

「ん…あ、、、あっ~~♡」
思わず快感を感じて叫んでしまう美月。

「---あっ…あっ…あっ♡」
美月は苦しみと快感で、
その場に倒れて、あおむけになって
痙攣し始めたー。

「はぁ…あ…♡ いや、、、だ…いや…」
美月は目から涙をこぼしながら
必死に自分の中に入ってくる何かと
戦ったー

けれどー

「----…あ」
やがて動かなくなった美月ー

しばらくすると美月は
ゆっくりと立ち上がった

「えへへへへへ♡」
嬉しそうに笑う美月ー

目からは涙がこぼれ落ちているー。

憑依されて支配される直前に
美月が流した涙ー

「--くふ…全員み~つけた!」
嬉しそうに飛び跳ねる美月。

白い少女が恨んでいるのは
”自分を鬼にして、そのまま逃げた友達ー”

つまり、隠れている側ー。

だからー
元々鬼である萌美に用はなかったー。

「---はぁぁ~♡」
満足しきった表情を浮かべる美月ー。

足元には、既に息絶えている潤子の姿があったー。

「-----あ~あ…かくれんぼ、おわっちゃった~」
美月はそう言うと、名残惜しそうに、神社の廃虚の中へと
消えて行くー。

「また、かくれんぼしたいな~♡ きゃはははははっ!」
笑いながら美月は、飛び跳ねる。

この廃虚の神社にはー
ほとんど人が寄りつかないー

次、人が来るのはいつになるだろうかー。

「--この身体はどうしよっかな~♪」
美月は自分の身体を触りながら笑う。

「う~ん、結構可愛いお姉ちゃん!って感じだし、
 しばらくはこのままでいよ~っと!」

そう呟くと、美月はスキップしながら
廃虚の奥へと消えて行ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー

「ねぇ、だいじょうぶ?」

大学ー。

一人生き残った萌美は
友達から声をかけられていた。

「え、う、、うん…だ、大丈夫だよ」
萌美が慌てた様子で言う。

「--まさか、
 4人で失踪しちゃうなんて…」
萌美に声をかけた女子大生が言うー。

美月ー
蘭ー
奈江ー
潤子ー

4人は”失踪”したー。

廃虚探検に行って
そのまま4人は失踪したー

必死に捜索が行われたが
4人とも発見されずー
一緒に廃虚に向かったはずの萌美も
何も知らないと答えた。

警察は当然、萌美を疑ったが、
萌美が何かした形跡もなく、
すぐに萌美に対する疑いは晴れた

あの日、待ち合わせに遅刻した萌美が、
廃虚に到着したときには、
4人はいなかったー

そういうことになっているー

「--まぁ、あんまり気落ちしないようにね!」
友達がそう言うと、
萌美は、「うん…ありがとう!」と答えた。


「------」
萌美は、一人、静かに微笑んだー

美月ー
蘭ー
奈江ー
潤子ー

”ひとり”が好きな萌美にとっては
”邪魔”だったー。

仲良くしてくれるのは嬉しいー
けど、”邪魔”だったー

いつも一人でいる萌美に声をかけてきてくれた美月たちー
4人とも、とても仲良くしてくれた。
いじめられているわけではなく、友達としてー

けれどー
萌美にそんな存在は必要なかった。
ひとりが、大好きなのだからー

密かに、オカルト話が大好きな萌美は
”廃虚の神社のお話”を知りー、
それを利用したー。

過去に、3回、
あの神社では失踪事件が起きているー

毎回、”ひとり”を除いてー。

萌美は、徹底的にその話を調べたー

その結果

廃虚の神社を夜に訪れて、
かくれんぼをしたグループが失踪していることに気付いた。
そして、失踪していないのは、毎回”鬼”であると。

理由までは分からなかった
けれどー、萌美にとって、それで十分だった。

廃虚の神社でかくれんぼをすることになれば
美月たちはきっと、面白がって自分を鬼にするー

そして、狙い通り、萌美は鬼になった。

毎回”鬼”は失踪していないー
きっと、何かあるー。

最終的には、萌美の狙い通りー
美月たち4人はー
あの謎の白い少女によってーーー


「ふふふふふ…
 わたし、ひとりが大好きなんだもん」

萌美はクスクスと呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれから10年ー

何も知らない少女たちが、
夜の廃虚で盛り上がっている。

”そうだ、かくれんぼしようよ!”

そのうちの一人が言うー。


ザッ…

「--かくれんぼ~?」

深夜の廃虚に隠れていた、
幽霊のように、髪が伸びきった女が反応したー

この10年ー
ほとんどここに人は来ていない。

そしてー
ここでかくれんぼをする人間はー
10年ぶりだー

「--ひひひひひひひひひひひ」
女が笑うー

女は、10年前に憑依された美月だー

髪は伸びきって、
既に身体は死んでいるのか、
瞳孔が開ききっているー
怨霊に憑依されているからか、
身体はボロボロではあるものの、腐敗していないー。


”じゃあ隠れるよ~!”

何も知らない少女たちが隠れだす。

それを見た
ほとんど全裸状態の美月が、
ゆっくりと歩きだした。

「ひさしぶりのかくれんぼ~
 くふふ…き、、ひひひひひ、きゃはははははは~」

美月は嬉しそうにスキップしながら
隠れた少女たちを探し始めるのだったー


おわり

・・・・・・・・・・・・

コメント

夏に合わせたホラーな感じ?のお話でした~☆!

かくれんぼ…
私も小さい頃はしたことがありますよ~笑
懐かしいデス!

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プロフィール

無名

Author:無名
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