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<憑依>ホテルノシハイニン ③悲劇の結婚式 (完)

今日もホテルでは、
”愛”が引き裂かれようとしていた。

ホテル内の式場で行われる結婚式。

悲劇はーー
起こるべくして起きた…。

残酷かつ冷酷な名倉にーー
ついに裁きの時がー?

※かなりダークです。閲覧注意。
 
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支配人の名倉は激怒した。

「結婚式の予約を入れた?」
赤渕メガネに、蝶ネクタイがトレードマークの
普段は穏やかな笑みを浮かべている名倉が怒りをあらわにしている。

このホテルには結婚式場がある。
先代から譲り受けたホテルだから仕方が無い。

だが、名倉は自分が支配人になってからは結婚式の予約は
入れないようにしていたのだ。


しかしーー
入って1か月の新人の女性スタッフ、
恩田 加奈子(おんだ かなこ)が間違えて予約を入れてしまったのだ。

有名大学卒の割には実に愚かだ。
名倉はそう思った。


そしてーー
”万死に値する”---と。


「まぁ、、、仕方ない。
 次から気を付けるんだよ」

名倉は優しく微笑んだ


「本当にすみませんでした…」

少し背が高くて、足がスラリとした綺麗な印象の彼女は
新しい看板娘になると思ったのだが…。

名倉は思う。

「----”処分”だなーーー」 と。


その夜。

帰路についた加奈子は突然激しい悪寒に襲われたー。


「えっ…な、、、なに…
 さむい…」

加奈子はパニックを起こして、周囲を見渡したーー

だがーーー。
それが彼女の最後の光景になった。。


「うふふふふふ…
 加奈子、処分されちゃう♪」

持っていたカバンを乱暴に近くの排水溝に投げ捨てると、
近くにあったビルのエレベーターに乗った。


そして最上階につくと、加奈子は風でなびく髪と
ロングスカートを抑えながら、ビルの屋上の端っこに立った。


「加奈子の人生、終了でございま~す♡」

大声で叫ぶと、加奈子は躊躇することなく、
ビルから飛び降りたーー。


笑い声をあげながらーーー

そして、その途中でーーー
笑い声は悲鳴に変わった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

「加奈子君が自殺するなんて…」
名倉は涙をぬぐった。

彼自身が憑依して飛び降りたというのに、
何食わぬ顔でーー。

他のスタッフも悲しそうにしている。


「--支配人、そろそろ結婚式が…」

名倉はその言葉を聞いて、
自分の心が怒りに支配されるのを感じた。

「ウウウウウウウウウウ!」
静かな声でうなり声をあげると、名倉はいつものように
”支配人室”へと入っていった。

名倉は昨夜”処分”した恩田加奈子のことを思い出す。


”これが初めてではないー”


彼は、
今までに”何人”も処分している


既に10近くは…

名倉は微笑む

「この憑依の能力は神が私に授けた
 贈り物だ。

 人の幸せを
 コントロールする力を神は私に授けた。

 いやーーー
 この私こそがーーー”神”なのかも知れない」


名倉はそう呟きながら布団に飛び込むと
そのまま意識を失った。


”新婚夫婦の幸せを終わらせるためにー”


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ホテルの上層階の結婚式場では
新婚夫婦が、嬉しそうに、前に立っていた。

整った顔立ちの新郎。

そして、可愛らしい顔立ちの新婦。


二人は、幸せの絶頂に居た。


ー新郎、
中丸 順二(なかまる じゅんじ)は、
エリートサラリーマン。

そして新婦の
湯河原 美希(ゆがわら みき)は、
大学時代からの彼女で、今年25だった。

会場には新郎新婦双方の家族も出席していた


進行役が言う。


「----永遠の愛を誓いますか?」

と。。


その言葉の最中、新婦が突然体を震わせた。

何かを我慢している様子だ。


新郎の順二は心配になり、様子をうかがったが、
すぐに彼女の美希は笑みを取り戻した。


だがーーー
この時、既に名倉に彼女は憑依されていた。。


結婚式の最高の場面でーーー
”悪寒がする”なんて言えなかったーーー。

美希はーーー
ずっと、この瞬間を楽しみにしていたーー。

ずっと、、、ずっと…



「誓います」

新郎が永遠の愛を誓う言葉を口にした。

だがーーー
新婦は突然言った

「誓いませ~~~~ん♡」


突然の言葉に会場はざわついた。。

「---み、、美希?」

新郎もうろたえた様子で美希の方を見た。


会場に用意されていたウェディングケーキを突然美希は
手でわしづかみにして、汚らしく食べ始めた

「あ~~~~せいせいする!
 結婚式を台無しにするのって!」

そう言うと、彼女はケーキを台から押し倒し、
そのまま足で踏みにじった。


「---な、、、何してんだお前!」
新郎側の父親が怒鳴った

「---------」
新婦の父親ーー初老の男は、
鋭い目つきでその様子を見ていたーーー


そして、呟くーー
「-----これはーーーー」


初老の男の視線は鋭く、
自分の娘に注がれていたーーー。


「ねぇ~順二!
 私たちもう十分幸せだったよね?」

新婦の美希が言う。
自分の胸をもてあそぶように触っている。

時々、喘ぎ声をあげながらーーーー


騒然とする会場。


「---どういう意味だ?」
新郎は冷静に答えた。

美希は笑う

「ーーーこの世の人間はーー
 一生のうち味わっていい”幸せ”の量が決まってるの!」

美希はそう口にしたーーー

いやーー口にさせられたーー。

美希はーー
名倉の思想を満面の笑みで話した。


”幸せ”を味わっていい量は決まっているーーー


「だからもう、私たち、人生終わらせなくちゃね!」

そう言うと、美希は新郎にケーキを投げつけた。


そして、新郎の父親の方に歩いて行った。


「息子の結婚式を台無しにした私が憎いですかぁ~?」

挑発的な声で言う。

新郎の父は拳を握りしめている。


「うふふふ…
 憎いですよね?

 うふふふふふぅぅぅ…
 
 私、ず~~~っと、この瞬間のために順二君に
 近づいていたんです~」

美希が言う。

心にもないことを
名倉の意思でーーー。


そして美希は、父親につばを吐きかけた。


「あははははっ!
 結婚式台無し~!」

新郎の父親は怒鳴り声をあげた

「貴様!ふざけるな!」


そして新婦の家族の方を見た。

睨むようにしてーーー



「---美希」
新婦の父親ー
初老の男が娘の名前を呼んだ


「何よ?」
娘の美希が愛想なく答える。


「----お前はーーー」
ーーーそこまで言いかけると
美希が大声で笑い声をあげて
ウェディングドレスの上から自分の体をもてあそび始めた

「あっ、、、はっ、、、はぁぁぁ…
 すごぉい!美希の体もなかなか凄いよぉ!」

ウェディングドレスを破りながら喘ぐ美希。


もう、そこには優しい美希の面影は無かったーーー

唖然とする新郎。


その新郎に美希は近づいていき、
自分の愛液を手につけて、彼氏の顔に塗りつけてやった


「な、、何してんだよお前!」
新郎が叫ぶ。


「何って~?
 私たちの人生、終わらせるのよ~」

美希は乱れきったその体でスマホを手に持ち、
自分の姿を撮影した。

「うふふふふ…
 乱れきった新婦♡」

そう言って、美希は自分の”恥”をネットに投稿した。


「はぁ~い!まずは美希の人生、終了~!」


「ふざけるな!もうたくさんだ!」
新郎側の父親がどなり声をあげた。


そして、新郎に帰るぞ!と怒鳴り声を上げた。


うろたえる新郎に美希は今一度近づいた。

そして予め名倉が会場に置いて置いた
”カプセル”を取り出した


「ね~順二!
 アンタも人生終わらせなきゃ!

 一緒に、おわろっ♡」

そう言うと、美希は順二の口にカプセルを無理やり押し込んだ。


ーーーカプセルの中身は”毒薬”
死なない程度ギリギリに調整したものだーーー。


突然、順二がもがき始めた。

「うぅぅぅぅ、、がっあああああああ!」

そして、その場に倒れる。


「あはははははははははは!
 おもしろ~~~~い!」


彼が次に目を覚ました時には、、全身マヒの症状が
出ているだろうーー。


そして美希は狂ったように笑いながら
突然、糸が切れたかのように倒れた。


二人に駆け寄る家族たちーーーー。


そこにーーー
”名倉”が現れた。


「どうか、されましたかーーー」

名倉は優しい笑みを浮かべて言った。


「---し、、支配人さん 息子が!」
新郎の父親がもがき苦しむ息子を見て
悲鳴を上げる。


「おやおや、、これは大変ですね。
 今すぐ救急車をおよびしましょう」


名倉は何食わぬ顔でスタッフに指示をして、
救急車を呼んだ。


新郎の家族が、救急隊員と共に、会場の外へと出て行った。

続けて、名倉の通報を受けて駆け付けた警察が
新婦の美希を連行する。

だらしなく、大口を開けて、意識を失っている。


連行される最中、美希は意識を取り戻した

「えーーー
 え、、、わたし??
 な、、、何これ・・・」

自分の体の異変に気づき、悲鳴を上げる。

だがーー
第3者から見れば彼女は新郎を襲った容疑者だ。


彼女は、そのまま連行された。


ーーーー先ほどまで、パニックに陥っていた
会場が静寂に包まれた。


名倉が邪悪な笑みを浮かべながら窓の外を見たー

そして小さくつぶやいた

「中丸順二…。
 湯河原美希ーー。
 お二人の人生、終了でございますーー」と。

夕日に照らされた名倉の表情はーー
歪んでいたーー。

”幸せを壊してやった”という達成感でーーー。


「---末永く”お苦しみ”くださいませーーー」



窓から目を離した名倉は、
初老の男が座ったままなことに気付いた


「---大丈夫ですか?」

名倉は”紳士の仮面”をかぶり、初老の男に尋ねた。

男は名倉を見て、
しばらく沈黙した後に言った

「あぁ、、、大丈夫ですよ。」

それだけ言うと、名倉から男は目を逸らした。


名倉は一礼すると、下のフロアに向かうため、
エレベーターへと乗り込んだ。


「(ショックで声もでないか…しばらく放っておくか)」

名倉はそう、考え、初老の男をあざ笑った。


「------人間に許された
 ”幸福”の量は決まっている。

 彼女らはそれを早く使い果たしてしまっただけだー」


そう言うと、名倉は口元をゆがめたーーー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結婚式場”だった”場所。

初老の男は
握りこぶしを作り、手を振るわせた。

「美希ーーーー」

父親である彼が美希を助けなかったのは
”美希に何が起きたか”誰よりも理解していたからだーーーー。


”美希は憑依されたーーー”


そして、タイミングから、
憑依したのが支配人の名倉と言う男であることも感づいていた。


彼はーーーー
”憑依”に関係するある仕事をしている。

ある秘密機関とかかわりのある仕事だーーー。


彼は電話を手に、”ある人物”へ連絡を入れた…。


「ーーー私の娘の幸せが壊された」

震える声で男は言う。


「---名倉俊之ーーー。
 私はあの男を許さないーー」

怒りに満ちた声で初老の男は言った。


そしてーーーー
続けて、声を振り絞るようにして言った…。

 「”憑依暗殺部隊”にホテルの支配人、
 ”名倉の暗殺をお願いしたいーーー”

 あの悪魔は、、地獄に送らなくてはならんーーー頼む」


ーーーーと。


おわり


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コメント

「ホテルノシハイニン」終了です!

名倉さんがダークすぎて、書いているこちらも
気分がダウンするぐらいでしたが、
彼には最後までダークを貫き通してもらいました。


最後のシーン…
”憑依暗殺部隊”とはこのサイトの別小説
憑依暗殺部隊に登場した
暗殺対象に近しい女性に憑依して暗殺を行う部隊のことです。

名倉さんは”やりすぎてしまった”ようです。
裏の世界に目をつけられた名倉さんはどうなってしまうのでしょうか?


ご覧いただきありがとうございました^^


コメント

No title

他人に憑依できる人物の暗殺って中々難しそうな。でも面白そうな対決になりそう

No title

女っ気が無い名倉をどうやって暗殺部隊が殺すのか……

Re: No title

> 他人に憑依できる人物の暗殺って中々難しそうな。でも面白そうな対決になりそう

憑依できる人を片付けるのは確かに大変そうです(笑)
書くのはちょっと先です^^

Re: No title

> 女っ気が無い名倉をどうやって暗殺部隊が殺すのか……

名倉をきちんと片付けられるかどうか…(笑)

No title

殺されて死者になっても他人に憑依出来るなら名倉のクズ街道はずっと続いてしまいそうだしどういう展開になるのか楽しみです
憑依暗殺部隊も大概クズだしクズ憑依能力者同士の熱い戦いになりそうだな!

No title

彼は電話を手に、電話をかけた

この言い回し日本語として少し変な感じがして気になりました
重箱の隅をつつくような事ですみません

Re: No title

> 殺されて死者になっても他人に憑依出来るなら名倉のクズ街道はずっと続いてしまいそうだしどういう展開になるのか楽しみです
> 憑依暗殺部隊も大概クズだしクズ憑依能力者同士の熱い戦いになりそうだな!

ありがとうございます^^
外道同士の戦いですね(笑)
果たしてどうなってしまうのか…汗

Re: No title

> 彼は電話を手に、電話をかけた
>
> この言い回し日本語として少し変な感じがして気になりました
> 重箱の隅をつつくような事ですみません

いえいえ、ありがとうございます^^
こっそりと変えておきました!
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無名

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