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<憑依>極妹①~妹が極妻に?~

とある平和な家庭。

仲良しの兄と妹。

しかし、ある日ー
とんでもないことが起きるのだったー
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裏社会ー。

そこで、一つの抗争が行われていた。

裏組織と裏組織の激突ー。
表にならないだけで、
こういったことは
この街では日常的に行われていた。

月憑会と呼ばれる組織の
会長が、命を狙われているー

月憑会の幹部と、会長の妻を連れて
会長は用意していた脱出用の車で
脱出を試みていたー。

彼らは、はめられた。
とある取引を行っている際に、
対立している組織の襲撃を受けたのだった。

「くそっ!」
月憑会の会長である、龍山(たつやま)は、
舌打ちする。

次々と構成員たちが倒れて行くなか、
なんとか脱出用の車の前に辿り着いた龍山。
幹部と、妻も一緒だ。

妻の恵(めぐみ)は、
まだ30代。
極道の妻らしい装いで、
美人ながら気が強く、
構成員からは姉さんと呼ばれていた。

しかしー

「--ここまでです。会長」
一緒に逃げていた幹部が、会長の龍山に向かって銃を構えた。

「---な、、お、、お前…!」
会長の龍山は驚いて顔を上げる。

信頼していた幹部がー、裏切ったのだ。

この幹部は、敵対組織に買収されていた。

「---あ、あんた…!裏切るのかい?」
妻の恵が言う。

幹部は頭を下げた。

「すみません姉さん。
 ですが、これは俺なりの選んだ道なんです」

そう言うと、龍山会長の方に銃を向けて
躊躇することなく、銃を放ったー

銃声が、夜の道に響き渡るー

「---」
龍山会長は目をつぶっていたー

しかしー

「---あ…」
龍山会長の前に、妻の恵が
立っていたー

恵が、会長をかばって、撃たれたのだ。

「恵!」
龍山会長が叫ぶ。

「--!!」
撃った幹部も動揺しているー

「---ぬおおおおおおお!」
激怒した龍山会長は、動揺する幹部を殴りつけて
銃を奪いー
そのまま銃弾を幹部に撃ち込んだ。

「恵!恵!」
龍山会長は倒れた妻を必死に呼びかけたー


すぐに、本部に戻った龍山会長は
本部の妻を治療させたー。
しかし、妻は、寝たきりの状態になってしまった。

「くそっ…恵…」

それから1か月ー
龍山会長の妻・恵は寝たきりの状態が続いていた。

もう、目を覚まさないかもしれないと言われた。

絶望する龍山会長。

しかし、彼はあるものを手に入れたー

”憑依薬”

これを、寝たきりの妻に飲ませたら
どうなるだろうかー。

「---恵…」
龍山会長は、寝たきりの恵の口に
手に入れた憑依薬を流し込んだー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

裏社会の抗争などと全く無縁の人生を送っている
高校3年生の千賀 伊佐夫(せんが いさお)は、
今日も普通に下校した。

「ただいま~」

伊佐夫が2階に上がると、
高校1年生で妹の莉桜(りお)が、先に帰宅していた。

「あ、お帰りお兄ちゃん!」

ツインテールがよく似合う莉桜が微笑む。
高校から帰宅したばかりなのかまだ制服姿だ。

難しい年頃ではあるものの、
莉桜と伊佐夫は昔から仲良しで、
高校生になった今も仲良しだった。

とても真面目で心優しい性格の莉桜。

「---あ、そうだ、お兄ちゃん」
莉桜が思い出したかのように言う。

「ん?どうした?」
部屋に入ろうとしていた伊佐夫が立ち止まって莉桜の方を見る。

「--あのさ、わたしね…」

そこまで言いかけた莉桜が、突然言葉を止めるー

「うっ…」
笑顔だった表情が突然苦しそうな表情に変わる。

「莉桜?」
伊佐夫は、莉桜の様子を伺いながら
声をかけた。

「--あ……あ、、、あ…」
莉桜が苦しそうに胸のあたりを
抑えながら、その場に蹲る。

「お、おい!莉桜?大丈夫か!?」
伊佐夫は驚いて妹の莉桜に駆け寄る。

どこか、調子でも悪いのだろうか。

「莉桜!?おい!莉桜!」

伊佐夫の呼びかけに、莉桜は応じない。
苦しそうに「はぁ、はぁ」と荒い息を
している。

「や、やばくね…これ…?」
伊佐夫は莉桜が何か病気なのではないかと
考えて、鞄の中に入れていたスマホを取り出す。

そして、慌てて救急車を呼ぼうとしたー

しかしー

「……ふ~………」
苦しそうにしていた莉桜が落ち着いた。

さっきまで苦しんでいたのが、嘘かのようにー。

「---り、莉桜…?」
救急車を呼ぼうとしていた手を止めて
不安そうに莉桜の方を見る伊佐夫。

莉桜は、キョロキョロと周囲を見渡している。

「--……な……だ、、大丈夫か?」
伊佐夫が言うと、
莉桜は答えた。

「---…ここは、、どこだい?」

とー。

普段の莉桜とは違う口調。

伊佐夫は「へ…?」と困り果てた表情で
莉桜の方を見つめるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

月憑会本部ー

「くそっ…」
会長の龍山は、妻の恵の方を見ていた。

恵は相変わらず意識を取り戻していない。

憑依薬を飲ませたのだが、
目立つ変化はなかった。

「--恵…」
龍山会長は、その場にしゃがみ込んだ。

意識不明の状態でも憑依薬を飲ませれば
恵は憑依薬の説明書にもある通り、霊体になって
誰かに憑依して、意識を取り戻してくれると思っていた。

だがー
憑依薬を飲ませても、恵に変化はなかった。
変わらず、寝たきりの状態のままだ。

「--くそっ…くそっ…くそっ!」
龍山会長は、頭をかきむしりながら
くそっ!と呟き続けたー…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--座りな」

莉桜は自分の部屋に兄を招き入れると、
足を組んで自分の部屋のベットに座り込んだ。

表情に笑顔はない。

「あ、、あの…?莉桜?大丈夫か?」
伊佐夫が心配そうに聞くと、
莉桜は言った。

「--あたしは莉桜じゃない」

莉桜の言葉に伊佐夫は「は?」と思わず返事をしてしまう。

「--な、何言ってんだ莉桜?
 急に苦しみ始めたと思ったら今度は…」

伊佐夫がそう言いかけると、
莉桜はイライラした様子で言った。

「うるさいね。
 あたしは莉桜じゃない。
 何度も言わせるんじゃないよ」

莉桜の鋭い目つきと口調に、
伊佐夫は萎縮してしまう。

「--そ、そんなこと言われても…
 じ、じゃあ、だ、、誰だっていうんだよ?」
伊佐夫が言うと、
莉桜は言った。

「あたし?あたしは恵。
 見りゃわかるだろ?

 で、ここはどこなんだい?」

莉桜が言う。
莉桜に憑依している恵は、
”人違いされている”と思っているー。
自分が莉桜の身体になっていることに気付いていない。

「--め、恵…?
 それに、どこって…?」

伊佐夫は困り果てた様子で
「ここは俺たちの家だろ。
 自分の家も忘れたのか?」と答えたー。

「はっ…
 笑わせるんじゃないよ」

莉桜はうんざりした様子で言った。

そして立ち上がると、
伊佐夫の方に近づいてきて
伊佐夫を睨みつけた。

”妹に睨まれている”
伊佐夫はなんとなくご褒美な気がして
一瞬変な笑みを浮かべてしまったが
すぐに真剣な表情に戻すと、
莉桜の言葉を待った。

「あたしを誘拐して、ただで済むと思わないことね。
 あたしは月憑会会長の妻よ」

莉桜が言う。

「--は???はぁ?」
突拍子もない話に伊佐夫は笑いそうになった。

「--クソガキに誘拐されるなんて
 あたしも落ちたもんだわ。

 でもね、あたしも闇に生きる女よ。
 好きにされると思うな!」

そう言うと、莉桜は突然、伊佐夫の腕を掴んで
伊佐夫を投げ飛ばした。

あっという間の出来事に驚く伊佐夫。

気付けば伊佐夫は、
莉桜にのしかかられていた。

「--どこの組織に頼まれたの?
 吐きなさい」

莉桜が、伊佐夫を押さえつけながら言う。

伊佐夫は「わ、訳が分からないよ!」と叫んだー

そしてー
莉桜が、ふと部屋にあった姿見を見て
悲鳴を上げた。

鏡に映った姿を見てー
莉桜に憑依している恵は、
ようやく自分が他人の身体になっていることに
気付いたのだった…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

5分後ー

「---え、、えっと…
 事情聞かせてもらえるかな?」

伊佐夫が言う。

莉桜は恥ずかしそうな表情を浮かべながら呟いた。

「気付いたら…あんたの妹の身体になってた…」

莉桜の言葉を聞いて伊佐夫は
苦笑いする。

「そんなことあるわけないだろ…?
 だ、大体、君は、ここに来るまで
 何をしてたんだよ?」

伊佐夫が言うと
莉桜は伊佐夫を睨んだ。

「あんたみたいなガキに、
 君と呼ばれる筋合いはないわ」

莉桜の可愛い顔で睨まれても、
その迫力が伝わってくるー

これが本職の妻かー、
などと伊佐夫は思いながら言う。

「わ、、分かった分かった
 君とは呼ばないから…!」

伊佐夫はそう言うと、
先を促した。

莉桜が思い出しながら言うー

「あたしはね…
 夫と逃げていたの…
 対立組織の襲撃を受けてね…

 けど、途中で部下が裏切った。

 そしてー
 撃たれそうな夫をあたしは守った」

莉桜が言うー。
いつもの莉桜の声だが
トーンが違うために
別人に聞こえる。

「---…そのあとは?」
伊佐夫が言うと、
莉桜は首を振った。

「気付いたら、ここに」

莉桜はそこまで言うと
口を閉ざしてしまった。

伊佐夫は思う。
”そんなことあるわけが…”と。

莉桜がドッキリを仕掛けているのかもしれないー

伊佐夫はそんな風にも思いながら続ける。

「じゃあ、撃たれたあと
 目を覚ましたら莉桜の身体にいたってことか?」

伊佐夫が言うと、
莉桜は頷いた。

莉桜に憑依している恵は、自分の状況を知らない。
寝たきりになってしまった自分に
夫が憑依薬を飲ませて、
浮遊霊のような状態になり、無意識のうちに
偶然、莉桜に憑依したことをー。

憑依薬を飲まされたことすら知らない恵にとって
今の状況は謎だった。

「--莉桜を返してもらうことはできるのか?」
伊佐夫が言うと、
莉桜は首を振った。

「悪いけど…
 それは無理ね」

莉桜は鼻で笑った。

「どうして!?」
伊佐夫が言うと、
莉桜は言う。

「--抜け出し方が分からないからよ」

とー。

しばらくの沈黙ー

しばらくして、莉桜は立ち上がった。

「--まぁ、いいわ、これから本部に行って
 夫と会ってくる」

その言葉に、伊佐夫は敏感に反応したー。

莉桜の身体で極道組織の
本部に行くー?

「--だ、ダメだダメだダメだ!」
伊佐夫は必死に叫んだ。

「--そ、その身体は莉桜の身体だぞ!」
伊佐夫の言葉に、莉桜は
うんざりした様子で言い返した。

「今は、あたしの身体よ」
莉桜の言葉に、
伊佐夫は「ふざけるな!」と叫び返す。

「どきなさいー」

「いやだー」

伊佐夫が部屋の出口に立ちはだかる。

もしも、莉桜が乱暴でもされたらどうする?
いや、この莉桜に憑依している極道の妻が
莉桜の身体を持ち逃げする可能性だってある。
それに、高校生が裏組織の本部に
出入りするなんて、絶対にまずい。

「--どきな!」
莉桜が脅すような口調で叫ぶ。

「だめだ!」
伊佐夫が必死に叫ぶ。

「どけ!」
莉桜が大声で怒鳴り声をあげて
乱暴に伊佐夫をどかそうとし始めた。

「だめだぁぁぁぁ!」
伊佐夫も必死に莉桜に掴みかかる。

まるで兄と妹の喧嘩のように
激しい争いを繰り広げる2人ー

しかしー
身体は莉桜のものー。

やがて、兄である伊佐夫が莉桜を抑え込んだ。

「---…はぁ…はぁ…
 くそっ、体力のない小娘ね」
莉桜が悔しそうに呟く。

「大人しくするんだ!」
伊佐夫が叫ぶ。

このあとどうすればいいかは分からない。

けれどー

「きゃああああああああああああああ!」
莉桜が急に大声で叫んだ。

「---!?」
伊佐夫が驚いていると、
悲鳴を聞きつけた母親が
2階に駆け付けた。

「どうしたの!?」

母は慌てている。

莉桜が、わざとらしい声で言う

「お、、お兄ちゃんがわたしを、、わたしをいじめるの!」
莉桜はそう言いながら伊佐夫の方を見てニヤリと
笑みを浮かべる。

「ち、、ちが!」
伊佐夫は反論しようとした。

しかしー
母は莉桜の言葉を信じた。

「こら!伊佐夫!」

伊佐夫は慌てて
事情を説明しようとした。

しかしー

「お母さん、ちょっと出かけてくるね♪」
莉桜はニヤニヤしながら
そのまま部屋の外に飛び出したー

「あ、おい!待て!」
伊佐夫は叫ぶ。

けれどー
「待つのは伊佐夫よ」

母は、許してはくれなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

30分後ー

みっちり叱られた伊佐夫は、
ネットで
月憑会の場所を調べていた。

”ここから30分ぐらいか”
伊佐夫の手は震えていたー。

裏社会との関わりなんて
伊佐夫にはないー。

だがー
妹の莉桜を見捨てることはできないー

「--莉桜…今、行くからな」

極道の妻に憑依された莉桜を助け出すため、
伊佐夫は意を決して
月憑組の本部に向かうのだったー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

前からネタだけは考えていたお話だったのですが、
今回、せっかくなので書くことにしました~!

続きは明日デスー!

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無名

Author:無名
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