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<憑依>憑依の仙人・前編~修行~

憑依したい!したい!

そんな思いを日々抱えていた男の前に
”謎の山”が現れるー

そこには、”憑依仙人”と名乗る謎の人物がいて…?

※リクエスト作品デス!
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憑依したいー
憑依したいー

憑依してぇ…!

俺は、毎日毎日そう思っていたー

彼女なんていらないー。
いや、彼女などでは俺の欲求は満たされないー

俺は”支配”したいんだー
憑依という力で、他人を乗っ取りたいんだー。

性欲ー
いや、違う。
俺にあるのは、支配欲だ。

それも、暴力や恐怖で支配するのとは違うー

身体そのものを支配するー

つまり、憑依ー。
俺には、そんな欲があったー


ある日ー、
”憑依したい”と願い続けている俺の前に
不思議な渦巻きのようなものが現れた。

”汝、憑依の力を欲するものよ…”
という声が聞こえてきたので、
俺は説明を最後まで聞かず、そのゲートに
飛び込んだのだったー。

するとー
まるでファンタジーモノのお話に
出てきそうな山のような場所に出たー。

いかにも、仙人がいそうな場所だ。

そしてー
仙人は、いたー。

「--わしの説明を最後まで聞かずに
 得体のしれない渦に飛び込むとは…
 さてはおぬし…」

仙人のような男が言う。

そうだー
俺は、欲していた。
誰よりもー

憑依の力をー

己の欲求を、満たす、それだけのためにー

「変態じゃな?」

仙人はそう言った。

「あ?」
俺はあっけにとられた。

違う、俺は変態じゃない。
憑依能力を渇望するものだー。

「--ち、違う!俺は憑依の力が欲しくて…!」

そう言うと、じいさん、
いや、仙人は笑った。

「ほっほっほ…そんなこと言わずともわかっておる…
 ここは、憑依を心から欲するものにしか
 現れない伝説の山じゃ。
 おぬしらがいた世界とは別の世界に
 存在しておる」

「--な、なんだと?」

俺は混乱する。

このじいさんはいったい何を言っているのか?
そもそもここはどこだ。

ーー
俺は少し考えて、ようやく納得のいく答えを出した。

「あぁ…夢か」
俺はため息をついた。

今までに何百回も、他人に憑依する夢を
見たことがあるー

その都度、目が覚めた瞬間に
ひどくがっかりする。

今日も、いつものパターンだ。

「--はぁ…いっつもこれだよ」
俺はため息をついて
じいさんに背を向けて呟いた。

「夢、夢、夢…」

俺がそう呟くと、
背後にいたじいさんが呟いた。

「こら、これは夢ではないぞ」
とー。

俺は振り返る。

「ははは、じいさん、冗談はよせよ。
 俺には分かってるんだぜ。
 これは夢だって。

 今までも憑依する夢は何度も何度も
 見てきたから、俺にはわか…」

バキッ!

じいさんが持っていた杖のようなもので
俺を叩いた。

「いってぇ~!何するんだ!じじい!」
俺は叫びながらー
ハッとしたー

「い、、痛い…?」
これが夢であれば痛みがあるはずがない。

なのに、その痛みは”リアル”な
痛みだったー

「どうじゃ?これでもまだ、夢というのか?」
じいさんが言う。

「は、、はははは…
 ははははははは…!」

俺はその場に膝をついた。

「じいさん!俺に憑依の力を!」

「--調子のよいやつじゃ」
じいさんは笑う。

そしてー俺にこう言い放った。

「憑依の力を手にするための道のりは
 深く、険しい…
 それを手にする覚悟はあるのか?」
とー。

そんなこと、返事をするまでもないじゃないか。

俺は、そう思ったー

ここに来れたということは
つまり、そういうことなのだろう?

「---言うまでもないだろ?」
俺はそう言うと、
仙人は「ほほ…良い返事じゃ」と答えたー

そしてー
憑依の仙人は言ったー

「もしもー
 合格できなかった場合は、
 ここでの記憶はすべて消させてもらう。
 良いな?」

ゴクリー
俺は唾を飲み込んだ。

その仙人の言葉には
”今まで大勢の人間が不合格になった”という
意味合いが含まれていたー

誰もが合格できるのであれば
そんなこと言う必要はないー

記憶を消去するのはー
おそらくは、よけいなことを
騒がれないようにするためだろうー

もしも、もしも俺がここで
不合格になれば
憑依能力を手にするための
千載一遇のチャンスを逃し、
もとの日常に戻り、
また、”憑依したい”
”憑依したい”とわめくだけの日々を
送ることになるのだろう。

そんなのはごめんだー。

俺は、憑依の力が欲しいー
何としても、絶対にー
憑依の力が欲しい。

「--1000年」
じいさんはそう呟いた。

「ん?」
俺が返事をすると
じいさんは言った。

「最後に合格者が出たのは
 1000年前じゃ」
爺さんの言葉に、
俺は気圧された。

”1000年”-
それまでにいったいどれほどの人間が
憑依能力の習得に挑戦しー
そして、散っていたのだろうか。
俺にはわからない。

だがー、
挑まないわけにはいかないー

「じゃあ…」
俺は呟いた。

「俺が1000年ぶりの合格者ってわけだな」

俺はー
気圧されなかったー
憑依能力のためなら、俺はなんだってするぜー

とー。

そうして、俺の憑依修行ははじまったー

仙人によれば、
憑依とは心の勝負ー。
己の心の乱れを絶ち、
肉体と心の境界線を解放することにより、
霊体化して憑依することが
できるようになるのだとかー。

憑依の仙人は、山の頂上で、
座禅のような姿勢で、
そのまま10時間でも20時間でも
”無”の境地に達して見せた。

「……思ったより時間がかかるものだな」
俺は呟くー

俺には、仕事もあるー
さすがにずっとここにいるわけにはいかない。

「--あの、じいさん」
俺は呟く。

とりあえず仕事に行って、
仕事が終わったら戻ってくるー
という修行の方法は可能かどうかー。

それを聞くために。

だがー
仙人は答えた。

「その必要はない」
とー。

「ここに来てから小便はしたか?」
仙人が言う。

「は?」
俺はいきなりわけのわからない質問を
させたことで、首をかしげる。

「--いや、行ってないな
 飲み物を飲んでないから
 トイレも遠いってことだろ」

俺が言うと、
仙人は首を振ったー。

”ここに来てから、すでに40時間が経過しておる”

とー。

40時間!?

修行に夢中で気づかなかった。

そういえばー
40時間も一度もトイレに行きたくならない、
というのはおかしいー
眠くもならないし、おなかもすかないー

「言ったはずじゃ。ここはおぬしらの世界とは
 別の世界ー
 時間なら心配は無用じゃ。
 ここから出た時には、おぬしがここに来た時と
 同じ時間に戻るー…
 仕事のことは心配する必要はないぞ」

仙人の言葉ー

俺は思わず笑みをこぼしたー

時間の心配はいらないー
最高だー。
憑依能力を得るための修行を
何の不安もなく続けることができるー

だがー
俺は一応聞いた。

「浦島太郎みたくなることはないよな?」

とー

「安心せい。
 仮に10年分ここにいたとしても
 おぬしが戻るのは、ここに来た瞬間の時間じゃー。
 おじいさんになることはない」

その言葉に、俺は安心して笑みを浮かべた。

だがー
じいさんは笑う。

「もっとも、わしが”見こみなし”と判断したら
 その時点でおぬしをここから元の世界に
 戻すがな。

 この前言った通り、ここでの出来事の記憶は
 消して…な」

仙人の言葉に、俺は迷わず答えた。

「いっただろ?俺が1000年ぶりの
 憑依能力習得者になるって」

その言葉に、仙人はにやりと笑みを浮かべた。

その表情は嬉しそうだった。

その日からー
俺の憑依能力習得のための修行が始まったー

憑依とは心の勝負ー。
己の心の乱れを絶ち、
肉体と心の境界線を解放することにより、
霊体化して憑依することが
できるようになるのだとかー。

と、
仙人は言う。

憑依という現象そのものに感謝の気持ちを込めて、
祈り、そして拳を突き出すー。

それをひたすら繰り返す修行。

これを繰り返すことにより、
心の乱れが無くなっていき、
そしてー
体と魂が、いつしか、完全にシンクロする。

その瞬間に
”憑依したい”と強く願うことで、
身体で魂が分離、霊体になることができ、
憑依能力を得ることができるのだー

俺はー、
正直、憑依能力を舐めていたー

さすがに、1000年間、誰も
合格者が出なかっただけのことはある。

本当に、厳しい修行だ。

仙人の、俺を見る目が言っている

”おぬしも、口だけか?”

とー。

俺のように威勢のいいやつは
今までにもたくさんいたのだろうー

だが、悉く、そいつらは
合格することはできなかった。
俺も、きっと同じ運命をたどることになるのかもしれない。

だがー。
俺は、負けないー
俺は、勝つ。

せっかく手にした”憑依”のチャンスを
逃してたまるものかー。

俺は仙人を睨み返すと、
再び修行を始めたー

それからも、修行の日々ー

そして、ついにー

「---はっ!?」

俺は、身体と魂が分離するのを感じたー

「---うぉっ!?お、俺が霊体に!?」
俺は驚くー

今までに感じたことのない感覚ー

自分が幽体離脱したという喜びー

「や!!やった!じいさん!
 だから言っただろ!?俺が1000年ぶりの
 合格者になるって!」

俺がそう叫ぶと、
仙人がにっこりとほほ笑んだー

!!!!!!!!!!

俺は飛び起きた。

自分の家ー

数か月ぶりの、自分の家ー

「!?!?!?!?!?」
俺は周囲を見渡す。

まさか、夢だったのかー?

いや、夢にしては長すぎる。
数か月間ずっと修行していたはずだー。

慌ててカレンダーを見る俺。

だが、日付は、”あの山”にたどり着いた日と
同じ日付ー

いや、待て。
俺がずっと寝ていたならカレンダーは
変わってなくて当然だー。

慌ててスマホを開く俺。

だがー
スマホの日付もそのままだった。

「ふぅ…
 って、待てよ…あれ、夢だったんじゃ?」
俺はそう思った

”夢”だったらー?
憑依能力は結局、幻ー。

いや、もしかしたら不合格だったのかもしれないー

俺は不安に思うー

だが俺は、仙人の言葉を思い出した。

「もしもー
 合格できなかった場合は、
 ここでの記憶はすべて消させてもらう。
 良いな?」


あのじいさんは確かにそういっていたー

つまり、記憶があるということは
”夢”だったか
”合格”だったか、
そのどちらかだ。

俺は恐る恐る、修行と同じようにー
やるべきことをやってみたー

すると…
俺は幽体離脱をしー
夢と同じようにーーー

「いやっほおおおおおおおおおおおぅ!」
俺は大声で叫んだ

ついに、夢にまで見た憑依能力を手に入れることができた。

そしてー
俺はすぐさまターゲットに狙いを定めた。

近所に住む双子の姉妹ー

あの子たちに、憑依したい。

美人姉妹に憑依してー
二人で、身体を確かめ合いたいー

「よしーー…憑依するか」
俺は呟いた。

そしてー
美人姉妹の
恵美(えみ)・亜美(あみ)を見つめながらー
俺は、妹の亜美の方に憑依したー

姉妹の顔はそっくりだー。
だが、亜美の方が少し活発そうに見えるし、
外でもいつも、姉の恵美以上に
おしゃれだー。

「うへへへ…」
亜美に憑依した俺は笑みを浮かべるー

「--お姉ちゃん…
 ちょっとさ…」
亜美の声を出す俺。

やべぇ…これが憑依だ…

俺は、ついに夢にまで見た憑依の力を、この手に手に入れたー。

「うひひひ…」
俺は、亜美ちゃんの身体を使って
姉の恵美ちゃんの胸を触ったー

しかしー

「な、なにをするの!?」
姉の恵美が叫ぶー。

くくく…
憑依っていいよなぁ…
女同士、姉妹なら
怪しまれずに触り放題だ。

「いいじゃんいいじゃん、姉妹なんだからさぁ~」
俺は亜美ちゃんの身体でそう呟いてー
恵美ちゃんの身体をさわーーー…

バチン!

強烈なビンター

「--!?!?!?!?!?」

「バカ!急に触るなんてびっくりするじゃない!
 それに、わたし、そういう趣味ないの!」

姉の恵美ちゃんは言ったー

亜美の身体で驚く俺ー

そ、そうか…
見た目はおとなしそうな姉の恵美のほうが
実際は活発で、
活発そうな妹の亜美のほうが
実際はおとなしいのかー

姉のガードは固いー

俺は、このままでは
姉妹でエッチするのは難しいと判断したー


そしてー
”二人同時に憑依することはできないだろうか”
と、俺は新たな野望を抱き始めたー


②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる作品でした~!
1話のつもりだったのを2話にしたので、
次のお話は来週火曜日になってしまいますが
お待ちください~☆!

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Re: 自分も憑依能力が欲しい

コメントありがとうございます~!

強く願っていれば仙人に出会えるかも…?
現実の時間が経過しないなら
無様も安心して修行に時間をかけられますネ~!
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
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基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

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