fc2ブログ

<憑依>憑依暗殺部隊VSホテルノシハイニン名倉②

名倉俊之ー。
カップルの女性に憑依しては、その幸せを破壊する悪逆非道の男。
時には、憑依した女性を死に至らしめることもいとわない。

そんな彼を暗殺しに向かった
憑依暗殺部隊。
いつものように、暗殺対象の身近な女性に憑依して、
軽く暗殺するつもりだったものの…。
-----------------------------------------

「あなたたちの人生、、
 終了でございますーー」

可愛らしいメガネの少女ー、
姫香は邪悪な笑みを浮かべた


「えーーーどういうこと?」
直子(ベータ)が意味が分からない、という様子で
姫香に問いかけた。

真須美(アルファ)は
腕を組んだまま鋭い視線を姫香に投げかけた

「まさかーーー」


「---冗談よせよーー」
瑠佳(デルタ)が口を開いた。

今まで瑠佳本人の意識を外に出したまま
だんまりを決め込んでいたデルタも、
異常事態に表に出てきていた。


「---ウフフ…♡
 私ね~~~」

姫香が言う。

「--”名倉俊之”になっちゃった!
 えへへ♡」

姫香が笑ったーーー。

純粋そうな少女が浮かべたのはーーー
イヤらしい、黒き笑顔ーーー。


「---なっ」
直子(ベータ)が表情をこわばらせた。


「---私を暗殺しに来たんだね…。
 でもザンネンでした~!

 大切なお仲間は、姫香ごと、
 乗っ取られちゃいました~~~!」

名倉が姫香のマネをしながら愉快そうに笑う。


真須美(アルファ)は
考えたーーー。

ガンマはどうなってしまったのかーー。

名倉に憑依され、姫香本人の意識と共に抑え込まれているのかー。

それとも、名倉に憑依された際に、ガンマは”消滅”してしまったのかーーー。


いやーーどちらにせよーー。


「…ガンマはどうした?」
ショートカットの直子が、20代の女性とは思えないような
低い声、鋭い目つきで姫香を見た。

その手にはベータがいつも暗殺で使う刃物が握られていたー。


「--うふふふふ
 教えて欲しい??
 
 私が姫香に憑依した時に~~
 君たちの仲間は~~
 
 消えちゃった!

 あは♡」

姫香がふざけて体をくねらせながら言う。
真面目そうなイメージが台無しだ。


「---」
直子(ベータ)が殺気を放ち、姫香に刃物を突き立てようとする。

しかし…


「-----馬鹿ね」
姫香が指をはじいて音を立てると、
奥の警備員室からうつろな目の警備員が3人ほど現れた。

いずれも、自衛隊顔負けの装備をしている。


「---こいつらは」
直子がうろたえる。


姫香がニヤッと笑った。

「---この人たち?
 ”名倉親衛隊”よーー。

 私ね~憑依して、その人の思考を作りかえることもできるの!
 いざと言うときの為に、この人達に憑依して、
 ”私を守る為だけに存在する”って、脳を書き換えちゃった!

 だから~
 この3人は、命がけで私を守るよ?」

姫香が愉快そうに言う。

直子(ベータ)は唇を血がでるまでかみしめた。


ーーーこの体は自分のモノではない。
命がけで姫香の首筋に刃物を突き立てることはできる。

だがーー、
この体も警備員たちの反撃に遭い、死ぬかも知れない。

憑依している間にその体が死んだらどうなるのかーーー。
元の体に戻れるのか?
それとも直子の体と一緒に自分も死ぬのかー?

ベータには分からなかった。


そしてー姫香を殺したところで、
中にいる名倉は?ガンマはどうなるのか?

名倉が脱出して、ガンマだけが死ぬなら意味がない。


直子は歯ぎしりをして悔しそうに立ち止まった。


真須美(アルファ)は考えた。
もしも、ガンマが消えたなら、まずい。
残りの自分たちも、名倉に上から憑依されたら
”消えて”しまう…。


その様子を見て
姫香は笑う

「------人間に許された
 ”幸福”の量は決まっている。

 私はそれを”早く使い果たした”ニンゲンたちを
 不幸にしているだけ。

 ”世の中を平等”にしているの。
 分かる?

 私は正義なんだよ!
 ハハハッ!」

姫香が笑った。

そしてー
直子、真須美、瑠佳の3人を見て
勝ち誇った笑みを浮かべたー。


「---”正義”は勝つーーー」

姫香の挑発的な視線を見て、
直子(ベータ)がキレた。

「テメェ・・・」
姫香に向かおうとする直子。


しかし、真須美(アルファ)がそれを制した。


「---撤退する。
 ただちに退避行動をとれ」

冷たい視線で真須美(アルファ)は
笑みを浮かべる姫香を見つめると
フッと力が抜けたように倒れた。


「---必ずぶち殺してやるからな」
直子が殺気を込めてそう言うと、
糸が切れたように倒れた。

「----チッ」
瑠佳(デルタ)は、記憶を消去することも忘れ、
そのまま退散した。


倒れた3人を見つめて姫香は笑った。

そして、横暴な態度で、3人の警備員に顎で
退散するように示すと、警備員は警備員室へと
戻っていった。

「---しばらくはこの体を使うか」

姫香(名倉)は呟いた。
正直、ガンマとかいう男がどうなったのか、
名倉自身にも分からない。

自分が姫香の体から抜ければ、ガンマの意識が
戻る可能性もある。

ならばー
しばらくこの体をこのまま利用していた方が
良いだろう。

名倉はそう考えた。

「姫香ー
 今日から支配人になりま~す♡ 」

甘い声で姫香はそうささやいた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

ホテルはいつも通り営業していた。


だが、古株スタッフの
赤城 真須美は、険しい表情だった。

今朝ーー
支配人の名倉がしばらく急病の為、急用すると
そう連絡してきたのだ。

そして支配人代理として何故だが
一番若い、新人スタッフの森永姫香を指名したのだという。

姫香が名倉直筆の署名と伝達文を見せていたから間違えはない。

名倉が姫香を指名したのだろう。


だがーーー

「支配人が戻ってくるまで頑張りましょうね♪」

いつも大人しく控えめなイメージの
姫香が今日は自信に満ち溢れている。

仕立ての良いレディースのスーツを着て、
立派に振る舞っている。

その姿は、まさに名倉を彷彿とさせる。


「----…」
真須美は、前々から名倉に違和感を感じていた。

何故、このホテルでは突然変態的な行動に走る
女性が多いのかー。

最初は偶然だと思っていた。

だがー。

真須美は姫香の方を見る。


姫香はーーー
昨日までとは違う、赤渕のメガネをしている。

そしてー
ロングで下していた髪の毛は、
赤いリボンで束ねられていた。


まるでーー
別人のようーー。

女性が暴走している時、
支配人はいつも”部屋に閉じこもっている”


そして姫香の変貌ーーー

「まさかーー」
真須美は一人呟いたーーー


「-----赤城さん」

真須美はハッとして顔を上げた。

そこには笑顔の姫香の姿があった

「--怖い顔してますけど、
 どうかしましたか?」

姫香は満面の笑みだ。


「う、、、ううん、何でもないわ」
真須美が誤魔化すように言うと、
姫香は一層、ほほ笑んだ。


そして、そのまま支配人室の方に姫香は
歩いて行ったーーーー。

「姫香ちゃん、張り切ってるね」
直子が言う。

だがーー
真須美には
”姫香が名倉に見えて”仕方が無かった。


部屋に入った姫香は
自分の手を加えながら
「ウウウウウウウウウーーー」と奇声をあげた。

自分の思い通りに行かない時に名倉がよくする奇行だ。


スタッフの真須美が自分に疑問を抱いていることは
名倉も気づいていた。

だがー彼女は優秀だった。
出来れば、手元に置いておきたかった。


だがーーー


「----処分だな」
姫香は冷徹に、そう呟いた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日の夜。
人通りのほとんどない、車道。

その真ん中で、
一人の女性が服をボロボロにした状態で
一人喘いでいた

「うっ…あっ…あぁぁっ…♡ 」

道路にうつ伏せになり、
胸を道路に押し付けたり、擦り付けたりして
刺激している。

かなり痛みもあるが、
今の彼女にはそれすらも快感だった。


彼女はーーー
昼間まで真面目な表情で仕事をしていた
受付女性ーー、赤城 真須美だった。


仕事終わりに
名倉に憑依され、道路の真ん中で
一人、快感に身を投じていた

「わたし…!
 余計なことに感づいちゃったから!

 処分されちゃうの!!
 えへへ…♡ 」

真須美がだらしない表情でよだれをこぼしながら言う。

体から愛液が噴出している。

汗も、道路にこすったことによる血もーー、
涙も噴出している。


真須美がスマホを見る。

そこにはーー
”彼氏”の連絡先があった


「チッーー」
真須美は舌打ちをする。

”コイツ”も幸せを味わっていたのかーーー。


真須美はおもむろに彼氏に電話を入れた

”最後”の別れでもしておくかーとほほ笑んで。


道路の上に落ちた愛液を
四つん這いになりながらなめる真須美。

「あぁっ…あぁっぁん…
 これから……わたし、、死んじゃうのに…
 すごい、、嬉しい!

 真須美のぜんぶを支配してる!!!
 えへへへへぇ…♡ 」


真須美が喘いでいると
彼氏が電話に出た


「どうした?」
彼氏の声。

真須美は
電話に向かって盛大に声を出した

「私たち…もう、、、
 幸せ使い果たしちゃったからぁ…♡

 あっ、、、あっ、、、、うひ、、ひひ…」

真須美の喘ぎ声が電話越しに聞こえた
彼氏は戸惑う

「おい、、何か、あったのか?」


真須美は笑う

「えへへ…えへ…」

そして、真須美は人通りのないこの道路に”光”が差し込むのが見えた。


車がやってきたーーー。

真須美が寝転んでいるこの道路にーーー。


真須美はより一層、笑みを浮かべた

「えへへへへ…
 真須美~これから死んじゃうの!
 あはは♡
 でもね、、真須美、今、と~~~~っても気持ちイイよ」

真須美は自分の胸を両腕でわしづかみに
して体を震わせた。


車が近づく。

真須美は叫んだ

「真須美の人生~
 終了でございまぁ~~~~す♡ 」   とーー。


そしてーーー
電話を持つ彼氏の耳に、
クラクションの音、何かが潰れる音が響き渡ったーーー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

名倉は直前で、真須美の体から抜け出した。

霊体の状態で、現場を見つめる。
真須美は即死だろうーー。


だが、彼女はもう十分幸せだった。

これで良い。


名倉はホテルの支配人室に置いてある
姫香の体に再度憑依した。


名倉は知っていたー。
憑依された人間が意識を取り戻すまでの時間をー。

それは、
憑依されている時間が長ければ長いほど、
目を覚ますまでも長くなる。

姫香には、昨日憑依して丸1日経っている。

だから、最低でも半日は目を覚まさないのだ。

「はぁぁ~~~っ うふっ…
 楽しかった~~~」

姫香はそう呟くと、
椅子に眠るようにして座っている
”支配人”の名倉の体を見つめたーー。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「くそがっ!」
憑依暗殺部隊の隊員、ベータが罵声を上げる。

カプセルに入ったまま目を覚まさないガンマを見つめて
苛立っていた。

心臓は動いている。
だが、本人の意識が戻らない


「---まさか、こんなことになるとはな」
デルタが言う。

彼は、姫香…いや、名倉の目に
恐ろしいまでの”殺意”を感じた。

デルタは気おされてしまっていた。

自分も修羅場は相当数くぐっている。

だが、そんな自分でも
あの名倉俊之という男の
狂気は計り知れなかった。

憑依した相手の記憶を消すのも忘れ、
デルタは一目散に退散したのだった。


「---俺がアイツをぶち殺してやる」
ベータが言う。

もう一度、ホテルの受付嬢の誰かに憑依して、
女の体で絶頂を迎える瞬間に、
姫香の喉元を掻き切ってやるーー。

もしもそれで名倉がもとの体に戻ったら、
名倉の喉元も続けて掻き切ってやる


「---待て」
アルファが冷静に言った。


「---私がやる」
アルファが静かに言う。

だが、ベータは反論した

「隊長、今回ばかりは譲らないぜ。
 名倉の野郎はこの俺が…」


「----私がやる」

アルファが鋭い視線をベータに投げかけた

「-----!!!」

ベータは、この世の恐ろしいモノの片鱗を見た。

アルファの目はーーーーー
”修羅”と化していた。

アルファはベータよりも以前から
暗殺任務に従事していた。

潜り抜けた修羅場は誰よりも多いだろうーーー。


「---り、、、了解」
ベータがそれだけ言うと、
アルファがカプセルに入り、
言った


「すぐに戻るー。」
アルファはそう言うと、”憑依”すべく、意識を体の外へと飛ばした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日。

「今日も決まってるぅ~♡ 」
姫香は鏡を見て、ほほ笑んだ。

大人しく控えめだった姫香は、
今やすっかり強気になっていた。

「私はーーー名倉俊之なんだから…
 うふふふふふっ♡ 」

そして、姫香は自分の思考を少しずつ
変えていっていたーーー。

”自分は名倉のしもべ”

そう何度も何度も、心の中で呟いた。

自分の体に戻った時、
姫香を処分しないでおくには仕方のないことだ。

「私はーーー
 名倉様の忠実なしもべーー」

姫香は何度も何度もそう呟いた。

「名倉様に全てをささげますーーー」
そして姫香は笑った

「あはははははあ!かわいそ~~
 姫香、まだ若いのに、
 奴隷になっちゃうなんて~~~
 あっははははは~~♡ 」


一方、受付では

姫香から
「赤城真須美さんが自殺したみたい…」と
聞かされた受付嬢の
直子と瑠佳は動揺していた

「赤城先輩が自殺なんてーーー」
直子が悲しそうな目で言う。

「そうね…」
瑠佳が言う。。

ふいに直子が変な声を出した

「かはっーーー!!」

直子がふらっとする。

瑠佳が「どうしたの!」と叫ぶと、
直子は冷たい視線で瑠佳を見た。


直子の殺意の込められた視線。

瑠佳は突然の事に言葉を失った。

ふいに直子が立ち上がり、
支配人室の方へと向かって行った。

「ちょーーー
 そっちは姫香の部屋よ!
 勝手にはいったら…」

瑠佳が言うと、
直子は

「----黙れ」

と、そう呟いた。


殺気のこもった目ーーー

あまりの恐怖に瑠佳はその場に
腰を抜かした

「なーーー、、なおこ…?」


そして直子は名倉の部屋の前に立った。

あらかじめ用意していた、
ピッキング用のツールで、直子は扉の鍵を簡単に開けた。


そしてーー
中に入る。


そこにはーーー
自分の胸で遊んでいる姫香の姿があった。


「-----支配人」
直子が静かに呟く

「---あら?また来たの?」
姫香(名倉)は、先日の暗殺者がまた来たのだと
理解した。

「----」
直子は姫香の姿を見つめた。

赤渕メガネに、結ばれた髪ーー。
この前とは違うイメージだ。。


「---何の用?」
姫香が高圧的に尋ねる。


直子は言ったー。

”皮肉”も込めて、
奴の言葉をまねてーーー。

「名倉俊之ーー
 あなたの人生、終了させて頂きますーーー」


と。


③へ続く

コメント

No title

続きが楽しみです!

Re: No title

> 続きが楽しみです!

ありがとうございます^^
次回で決着ですね~!
非公開コメント

プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
の小説を公開していきます!

基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

ツイッターやってます!

カテゴリ

検索フォーム