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<憑依>精神年齢4歳③~元に戻るため~(完)

親友に4歳の少女が憑依してしまった…!

親友に憑依してしまった4歳の少女を外に出し、
親友を元通りにすることはできるのか…?
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「---…ふふ」
オカルト研究をしている黒江が、
益美から話を聞くとほほ笑んだ。

「--それは…やっちゃったね…ふふふ」
黒江がニヤニヤしながら言う。

「--ど、どういうこと?」
益美が恐る恐る聞くー。

益美が拾った水晶玉の持ち主は
この黒江だったー。

黒江の祖父も、父親も母親もオカルト好きで
家には怪しいグッズがたくさんあるのだという噂は
聞いたことがあるー

この水晶玉も、その一つなのだとか。

「--あの水晶玉は、
 おじいちゃんが、封印していたものよ」
黒江が言った。

「--封印!?」
話が吹っ飛びすぎていて、
理解が追い付かない、と
益美は思いながらも、黒江の話を聞く。

「あの水晶玉は、なりたい自分になることができる力を持つ水晶玉ー
 たぶん、たまたまその水晶玉を手にした子に
 その力が発揮されて、
 近くにいた、涼花ちゃんに憑依しちゃったんじゃないかな」

黒江はニヤニヤしながらそう言った。

オカルトな現象が起きたことで、
黒江はとっても生き生きとしているー

偶然、水晶玉を手にした4歳の少女・香里が、
水晶玉に触れた後に、涼花を目にしたことで、
涼花に憑依してしまったのではないか、と
黒江は説明したー

「ちょっと待って!」
益美が言う。

4歳の子が水晶玉に触れる前に、
益美は水晶玉を持ってるし、
涼花のことも見ている。
”なりたい自分になれる”という力を持つ
水晶玉ならば、
益美が涼花に憑依していてもおかしくないはずー。

そう思いながら益美がそのことを黒江に言うと、
黒江は笑いながら
「あんたは、涼花ちゃんより自分が可愛いと
 心のどこかで思ってるー。
 だから、水晶玉を手にして、涼花ちゃんを見ても、
 ”自分がなりたい相手”じゃないから、
 何も力を発揮しなかったんでしょ」

黒江はそっけなくそう言った。
オカルトの力を発揮しない益美に興味がないようだ。

「ーーーえ…涼花よりかわいいなんて思ってな…」
益美はそこまで言いかけて
口を閉ざしたー
”思ってるかもー”とー。

黒江は、そんな益美の反応を見て、
少し鼻で笑ったー。

小さい子は、無意識のうちに、年上のお姉さんやお兄さんへの
憧れを持ったりするー。
それで、4歳の香里が、涼花に憑依できてしまったのだろうー。

「--で、、も、元に戻す方法は?」
益美が言う。

もしも、黒江に”ない”とバッサリ言われたら終わるー。
益美はそう思った。

けれど、黒江はにっこりと笑ったあとに呟いたー。

「--あるよ」
とー。

ほっと胸をなでおろす益美。

黒江は、鞄の中から、
もう一つ、別の水晶玉を取り出して見せた。

「な、何個もあるの!?」

益美の言葉を無視して
黒江は水晶玉を益美のほうに差し出した。

「--これを涼花ちゃんに持たせて、
 ”もとに戻りたい”って念じさせればー
 涼花ちゃんに憑依しちゃった子も、
 ちゃんともとに戻れるからー」

水晶玉を受け取った益美は
色々聞きたいこともあったが
それらをすべて飲み込み、
今は涼花を元に戻すことに集中することにしたー。

・・・・・・・・・・・・・

益美は大学を終えると、
早足に帰宅したー

黒江から受け取った水晶玉を手にー。

これが何なのか
なんでこんなものがあるのかー
なぜ、あの講義室に水晶玉を置いていたのかー
分からないことだらけだけど、
とにかくまずは涼花を元に戻さないといけないー

「涼花~ただいま~!」
益美が帰宅すると、
部屋中がー
滅茶苦茶になっていたー

「え…?」
唖然とする益美。

一瞬…
空き巣でも入ったのかと思ったが、
そうではなかった。

「がおーっ!」
涼花が嬉しそうにはしゃいでいるー。
まるで子供のように。

「がおーっ!」
誰か別の人間の声がする。

え?、と益美は思う。
涼花以外にもう一人、誰かがいるー。

益美が慌てて部屋の中に入るとー
そこにはー
隣人のおばさん・久保田さんがいた。

「がおーっ!」
久保田さんが、涼花と一緒に
なって遊んでいるー。

「-----」
唖然とする益美。

”何やってんのよ!ババアー!”と叫びたかったが
益美が我慢した。

「あ、、あの…わたしの部屋を滅茶苦茶にして
 ナニしてるんです?」
益美はぷるぷる震えながら
怒りを悟られないように、
そう呟いた。

「あらぁ、お帰りなさい」
「あ、おばさんだ~!」

久保田さんと涼花が同時に言う。

「---おばさんじゃない!」
益美は涼花にそう言い返すと、
涼花は笑顔で言った。

「ひとりでさみしかったから、
 おねーさんに遊んでもらってるの!」

とー。

どうやら一人で留守番することがさみしかった涼花が、
隣の住人である久保田さんの家をピンポンして、
久保田さんを呼び、遊んでもらっているようだったー。

「あぁ…そう…」
益美はそう言った直後に声を荒げた。

「って、なんで久保田さんはおねーさんで
 わたしがおばさんなのよ!」

とー。

「--あらあら、いいじゃない」
久保田さんが笑う。

「よくないです!
 ってか、久保田さんがいっしょなのに
 なんでこんなに部屋散らかってるんですか!?」

益美が叫ぶ。

「--あらあら、子供は遊ぶのが仕事なのよ」
久保田さんが笑う。

「---おばさん!おばさん!だっこしてー!」
涼花がきゃっきゃっ!と笑っている。

「そうよ、ほら、だっこしてあげなさい。おばさん」
久保田さんが言う。

”おばさんってわたしのことかよ”と
内心で怒りながら、益美は、
久保田さんのほうを見つめるー。

”このおばさん、自由過ぎてうらやましい”
と、内心で思う益美ー

その時だったー

水晶玉が光出す。

「えっ!?」
益美が驚くー。

次の瞬間ー
益美は激しい光に包まれてー
水晶玉に吸い込まれたー

そしてー

「え…」
気付いた時にはーー
久保田さんになっていたー

「--あ??え??えぇぇぇぇ!?!?」
思わず叫んでしまう益美ー

益美はーー
久保田さんに憑依してしまったー

「あの水晶玉は、なりたい自分になることができる力を持つ水晶玉ー
 たぶん、たまたまその水晶玉を手にした子に
 その力が発揮されて、
 近くにいた、涼花ちゃんに憑依しちゃったんじゃないかな」


水晶玉の持ち主・黒江の言葉を思い出す。

「--!!」
久保田さんになってしまった益美は青ざめるー

さっきー
益美は水晶玉を手に持ったままー
久保田さんのあまりにも無神経な部分を
”うらやましい”と思ってしまったー

それでーーー
久保田さんに憑依できてしまったー??

「ちょ、、ちょっと!冗談じゃないわ!」
久保田さんの身体で叫ぶ益美。

「--これを涼花ちゃんに持たせて、
 ”もとに戻りたい”って念じさせればー
 涼花ちゃんに憑依しちゃった子も、
 ちゃんともとに戻れるからー」


「そ、、そうだ…!」
久保田さんになった益美は、
慌てて水晶玉のほうに駆け寄るー。

しかしー
水晶玉は、最初の時と同じようにー
粉々に砕け散ってしまったー

「そ、そんなぁ…」
久保田おばさんの姿のまま、益美はその場に膝をついたー

・・・・・・・・・・・・・・

「---で?」
オカルト研究をしている黒江を呼んだー。

益美としては、あまり黒江に頼りたくなかったのだが、
こうなってしまった以上、黒江の力を借りるしかない。

「--…あんた、おばさんになりたかったのね?」
益美のほうを見てニヤニヤする黒江。

「ち、ちがっ…!あまりの図々しさに
 ちょっとうらやましいな、って思ったらこんな姿に!」
久保田おばさんの身体で叫ぶ益美。

そんな益美を見て、黒江は鼻で笑うと
”似合ってる”と呟いた。

「--」
黒江は、鞄から水晶玉を2つ取り出す。

”何個あるのよ”と
心の中で益美は突っ込みを入れる、

「わー!綺麗!」
香里が憑依している涼花が子供のようにはしゃぐ。

中身は子供だから、当然だ。

「--香里ちゃん…だったっけ?」
黒江が水晶玉を持ちながら言う。

「うん!香里だよ!」
涼花が嬉しそうに言う。

「元の姿に戻してあげるから、
 これをもって、元に戻りたい、って考えてみて」
黒江が言う。

益美も水晶玉を受け取り、
”もとに戻りたい”と念じるー

久保田さんの身体になるなんてごめんだ。

「---…わたし、この姿も好きー!」
涼花が嬉しそうに万歳する。

水晶玉を持った涼花ー
けれど、涼花に憑依してしまっている香里が
”もとに戻りたい”と思ってくれないからか、
なかなか効果を発揮しないー

さきに、久保田さんになった益美が持つ
水晶玉が光り、
そして、益美が久保田さんの身体から
はじき出されるようにして、
飛び出してきたー

「---あ…」
益美が周囲を見渡し、自分の身体に戻れたことに気づく。

「やったぁ!」
益美が嬉しそうに叫ぶ。

益美の持っていたほうの水晶玉が砕け散り、
益美に憑依されていた久保田さんも目を覚ますー

「あれ…?わたし…?」

あとは、涼花から香里を出せば、
全て元通りだー

「---」
水晶玉を持っている涼花。

けれど、その力が発揮されない。

黒江はため息をついて、
小声で呟いた。

「ママに会いたいでしょ?
 だったら、元に戻らないと」

とー。

涼花に憑依している香里が
その言葉に反応して、
”もとに戻りたい”と願ったー

そしてー
水晶玉が輝きを増してー
涼花に憑依していた香里が
中から出てきたー

小さな可愛らしい少女ー

「ーー…わ…!あははは!戻った~!」
香里が嬉しそうにはしゃいでいる。

その光景を見ていた久保田さんは
”何が起こってるの…?”と
戸惑った様子だったー

・・・・

・・・・・・

「---わたし、この子に憑依されてたの?」
意識を取り戻した涼花が言う。

「--…子供みたいにはしゃいじゃって、
 大変だったんだから」
益美が言う。

黒江は用を済ませたらさっさと帰ってしまったー。

今、この益美の家にいるのは3人ー。
益美、涼花、香里。

「--あとはこの子をお母さんのところに
 送って…」

益美がそう言いかけた時だった。
家のインターホンが鳴るー

「はい」
益美が外に出ていくと、
そこには警察官が立っていたー

「---…!?」
益美が驚くー。

警察官は言った。

”誘拐容疑で、お話を聞きたいのですが”

とー。

家の中に捜索願が出されている香里の姿を見つける警察官。

「--数日前の文化祭の日に、
 あそこにいる香里ちゃんが行方不明になる直前、
 あなたとお話しているのを見かけた人がたくさんいまして」

警察官の言葉に、
益美は青ざめたー。

そして、答えた。

「あ、、えっと、誘拐じゃなくて、、、
 水晶玉が、、ですね…」

ーーー

そんな、オカルトな話、通用するはずがなかったー。


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

小さな子が、手違いで憑依してしまったら
どうなってしまうの…?を
書いてみたお話でしたー!

ここまでお読み下さり、ありがとうございました!!



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無名

Author:無名
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