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<憑依>リアルデュエリストVol27 ~ピエロ~

カードを現実化させる力を持つものたちが
蔓延する世界ー

そんな世界で、カードを悪用
する人間がいたー。
------------------------

遊園地ー

利用客たちで賑わうそこに、
一人のピエロがいたー

「---」
ピエロは子供たちに風船を配りながら、
じーっと周囲を見つめている。

「--も~!孝ったら」

「はは!悪い悪い」

大学生だろうかー
若いカップルがイチャイチャしているのが
ピエロの目に入ったー

「---……」
ピエロは笑みを浮かべるー。

彼はー
小さいころから孤独だった。
誰からも必要とされず
誰からも愛情を注がれず
ここまで生きてきたー

そんな彼は40歳の誕生日に
ある力を手に入れたー

それが”リアルの力”だったー

カードを現実化させる力…
その力を、謎の小さな生命体から
授かったのだったー

それから彼の運命は変わった。
今まで、カードゲームを遊んだことのなかった彼が
カードを手にし、それらを使って
好き放題し始めたのだー

もしも…
もしも彼がリアルの力と出会っていなければ
彼は何もすることなく
そのまま人生を終えただろう。

けれど、
力を手に入れてしまった彼は、
もう、止まらない
力を手にした人間は、壊れるー。

最初にカードを現実化する力をこの世界に持ち込んだ
男は、そう言っていたー

そしてそれは、
間違いではなかったー

この世界では、カードを現実化する力を手に入れて
”暴走”した人間が山のようにいるー

彼も、そのうちの一人ー。

風船を配っていたピエロは
不気味な笑みを浮かべたー。

彼は”ドリームピエロ”というカードを使い、
ピエロに変身していたのだー

「ーーあ、風船配ってるよ」
「--お、ほんとだ!智菜(ちな)も欲しければ貰ってくれば?」

さっきのカップルが
ピエロに気づくー

ピエロは風船を貰いに来た智菜に風船を渡す。

ゴゴゴゴゴゴゴ

ピエロは憎しみを込めて智菜を睨んだー

だが、ピエロの表情に気づけなかった智菜は
そのまま風船を受け取り、立ち去っていくー

”--リア充は、許さないー”

ピエロに変身している彼は、
小さいころからリア充が大嫌いだったー。

悪口を言ったこともあるー。

そんな彼がー
表ざたにならない力を手にすれば
実際に危害を加えるのは、時間の問題だったー。

既にー
学生時代の同級生何名かを
彼はカードで葬っているー。

「---…リア充は、許さないー」
ピエロは、そう呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・

大学生カップルの孝と智菜が、
一休みをしているー

遊園地内の休憩スペースで
休憩しながら談笑しているふたり。

そしてー
孝が立ち上がった。

「-ちょっと、トイレ行ってくるわ」

とー。

「うん、わかった」
智菜と孝が別れるー

そしてー
そのタイミングにーー
ピエロが飛びだした。

「--あれ?さっきの?」
智菜が言う。

「-ーーー」
ピエロは智菜を手招きする。

しかしー
智菜は
苦笑いしながら
「彼氏を待ってるんで」と答えたー

「----…」
ピエロは、カードを発動するー

”エネミーコントローラー”というカードだ。

実体化したコントローラーに
素早くコマンドを入力すると、
虚ろな目になった智菜を、
ピエロは、人目のつかない場所に連れ込んだ。

「----……」
ぼーっとしている智菜は椅子に座らされているー

「--(ククク)」
ピエロは、”ドリームピエロ”のカードの効力を解除し、
人間の姿へと戻るー

ドリームピエロに変身していたのはー
眼鏡をかけた若い女性だったー。

ゴスロリファッションを身にまとう
眼鏡の女がニヤニヤしながら智菜を見つめるー

「---…あ、、あれ!?わたし…?」
エネミーコントローラーの効力が消えて
智菜が正気を取り戻す。

智菜の目の前には、眼鏡をかけた女が
ニヤニヤしながら智菜を見ている。

「--こ、、ここは…?」
智菜が不安そうに周囲を見渡す。

「---俺は力を手に入れたんだ…」
眼鏡の女が、笑いながら話を始める。

まるで声優のような綺麗な声だが、
言葉遣いは乱暴だー。

「え…」
智菜が不安そうに眼鏡の女を見つめる。

「俺は小さいころから
 周囲にいじめられて、
 馬鹿にされて、耐え続けて生きてきた!

 ずっとずっとずっと、それが続くと思ってた!」

眼鏡の女が怒りの形相でうろうろしながら
わめきだす。

「--な、、何を言ってるんですか…?」
智菜が不安そうに答える。

「---でも…今は違う…
 リア充の女の身体を乗っ取って
 こうして、幸せを滅茶苦茶にしてやることができる!

 俺は力を手に入れたんだ!」

眼鏡の女が大声で叫ぶー

見た目と、中身が、
まるで違うかのようにー

「---た、、孝!」
彼氏の名前を呼びながら
智菜はその場から逃げようとする。

「逃がさねぇよ」
眼鏡の女が綺麗な声で乱暴な言葉を口にするー

”粘着テープの家”というカードを手にする
眼鏡の女ー

粘着テープが出現して
智菜はその場に倒れてしまうー

「--ひっ…や、、やめて…!」
智菜が助けを求めるー

「くくくく…”この女”もそう言ってたっけなぁ…」
眼鏡の女はニヤニヤしながら自分を触るー。

そしてー
「うっ」とうめくと、眼鏡の女はその場に
力なく倒れたー

女から、紫色の不気味なモンスターが現れる。

”憑依するブラッドソウル”というモンスターだ。
カードを現実化する力で
男は憑依するブラッドソウルに変身し、
そして、眼鏡の女に憑依していたのだー

「--ふへへへへへへ」
小太りの、いやらしい目つきの男の姿に変わる。

「久しぶりの生身だぜ」
男は不気味な笑みを浮かべた。

男はー
憑依するブラッドソウルというカードで
憑依能力を持つモンスターになり、
眼鏡の女に憑依ー、
憑依したうえでさらに「ドリームピエロ」のカードを
使って、ピエロに変身していたー

「---幸せな女が
 幸せじゃない男に乗っ取られてー
 しかも、ピエロにさせられて
 自分の手で幸せを壊すー

 どうだ?興奮しないか?へへへ」

男が笑うー

「--ひっ…?た、、助けて…!」
粘着テープにくっついてしまった智菜が
必死に逃げ出そうともがく。

だが、男はそんな智菜の様子を
ニヤニヤしながら見つめるだけだったー。

「----う…」
倒れていた眼鏡の女が目を覚ます。

周囲を虚ろな目で見渡す眼鏡の女ー

「あれ………?」

長い間乗っ取られていた彼女は
自分の状況が理解できていない。

「--おつかれさん」
男はそう呟くと、
彼女に”黒光りするG”のカードをかざすー。

黒光りするG…
つまりゴキブリになってしまった眼鏡の女ー

「---お前はもう、用済みだ」
ケラケラ笑いながらそのゴキブリを踏みつぶす男ー

そして、智菜のほうを見るー

「今度はお前が、リア充への復讐をする
 復讐ピエロになるんだ!」

男がゲラゲラ笑うー

ピエロになって遊園地にいるのはー
”リア充”を見つけるためー

リア充には、彼が探す
爆発させるべきリア充がたくさんいる

「---憑依するブラッドソウル!」
男はカードをかざすー

再び憑依するブラッドソウルの姿になると、
もがく智菜のほうに向かって
突入したー

「や、、やめて… ひぅっ!?」
ブラッドソウルに憑依されてビクンと震える智菜。

「あ…あ…や、、た、、たすけて…」
智菜が苦しそうにもがくー

「たすけ……て、、、…え、、、えへ、、、えへへへへへ♡」
智菜は目から涙をこぼしながら笑う。

「あははははははははっ!
 新しい身体げっと~!」

智菜は大笑いしながら、
粘着テープの家のカードの効力を消し、
自分の身体をニヤニヤしながら
触り始めるー

「へへ…おしゃれな女だぜ」
そう呟きながら智菜は、
さっきつぶしたごきぶりを笑いながら
もう2、3回踏みつぶすと、
カードを手にした。

「さ~て、今度はわたしがピエロになって
 リア充どもを懲らしめちゃおっと♡」

可愛らしく微笑むと、
智菜はドリームピエロのカードを発動して
ドリームピエロの姿になったー

可愛い女を、ピエロにしてしまうことにも
男は快感を感じていたー

・・・・・・・・・・・・・・

「--あれ?」
彼氏の孝が、トイレから戻っても
智菜の姿はそこにはなかった。

「あれ?智菜?智菜?」
孝が周囲を探し回る。

「智菜もトイレに行っちゃったのかな~?」
孝はそんな風に思いながら
とりあえず近くの椅子に座って
スマホで智菜にメッセージを送る。

智菜から反応はない。

が、焦っても仕方がない、
ということで、孝は椅子に
座ってしばらく待つことにしたー

しかしー

「ん?」
孝の視線の先で、
ピエロが手招きをしている。

さっき、智菜に風船を手渡したピエロだ。

「なんだ?」
孝がピエロのほうを見つめる。

最初は、別の誰かを呼んでいるのかとも
考えたが、
どうも、ピエロは自分のほうを見て
手招きをしている気がする。

孝がピエロのほうに寄って行って、
「俺?」と自分を指さすと、
ピエロは頷いた。

そのピエロがー
憑依するブラッドソウルというモンスターに
変身した男に乗っ取られた上に
カードの力でピエロに変身させられてしまっている
智菜自身だとも知らずにー

・・・・・・・・・・・・・・

「俺に何の用ですか?」
孝が、人の気配のない方向に
歩いていくピエロに語り掛ける。

するとー
ドリームピエロのカードの効果を消して
ピエロは変身を解除したー

ピエロからー
孝の彼女、智菜の姿に変わっていくー

「ち、、智菜!?」
孝が驚く。

智菜はくすくすと笑いながら言う。

「智菜でぇ~す♡」
ふざけたポーズをとる智菜。

「な、、な、、何してるんだ??」
孝が驚いた様子で言う。

「え~?なにって~?
 ふふふふ…
 何してると思うぅ~?」

わざと、ふざけた口調でしゃべる智菜。

「--ど、どうして智菜がピエロに?」
孝は混乱している。

智菜はそんな孝を見て笑いながら呟いた。

「--俺は小さいころからリア充どもが
 大嫌いだった」

ブツブツブツブツと呟く智菜。

「え…?」
孝が表情を歪めるー

そしてー
智菜の口から
憑依するブラッドソウルの姿に変身している男が
飛び出す。

大口を開いたまま
びくびくと痙攣している智菜ー

智菜の口からランプの精霊の如く飛び出した
憑依するブラッドソウルが、智菜の口を
無理やり動かして喋るー

「お前の彼女は、俺が貰ったー」

とー

「な、、!?!?」
孝は驚く。

「お、、おい!智菜!しっかりしろ!」
孝が悲痛な叫びをあげる。

智菜の中に戻った憑依するブラッドソウルが戻っていくー

そしてー
智菜は笑いながらカードを発動したー

”苦渋の選択”
選択したカード以外を墓場に送るカード。

リアル化したこのカードの効果はー

智菜が、笑いながら自分と孝を指さす。

「どっちか、墓地に送るーーー
 ククク…お前に選ばせてやるよー

 お前が死ぬかー
 この女が死ぬかー」

ニヤニヤしながら言う智菜。

「--な、、な、、な、、冗談よせよ…!」
孝が冷や汗をかきながら叫ぶ。

「--5秒以内に答えなきゃ、俺が選んでやる!」
智菜がゲラゲラ笑いながら叫ぶ。

混乱した孝は叫ぶ。

「--お、、俺が死んだら、智菜は助かるのか!?」

とー。

「--あぁ、助けてやるよ」
智菜はゲラゲラと笑う。

孝は”まさか本当に死ぬわけはない たかがカードだ”と
考えるー

そしてー
”俺は試されているー
 こういうときは智菜を助けるほうを選ぶべきだし、
 智菜を助けたいー”

と、考えた孝は叫ぶ。

「お、、、俺は、智菜を助けたいー」

とー。

それがー
孝の最後の言葉になったー

苦渋の選択のカードの効果で
孝は一瞬にして、
この世から消滅した。

「くっくくくく…
 助けてやるよ、この女の身体はなぁ!」

智菜が悪人顔で大笑いする。

「でもぉ~?この身体を返すとは言ってないしぃ~?
 あっははははははははは!」

智菜は狂ったように笑うと
再び”ドリームピエロ”のカードを発動して
ピエロの姿になると、
次のリア充を探し始めたー

”しばらくはこの身体でリア充たちを
 探して、カードで地獄に送ってやる

 そして飽きたら、この身体は破棄して
 次に行くぜ…くくく”

ピエロは歩くー

そんな様子を
不気味な色の生命体が見つめていたー

彼に、”リアル”の力を渡した謎の生命体は
静かにほほ笑むと呟いた

”人間は愚かだー”

とー。

何らかの不満を持つ人間に力を与えれば
その人間は必ず暴走するー

人とは、そういうものだー。

謎の生命体は、その場から、姿を消したー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リアルデュエリストの新作でしたー!
この世界では「憑依するブラッドソウル」のカードは
プレミア化してそうですネ笑

コメント

No title

リアデュエは謎の生命体編に突入かな?
謎の生命体が気になるなぁ

Re: No title

> リアデュエは謎の生命体編に突入かな?
> 謎の生命体が気になるなぁ

コメントありがとうございます~☆
謎の生命体は、ゆっくりと~☆笑
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プロフィール

無名

Author:無名
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