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<憑依>憧れの人生③~憎~ (完)

美人の希美に憑依して憧れの人生を手に入れたはずの
恵美里ー。

だが、彼女の人生は
次第に崩れていくーー。

その結末はーーー。
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「ふざけんじゃねぇよ!」
私は空き缶を部屋の端に放り投げた。


酔っていた。

酔わずには居られなかった。


成人式後の集まりでのアイツらの態度。

アイツらは私を置いて別のお店に
移動した。


「恵美里にだって、、悪いところはあったのにー。
 人の話聞かなかったり、学校行事で自分勝手に動いたりーーー」


”親友だった”美弥子の言葉を思い出す


「ふざけんな!」
私は部屋で一人声を荒げた。


美人の”私”の顔が鏡に写るー。

だが、その表情は鬼のような形相になっていた。


「--どいつもこいつも、私を馬鹿にして…
 許さない」

希美はー
”私”の意思のままに、憎しみで支配されたー。

希美の体は今や完全に私のもの。
憧れだった、彼女の人生を全部奪い取ってやった…

たまらない快感だった。

ブスの私が、可愛い女の子の希美を乗っ取った。

その事実だけで、私はいつも興奮した。


ーーー私の脳裏に何度も、
あのクラスメイトたちの事が浮かぶ。

ーー中学時代、私の方を見ては
”蔑むような笑み”を浮かべていた
希美の顔が浮かぶーー。

その”バカにしていた女”に全部奪われた
希美ーー。

やっぱりいい気味。


クラスメイトの事が頭から離れない私は
彼氏に電話をした。

大学でもイケメンで、お金持ちの家庭の彼氏。

私は、高校時代、この美貌で同級生を誘って
つぎつぎと捨ててやった。

男子はいつも、ブスな私を馬鹿にした。
だから高校時代、私は、平凡な男どもを次々と誘惑して
次々と捨ててやった。

たまらなく、快感だった。


でもーー
今の彼氏には本気だ。

優しくてー
かっこよくてーー


「--もしもし?」
彼氏が電話に出た。

私は言う

「ねぇ!今すぐ会いたい!
 お願い!会いに来て!」

希美の甘い声を利用して彼氏を誘う。

男は、こういう甘えるような声を出せば
一撃…

「--ごめん希美、今はーー」

彼氏から思わぬ返事が返ってきた。

”私”は逆上したーー。


中学時代のアイツらだけでなくて、
あなたまで私を見捨てるのー?


気づけば私は怒鳴っていた。

「ふざけないでーー!
 私がお願いしてるのよ!早く来なさいよ!」

私が怒鳴り散らすと、
彼氏は30分後、慌ててやってきた。


ビールや酒が散らかる部屋を見て
彼氏が驚く

「希美…
 お前、今日成人式じゃなかったっけ…?」

戸惑う彼。

私はーー
あの中学時代の屑どもを忘れたかった。

そう、逃げたかった。


”私”の性格が悪いのは分かっている。
でも、それはー
アイツらが私を苛めたから!
そう、全部あいつらが悪いんだーーー。


全部忘れたい。

だから私は彼氏を呼んだ。

私を滅茶苦茶にして欲しかった。


私は一思いに服を脱ぎ捨てた


「---希美?」
彼氏は驚いた表情を浮かべた。

そんなこと、どうでも良かった。


ーーむかつくことを全部忘れさせてほしい。

その一心で私は彼氏を押し倒した。

私は彼の舌に激しく舌をからめさせた。


「はぁっ…もう、私、、我慢できない…!
 わたしを…
 滅茶苦茶にしてぇ♡」


私は叫んだ。

彼氏もその気になってくれた。


私の体に彼氏のモノが入れられた。

私は快感で喘いだ。

ひたすら、
嫌な事を吹き飛ばしたい。

その一心で、
大声で、
派手に、
喘ぎまくった

「んんんんっ~~~
 あぁああああっ♡」

私の体・・・
いえ、希美の体が快感を感じて
ガクガク震える


「すっ・・・すごい…
 ぜ、、、全部はじけとびそう♪

 希美、、、気持ちいいいいいぃっ♡」

私はひたすらに叫んだ。

脳に伝わる快感全てを味わって、
喜びに身を震わせた。


希美はーー
私に憑依されるまで、
控えめな服装で、控えめな生活を送っていたみたいー。

憑依したあとに
希美が”したことがない”と知った時は驚いたー。


でも、今は違う。
私は高校時代で色々な男とヤリまくった。

そして今も。

「ああああああああっ♡」

私の脳内を甘い快感が塗りつぶす


妖艶にあえぎ声をあげて、
愛液を吹き出し、その場に体を折り曲げて
恍惚の表情を浮かべた


はぁっ…はぁっ…


わたしは…
可愛いの…

だから、、、、
欲しいモノは何でも手に入る……



快感の余韻に浸っていると、
彼氏が服を着て私の方を見た。


私にーー
見とれているのー?



「---…希美。。
 別れよう」


ーーーー?


え???


「--え?…な、、なに?」
私がやっとの思いで口を開くと、
彼氏は言った。

「希美、お前と高校時代同級生だった奴が俺の友人に
 居るんだけどよ…
 昨日、そいつから聞いたよ…

 お前、男子をゴミのように扱って、次々と
 捨てていくような女だったんだな…」

彼氏が失望感をあらわにして言う。


「---え、、、ち、、違うよ
 あなたとは本気よ!!!」


私は必死に叫んだ。

けれどーー


「---ごめん。
 優しそうな外見にだまされた俺がバカだったよ…

 希美ーー。
 今のが手切れ金代わりだよ…。

 じゃ…」

彼氏が玄関へと向かう。

私は彼氏にすがった


「ねぇーー
 私を捨てないで!お願い!」

可愛い私がお願いすればーー、
彼はーーー


「触るなよ!このビッチ女!」

彼氏が目に涙を浮かべて叫んだ


「ーーお前のしてきた酷いこと、色々聞いたよ。
 そうやって、男を騙してきたんだろ!

 俺、信じてたのによ・・・」

そう言うと、悲しそうな顔をして、
彼氏は外に走って行ってしまった。


「-----」
私はその場にうずくまった。


「----どうして、、、こうなるの…」
私の目から、、涙がこぼれたーーー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後。

私は大学にもいく気になれず、
家でだらしなく、ぼっとしていた。


美弥子たち中学のクラスメイトのLINE
グループはブロックされた。
彼氏からも。

そしてーー
大学ではちやほやされていると思っていたけれどー、
私が大学に行かなくても、誰も私を心配してくれないーー。


ふと、私は引出の中にしまってある
1冊のノートに目を向けた。

大学生になって一人暮らしを始める際に
何故か持ってきたノート。

”中学時代の希美の日記”だー。


くだらないと思って今まで読んだことなかったけれどーー。



私は気晴らしに読んでみることにした。


中学生らしい、可愛らしい日記だった。


そしてーーー。

私はある部分で目を見開いた。


私が乗っ取った希美が、
中学校の卒業式前日に書いた日記ーー

つまり、私(恵美里)に支配される前日に書いた日記。


私はその日記に目を通した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ーークラスの恵美里ちゃん…
彼女、いつもいじめられていて可哀想…。

クラスのみんながあの子を苛めている。
どうにかしてあげたいーー

けれど、彼女が心を開いてくれない。
誰かが手を差し伸べても、彼女は嫌味で返す。
誰かが遊びに誘っても嫌味で返す。

だからーー
あの子は孤立してしまった。

けれどー、
私は皆で仲良くしたい。
恵美里ちゃんも、ちゃんと仲間に入れてあげたい。



クラスのみんなは私のコトを慕ってくれているーー
だから、私が”やめようよ”と言えば
解決するのかもーー


でも、、、
もしも私もいじめの対象になっちゃったら?

そう、思うと怖くて言い出せなかった。


私にできたのはーー
”恵美里ちゃんに対して優しく微笑んであげることー”

それだけ…。


あの子にも、笑ってほしいーー。
だから私は恵美里ちゃんにいつも微笑みかけたーー。


でもーー
やっぱり私の想いは伝わらなかった。

最後の最後まで、恵美里ちゃんは私の事を
睨んでいた。

明日は卒業式。
別の高校に進学するから、これから恵美里ちゃんが
どうなるか分からないけど、
楽しい高校生活を彼女が送れると
私もうれしいなぁ…


あ、春休みに
久々におばあちゃんに会いにいくんだった!
今から楽しみ♪

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

読み終えた私は、放心状態で鏡を見つめていた。

いつも、、希美は
私と目が合うと笑っていたーーー。

私はーー
”蔑まれている”


そう、感じた。

けれどーー本当は、、



あの子にも、笑ってほしいーー。
だから私は恵美里ちゃんにいつも微笑みかけたーー。



日記の文章をもう一度見つめる…。


「---もう、、遅いよ」
私は自虐的にほほ笑んだ。。
とても申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

できればーー希美に全てを返してあげたい。。


希美はーー
私が壊してしまったーー。

人は見かけが全て。
そう思ってたーー。


私の頬を涙が伝うーー。


でも、、違った。。
私じゃ、希美になれないーーー


どんなに可愛くたってーーー


”私”は気づけば一人になっていた。


大学に行かなくてもだれも心配してくれないー。

彼氏も、同級生もーーみんな、
私の元を去って行った…。


「-----」
私は涙を流す


私はーー
なんて嫌な女なんだろうーー


鏡に写る自分を見るーー

優しそうな希美の顔ー
でも…中身はーーー


私はーーー
最低な女ーーー


今になって気づいたーー。

希美はーー
私とは”正反対”だったーーー

薄汚れた私の心ーー。
どこまでも純粋な希美の心ー。



わたしじゃ、希美になれないーーー


「……はは…うふふふふ…
 はははははははは~」

気づくと、私は笑っていた。


あらゆるショックに、私の思考は吹き飛んだ。


「あはははははっ…
 そうよ、どうせ私は性格の悪い
 ビッチ女よ!

 うふふ、あははははははははは!」


面白くってたまらない!

愉快!愉快すぎる!


私は鏡を見て邪悪な笑みを浮かべた

「どうせ私は悪い女ですよ~だ!

 なら…」



墜ちるところまでーーー
墜ちてやるーーーー。



1か月後…

希美は大学を中退した。

そしてーー
今、彼女は夜の繁華街で働いていた。


「んんっ…
 あぁあああっ あはっ…♡」

男に抱かれ、快感に身を震わせる希美ー。


彼女はーーー
墜ちたーーーー。


違法風俗店。


希美は、そこで働いていた。


日々、自分の欲望を満たすためにーーー。

自らの体も、心も売り飛ばしてーーー。



彼女の憧れた、
”憧れの人生”にはー
もう、二度と戻れないーーー

どんなにもがいても、苦しんでも、
どんなに自分を偽ったとしてもーーーーーー。



おわり


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コメント

憧れの人生、完結しました。

結局、どんなに美しい体を手にしたとしても、
本人の性格が全てをぶち壊しにしてしまう。。

そういうお話になりました。。

もしも、実際に憑依できる何かを手に入れて、
”憧れの人生”を手に入れたとしても、
立ち回り次第では彼女のように転落してしまうかもしれません。
要注意ですね!(笑)

ご覧いただきありがとうございました!

コメント

No title

まさか改心せず堕ちるとこまで堕ちる終わり方とは…いいですねぇ

No title

維持費が高い車と同じですね
持ってない人から見ると羨ましいけど
いざそう言う人が手に入れても維持できない

Re: No title

> まさか改心せず堕ちるとこまで堕ちる終わり方とは…いいですねぇ

憑依した彼女の性格なら、、
開き直るかな~ ということでああなりました!

Re: No title

> 維持費が高い車と同じですね
> 持ってない人から見ると羨ましいけど
> いざそう言う人が手に入れても維持できない

その通りですね(笑)
上手な例えです!

憑依してる側の子は性格が悪すぎました・・・
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無名

Author:無名
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