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<憑依>凶悪犯罪者・室井②~蹂躙~

女子高生の梨音は、
セーラー服姿でだらしなく足を広げ、
手でスナック菓子を口に放り込んでいた。

スカートから下着が見えてしまっているが、
今の梨音は、そんなこと気にも留めずに
笑みを浮かべていた。

「---アイツを地獄に落とす」

梨音は、
自分を追い詰めた警察官の姿を頭に浮かべたーー。

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警察官の大室順二は、先輩の警察官、大和田と
後輩の女性警官、花沢星恵の二人と共に、
室井に憑依された女子高生・梨音の家の前にやってきていた。

「ごめんください。警察です」
先輩警官の大和田が玄関の扉をノックした。

ーー返事はない。
やはり、憑依された梨音は、どこかに移動したのだろうか?
いやーー、だがあの子の家族はー?

「---行くぞ」
先輩刑事が合図をし、扉をけ破り、
中へと突入する3人。

そしてーーー
彼らが目にしたものはーーー


「ひどいーー」
後輩の女性刑事、星恵が驚きの表情を浮かべる。

そこにはー
梨音の母親と父親、そして妹と思われる人物が
血まみれで倒れていた。

もう、息は無い。


ーーリビングの机の上に1枚のブルーレイディスクが
置かれていた。

「---なんだこれは?」
意味深な場所に置いてあるブルーレイを手近な
レコーダーで再生する。

するとー

「バカな刑事さんたち、こんにちは~♡
 今から、梨音、たいせつなお父さんとお母さん、
 そして妹をブチ殺しちゃいま~す♡」

テレビに映し出された映像には、
楽しそうに笑う梨音。

そして、体を縛られた3人の家族が写っていた


「おとうさんーー、
 今までありがとうー えへへ!」

待て、やめろ!と叫ぶ父親を梨音は
容赦なく切りつける。

そして、泣き叫ぶ母親の方を見て笑う。

「---梨音、悪い子になっちゃった!
 どうしてだろうね~?」

そう言うと、命乞いする母親にも刃物を突き立てる。


「---ひでぇ…」
先輩刑事の大和田は映像を見ながら唖然としている

順二は、拳を握りしめた。

室井ーー。
何の罪もない家族を手にかけー
そして、この女子高生に罪を犯させてーー
絶対に許してはおけない。


妹の命乞いをする声がテレビから響く。

そしてーー

「刑事さん!
 3人も殺しちゃったら、私も死刑かな?
 えへへ♡

 じゃ、バイバイ!」

そう言うと、振り向いて妹にも刃物を突き立てたーー。


「---酷過ぎます」
星恵が言う。

順二はうなずいた。

「あぁ、、、必ず逮捕してやる」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

順二は警視正から呼び出された。

”室井”についての話のようだ。


警視正の元に向かう最中、
順二はLINEを確認した。

彼女の寧音からラインが届いている


”今日もお疲れ様♪
 大変みたいだけど、頑張ってね!

 今日の晩御飯は順二の好きな
 カレーにしておくね!”

と書かれていた。


「---寧音。
 心配かけてごめんな」

最近は家に帰れない日も多い。

寧音も明るく振る舞っているが
心配をかけているのだろう。

室井を逮捕したら、その時はーーー

・・・・・・・・・・・・・・・

「すまないね。急に」

暗い会議室で牧警視正が、順二に話しかけた。

「--お話しは、なんでしょうか?」
順二が言うと、
牧警視正が深刻な表情でうなずいた

「--例の女子高生ーー
 いや、、室井から、メッセージがあった。

 ”この女子高生を助けたければ、今日の23時までに
  西地区の廃工場に来い”と。」


警視正が言う。


「---私を、指名ですか」

順二は聞き返した。

あの時、室井を追いつめた警官だから、
憎まれているのかも知れない。


「---そういうことであれば、
 今すぐ準備します」

牧警視正は、頷く。
そして続けた。


「---射殺しても構わない」

順二は耳を疑った。


「はいー?」

その言葉に牧警視正は難しい顔をして答えた。


「---憑依薬を飲んだあの男を逮捕することは不可能だ。
 女子高生を逮捕したところで、ヤツはまた体を移動する。

 だがーー”体ごと殺せば”どうだー?
 保証はない。
 ヤツは死んだ体から抜け出すかも知れない。
 けれども、体と一緒に、ヤツが死ぬ可能性も否定はできない」

牧警視正の言葉を聞き、
順二はその意図を悟った。

「--室井を殺すために、
 あの梨音という女子高生を犠牲にしろと…そういうことですか?」

牧警視正は頷いた

「--件は裏で処理する。
 よく考えてくれ。ヤツを逃がせば、また何十人もの女性が犠牲になる。
 --今、ここで一人の犠牲で済むのならば…」

牧警視正は
”合理的”な考えの持ち主だった。
”一人を犠牲にして大勢を救う” 理屈の上では正しいのかもしれない。

「---わかりました」
順二は意を決して、室井の指定した廃工場へと向かった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ、来た来た~!」

廃工場に到着すると、梨音が、壁に片足を付け、
タバコを吸いながら順二を出迎えた。


「---室井…
 その子の体で好き勝手するな」

順二が殺気を込めて言うと、
梨音は笑った

「えへへ…
 もう遅いよ。
 梨音はおかしくなっちゃった♪

 だって考えてみてよ!
 両親を殺して、妹を殺して…
 すっごいよねぇ♪

 それなのに、私、こんなに楽しそうにしている!
 えへへ、あはははははは♡」

梨音が乱暴にタバコを投げ捨てて笑う。

「---お前はーーー
 人間の屑だ!」

順二が叫ぶと、梨音は笑った

「梨音ちゃん、クズ認定されちゃいました~
 えへへ~♡」

悪戯っぽく舌を出して笑う。


「---室井 今すぐその子から出ていけ!」
順二が叫んだ。

そして、梨音に近づくと、順二は梨音の腕を抑えた


「あいたたたたたたっ!
 何するのよ!」

梨音が叫ぶ。

女のフリをしていたって、
中身は室井だー。

順二は、そんな演技には騙されない。


腕の力を強める。
すると梨音が突然、体を動かし、
順二の体を乱暴に倒した。

柔道の寝技ーーー。


「あははははははっ!
 ばっかみたい!

 私ね~
 柔道もやってたから、
 アンタになんか負けないよ」

そういえば…
室井は柔道の有段者だった…。


梨音の太ももが順二を押さえつける。

セーラー服姿の女子高生に
柔道の寝技で苦しめられているーーー。

順二は梨音の太ももに押さえつけられてもがく


「うっふふふふふ!
 どう、私の足に締め付けられる気分は!?

 嬉しいんじゃない?
 私みたいな可愛い子に、こんな風に、
 押さえつけられて!

 うふふふ、あはははは!」

梨音が愉快そうに笑う。


順二はくやしさに唇をかみしめた。

悔しいことに、
順二は、梨音の足に締め付けらた状態で
快感を感じてしまっていたーー

目のすぐ先に、梨音の綺麗な足があるーー。

そして、自分はそれに抑えられている


「あははは~スケベ男!」
梨音がバカにするようにして笑った。


だがーーー


”俺をなめるんじゃねぇ”


順二は、乱暴に梨音の寝技を振りほどいた。

中身は室井とはいえーー
体は女子高生ーー。
順二の力を前に、梨音の寝技は解かれたーー。


「---っ」

そして順二は梨音に銃を向けた。


「--件は裏で処理する。
 よく考えてくれ。ヤツを逃がせば、また何十人もの女性が犠牲になる。
 --今、ここで一人の犠牲で済むのならば…」


冷徹だが職務に忠実な
牧警視正の言葉を思い出す。

目の前の梨音を射殺すればーー。
室井も一緒に死ぬのかも知れないーー


そう、、撃つしかないんだ!

この子みたいな女性を
これ以上、増やさないためにも。。。。

「---すまない」
順二が目を逸らしながら引き金を引こうとしたその時だった。


「---助けてーーー」

ハッとして順二は目の前の梨音を見た。

梨音が気弱な様子で涙を流している。


「-----!!」
順二は、引き金を引く指を止めた。


「---お願い…助けてください…
 私、、、まだ、、、死にたくない!」

梨音が泣き叫ぶ。


「--…」
順二は呼吸を整えて言った。


そうだーー。
”犠牲”になっていい人間なんて存在しない。


「---大丈夫。大丈夫だよ。心配しなくていい」
順二が優しい笑みを浮かべて言うと、
突然梨音がニヤッと笑い、手の銃を乱暴に蹴り飛ばした。


「なっ!」

音を立てて床に転がる拳銃。

そして梨音はそれを拾った


「ザンネンでした~~~えへへ!
 どうだった!?私のお芝居!!!」

そして梨音はバカにするようにして笑った


「そろそろ体を移動するね♡」

梨音が言う。

順二が「待て!」と叫ぶ。


すると、梨音は笑った


「そうだーーー
 移動する前に一つだけーー」


梨音が何かをぶつぶつ言い始める

「私は悪い子ーー

 おとうさんを殺したー
 おかあさんを殺したー
 妹を殺したーー

 何をしても償えない。
 だから私はーー死ぬしかないーー」

呟き終えると、順二の方を見て

「脳の書き換えーーー終わっちゃった♪」

そう呟き、梨音は笑い、そのまま意識を失った。。

「---り、、、梨音ちゃん」
順二が呼びかける。

”書き換え”とはなんだ?
順二が思案していると、梨音は目を覚ました。

だがーーー、

「ひっ…わ、、、わたし…
 ご、、、ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい」
突然泣きわめき、謝罪の言葉を口にする。


「---ちょ、、、しっかりしろ」
順二が戸惑って言うと、
梨音はパニックを起こして落ちていた銃を拾った。


「---ごめんなさい おとうさん、おかあさん、
 私は…悪い子…」

そして、躊躇することなく引き金を引き、
梨音はその場に倒れたーー。


あわてて順二は梨音の脈を確認したが
既に手遅れだった。


”書き換え”

憑依した人間の思考を変えることまで
できるということか・・・


「くそ!逃げられると思うなよ!」
順二は怒りにまかせて壁に拳を叩きつけた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

牧警視正は、自宅でノートPCを操作していた。

「……厄介な事件だ」
そう呟く。

ガチャ。

自室に誰かが入ってきた


「ねぇ、…そろそろ休まなくていいの?」

同居している息子夫婦の娘で、
警視正の孫の、希恵(きえ)だった。


牧警視正は振り向いて笑顔を振りまいた。

まだ中学生の希恵を、
警視正は溺愛していた。

孫とは可愛いモノだー。

「大丈夫だよ。
 悪いヤツを捕まえるため、色々やることがあるんだ」

優しく牧警視正が言うと、
孫娘は微笑んだ


「そっかー。」

牧警視正は笑みを返すと、
そのままPCの方に目をやった。


「でもーーー」

孫娘の声がした


「そろそろ休んだ方がいいよ。
 おじいちゃん♪」

牧警視正がハッとして振り返った時にはーー
既に”手遅れ”だったーーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー悪い…最近忙しくてさ」

先輩刑事の大和田が笑う。

「もう…久しぶりにお兄ちゃんに
 会いに来たのに、こんなに待たせるなんて!」

大和田の妹ー松香(まつか)。
今は別々に暮らしている、妹とは、この日、1年ぶりの再会だった。


「変わらないねお兄ちゃんは」

「はは…まぁな」

久々の妹との再会。

連日の凶悪な事件を前に疲れ果てていた大和田にとっては
”この上ない癒し”だった。


「---お兄ちゃん」

突然、妹が兄に抱き着いた。


「なんだよ…
 恋人じゃあるまいし」
大和田が笑う


「わたしーー
 ずっとお兄ちゃんのコトが好きだったの」

妹が顔を赤らめて言う。

「えーー?」
大和田は戸惑った。
何だこの展開は? と。


「ねぇ…触ってもいいよ」
妹の松香が、
兄の手をつかみ、スカートから覗く足や
胸を触らせた

「おーーお前ーー」
大和田は、不覚にも興奮してしまった。


だがーーーーー

”刑事の感”が
彼を現実に引き戻させた。


「---お前まさか!むろ…」

だが遅かった。
ニヤっと笑った妹の顔がーー
”彼がこの世で見た最後の映像”になったーー。


倒れた兄を何度も刺す妹の松香

「あ~あ、お兄ちゃん 壊れちゃったぁ~♡」

周囲に、通行人が集まり、悲鳴を上げている


「せっかくこんなに集まったんだから、
 いいものみせてあげる!」

そう言うと、松香は服を脱ぎ捨て、
妖艶なポーズを決めながら一人胸を弄び始めた


通行人たちがどよめく。


「--あぁん、おにいちゃんをころしたのに、、、
 わたしったら興奮してるぅぅぅ♡

 んっぁあああ~ん♡」

松香は絶頂を迎え、
その直後、意識を失い、その場に倒れた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

出勤した順二は耳を疑った。

後輩の女性警官、星恵がなきながら言う。

”先輩がーーー” と。


昨日まで一緒に行動していた
先輩刑事の大和田が、妹に刺殺されたというのだ。

そしてーー
”牧警視正”が自宅で、孫娘に頭部を殴打され、
殺されたともーーー。


「----くそっ…」
順二は、怒りと憎しみに支配され、
街を走り回った。

室井の手がかりを求めてーーー。


だが、何の成果も得られなかった。


「---大室、あとは俺たちが
 聞き込みをする。お前はいったん家に帰れ」

順二が無理をしていることを心配した
同僚の山田が、そう言った。

順二は、頷き、一旦家に帰ることにした。


「----はぁ…くそっ…
 あの時、俺が撃っていればーーー」

順二は後悔の念に苛まれていた。


玄関の扉を開いた順二はーー
”異変”を感じ取った。

慌てて家にかけ込む。


家はーーーー
滅茶苦茶だった。


そして、同居している寧音の姿はそこには無く、
”あのとき”と同じように、
机の上にブルーレイディスクが置かれていた…


③へ続く


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コメント

どうやって逮捕するんでしょうね?(他人事)

明日の③で決着です!


コメント

No title

そんなあなたに伯○の塩!(違

No title

憑依者が本人のフリをして命乞いをするシーンにとても興奮しました。
凶行を止められる気がしないですが、最終話を楽しみに待ちます。

Re: No title

> そんなあなたに伯○の塩!(違

え!?(笑)

それにしても室井さんはゲス…

Re: No title

> 憑依者が本人のフリをして命乞いをするシーンにとても興奮しました。
> 凶行を止められる気がしないですが、最終話を楽しみに待ちます。

ありがとうございます^^
最後は…あっ!

明日書きます^^
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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基本的に毎日更新しています!

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