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<憑依>3日後に憑依される彼女①~カウントダウン~

終わりは突然やってくるー

幸せな日常は、いつまでも続くとは限らない。

彼女が憑依されまで、あと3日ー。
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とある高校ー

そこでは、今日もごく普通の1日が流れていたー。

「--ねぇねぇ、和哉(かずや)~
 来週の土曜日の話だけど~」

彼氏に話しかける女子生徒。

話しかけられた男子高校生、
石野 和哉(いしの かずや)が、その女子生徒のほうを見る。

和哉の彼女・杉原 愛唯(すぎはら めい)-。
穏やかな性格で、誰にでも優しい性格の持ち主。
時々ちょっと抜けているところも、また可愛らしい。

来週の土曜日、ふたりは
デートをする約束をしていた。
愛唯がその相談をしに来たのだったー

「あぁ、うん、それでいいよ」
和哉がほほ笑みながら返事をすると
愛唯も嬉しそうに笑みを浮かべたー。

とっても仲良しな二人ー。

「--ーーまったく、いいよなぁ、お前らは」
和哉の友人・草野 洋太(くさの ようた)が
苦笑いしながら言う。

「-俺なんか、LINE送っても
 既読無視されるぜ?」
洋太が苦笑いしながら言う。

「--はは、お前、どうせまた、阿津美(あつみ)ちゃんを
 怒らせるようなことしたんだろ~?」

和哉が笑いながら言うと
洋太は「してねーよ!」と必死になって否定した。

洋太は、おちょうしモノで、
いつもヘラヘラしているような感じの男子生徒だ。
悪いやつではないものの、
デリカシーのない発言が時々目立ち、
それが、彼女の阿津美を怒らせているのだと、
和哉は思う。

洋太の彼女・
釜田 阿津美(かまた あつみ)-
大人しそうな眼鏡をかけた子ーー…
なのだが、中身がとても子供っぽくて
無邪気な感じの子だー
見た目が清楚な優等生なのに、
中身が子供っぽいことで、
ギャップ萌えする男子もいるのだとか。

「---はは、まぁ、別れちゃわないように
 気をつけろよ!」
和哉がそう言うと、
洋太は「お前に言われなくても分かってるよ!」と苦笑いしながら
自分の座席に戻っていくー。

和哉は愛唯と雑談を始めるー

そんな二人を、嫉妬してそうな表情で見つめる洋太ー。

この時はまだ知らなかったー
”彼女が憑依されるまで、あと3日”
であることを、誰もー。

自分の身にこれから起きることを
人間は、知ることができない。
たとえ、”死”が身近に迫っていたとしても
それを知ることはできない人は、たくさんいる。

突然の交通事故で、
昨日まで元気だった人間が急に死ぬこともあるー。

突然の脳の障害や心臓の発作で、
数分前まで元気だった人が命を落とすこともあるー。

そう、人は知ることができない。
この先、自分を待ち受けている運命をー。

・・・・・・・・・・・・・・・

担任の先生が、
帰りの連絡事項を告げるー

「--じゃあ、今日はここまで」
号令がかかり、下校が始まるー

「----杉原」
和哉と一緒に帰ろうとしていた愛衣に
担任の先生が声をかけたー。

愛唯が所属している美化委員会の
担当でもある担任の先生が
愛唯に連絡事項を伝えるー。
愛唯と話している担任の先生はー
ちょっぴり楽しそうにも見えるー

和哉は、その話が終わるのを待って、
愛唯と一緒に下校を始めたー

「--そういえば、付き合い始めてそろそろ1年だったっけ?」
愛唯が言う。

「--あぁ~…そうだなぁ…最初は
 こんな風に付き合うなんて全然思ってなかったけど…
 まさか、愛唯が俺の彼女になるなんてなぁ」

和哉が呟く。

和哉はごく普通の男子高校生。
自分で思うに、特別、イケメンとかでもないし、
容姿も”ふつう”レベルだと思う。

そんな自分を愛唯が好きになってくれるなんて
去年は思いもしなかった。

友達が多く、穏やかで優しく、
男子からの人気も高い愛唯は、
自分にとって雲の上の存在だったー。

そんな愛唯と、昨年の文化祭の実行委員で
一緒に活動したことから親しくなり、
なんと、愛唯のほうから告白されたのだったー

和哉は最初、夢かと思ったが
夢ではなかった。
1年分の長さの夢を見ることなんて
あり得ないし、
もし、これが夢なら、そんなに長い夢を
見ている自分は、既に死人だろう。

「--じゃあ、またね~!」
雑談を終えて愛唯が手を振るー。

愛唯は幸せいっぱいな気持ちで
和哉と別れるのだったー

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

夜ー

男が、笑みを浮かべるー。

男がスマホで”注文履歴”と表示された画面を見ている。

その画面にはーーー
”憑依薬”と書かれているー

その憑依薬の到着予定日は
”3日後”

3日後は、楽しくなりそうだー

男は、憑依したあとのことを考えるー

まずは胸を揉みー
髪を触りー
手を舐めてー

いいや、乱暴な言葉をしゃべらせたり
挑発的なポーズをしたり
エッチな服を着せてみたりー
色々してみたいー

あと3日ー。
あと3日ー。

3日で、世界が変わるー。

・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー
(彼女が憑依されるまで、あと2日)

2日後に待ち受ける悲劇も知らず、
愛唯は、廊下を歩いていた。

「あ、愛唯ちゃん!」
背後から、声をかけられた愛唯は
振り返るー

そこには、眼鏡女子の阿津美ー、
和哉の友人・洋太の彼女である阿津美の姿があった。

優等生風の見た目だが
とても無邪気な阿津美ー

愛唯と阿津美が雑談しながら教室へと向かうー。

「--洋太さ~
 最近、あたしにあまり構ってくれなかったから
 わたしも今仕返ししてるんだ~!

 LINEが届いても既読無視攻撃~!」

阿津美が、へへん!と言いながら笑う。

「---既読無視攻撃って…」
苦笑いする愛唯。

そして続ける。

「でも、洋太くんのことが好きなら
 あんまりそういうことしないほうがいいと思うよ~」
愛唯が言うと、
阿津美が「だってぇ~!」と不貞腐れて頬を膨らませる。

見た目はいかにも優等生な見た目なのに
子供っぽい阿津美は、
小学生のように不貞腐れながら呟いたー

「わたしも、石野くんみたいな彼氏がほしかったなぁ~」

とー。

「--え~!和哉は譲らないよ~!」
愛唯が苦笑いしながら言うと、
「冗談冗談~」と言いながら阿津美が
自分の教室へと入って行ったー

「----ずるい!」
愛唯と別れた阿津美は、一人
拗ねた様子でそう呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・

「おはよ~!」
教室に入った愛唯は、彼氏の和哉に話しかける。

和哉が、愛唯に気づいて「あ、おはよ!」と返事をする。

いつものように雑談をするふたり。

和哉は自分が最近はまっている
カードゲームの話をしながら目を輝かせている。
愛唯も、そんな和哉の話をにこにこしながら聞いてみる。
愛唯はそのカードゲームをやっていないものの、
和哉が誰かと対決しているのを見るのは好きで
休み時間に和哉が、友達とカードバトルしているのを
よくにこにこしながら見つめていたー

和哉のカード仲間はよく、”このリア充め!”と
和哉に言ったりしているー。

「--このカードかわいいな~!」
愛唯が、可愛らしいカードを手にすると、
和哉は「欲しければあげるよ~!」と答えたー

今日も、何も変わらぬ日常ー
いつも通りの日常ー

だがーー
和哉と愛唯が雑談している側の座席に
座っている男子生徒・加藤 平五郎(かとう へいごろう)は
不満そうに何かを呟いていたー

オカルト同好会の部長を務めている人物だ。

「----ぶつぶつぶつぶつ」
何かを呟く平五郎。

その視線は、愛唯の方に向けられていたー

「---あ、そろそろ授業の準備しなくちゃ!」
愛唯が和哉の前から立ち去って行く。

和哉はそんな愛唯の後ろ姿を見ながらほほ笑むと、
自分も授業の準備を始めるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休みー

「----よっしゃ~!仲直りできた~!!!」
友人の洋太が一人で騒いでいる。

「--誰に言ってるんだよ」
和哉が思わず突っ込みを入れると、
洋太は、そのツッコミに反応する様子も見せずに
笑みを浮かべたー

「--へへ!聞いて驚くなよ。
 阿津美と仲直りできたんだ!」
彼女の阿津美から”既読無視される”と最近よく
嘆いていた洋太。

がー
もう、仲直りできたようだ。

「--へ~!よかったな」
和哉が大して驚いた様子もなく言う。

「おい!なんだ!その冷めたリアクションは!」
洋太がムキになりながら言う。

「だって、いつものことじゃないか」
和哉が苦笑いしながら言う。

洋太と阿津美はよくケンカしては
仲直りする、を繰り返している。
いわば、これは”日常茶飯事”だ。
”いつものこと”で、
今更仲直りと言われても驚くことではない。

「---なに~!このやろ~!
 親友として、仲直りできてよかったな~!とか
 そういう言葉はないのかよ~!」
洋太の言葉に和哉は棒読みで
「仲直りできてよかったな~」と呟いた。

「このやろ~!」
洋太が和哉を羽交い絞めにしているー

「ま~たやってる」
教室の反対側からその様子を見つめていた和哉の彼女・
愛唯はその様子を微笑ましそうに見つめていたー。

5時間目がはじまるー。
5時間目の授業は国語。
国語の先生の授業は話が無駄に長く、
しかも、ぼそぼそと小声でつぶやくので、
聞き取りにくい。
さらには、しゃべり方もなんだか
のんびりとした喋り方で、
非常に眠くなる授業だー。

「---やべっ」
和哉もウトウトしながら必死に授業を受けるー

”わざと眠くなるように授業してるんじゃないか”

そんな風にすら思うー。

「------」
オカルト同好会の平五郎は、
前方のほうに座る愛唯の後ろ姿を見つめながらー
何かぶつぶつ呟いていたー

”自分がもしも愛唯になったらー”
平五郎は、
家でHな小説やHな動画ばかり見て
過ごしているー。
そんなHな平五郎は、オカルト好きなこともあり、
”クラスの女子にもしも憑りつくことができたら”という
妄想をよくしている。

既にクラスの女子に憑依する妄想を、
全クラスメイト分しているほどだー

「---愛唯ちゃん…愛唯ちゃん…くひひ」
平五郎は授業中にも関わらず、
自分が愛唯に憑依する妄想をしながら
ニヤニヤと涎を垂らすのだったー

そんな気持ち悪い妄想をされていることに
気付きもせず、授業を受け続ける愛唯。

いつも通りの光景。
どのクラスでも、いつも通り授業が進む。

”憑依”までの時間は
着々と迫っているー
けれど、人は、この先に待ち受ける運命を知ることはできない。

1時間後に突然発作を起こす人間がー
そのことを知ることはできない。

その瞬間まで
”まさか自分の人生があと1時間”だなんて
思わないだろうー。

彼女もそうー。
”まさか自分が憑依されて乗っ取られる”なんて
夢にも思っていない。

”憑依されるまで、あと2日”

そんな残酷な事実が近づいていることを
彼女はまだ知らないー。


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

あの大人気作風(内容は全く別物デス)の
お話デス~
ワニさんが出てきてから、
ツイッター等でもよく、あと〇日を見かけるように
なりましたネ~

憑依モノなのですが、
憑依されるのは最終話という
珍しいタイプのお話デス~!

今日もありがとうございましたー!

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プロフィール

無名

Author:無名
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