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<TSF>パンドラの扉①~封印~

「封印された扉ー」

”その扉は、決して、開けてはならないー”

そう言い伝えられている扉に興味を持ってしまった
彼女の運命は…?

※物語上、ジャンルを秘密にしているので「憑依」や「入れ替わり」ではなく
 「TSF」と表記しています。
 ご了承の上でお読み下さい~!
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辺境の村ー
人口は少な目で、次第に高齢化が進んでいるー

この村にとって、子供は”珍しい”存在になりつつあったー。

そんな村に、旅行にやってきた
女子大生3人組ー。

「---この扉、何だろう…?」
女子大生の藤宮 冬子(ふじみや ふゆこ)が
不思議そうに”扉”を見つめるー
明るそうな女子大生だー。

「-ー勝手に触らないほうがいいよ~!」
真面目で優等生タイプの桑野 美優紀(くわの みゆき)が
なだめるようにして言う。

「--ふっふっふ~」
もう一人の女子大生、廃墟やオカルト、限界集落などが大好きな
桃山 杏奈(ももやま あんな)が笑みを浮かべるー

「こういうの見ると、ゾクゾクしてくるぅ!」

人口が少ないこの辺境の村に
わざわざ旅行にやってきたのも、杏奈が熱烈にプッシュしたからだったー

頑丈そうな鍵が取り付けられたその扉を
見つめて、杏奈が笑うー

「うふふふふふふふふ ゾクゾクする!
 ビンビン感じるぅ~!」
杏奈がニヤニヤしているのを見て
冬子と美優紀は苦笑いしたー

その時だったー

「触るな!!!!!!!!!!!!」
大声が聞こえて、杏奈と、他の二人がビクッとするー

「---え」
振り返ると、そこには村の村長がいたー

”若い人が旅行に来るなんて珍しい”と
村に到着した直後に出迎えてくれた村長だー

「--ひ、ご、ごめんなさい!」
杏奈がびっくりして謝罪すると、
村長が「わしの方こそ急に大きな声を出してすまなかった」と
頭を下げたー。

「---”パンドラの扉”---」
村長が呟くー

「--パンドラの…扉?」
冬子が聞き返すと、村長は頷いたー

「”この扉は、決して開いてはならぬ”と
 昔から言い伝えられている扉だー」

その言葉に、杏奈が「えええええ…?なんですかその怪談話みたいなやつ!」と
目を輝かせながら反応したー

優等生タイプの美優紀はやれやれという様子で
そんな杏奈の方を見つめる。

「-----我々の祖先が”災い”をこの扉の奥に
 封じ込めたのだー」

村長はそう語って、扉を方を見たー

「それって、都市伝説とかじゃないんですか?」
容姿に無頓着で、髪がぼさぼさな杏奈が聞くー
元々容姿に恵まれていて可愛いのに、
本人はオカルト系にしか興味がないために
髪もぼさぼさだったー

「---…そうかもしれん」
村長は頷くー

「--わしらが、生まれる前から、この扉は封印されておったー。
 この扉の向こうに、本当は何があるのか、それは、誰も知らんのだ」
村長の言葉に、
杏奈は「実はお宝があるかもしれませんよ~!」と笑う。

「----…それで、この扉はいつ頃から封印されているんですか?」
優等生タイプの美優紀が聞くと、
村長は答えたー

「---数百年前ー」
とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

3泊する予定の三人は
村の集会場で、村人たちからの
歓迎を受けていたー

「--わたしたちは都会から来たので
 こういう自然な環境に憧れてました!」
活発でお調子者な冬子が言うー

村人たちが盛り上がっているー

「---短い間ですけど、よろしくお願いします!」
美優紀が挨拶をするー

村人は高齢な男女が多いが、
わずかながら若い女性や男性、子供の姿もあるー

美優紀たちが普段暮らしている都心では、
こういう、人間臭いつながりは見られないー
”村のコミュニティ”を間近で見る、というのは
彼女たちにとっても、非常に貴重な経験と言えた。

「---あ、わたし、こういう、今にも滅んじゃいそうな
 限界集落とか、ゾクゾクするんですぅ~!」
オカルト好きな杏奈が笑いながら挨拶しているー

”今にも滅んじゃいそうな限界集落”とか
失礼すぎる、と他の2人が青ざめていると、
「お嬢ちゃん!俺たちは簡単には滅ばないぜ!」と
酔っぱらった村人がノリノリで答えたー

「--ほんと~~ですか~~?
 10年後も20年後も見に来ちゃいますよぉ~?」
杏奈が、笑いながら言うと、
「--おう!20年後っていったら、お嬢ちゃんもおばちゃんだな!」
と、別の村人がゲラゲラと笑うー

杏奈も楽しそうに「おじいちゃんは、屍ですねぇ~!」と笑っているー

ゲラゲラ笑う村人たちー

杏奈のデリカシーのない発言に
ひやひやしていたが、どうやらそれは”杞憂”だったようだー。


「ーーー」
冬子が、食事を食べながら
集会場の奥にある箱に視線を送った。

美優紀がそれに気づいて「何を見ているの?」と首をかしげる。

集会場の奥の祭壇のような場所に置かれている箱ー

そこには”災”と書かれていたー

「----あれってさ」
冬子が呟く。

「--さっきの”パンドラの扉”だったっけ…???
 あの扉の鍵でも入ってるんじゃない?」
とー。

美優紀が「まさかぁ…」と苦笑いする。

もしも、あの”パンドラの扉”とやらが
本当に二度と開けてはいけないレベルで危険なのであれば
あんなところに無防備に置かれた箱の中に
鍵を入れたりしないだろうー

ーーーーそう、思ったー

だが、その箱の中には、入っている。
”パンドラの扉”の鍵がー。

都心部とこの限界集落では”常識”が違うー

無防備に置いてあったとしても、
村人の中に”パンドラの扉”を開けようとする
人間など、いないのだー。

「--パンドラの扉って何が入ってるんですかぁ~?」
杏奈が笑いながら村人たちに聞いているー

「お嬢ちゃん!この世の不幸があの扉の中には入ってるんだぜー!」
村人の一人が言うー

杏奈はとても楽しそうだー

冬子と美優紀は、村のおばあさんたちと
穏やかに話しながら、1日目の夜を終えたー。


翌日ー
”佐古さん”と呼ばれる老人が、
”村の歴史”を教えてくれたー

パンドラの扉についての話題も出て来るー

”あの扉には、災厄が封じられておる”

佐古さんは、そう語ったー
鋭い目つきの老人ー

「--災厄?」
冬子が尋ねると、佐古さんは頷くー

数百年前ー
この村には”大きな災い”が降りかかったのだと言うー。

当時の町娘が、”パンドラの扉”を開いてしまったのだー

その扉は”いつ”からあったのかは、わからないー
だがー数百年前、それが開かれた時には
既に、今と同じように”パンドラの扉”が
ここにあったということだー。

「--その時、どうなったと思う?」
佐古さんが、鋭い目つきで美優紀たちを見つめるー

美優紀たちは思わずゴクリ、と唾を飲み込むー。

「-----”全員、死んだ”」

佐古さんは言う。
文献などから辿ると、
”パンドラの扉”が開かれてすぐ、村人のほぼ全員が死んだのだと言うー

そして、残された書物には

”我 命を懸けて、封印を成し遂げたー
 二度と、扉を開いてはならぬ”

と、血の文字で書かれていたのだと言う。

「---……え…」
杏奈が青ざめた表情で呟くー

「--今いるわしらは、そのあとに、この村に流れ着いてきた
 人間の子孫と言われているー。
 元々、この村に住んでいた者たちはー
 数百年前に一度”パンドラの扉”が開かれた時にー
 滅んでしまったのだ」

佐古さんの話を聞き終えた三人は
青ざめていたー

佐古さんと別れた三人は、
”パンドラの扉”について話をしていたー

「扉を開くと全員死ぬってどういうことなんだろうね…?」
冬子が呟くー。

「う~ん、扉開いただけで人間が死ぬとかないと思うけどな~」
杏奈は”他の推理”をしてみせたー

パンドラの扉を開いた直後に
村に凶悪犯罪者がやってきたー、とか
数百年前だとすれば、夜盗とかもいたかもしれないし、
偶然、そのタイミングで疫病が流行って
結果的に”扉を開くと”という都市伝説に繋がったのかもしれない。

「--モンスターがいたりして」
冬子が言うと、
杏奈は「ないない~!」と笑うー

だが、オカルト好きな杏奈は
何かの呪いのようなものが
あそこに封じられているのではー?
とも、考えていたー

パンドラの扉ー
オカルト好きな、杏奈は、その秘密を
解き明かさずにはいられなかったー


2日目の夜ー。

村の民宿で、夜を過ごすー。

「---」
杏奈は、昨日集会場で見かけた”箱”が気になっていたー

(あの箱の中には何かがありそう~)
オカルト好きな杏奈は興奮していたー
あの中には、絶対に何かがあるー

”災”と書かれた箱ー
しかし、あの集会場にある箱は
開けようと思えばすぐに開けられそうだったー

”パンドラの扉”の鍵でも入っていたりして?

ニコニコする杏奈ー

都市伝説には必ず何か答えがあるー
この村の住人を怖がらせている
”パンドラの扉”も、そうだー。
佐古さんの言っていた言い伝えではー
”数百年前にパンドラの扉が明けられた際には
村人が全員死亡したのだと言うー。

その死因は不明ー

「ーーー言い伝えは、言い伝えでしょ」
杏奈はそう考えていたー

恐らく、その時期に病気が流行るか
災害が起きるかして、
村人が全員死に、
時期が重なったことで、結果的に
”パンドラの扉を開いたら全員死んだ”
ということになったのだろうー。

昔の人は特に迷信深い。
例えば、扉を開けた時期と同じ時期から
病気が流行り出したなら、
”この病気はあの扉を開けたたたりじゃ!”とか
言い出しかねないー

「んっふっふ~!興奮してきた~!」
杏奈が、嬉しそうに一人、笑みを浮かべたー

パンドラの扉の話を冬子や美優紀ともするー。

3人で盛り上がっていると、
民宿のおばあさんが「あんたたち…あの扉には絶対関わっちゃだめよ」と
青ざめた表情で言ったー

”心底恐怖を抱いている表情ー”

「---……」
杏奈は、そのおばあさんの表情を見て、
表情を歪めるー

「お、、おばあちゃん、あの扉の中には、本当に、何があるの?」
杏奈が尋ねるー

「---そ、、そ、、それは…」
おばあさんが、目を逸らすー

”知らない”
そういう表情だー

「-開けてみたら、案外何もないかもしれませんよ~!
 ただの倉庫にしか見えませんし!」
杏奈が笑うー。

冬子と美優紀が気まずそうにしているー

「---…でも…」
おばあさんが、泣き出してしまうー

この村の村人にとっては
”パンドラの扉”は恐怖の象徴ー
既に数百年は、開かれていないー。

間違っても、この村に
パンドラの扉を開けようとする人間はいないー

あそこには”災厄”が封じられているからー

「---あ…ご、ごめんなさい」
杏奈が、泣き出してしまったおばあさんを慰めるー

「--だ、大丈夫ですよぉ…
 開けたりなんてしませんから…
 おばあちゃん、ごめんね」
杏奈が、申し訳なさそうな表情で言うー。

「--ただの都市伝説だとは思うけど…
 村の人も怖がってるし…
 あんまり話題にしないほうがいいかもね」
冬子が、美優紀に言うと、
美優紀も静かに頷いたー

・・・・・・・・・・・・・・

深夜ーーー

”彼女”は動き出したー


”善意”-----

集会場にこっそり侵入してー
彼女は”災”と書かれた箱を開けるー

無防備に大事なモノを放置しているのはー
”村人の中には、誰一人、パンドラの扉を開けよう”などと
考える人間はいないからだー。

だがー

”災”の箱の中から出てきたのは、
禍々しい雰囲気の鍵ー

間違いないー
これはー
”パンドラの扉”の鍵ー。

彼女はそれを手に”パンドラの扉”へと向かったー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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「パンドラの扉」の先には
一体、何が待っているのでしょうか~?

続きは明日デス!

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