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<憑依>売上少女③~わたしのじんせい~(完)

期日の1か月が迫ってきた。

雫の体を返す前に、
さらに売上を上げておかなくてはー。

そして、期日の日がやってきたー

”売上少女”最終回!
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「…ありがとうございます」
ミニスカート姿の雫が満面の笑みで
客から10万円を受け取った。

「あはっ!お金!雫、うれしい♡」
客に対して、満面の笑みを振りまく雫。

そして雫は客の耳元でささやいた

「今日の夜、北口の前で
 待っててくださいね♪」

客の男は体を震わせて笑みを浮かべた。


雫は、、
”自分の体を売り始めていた”

店のカードの販売だけでは売上が上がるにも
限界がある。
ならば、この可愛い体を最大限利用するしかない。

「---うふふふふ…
 わたしったら、本当に魅力的なんだから♪

 でも、こんなに可愛いんだから
 もっともっと女を武器にしていかないと
 勿体ないよね!」

事務所に戻った雫は事務机で足を組みながら
笑う。

自分の足を見る雫。


「う~ん、なんて綺麗なの…!
 このツヤ…
 すべすべな感触」

雫は自分の足を狂ったように触りながら
笑みを浮かべた

「こんなモノ、見せつけられたら、
 み~んな、わたしの言いなりよね うふっ♡」

一人笑う雫。

雫の足には愛液が垂れてきていた。


「あはっ!もう感じちゃった♪
 わたしの体が興奮してる!
 あぁあああ…っ、いいっ、すごくいいっ!」


売上は上がり続けていた。
あと3日。

親友と約束した1か月まであと3日。

出来る限り、売上を上げておかなくては…。


そして、その前にやることがあるー。


雫は、バイトの河野との約束を思い出す…


”ねぇ、先輩…
 あの女、すっごくうざいの…”

雫は、昨夜、河野を誘惑して、
先輩で29歳の女バイト、輝美を追放する
密談をしていた。

河野は最初、渋っていたがすぐだった。

”雫のからだ…好きにしていいよ…
 だから、お願い…”


河野はその言葉に顔を真っ赤にして
頷いたのだった


「あっはははははは!
 笑いがとまらない!」

雫は自分の体に両手で抱きついた


「私は雫!私はしずく!わたしがしずくぅ!
 あはははははははは!」

自分の名前を狂ったように叫ぶ雫ー。

そこにおしとやかで清純な
雫の姿はもう無かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

先輩バイト、輝美の休憩中に雫は
河野を呼びつけた

「先輩~。お願いしますねっ♡」

悪戯っぽく舌を出しながら
雫は輝美の鞄の中にレジのお金を2万円
入れ込んだ。

「あ~あ、鴨山先輩、お金盗んじゃったぁ!
 雫の邪魔するからよ!
 うっふふふふふふ!」

意地悪そうに笑う雫。

今日の雫はセーラー服風のコスプレ衣装を
身にまとっていた。


「---、、雫ちゃん、、やっぱりちょっと…」
河野の理性が、この非道を止めようとしていた。

けれどー。

雫は河野の手をつかみ、
自分の太ももに河野の手を押し付けながら言った

「わたしが、欲しくないのー?」

甘えた声で誘惑する雫。

「で、、でもさ…こんなこと…」


その言葉を聞き、雫は顔を近づけて囁いた


「わたしを手伝ってくれる
 先輩、だいすきですよ♡」

わざと息がかかるようにして喋りながら、
甘くささやく雫。

ーーー河野の理性は壊れた。


雫が優しく河野の唇にキスをする。

そして呟いた

「---お願いします♪せ・ん・ぱ・い」


ーーー輝美が戻ってきた。
二人は何食わぬ顔で仕事を続ける。

そして、閉店後。
レジ内の金額確認作業で、
”二人の陰謀”が始まった。」

「あれ?2万円足りないなぁ」
河野が言う。

「--え~、本当ですか」
雫が何食わぬ顔で言う。

輝美も不思議そうな顔をしている。


5分間、3人は2万円のロスの調査を
続けた。
だが、レジに打ち間違えは無く、
2万円はどこにも見当たらなかった。

「--…こんなことしたくないですけど」
雫が悲しそうな演技をしながら、
他の二人の持ち物検査をし始めた。


「疑ってるわけじゃないんですけど、
 しないといけないので…」

セーラー服姿の雫が淡々と二人の荷物をあさる…。
そして・・・。


「あれぇ、鴨山先輩~!
 鞄の中に2万円、入ってましたよ~?」
雫が嫌味を込めて呟く。

「えっ…・」
先輩の輝美が焦った表情を浮かべる


「--財布にも入れず、鞄の中に2万円。
 これってもしかして…」

雫が睨むようにして言うと、輝美が反論した


「バ、馬鹿言わないでよ!
 私、そんなことしない」


「--いや、そういやさっき鴨山さん
 やたらキョロキョロしてたし、
 おかしいと思ってんだよ」

河野が言う。


「----…はぁ、呆れた」
雫が普段浮かべないような怖い表情で言い放った。


「鴨山先輩、レジのお金、盗んで
 どうする気だったんですか?犯罪ですよ」
雫が睨むと、
輝美が二人を見て言った。


「---ま、まさか河野! アンタ!」

輝美は勘が良かった。。

河野が雫にたぶらかされていることに
直感的に気づいた。

「--ねぇ!雫ちゃん!最近どうしちゃったの!
 おかしいよ!
 私をこんな風にはめて何がしたいの?

 ねぇ、河野!私、アンタに何かした?」

河野は目を逸らしている。

雫は笑う

「私が河野先輩を誘惑したとでもいうんですか?」

バカにしたような笑みだ。


”この子はこんな顔できる子じゃなかったはずー
 いったいどうしたのー?”

輝美はそう思った。

おかしい。絶対に。


「---ねぇ、雫ちゃん!何か悩みがあるなら
 私に相談して!

 雫ちゃん、男の人怖いって言ってたよね?
 なのに最近の雫ちゃん、男の人を誘って
 誘惑してる…

 ゼッタイおかしいよ!」

輝美が叫んだ。

しかし、雫はセーラー服のスカートから覗く
足を触りながら言った


「だってぇ…先輩…
 わたしの足、こんなに綺麗なんですよ…

 わたし、こんなに可愛いんですよ~

 だったら、女を楽しまなきゃ
 勿体ないじゃないですかぁ~

 うふふふふふふふっ♡」

不気味に笑う雫。

戸惑う輝美

「雫ちゃん!しっかりしなさいよ!
 女子大生がそんな、自分の体をそまつに・・」



「うっせぇんだよ!」


雫の突然の罵声に輝美はびくっとした

「し…雫ちゃん…」


「いいからとっとと消えろよ!
 目障りなんだよ!」

雫がまくし立てる。
輝美は恐怖とくやしさから涙を浮かべて
「雫ちゃんなんかもう知らない!」と言い放ち、
店から飛び出した。

「し…雫ちゃん…」
河野は、唖然としていた。

河野は雫が好きだった。
けれども、最近の雫は…


「うふっ、ごめんね 驚かせて♡」

雫が笑うと、河野はひきつった笑みを浮かべた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

約束の日がやってきた。

閉店後、男性スタッフの一人にキスをした雫は
「明日もよろしくね!」と可愛らしく微笑んだ。

雫は、河野以外のスタッフにも体を使って、
誘惑を繰り返していた。


顔を赤くして外に出ていくアルバイトスタッフ。

そして10分後、
憑依薬を小牧店長に提供した親友がやってきた。


「---よぉ、小牧…
 ずいぶん可愛くなっちまったな」

親友が言う。

雫はその言葉を聞き、
満足そうに微笑んで足を組んだ

「でしょ?この脚なんか最高じゃない?」

親友に見せつける雫。

今日は最初の日に着ていた
赤いミニスカートを身に着けていた。

「---売上は上がったか?」
親友は、誘惑する雫を無視して
単刀直入に聞いた。

雫は、親友が”女に興味ない”ことを思い出して
真剣な表情を浮かべて答えた

「--大分、上がったよ
 お前のおかげだよ」

雫の声で男言葉を口にする。

このしゃべりかたは何週間ぶりだろうか。


「そうか、良かった。。
 でも、その子、驚くだろうな…」

親友が言う。

「--そうだな」
雫の中に憑依している小牧店長は
1か月間のことを振り返った。

バイトを誘惑し、
客を誘惑し、
時には雫の体を自分で楽しんだ。

女子大生の一人ぐらしは何とも楽しかった。


最高だった。

思い出しただけで、雫の体は感じていた。

「---ま、ちょっとかわいそうだったな」
雫ははかなげな表情を浮かべた。


「ーーさ、小牧、そろそろその子を解放してあげろよ」
親友が言うと、

雫は微笑んだー。

「うっふふふふふ…
 私は、、雫よ…
 そう、私が雫になったの!」

ーーー!?

親友は驚いて目を見開いた

「おい!小牧!そりゃ駄目だろ!
 その子にも人生がある!

 ただでさえ、その子の体を好き勝手
 使ったんだ!もう解放してやれ!
 約束だろ!」

親友が叫ぶ。

だがー。

「俺はもう小牧じゃない!
 俺が雨宮 雫!

 はははっ!

 私が雨宮 雫
 わたしが雫なのよ~~
 うふふふふふふ~」

狂ったように胸を触りながら
笑う雫。

「あはははははあっ!
 わたし、可愛い!
 どうしてこんなに可愛いのっ♡」

愛液をボタボタと垂らしながら
笑いまくる雫。

親友は意を決した。

ポケットから小型の棒状のモノを取り出した。

”強制排出装置”

憑依薬を開発した製薬企業は
”保険”として強制排出装置を開発していた。
憑依した人間が、自らの意思で離脱することを
拒んだ時のためにー。


「---小牧!その子を解放しろ!
 そうじゃなきゃ、俺がこの強制排出装置で
 お前の霊体をその子の体から強制的に排出させる」

親友がそういうと、
雫はニコッと笑った。

「--ごめんごめん、冗談だよ」

雫は、自分の服を整えると言う。

「ちょっとからかっただけだよ」

そう言うと、親友の肩をたたいた。

親友はほっとして強制排出装置をポケットにしまう。


「--ちょっと最後に、店の片づけだけ、
 この体でするから、待っててくれ」

そう言うと雫は店の入り口から外に出た。

親友は思う。
”小牧のヤツ、昔から悪戯っぽいからな…
 全く、驚かせるなよ”



「---いやあああああああああああ!
 だ、、、誰か助けて!
 変なおじさんがお店に!!」



外から雫の叫び声が聞こえた

「---!?」
親友はハッとした

まさか…!

雫はさっき、自分で自分の体を弄び、
乱れた姿になっている。


「--お、おい!小牧!」
店から慌てて飛び出し、親友は雫に声をかけた。


「うふふふふっ!
 この体はわたしのもの。
 わたしが雫。
 
 この可愛い体も、
 女子大生の人生も、
 ぜ~んぶ、私が貰うの!

 こ~んな可愛くて楽しい人生返すわけないじゃない!」

雫は笑いながら叫んだ

「貴様ーー小牧ィ!」
親友は自分の愚かさを呪った。


「--男女二人。
 世の中はどっちを信じるかなぁ?

 乱暴されたって叫ぶ、わたしの方を信じるよね。
 えへへ…

 じゃあね!バイバイ」

その直後、
警察官が駆けつけてきて
親友は連行された。

雫は嘘の涙を浮かべながら
連行されていく親友を、
邪悪な笑みで見つめた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅した雫は乱暴に鞄を放り投げると、
途中のコンビニで購入したタバコに火をつけた。

未成年の体だが、関係ない。
小牧店長はヘビースモーカーだった。

足を開きながら床に寝転ぶ雫。

「あ~~~あ、最高。
 雫ちゃん、俺が代わりに
 女子大生の人生、楽しんであげるから…」

雫はそこまで言うと、微笑んだ。

「はぁ~い、この体、
 小牧店長の好きに使ってください!
 えへへ♪」

一人芝居をしながら、雫は顔を赤らめて、
一人笑い続けた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

三日後。

雫は店を退職した。
もう、店なんてどうでも良かった。

自分は雨宮 雫になったのだから。

美人女子大生の人生も体も
全てを奪ったのだから。

雫は夏休み明け、
太ももを大胆に露出したショートパンツ姿で
大学に姿を現した。

「あれぇ?雫!
 彼氏でも出来た~?」

友人達が雫の容姿の変化に驚く。


雫は、その反応に満足そうに微笑んだ。


雨宮 雫はー
体もー 記憶も、 人生もーーー
全てを奪われてしまったーーー


そしてー

「…わたしは、雨宮 雫 うふっ♡」

鏡にそう呟くと、
満面の笑みで大学の講義室に向かって歩いて行った…。


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

最初は返すつもりだったみたいですが、
憑依しているうちに「楽しさ」を知ってしまったみたいですね。

雫さん、災難です…。

この後、雫は女子大生ライフをエンジョイしていくことに
なるみたいですよ^^

お読みくださりありがとうございました^^

コメント

No title

あららーこんな結末にー(適当)
( ˘ω˘ )

No title

なんて素敵な終わり方

No title

こんな感じのダークなエンドに毎回してほしい

Re: No title

> あららーこんな結末にー(適当)
> ( ˘ω˘ )

憑依して1か月も暮らせば
そうなると思うのです(笑

Re: No title

> なんて素敵な終わり方

ありがとうございます^^
全てを奪ってしまった(笑)

Re: No title

> こんな感じのダークなエンドに毎回してほしい

明日から書く小説のエンドは…(ニヤニヤ笑
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プロフィール

無名

Author:無名
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