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<憑依>もう一人のわたし①~咄嗟の一言~

女子高生に憑依した男ー。

精神まで完全に乗っ取れる…と思っていたら、
少女の精神は普通に残ったままだったー。

男はとっさに嘘をつくー。
”自分は君の中の別人格だ”とー。
-------------------------

男は、モテなかったー。

いやー
正しく言えば”恋愛に興味がなかった”。

高校時代は、部活に打ち込み、
仲間と共に汗を流したー。

大学時代は、サークル活動とバイトに力を入れ、
充実した日々を過ごした。

だが、彼はー
”恋愛感情”というものを抱かなかった。

恋愛するぐらいなら、スポーツをしていた方が楽しいー
恋愛するぐらいなら、学問に打ち込んだほうが有意義だー

そんな風に思っていて、
女子にまったく興味がなかった。

普通に話はするのだが、
それ以上、何の感情も抱かない。

彼にとっては
相手が同性であっても、異性であっても
何も関係のないことであり、
相手が女子だからと、特別態度を変えるようなこともなかったー

スポーツ万能で、勉強も出来て、友達も多かった彼はー
告白されたこともあるー

だがー
”彼女”という存在に、当時は全く魅力を感じておらず、
ただただ”時間を無駄するのではないか?”としか思えなかったことから、
”今は彼女はいらないかな…ごめん”と、数回の告白も
全て断っていたー

そして、社会人になり、
彼は30歳になったー。

30歳になったあたりで、彼ー
星沢 翔太(ほしざわ しょうた)は、
初めて、自分に恋愛経験がなかったことを
気にするようになった。

自分の選択を”後悔”しているわけではない。
しかしー
何にでも好奇心を持ち、常に自分を高めようとする彼は
”恋愛”や”エッチ”を今からでも経験してみたいと思った。

だが、もう、遅いー
既に今年で35歳。
今からでも結婚は出来るかもしれないが、
少なくとも学生同士の恋愛のようなものを
体験することはできないー。
美少女とエッチなことをすることは、できないー

35歳のおっさんがそれをしようとすれば
犯罪になってしまうー。

「---何か、何か方法はないか」
既に独立して、個人で仕事をしている翔太は
お金には困ってはいなかったー

お金に寄って来る女は、そこそこいるー
だが、そういう女たちに翔太は興味がなく
今更自分が単純な結婚をするつもりも、願望もなかったー

ただ、翔太は今になって
”学生としての恋愛”を体験したり
”エッチなこと”をしたりしてみたい、と
そんな風に思っていたー

”学生 恋愛 疑似体験”

そんなワードで検索してみる翔太ー

「---こういうのは、別にいいんだよなぁ」
翔太は、そういうシチュを楽しむことのできるお店の
情報を見ながら苦笑いするー。

もっと、こう、何かー
激しくー
女子高生そのものになってしまえるようなー
リアリティのある、疑似体験をしてみたいー

「----やっぱVRしかねぇか」
翔太は、ワインを飲みながらパソコンを見つめるー。

カネと名声は手に入れたー。

だがー
”学生時代の恋愛経験”を彼は持っていない。
それを今になって、手に入れたいー
いや、経験したいと思ったのだ。

VR-。
最近は、VR技術の発達により、
何事も疑似体験することができるようになった。
ゲームでも、VR対応のゲームが出てきて、
まるで自分がゲームの世界に飛び込んだかのような
体験をすることができる。

VRで、学生の恋愛を楽しむ…
それしかないか、と思いながら翔太が、
ネットをさらに見つめているとー

”憑依”という文字が目に入ったー

「憑依…?」
翔太は鼻で笑いながら、その画面を見つめるー

するとそこにはー
”憑依薬を使えば、JKでもJDでもイケメンでも有名人でも
 あなたの思いのまま”
と、書かれていたー

「はっ…んなわけあるか」
翔太はそんなことを呟きながらも
さらにそのサイトを見つめるー。

使用例には、
”女子高生に憑依してJKライフや恋愛を楽しむ”
とも書かれていたー

「-ふむ」
翔太は、パソコンの前で考え込むー。

この憑依薬とやらを使えば、
確かに”学生時代の恋愛”を楽しむことはできるだろう。
翔太が未経験なエッチも、体験できるかもしれないー。

乗っ取られる子には悪いが、
これは面白いかもしれないー。

翔太は、あまり”人情”というものを持っていないー
友達は多いが、”情”があまり分からないのだ。
小さいころから”成果主義”で、
仕事も”数字”や”データ”と向き合うことが多いからか、
そういう部分が、欠けているー

だから、憑依して、人生の一部を奪われる子のことは、
あまり考えていなかったー

”これは、面白そうだなー”

翔太は笑みを浮かべたー

この人生にも飽きていたところだー。
カネも名声も手に入れた今ー
もう、この人生にこれ以上望むことはない。

いっそのこと、この憑依薬を使って
女子高生から人生をやり直すのも面白そうだ。

今度は、今の自分とは違う人生を味わいたい。

「決めた!」
翔太は叫ぶー。

「--俺は、今の人生をやめるぞ」

憑依薬をさっそく注文する翔太。

今の人生も悪くはない。
だが、もっと新しい体験をしたい。
可愛い女子高生になって
JKしてみたい。

男の自分では、体験できなかった、”色々なこと”を
やってみたいー

憑依薬で、JKを乗っ取って、
自分がJKになるー
実に楽しそうな経験だー。

1週間後ー
憑依薬が到着した翔太は、
”新しい自分”をピックアップしたー。

近場の高校を、自身の情報網を駆使して調べ上げて
6人の女子高生をピックアップしたのだー。

パソコンに表示される6人の少女ー。

青原 桃子(あおはら ももこ)
大人しいタイプの眼鏡女子ー。
勉強一筋で、人と話すのは苦手な極度の人見知りー。

村井 果穂(むらい かほ)
スポーツ万能な女子テニス部部長。
明るい性格で誰とでも打ち解け、友達が多い。

金村 恵梨香(かなむら えりか)
生徒会副会長。誰にでも優しくて、親切な性格。
ただし、裏では腹黒という噂もある-

神月 深雪(しんげつ みゆき)
生徒会書記。優等生タイプの女子高生で、
成績も優秀。ただし、恋愛に関しては奥手で恥ずかしがり屋。

梅津 涼花(うめづ りょうか)
天然系女子。爆弾発言を繰り返し、
周囲をひやりとさせることも多いー。

峰 優月(みね ゆづき)
筋金入りのギャル。中学時代までは優等生だったものの、
母が病死したことで、荒れているのだという。

6人を見比べる翔太ー。

身勝手な翔太の”決断”により、
この5人のうちの一人が、
乗っ取られて、人生を奪われてしまうー

その確率・6分の1。

この6人は、これから自分たちが”乗っ取られてしまうかもしれない”
などということも知らずに、今日も普通に生活を送っているー

”6分の1の確率”で、
死に等しい目に遭うことになるとは夢にも思わずにー。

「さてさて」
翔太は引き出しから、サイコロを取り出したー

「サイコロで決めますか」
”乗っ取られる少女”をサイコロで決めようとする翔太ー

ホワイトボードに6人の候補者の名前を刻むー

1・青原 桃子(あおはら ももこ)
2・村井 果穂(むらい かほ)
3・金村 恵梨香(かなむら えりか)
4・神月 深雪(しんげつ みゆき)
5・梅津 涼花(うめづ りょうか)
6・峰 優月(みね ゆづき)

大人しい眼鏡っ子かー
スポーツ少女かー
腹黒い生徒会副会長かー
恋愛に奥手な生徒会書記かー
天然女子かー
それとも、ギャルか。

「俺の新しい人生が決まる!」
翔太はそう叫ぶと、サイコロを振ったー

そしてーーーー

サイコロが止まるー

「----!」

翔太は”自分の新しい身体”が決まり、
笑みを浮かべた

・・・・・・・・・・・・・・・・・

憑依薬を飲んだ翔太は自分の身体を捨てて
霊体になっていたー

”ククク…俺が体験できなかった青春を
 JKの身体で体験させてもらうぜ”

高校にやってきた翔太ー

女子テニス部が、練習を行っているー

「ほら~!もっと頑張って~!」
女子テニス部部長の果穂が部員たちに言葉を発している。

笑みを浮かべる翔太ー

だがー
彼女は”選ばれなかった”。

サイコロの目は「2」ではなかったー。

校舎内に向かう翔太ー。

翔太が向かったのは、”生徒会室”だったー。

「--じゃあ、今日もお疲れ様~!」
生徒会副会長の金村 恵梨香が満面の笑みで
後輩たちに手を振っているー

もうすぐ文化祭。
その話し合いが終わって、生徒会のメンバーが
解散していくー。

一人残された金村 恵梨香が、舌打ちする。

「--ほんと無能!あいつらのせいで、無駄な話し合いすることになるとか
 マジ勘弁!死ね!」
恵梨香が一人呟くー。

”腹黒”副会長というのはどうやら噂だけではなく
本当だったようだ。

”サイコロで「3」が出てればな…”
翔太は笑みを浮かべるー

サイコロは「3」ではなくー
「4」-

生徒会室に来たのは、
生徒会書記である、神月 深雪に憑依するためだー。

「---」
生徒会室から出た深雪を見つめる翔太ー
深雪は他の生徒会メンバーと穏やかな笑みを
浮かべながら話をしているー

優等生タイプの女子で、
恋愛には奥手なタイプ。
恥ずかしがり屋な少女だー。

そんな少女を乗っ取ってー
JKとして生きるー
新しい人生を謳歌するー。

”くくく…これからは奥手じゃなくて
 積極的になるんだぜ”
翔太はそんな風に思いながら、
深雪がひとりになったのを見計らってー
深雪に自分の霊体を突進させたー

「--あぅっ!?」
深雪がビクンと震えるー。

「あ……」
立ち止まる深雪。

”くくくくく…やった…!ついに…今日から俺は…”

「-----あの…」

”今日から俺は…JKだ…!ふは…ははははははははは”

「---どなたですか?」

”---!?!?!?”
深雪に憑依したはずの翔太は表情を歪めたー

どうしてー
深雪が喋っている?

”え…!?!?”
翔太は唖然とした。

いや、唖然としている場合ではないー
まだ完全に乗っ取ることが出来ていないんだ!

そう思った翔太は、強く自分の気力を保ち、
深雪の身体を完全に支配したー
支配される最中「ああぁああ…」みたいな苦しい声が
聞こえてきて、翔太は興奮したー

「ふふふふふふ…ついに…ついに乗っ取ったぞ」
深雪が、凶悪な笑みを浮かべながら
自分の両手を見つめるー

「この身体は…俺のものだ!」
深雪は叫ぶー。
さぞ嬉しそうにー


「-----!」
少し遅れて生徒会室から出てきた副会長の恵梨香が
咄嗟に物影に隠されるー

”え…???深雪?”


そんな恵梨香に気づかず、深雪は歩きだす。

「さぁ…今日から俺が…」

”--ちょ…ちょっと!?どうなってるの…!?”

「---!?」
深雪は立ち止まるー。

”--わたしの身体が勝手に!?”

「---!?!?!?!?!?」
深雪を乗っ取ったー
身体も意のままー

だがー
頭の中に、深雪の声がー

”か、、勝手に動ないで…”

その言葉と共に、深雪の身体が
翔太の意思に反して動き出すー

「--な…なんだ!?なんでお前がまだ…!?」
乗っ取れば、深雪の意識も乗っ取れるはずでは…!?

そんな風に思いながら、翔太は、戸惑うー

”---…だ、、、誰ですか!?”

気づけば、翔太は、深雪の精神世界のような場所にいたー。

「---こ、、ここは!?」
翔太がハッとする。

そして、深雪の方を見て叫ぶー

「俺が見えるのか!?」
とー。

深雪は頷いたー

”まずいー”

翔太は焦るー

完全に乗っ取ることができていないー!?
姿まで見られているー!?!?

戸惑いを隠せない翔太ー

「--あ、、あなたは誰なんですか!?」
深雪が叫ぶー。

翔太は、”相手の意識を乗っ取ることができていない”事実に
パニックになりながらー
慌ててー

咄嗟に答えてしまったー

「--お、、お、、、俺は…君の中に生まれた…別人格…
 え、、、あ、、、そ、、その、二重人格ってやつだー」

とー。


慌てた翔太は、
咄嗟に、そう”嘘”をついてしまったー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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憑依したのに完全に乗っ取ることが出来ず、
別人格とうそをついてしまった彼…

果たして彼の運命は…!?

続きは明日デス~!

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