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<憑依>無敵の憑依②~たった一人の暴走で世界は乱れる~

無敵の人が憑依薬を手にしてしまったー。

”すべて無くなってしまえ”
本気でそう思っている人間が一人、
憑依薬を手にしただけで、
世界は脆くも崩れていく…。
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「--ひゃはははははははははは!」
とあるオフィスー

刃物を持ったOLが次々と同僚を刺していくー。

”凶悪犯罪”

数日前から、各地で数えきれないほど、
それが発生していたー

「ーーお、、おい!一体どうしたんだ!?」
同僚の男が、暴れているOLから距離を取りながら叫ぶー

「--どうって?
 こんな世界、壊れちまえ!
 ひゃはははははははははは!」

狂気的な表情を浮かべながら叫ぶOL-
まるで、普段の彼女からは想像が出来ない状況ー。

以前、同僚が怪我をして、少し血を流しただけで、
パニックを起こしていた彼女が、
人を刺し、返り血を浴びて、鬼のような形相を浮かべて
笑っているー

そしてーーーー

「--ふふふふふ!あはははははは  ぁ」

彼女は自分の首を勢いよく斬りつけてー
そのまま糸が切れたかのように倒れたー


「くそっ!またか!」

”凶悪事件 各地で続く”

ニュースの見出しを見て、刑事・曾我部が机を叩いたー。

若手刑事・新崎も唖然としているー

「もう、何十件と事件が発生していますー。
 犠牲者の数は数え切れませんし、
 世の中がパニックに…」

新崎の言葉に、曾我部は「んなこた分かってるよ!」と
叫びながら机を叩くー

まるで意味が分からないー
四日前ー
女子高生の美鈴が大量の犠牲者を出し、
最後には自らも命を絶った凶悪事件が発生したー

それが”合図”だったかのように
各地で凶悪事件が続出ー。

しかも、決まって”そういう事件を起こしそうなタイプではない人間”が
事件を起こし、
最後には、一人残らず、自ら命を絶っているー

「--新崎!」
曾我部が叫ぶー

「これだけ続くとなりゃ、絶対に扇動してるやつがいるはずだ。
 ネット関係、宗教関係、有名人ー
 ”凶悪事件”を扇動してるやつを探せ!」

「は、、はいっ!」

曾我部は、パソコンを見つめるー。

”まるで、同じ人間”かのように、
犯行のパターンが同じだ。
なりふり構わず他人の命を奪い、
最後には、自らも命を絶つー。

「-ーーくそが…」
曾我部は呟くー

”誰かが”
扇動しているとしか思えないー

各地で続く事件ー。
なんとしても、これを食い止めなくてはならないー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからさらに数日が経過したー
凶悪事件の発生は止まらず、
ニュース番組は連日それを報道しているー。

さらには、続出する凶悪犯罪について
大臣が会見を開いたものの、
会見の最中に記者のひとりが、暴れ出しー
最後には、建物から飛び降りて命を絶つ、
という事件も起きたー

世間は、1週間で、いとも簡単に
”崩壊”した-

世の中は”原因不明の凶悪事件の続出”に
大混乱に陥ったー

ネット上ではあらゆる憶測が広がるー

中には
”悪の秘密組織が、人々を洗脳して暴れさせているんだ”
なんて説まであったー。

「---ヒーローものの見すぎだろ」
曾我部が、その情報を見つめながら呟くー

いやー?
待てよ…?

「まさかとは思うが…」
曾我部が呟くー

まさかとは思うがー
他人を操って、”暴れさせている”のだとすればー?

全員が命を絶っているのも説明がつくし、
犯人が”直前までそういう素振りがなかった”のも説明がつくー。

「--他人の身体を操る… そんなこと、できるはずがねぇ」
曾我部は険しい表情で呟くー

だが、現在の不可解な状況にー
一番説明がつくのも、事実ではあった。


実際にはー
”無敵の人”大五郎が、憑依薬を受け取り
あらゆる人間に憑依して暴れまわっているー
のだが、
普通の人間には、そんなこと、想像も出来ないー

曾我部自身も
”宗教による洗脳か…?”などと考えていたー

「--曾我部さん!
若手刑事の新崎がやって来るー。

「---新崎か。扇動してるやつは見つかったか?」
曾我部の言葉に、新崎は首を振るー。

「--それが、ネット上にも、宗教団体にも、有名人にも
 扇動してるようなものは見つかりませんー

 最初の被疑者である女子高生のアクセス履歴や行動歴も
 調べましたが
 ”何かに扇動された”という感じはありませんでした」

新崎の言葉に、
曾我部は「それじゃいったい…」と呟くー。

「--……なぁ新崎よ」
曾我部は、ふと口にしたー

「--他人を自由に操る…なんてこと、現実に出来ると思うか?」
曾我部の言葉に、新崎は「え?」と戸惑うー

その時だったー
若い婦人警官が慌てて駆け込んでくるー

「曾我部さん!!
 二日前の凶悪事件の容疑者が、目を覚ましました!」

ーー!!!

二日前ー
スーパーで包丁を手に、8名の命を奪い、最後に
自分の首を切った主婦が奇跡的に助かり、
意識を取り戻したというのだー。

「--なんだって? 今すぐ行く」
曾我部はすぐに立ち上がったー。

続発している凶悪事件の容疑者は全員自殺しているー。
だが、この主婦が、唯一、助かった人間だー。
話を聞くことができれば、何か見えて来るかもしれないー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--ひ~~ははははははははははっ!」
車のアクセルを全開に踏むー。

次々と人が跳ね飛ばされていく中ー
運転席に乗る女は狂ったように笑っていたー

「お、、おい、、綾!!」
叫ぶ夫ー。

家族で買い物に行った帰りー
突然、妻が、暴走し始めたのだー

「-死ね死ね死ねぇ~~~~!」
大声で叫ぶ妻ー

なんとか止めようとする夫ー

この妻も、”無敵の憑依人”と化した
大五郎に憑依されてしまったー

大五郎は、憑依の力を手に入れてから
絶え間なく、あらゆる人間に憑依して、
罪を犯し続けているー

”自分の身体”でないが故に、いくらでも
罪を犯せる状態でー
誰も大五郎を止めることが出来ないー

世の中に強い不満を抱いていた大五郎にとっては
最高の瞬間だったー

「--人間なんて、消えちまえ!ははっ!ははははははっ!」
乗っ取った人妻の身体でげらげら笑う大五郎ー

息子らしき子供が、「お母さん!やめて!」と
叫んでいるー

”くくく、今はもうお母さんじゃねぇんだよ!”
そう心の中で叫びながらー
”顔芸”とも言えるぐらいに狂気的な笑みを浮かべてー
さらにアクセスを踏み込むー

「---あっ!?」
彼女は叫ぶー

ハンドル操作を誤りー
マンションに激突したーーー

激しい衝撃と共に、
”乗っ取っていた身体”は、即死したー


だがーー

”へへへへ”
霊体になった大五郎は笑うー

乗っ取った身体が死のうが、彼には影響がないー

「はははははは!
 憑依…
 最高だぜ…!
 ははははははははっ!」

大五郎の霊は”次のターゲット”を目指して飛び去って行くー

動かなくなった人妻の身体のことなど、
まるで気にせずにー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---では、記憶が一切ない、ということですか?」
刑事・曾我部が呟くー。

「---はい……」
苦しそうに呟く女性ー

二日前に、スーパーで暴れた女だー。
たまたま、最後の”自害”の傷が致命傷にならず、
他の憑依された被害者とは違い
”助かった”のだったー。

「----そんな言い訳、通用すると思いますか?」
若手刑事の新崎が怒りの形相で言う。

「---でも、、、でも…」
女は泣き出してしまうー

「--誰かに頼まれたのか?
 それともー」

「おい」
曾我部が新崎を止めるー。

「--少し落ち着け、新崎」
曾我部が新崎の肩を叩くと、新崎はため息をついて
「すみません」と呟くー。

「---俺…お茶を買ってきます」

その言葉に、曾我部は「俺はコーヒーで頼む」と呟くー。

新崎が病室から出ていくー。

曾我部はため息をつくと
「すみません。あなたもご存じだと思いますがー
 数日前から凶悪事件が続発しています」
と、女に対して言い放ったー

女が暴れたのは二日前ー
既に何件か、凶悪事件が起きていたタイミングだー

「はい…」
女が不安そうに呟くー

「--あなたも、その一人です。
 ですが、あなたにその時の記憶がない、ということはーー
 色々な可能性が考えられます」

曾我部は”あなた以外は全員死にました”と、続けるー。

「--どうか。覚えていることを出来る限りー…
 分からない部分は分からないで構いませんー

 これ以上、被害者を出さないためにも
 教えて頂けますか?」

曾我部はそう言って頭を下げたー

女は、不安そうにしながらも
”憑依されるまで”のこと、
”意識を取り戻したとき”のことを
思い出しながら、話し始めたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はぁ…」
病院の廊下を歩いていた新崎は困惑していたー

”いつ”誰が暴走するか分からないー
ここ1週間ちょっとで、世界はまるで変ってしまったー

相次ぐ凶悪事件。

もしも仮にーー
もしも仮に、
先輩である曾我部の言う通り、
”誰かが扇動”しているのだとしたら
”たった一人の人間の扇動行為”により、
世界はここまで恐怖に陥れられてしまうー。

「---大丈夫ですか?」
自販機の前でため息をついていた新崎が
振り返ると、そこには病院の女性看護師がいたー。

「--あ、はい、大丈夫でs

女性看護師が凶悪な笑みを浮かべたと同時に、
新崎の首筋に、注射器を打ち込んだー。


「--くくく」
動かなくなった新崎を見つめる女性看護師は
凶悪な笑みを浮かべながら
がに股で歩き出すー

「こんな世界腐ってしまえ
 こんな世界、滅んでしまえ!」

彼女もまたーーー
無敵の憑依人と化した大五郎に憑依されてしまっていたー

既に病院内の患者数名と同僚の看護師が犠牲になっているー


「---なるほど…分かりました」
病室で、数日前に憑依されてスーパーで暴れた女性から
話を聞き終えた曾我部は立ち上がるー

”この人の話が本当なのであれば…
 やはり…”

曾我部は
一連の凶悪事件が
”誰か”が、事件を起こした人間を
何らかの方法で操っているのではないかー

そんな考えにたどり着くー
確証はないー

しかしー
それ以外に考えられないー

「--また、お話を聞かせてください」
曾我部はそれだけ告げると
「新崎のやつ、遅いな」と呟きながら
病室の扉を開いたー

病室の扉を開くと、
そこには女性看護師がーー

「---!」

曾我部がハッとした時には、
もう手遅れだったー

注射器を打ち込まれて、その場に崩れ落ちる曾我部ー

「ひっ…!?」
スーパーで数日前に暴れた女性が、悲鳴を上げるー。

「---あっれぇ?お前、確かこの前憑依したよなぁ…!?
 生きてたのか~?」
笑う女性看護師ー

その表情に、優しさなど、微塵も存在していないー

「まぁ、いいや、死ね」
女性看護師が、女性の寝ているベッドに馬乗りになって、
もがく彼女に注射器を打ち込もうとするー

「はははははは♡ 人間なんてクソ食らえだ!」

叫ぶ女性看護師ー

パァン!!!

「--!?」
女性看護師が驚いた表情で身体を見つめるー
身体にぽっかりと穴が開いていたー

「う、、、おおおおおおおおおおおお!!!」
死の間際の曾我部が怒りの形相で、
女性看護師の身体を撃ち抜いたー。

もちろん、この人は乗っ取られているだけー。
今の会話を聞いて、それは分かったー

けれどー
最後の力を振り絞った曾我部に出来ることは
これだけだったー。

入院中の女性を助けーー
そして、”憑依”-
他人の身体に憑依して凶悪犯罪を繰り返していた悪魔を
葬り去るー

曾我部に出来るのは、それだけーー

「ひひ、、、あは、、あははははは」

笑う女性看護師に向かって
最後の力で、さらに数発の銃弾を撃ち込むとー

曾我部も乗っ取られた看護師も、そのまま動かなくなったーーーー


「---無駄なんだよ」
入院中だった女性患者が笑いながら立ち上がるー。

「--身体が死んでも、俺はいくらでも乗り換えることが
 できるんだから」

そう言うと、数日前、スーパーで暴れた女性の身体で、
今度は曾我部の持っていた銃を奪うと、
病院内で銃を放ち始めたー


③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

こういう人が憑依薬を手に入れてしまったら…
世の中が大変なことになってしまうのデス…

恐ろしいですネ~…!

結末は、明日のお楽しみデス!

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