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優等生の転落 ④ ~もう、戻れない~

この世には、決して”戻れない”ものがあるー。

香織は、もう戻れないー。

優等生の転落、最終回!
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「あ、あはははははははははは!」

笑い続ける香織。

たまらず浦野が声をかけた

「お、おい、大丈夫かよ」

その言葉を聞いて、香織が振り返った
「だぁ~~いじょうぶよ」
香織がなおも笑っている

浦野は、怖くなりつい口にする

「お、おい井浦…どうなってんだよ?」
小声で言う


「井浦?」
高野が反応する。


「井浦~~あははははは!
 私をあんなヤツと一緒にしないでよ、

 私は城咲 香織だし~~」

狂ったようにハイテンションな香織。


「な…」
浦野は驚く。

確かに城咲の中には井浦がいたはず。

一体、どうしてしまったのか?


ふと思い出す。

そういえば、あの薬…
”副作用”があると書いてあったような…


「し・・・城咲さん?」
高野が声をかけると今度は高野の方を向く


「あは…高野君~~
 高野君みたいのいじめると楽しいよね~~~

 あっちの浦野もそうだけどさ~~~!

 人が苦しんでるのって超最高!

 あはははは、あはははははあ~~~」

なおも香織は狂ったように笑っている


「し・・・城咲さん」


「城咲さんに何をしたんだ!」
高野が怒っていう。

浦野にもわからなかった。

浦野は動揺して真実を話す。


「な・・・なんてことを」
高野はショックのあまり、その場に座り込んだ


「ありがとっ 浦野君~~~
 おかげで私は本当の自分に気づけたから

 ああああぁぁ 最高っ!」

そう言うと、香織は空き教室を立ち去った。


「城咲さんーーー」

「井浦ーーー」

残された二人はただただ唖然としていた。


それから数週間。

すっかり変わってしまった城咲香織は、クラスで孤立した。

しかもそれもお構いなしに、周囲への嫌がらせを繰り返す。

優等生だった城咲香織は今やすっかり問題児になっていた。


城咲香織を乗っ取ったはずの井浦は消えてしまった。
そして城咲香織は城咲香織ですら無くなってしまった。


井浦でも香織でもないーーーー
今の彼女は一体…。


高野と浦野は、大切なものを失った傷をなめあうかのように、
仲良くなっていったのだという。


おわり

コメント

No title

後味悪いけど、浦野みたいに自業自得的になるのも面白い。何せ普通なら奴も得をするはずだったのだから

Re: No title

> 後味悪いけど、浦野みたいに自業自得的になるのも面白い。何せ普通なら奴も得をするはずだったのだから

ありがとうございます^^
この後が色々と大変でそうですね・・
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Author:無名
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