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<憑依>ブラッド・ポルーション②~血の真実~(完)

料理人・為五郎は、自らの血で他人を浸食し、
”自分そのもの”に変える力を持っていた。

血を介して、自分の意識を憑依させ、
自分の分身そのものに仕立てあげてしまうのだ。

そして、裏に隠された恐るべき”血の真実”とはー?
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「--アイツ、、血を人に飲ませて女を操って…
 店のウェイトレスとして働かせているんだよー」

真瀬が声を振り絞りながら言った。

真瀬から真実を聞いた
水野伸介は走った。

レストラン”ポゼーラ”を目指して…

ただ、ひたすらに走った。

妹の優理はもう手遅れなのだろうか。

「くそっ、もっと早くおかしいと気づくべきだった!」

毒づく伸介。

そして伸介はポゼーラに辿り着く。
入口には”本日 貸切”と書かれていた。

「知るか!」
伸介は扉を蹴り飛ばして、開けたーーー。


その様子を厨房に座る料理人、
為五郎はじっと、モニター越しに見つめていた

「---”下”」

為五郎は入ってきた伸介の評価を下した。

彼は、モニター越しに利用客を物色する。

”上(じょう)”は、彼の好みの女性。
スープを提供し、自分の分身にする対象だ。

”中(ちゅう)”は、眼中なし。そのまま食事を
楽しみ、帰ることができる
気まぐれで、スープを飲ませることもある。

そしてー
”下(げ)”はー


ポゼーラの店内に入った伸介を
色っぽいウェイトレス衣装の
亜美奈が出迎えた。

大学の女友達の亜美奈―。

「亜美奈―、どうしてここに?」
伸介が驚いて尋ねると、
亜美奈が不敵に笑った

「うふふ・・・みてみて、
 私の美脚…
 綺麗でしょ?

 こんな綺麗な格好して、お店に来ちゃったから…
 わたしも、スープ飲まされちゃったの!

 今の私は亜美奈であって、
 為五郎でもあるの!うふふふふふっ!」

不気味に笑う亜美奈ー。

伸介は思う。

「ここのね~トマトスープ!
 すっごく美味しいんだよ!
 ぜひ妹さんにも飲ませてあげて!」


大学で自分にポゼーラを進めてきたときの
亜美奈は、既に…。

伸介は悔しそうに歯を食いしばる。

「亜美奈―。
 悪いけど、今、君に用は無いんだ…
 妹の優理はどこに?」

そう言うと、亜美奈は笑った。

「うふふ・・・♡
 優理もちゃんも”私”になったのよ…
 
 ううん、俺になったんだよ!
 ははははは!」

亜美奈が高い声で笑う。

「ほ~ら見ろよ!若造!
 この脚、この胸!この髪!
 この亜美奈って女も可愛いだろう~」

亜美奈がイヤらしく体をベタベタと
触りながら微笑む。

「や、、やめろ!」

その時だった。
店内の厨房から二人の女性が姿を現した。

親友・真瀬の彼女の鈴乃ー。

そしてーー

「優理!」
妹の名を伸介は叫んだ。

女子高の制服を身にまとい、
うつろな目で歩いてくる優理。

亜美奈と鈴乃は”同じ笑み”を浮かべている。

「---わたしは…わたしは…」
優理がつぶやく。

「おい!優理!しっかりしろ!優理!」
呼びかける兄の伸介。

だが、優理はうつろな目のままだ

「わたしはーーーゆう…り??
 ううん、、違う…
 わたしは…

 ち、、、違う、違くない、、、違う違う!」

頭を抱える優理。

伸介はうろたえている。

そしてー

「わたしはーーー
 いいや、俺は!為五郎だ!」

優理が叫んで邪悪な笑みを浮かべた。

他の二人の女性が笑う。

「うふふふふふふふふっ」
3人が同じタイミングで笑う


「おい!ふざけるな!為五郎とかいう奴を出せ!
 おい!」

伸介が叫ぶと、
優理が言った

「そんなに俺に会いたいのか…?」

と。

完全に意識を、為五郎とやらに…
いや、為五郎そのものになってしまっている。

「---ようこそ。歓迎するよ」

厨房から、白髪頭の男が出てきた。
いかにも料理人らしい男だー。

この男がー為五郎か。


「--君が伸介君か。
 ザンネンだったな。
 彼女は”上”に選ばれた。
 もう、俺のものなんだよ」

為五郎が言う。

「---みんなを元に戻せ!」
伸介が叫ぶと、
為五郎は首を振った

「ザンネンだがそれはできないのだよ…。
 彼女らの”血”は全て、俺の血と入れ替わった。

 血に混じる俺の意識の分裂体に憑依された
 この女たちは、既に俺自身」

伸介は3人を見る。
3人とも妖艶にほほ笑んでいる。

「-俺の思いのままに動かすこともできるし、
 俺として自由に行動させることもできる。」

伸介は唖然として叫ぶ

「優理!しっかりしろ!お前、、
 将来デザイナーになるんだろ!
 こんなことしてていいのか!」

伸介が言うと優理は笑った。

「優理なんて名前はもう捨てたの!
 私はー
 いや、俺は為五郎だから!ハハハ!」

笑いながらスカートをぐしゃぐしゃに揉み解す優理。

「くそっーー。
 あ、亜美奈!お前も、こんなところで
 こんなことしてていいのかよー!」

伸介が叫ぶ。
だが亜美奈も笑った

「うっふふ、この女の体、エッロいよねぇ~!
 これが俺の体の一部なんて、
 亜美奈、しんじられな~い!」

体を色っぽくくねらせながら言う亜美奈。

「---くっ」

為五郎が勝ち誇った顔で伸介を見た。


「---俺は!」
為五郎と同じタイミングで
亜美奈も、優理も、鈴乃も叫んだ

「俺はー為五郎だ!」

伸介は首を振った。

「あ~そろそろ抜くか」
為五郎が言う。

すると、3人の女性が一斉に自分の体を
弄び始めた

「ひっ…亜美奈の体、
 気持ちイイ!うふぅん、すごい、、、すごいよぉ♡」

「あははははは、優理、これからなんかいも、、
 自分でやっちゃう!
 えへ!えへへへへ!えへへへへぇ♡」

「あたしは鈴乃、鈴乃!!!鈴乃よぉ!!!
 あはははははは♡」

3人の女性が大声で喘ぎ始める。

「ふっざけるなぁぁぁ!」
伸介は為五郎めがけて突進した。

「むぐっ!」
床に倒れた為五郎の顔面を1回、2回、3回と
殴りつける伸介。

「お前をぶん殴ってでも3人を助ける!
 ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!」

4回、5回、6回。

為五郎の顔から血が噴き出す。

「おら!優理を!亜美奈を!片下さんを!!!
 もとに…もどせぇ!」

伸介は渾身の力を込めて為五郎をぶちのめした。


「むがっ……」
悲鳴のような声をあげて為五郎が意識を失う。

だがー、
3人の女性は自分の体を激しく弄んだままだー。

本体の為五郎をぶちのめせば3人は正気にー
それを期待した。

だが、やはり3人の体内に彼の血がある限り…

「おい!起きろ!」
伸介が為五郎の胸倉をつかむ。

「うーーー、へへ、、、
 やっぱ、お前はすげぇや。
 妹さん、好きだよなぁ」

為五郎が言う。

「何を言ってる!?」
伸介がどなりつけると、
為五郎は笑う

「お前のそういう熱血なところ、、、
 俺、嫌いなんだよ…うへへへへ」

為五郎がだらしなく唾液を垂らす。
何だコイツは?
伸介はそう思った。

その時だったー


背後から
”お前のそういう熱血なところ、俺、嫌いなんだよ”

という同じ声が聞こえた。

伸介は振り返るー。

そこにはー
親友の真瀬 秀雄の姿があった。

「親父を離してやれー
 親父は今やただの操り人形だ」

真瀬が笑みを浮かべて
レストランの席の一つにつく。

真瀬が指を鳴らすと、
亜美奈、優理、鈴乃の3人が
真瀬の体の世話を始めた。

「ま、、真瀬ー-
 どういうことだ?」

伸介が訪ねると、
真瀬は亜美奈とキスをしながら言った。

「”血の汚染”---

 血を相手に流し込むことで、
 その血を介してその人間を自分自身にできる。

 献血をした際にその職員が
 献血のお礼にと俺にくれたんだよ…
 
 この”人を自分そのものい変えてしまう血をな”」

ーーー!?

真瀬が指を鳴らすと
三人の女性、そして為五郎が真瀬の横に並んだ


「血で優理たちを支配していたのは
 為五郎じゃないー
 俺だ。
 
 為五郎、いや、親父もー
 俺の血で、俺に操られているんだよ…」

真瀬と、3人の女性、そして為五郎が同じ口調で話した。

「なんだと・・・
 お、、、お前の仕業だっていうのか!」

伸介が叫ぶと
真瀬は笑みを浮かべて伸介の言葉を肯定した。
亜美奈も、優理も、鈴乃も、為五郎も同じように笑う。

「ふっ…ふざけるな!どうしてこんなことを!」

伸介の問いに真瀬は答えた。

「献血の人からこの能力を聞いたときは驚いた。
 でよ、俺は親父で試すことにした。」

真瀬は父である
真瀬 為五郎(ませ ためごろう)を指さした。

他の3人の女性も為五郎を指さし、
為五郎は自分を指さした。

「--でもよ、親父は古い料理人でよ、
 店も赤字だった。
 俺は言ったんだよ、今の店には色気が必要だってな!

 でも、親父はそれを拒み、
 俺に説教をした。

 だから俺は自分の血を親父に飲ませて
 親父を支配してやったんだよ!」

5人が同時に同じことを叫ぶ。

「でよ…
 店のスタッフも年寄りが多かったから全員解雇してやった。

 大学で可愛い子を見つけては、
 俺の血をスープに混ぜて飲ませて、俺自身に変えてやった。

 最初に、彼女の鈴乃…

 次に、俺が密かに好意を抱いていた亜美奈ー。

 そして他の女たちもな-。」

厨房からさらに3人の女子大生が姿を現す。

みんな、笑みを浮かべている。


「--ふ、、、ふざけるな!」
伸介が唖然として叫ぶ。

真瀬は笑う

「お前の妹とあったことのある亜美奈を乗っ取った時、
 決めたよー。

 亜美奈の記憶にあったお前の妹はとても可愛かった。
 だから、俺自身に変えてやるとな」

唖然と立ち尽くす伸介。

「でもね…お兄ちゃん、私、今とっても嬉しい!
 新しい人生が開けた気分!
 わたしが、真瀬秀雄になれたんだから!

 うっふふふふふ♡

 デザイナーなんてクソ喰らえよ!」

優理が言う。

真瀬が続けて笑う

「俺と同化した人間は、俺自身になるだけでなく、
 元々の思考も変わっちまう。
 俺と同じ性質にな…。

 優理はもう、俺そのものなんだよ」

優理が真瀬に嬉しそうに抱き着く。

「あぁぁ…俺の体、落ち着く…」
優理がうっとりとした表情で言う。

「--ゆ、、優理!」


「わたしも幸せ!
 私はね…”俺自身”のためにこれからも大学に通って
 可愛い女の子をいっぱいここに誘導するの。。。
 わたし、みたいにかわいい子をね!」

亜美奈が笑う

「うふふっ…真瀬君とひとつになれたぁ~~~」
鈴乃が笑う。


「……ゆう…り…」
膝をつく伸介。


「よぉし!俺も興奮してきたぜ!
 俺に究極の絶頂を味あわせてくれ!」

真瀬がそう叫ぶと、

優理は、自分の制服を笑いながら脱ぎ捨て、
近くにあった棒を自分の秘部に笑いながら突っ込み、
盛大に喘ぎはじめた

「あっ、、、あはぁん、、、こ、、この体、、すごい…
 ひっ、、、ひっ、、、ひぁああああああ♡」

亜美奈は自分の脚をベタベタとこすりながら
妖艶に自分の体をくねらせ、
舌で唇を舐めている。

既に亜美奈の太ももや脚には大量の愛液が
染みついている。


「あっ、、あははっ、、あははははははっ♡」
鈴乃は胸を弄びながら叫んでいる。


「ふっ…ふふっ…ふふふふふふっふっ!」
真瀬が体をピクピクさせている

「伸介―!
 お前にわかるか! ふっ、、、ふふっ!

 4人分の快感が、4人の体を通じて
 俺に流れてくるこの究極の絶頂…
 ふふっ…ふふふ」


4人ー?

ふと伸介が横を見ると
料理人の為五郎も一人、アソコを刺激して快感を感じていた。


「ふっ・・・ふふふふふふふふっ」

喘ぐ4人。

そして、真瀬の我慢が限界に達し、
真瀬はズボンをおろし、盛大に液体を発射した。

あまりの勢いに伸介の顔にそれが付着する


「きったねぇな!真瀬!」
伸介が叫ぶ。

真瀬はしばらく放心状態だったが、
少しして微笑んだ。

「そうそう、お前は”下”だ」

ーーー?

伸介が真瀬を睨む

「”下”ってのは廃棄処分ー。
 料理も、劣悪な食材は廃棄するだろ?

 それと同じだ。」

そう言うと、真瀬は指をならす。

奥からうつろな目の男が出てきた。
男は、伸介に近づく。

「な、、何だよ――」

そう言いかけたその時だった。
鋭い痛みが伸介を襲うー。

伸介が自分の体を見つめると、、、
そこには「刃物」が突き刺さっていた。

「えーーーー」

その場に崩れ落ちる伸介。


「よぅし!自首して来い!」
伸介を刺した男に真瀬が言うと、その男は無表情で
刃物を持ったまま店の外に歩いて行く。


崩れ落ちた伸介の耳元に優理がやってくる

「お兄ちゃん、心配しないで…
 これから、私、真瀬秀雄として生きるから。

 ね?だからゆ~っくりお休み!お兄ちゃん!」

微笑む優理。

伸介が苦しみながら顔をあげると、
優理と、亜美奈と、鈴乃と、為五郎が
妖艶な笑みを浮かべて伸介を見下していた。

足をあげる4人ーー。

「----------!」

そして、4人は足を思いっきり伸介の
顔面めがけて叩きつけた。


その光景が、
水野伸介の見た、最後の光景となったーーー。


血は汚染(ポルーション)し続ける…。
今日もどこかで可愛い少女が
”血に汚染”されているかもしれないーーー


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエスト作品のブラッド・ポルーション、
いかがでしたでしょうか?

頂いたリクエストを元に
無名流料理(?)をしたところこんな作品になりました!

小説の味付けも料理のようなものですね^^

ご覧くださりありがとうございました!

コメント

No title

なんとまあ……
確かにひねくれてるw

Re: No title

> なんとまあ……
> 確かにひねくれてるw

真瀬君最強説…??
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
の小説を公開していきます!

基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

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