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<憑依>血に染まる王国①”慈悲”

魔法を中心に栄えていたとある王国、
パールホワイト王国。

平和なその国に、魔王・ダークネスが魔物を放ち、
侵略を開始した。

しかしー
王国騎士のジョナスは、果敢にもこれに立ち向かい、
ついに魔王を追いつめたのだった…。
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パールホワイト王国に魔王ダークネスが姿を現して2年。

戦争は続いた。

王国には人間と、ゴーレムやエルフ、アンデッドなどが共存していた。
大半の種族は王国側の味方についた。

しかし、エルフは違った。
人質をとられたエルフは、魔王ダークネスにやむを得ず従い、
王国への戦争に加担した。

パールホワイト王国の姫、
パール姫は、そんなエルフの事情を察し、
極力エルフを傷つけないように騎士たちに指示。

それを知った魔王ダークネスは、
エルフを盾にするような戦術をとり、戦争は長期化していた。

ーーが、転機は訪れた。
エルフの一人が、命がけで王国騎士のジョナスに連絡を取り、
そのエルフの手引きで、ジョナスは魔王の城へと潜入した。

邪魔をするスライムや亜人をたたき伏せ、
ジョナスはついに魔王ダークネスのもとに辿り着き、
剣を交えるのだった。

剣と剣がぶつかりあう。

「--長期化する戦争。
 人間とは愚かなモノだ。
 さっさと我に身をゆだねれば良いモノをー」

典型的な”魔王”という感じの姿をした
ダークネスは笑う。

しかし…

「---お前は、ここで終わりだ!」
騎士ジョナスが、王国に伝わる魔術を発動した。

王国に満ちる”純白”のエネルギーが剣に注がれる

「なっ・・・その力は!?」
魔王・ダークネスが叫ぶ。

「滅び去れー魔王ダークネス!」
ジョナスが叫び、剣を振りかざし、
魔王ダークネスを真っ二つに引き裂いた。

「うぎゃあああああああ!」

ダークネスの断末魔が響きーーー
”戦争は終わった”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ジョナス…本当にありがとう」
パール姫が、騎士ジョナスの功績をたたえる

心優しい姫は、
民にさえも慈悲の心を持って接し、
民衆からの信望も厚かった。

父が早くに死んだ彼女は、
20過ぎという若さで王国を背負うという
過酷な立場に居た。

そんな姫をジョナスは心配していた。
幼馴染でもあるジョナスは、姫の剣となり、
常にその傍らで、騎士としての任務をこなしてきた。

「---姫様、お時間です」
腹心の一人が姫につげると、
姫は微笑んだ。

「--ジョナス、本当にありがとう」
そう言ってほほ笑むと、姫は腹心と共に、
公務のために、ジョナスの前から姿を消した。


「--なに赤くなってるんだ!」
先輩騎士のケビンが言う。

「--いえ、別に…」
ジョナスは姫に好意を抱いていた。
だが、騎士としての立場上、それを押し殺しているのだ。

「--ま、いいけどよ…。
 魔王も倒れたことだし、これからは俺たち騎士も、
 少しは楽になるってもんよ」

先輩騎士のケビンが笑いながら言った…。
ジョナスは、これから訪れるであろう平和を思い浮かべて、
微笑んだ。


別室で、姫と腹心の男が、話をしている。

「魔王に組みしたエルフの者たちはどうなさいますか?」
腹心が言うと、
姫は優しく微笑んだ。

「彼らはやむを得ず魔王に手を貸したのです。
 それを責めることなど私にはできません。」

姫が言うと、腹心が頷いた。

「エルフの皆様にも、伝えておきましょう。
 咎めは一切ないということを…
 彼らも心配しているかもしれませんし…」

パール姫が言うと、
腹心が突然笑い出した

「むはははははははっ!」

突然笑い出した腹心を前に、姫が驚き、顔をしかめた。

「--甘い!甘いですぞ!姫!
 あなたは権力をお持ちだ!
 なのに何故それを使わない?

 あなたほどの権力があれば、王国を支配することなど―」

腹心が言うと、
姫は言った。

「--上に立つものは慈悲と愛を持てーー。
 お父様の教えです。

 私はこの国のみんなをーーー」

その言葉を遮り、腹心が笑う

「ひぃーはははははは!
 慈悲ィ?愛?そんなバカげたことはやめにしましょう」

姫が怯えた表情を一瞬浮かべると、
腹心の口から黒い煙が吐き出された。

そしてーー
その煙はーー
倒したはずの”魔王ダークネス”の姿に変わっていく。

「--ひっ…、、だ、、ダークネス…」
姫が悲鳴をあげる。

ダークネスは、姫を見つめた。

「--愚かな人間よ。
 我は”あえて”倒されたのだ。

 この2年、我は力で貴様らをねじふせようとした。
 だが、それはできなかった。

 ならばーー
 ”内”から我が王国を支配すれば良い」

ダークネスの言葉に
姫は剣を手に取り、ダークネスに向けた。

「--あ、、あなたの好きにはさせません!」
純白のドレス姿の姫は、気丈にも叫んだ。

「くふふっ…そういう目、いいねぇ。
 だが、パール姫。お前には協力してもらうぞ」
ダークネスが言う。


その言葉に姫は叫んだ

「誰があなたになんか!
 あなたに協力するぐらいなら、私は命だって惜しくありません!」

そう叫ぶと、
ダークネスはニヤリと笑みを浮かべた。

「--クク…いやでもお前は我に協力する」

そう言うと、ダークネスが煙状に変化し、
姫の体を襲った

「ひっ…?」
怯えた様子の姫の鼻や耳、口から煙が入り込んでいく

「ひっ…ぐ…あっ…あああああ、、、は、、入ってこないで!」
姫が苦しそうにもがく

”壊せ”

”壊せ”

”我と一体となり、全てを壊せ”

ダークネスの声が頭に響く。

「あ、、、やめて…やめて…私は…」

頭を抱えながら姫が叫ぶ。


だがーーー
姫の思考は次第に黒い感情に塗りつぶされていく。

慈悲が消え―
愛が消え―。

「---くっ・・・あっ・・・あ」
信念をも失い、姫の目から輝きが消える。


”くははははは!
 これから我の体として、、
 我が姫として、、この王国を恐怖に染めてやるわ”

姫の動きが止まる。。

そしてーーー
姫は邪悪な笑みを浮かべた

「くくくく…我は、、、ダークネス…いや…」

姫が歪んだ表情で、自分の体を見つめる

「わたしが
 自分自身の手でこの王国を血に染めていく…
 うふふふふふ…」

姫の目には狂気が宿っていたーーー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

姫は黒いドレス姿で家臣や騎士たちの前に姿を現した。

ダークネスの邪気が、彼女の純白のドレスの色をも
漆黒に染めてしまったのだ。

「---」
姫は騎士や家臣たちを見つめて
表情をゆがませた。

”これからはーー
 お前たちを恐怖と戦争の世界に陥れてやるー。
 暗黒の時代の到来だー”

パール姫は集まった家臣たちの方を向いて言った。

「魔王は倒されました。
 みなさんのお力あってのこそです。
 本当にありがとうございます。

 ですがーー
 まだ戦争は終わっていません」

いつもよりも、自信に満ち溢れた様子の姫を見て、
騎士ジョナスは違和感を覚える。

「---戦争が終わっていない?どういうことです?」
騎士団長ユリシーズが言うと、姫は微笑んだ。

「ユリシーズ…
 まだやるべきことが残っているでしょう?」

諭すようにー、
いや、見下すように姫は呟いた。

「---やること・・・ですか?」
騎士団長ユリシーズがつぶやくと、
姫は高らかに宣言した。

「魔王に組みした反逆者、エルフたちを
 一網打尽にします。

 私の王国に刃を向けたあのものたちを
 許しておくわけにはいきません」

笑みを浮かべながら言うパール姫。

家臣たちは騒然となった。

「--お待ちください」
先輩騎士のケビンが膝をついて前に出た。

「--あら?何かしら?」
姫が高飛車な様子で耳を傾ける。

「エルフ族は姫様もご存じのとおり、
 長老たちを魔王に人質に取られ、
 我々に刃を向けるように強要されていました。

 決して、戦争は彼らの本意ではないと存じます。
 なにとぞ、姫様のご慈悲をもってお許しお願いいたします」

ケビンが頭を下げる。

すると姫は言った

「慈悲…?
 うふふ・・・笑わせないで。
 これからは魔王やエルフのような、私に刃を向けるものが
 2度と現れないように、しっかりと懲らしめるモノは懲らしめなきゃ」

姫とは思えないような言葉に、ケビンをはじめとする騎士は動揺する。

「いい?ケビン?
 エルフは一人残らず、この世から消し去るの。
 私に反逆した罪よ」

姫が冷たく言い放つ。
長い髪が不気味になびく。

”魔王”は、激怒していた。
エルフが騎士ジョナスに連絡をとり、裏口から城に侵入させたのは
魔王の指示ではない。

まだ、秘術が不完全だったのだ。
結果的に姫に憑依できたが、危ないところだった。

”裏切り者”はけしてしまわねばー。

「姫!お願いします!お考えをお改めください」
ケビンが今一度頭を下げる。

「--お黙り!私の言うことが聞けないの?」
姫が声を荒げた。

「---しかし姫!それではエルフたちが」

次の瞬間、信じられないことが起きた。

「-----------!!」
騎士・ジョナスは目を疑った。

姫が乱暴に剣を引き抜き・・・
ケビンの首を剣で弾き飛ばした。

「ひぃいいいいい!?」
家臣や騎士たちが唖然とする。

返り血を浴びた姫が、剣についた血を
その舌で妖艶に舐めている。

「---これも王国を守る為よ。
 私に反逆するものには、死、よ」

ケビンの亡骸と首を見て、
姫は高圧的に名を呼んだ。

「ユリシーズ…」

呼ばれた騎士団長のユリシーズが「はっ」と声を出す。

「その反逆者を片付けなさい」
そう言うと、姫は檀上へと戻り、
ユリシーズは恐怖しながら、そそくさとケビンの残骸を片づけ始めた


そしてーー姫は高らかに宣言した。

「裏切り者は死あるのみよ…くふふ・・・」

そして、不気味な笑みを浮かべた姫は叫んだ。

「これより、エルフの村を焼き払いますー!」

王宮が騒然としたーーーー

「一人残らずエルフたちを皆殺しになさい!」
姫の指示でーーー
ただちに戦争の準備がはじめられた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たまらず、騎士ジョナスは姫の元を訪れた。

「姫!どういうことです!」
ジョナスが姫を呼ぶと、パール姫は笑った。

「---ジョナス…」
姫の目に”復讐の色”が浮かぶ。

魔王にとって、ジョナスは憎き存在だ。
剣に手をかけようとしたが、姫は思いとどまった。

「--これも、、民のためなのです」
悲しそうに言う姫。

「---姫…」
ジョナスは戸惑い、言葉に迷う。

「---私だって辛い…
 でも、、エルフの中には、魔王に操られているものも
 いると聞きました…

 みんなの平和のため…
 お父様の作ってくれたこの国を守る為…

 わたしは心を鬼にしないといけないの…」

姫が目から涙をこぼす。

「姫ーーー」
ジョナスは”姫もつらいのだろう”と思い、
姫の涙にすっかり騙されて、頭を下げた。

「---わかりました。。
 今は何も聞きません。
 
 姫の仰せのままに、剣をふるいます」

ジョナスの言葉に、姫はジョナスに見えないように
邪悪な笑みを浮かべた。

今この場で、頭を下げているジョナスを
踏んづけてやりたい。

だがーー姫は思いとどまる。

”この国を恐怖と憎悪が支配する暗黒世界”にするためにー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

炎と悲鳴が上がっているーーー。

”エルフの村”は王国軍により、
火矢で攻撃され、炎上、
逃げ惑うエルフたちを騎士たちが惨殺していく。

「うふふ・・・ふふふふふっ!
 あはははははははははっ!」

前線付近で戦況を見ていた姫が
狂ったように笑う。

「さぁ…もっとだ…もっと!
 我に反逆したエルフどもを皆殺しにしろ!」

目を見開き、
低い声で狂気の言葉を口にする姫。

その様子に、優しかった姫のオモカゲは無い。

「---たすけて!」
ふと姫のそばに、少女と言ってもよいぐらいの年齢のエルフが
かけこんできた。

「--お願い!たすけて!たすけて!
 おとうさんもおかあさんも殺されちゃった」

姫の本性も知らず、
エルフの少女は姫にすがりつく。

「--うふふ・・・可愛いエルフさん」

姫が剣に手をかけるーー

しかしーー

「ひっ・・・」
エルフの少女が、人間とは違う感覚で、
姫の背後に潜む、魔王の影を見つけた。

「---ひっ…あ、、、あくま!あくま!」
エルフの少女が逃げ出そうとする。

しかし…

「あははははあははは!死ねぇ!」
姫が叫び、剣を振りおろし、
その場に血しぶきが飛んだ。

「あ・・・・・・・」
涙を流してその場に倒れる少女のエルフ。

姫は冷たい目でエルフを見つめ、
足で踏みつけた。
何度も、、何度も…。


「私に逆らうとどうなるか!お前たちに思い知らせてやる!
 全ては、私の前にひれ伏すのよ!
 うふふふっ、ははははははははは!」

ーーー姫が笑い終えたころには、
少女は動かなくなっていた。


そしてーー
エルフの村は完全に焼き払われたー。

村に居たエルフは、一人残らず惨殺された。


「---ひどい・・・」
後輩の女性騎士・アリシアが言う。

「---」
騎士ジョナスもその惨状から目を逸らした。


姫は言う。

「ご苦労様。
 ひとおもいで楽にしてあげたのだから、
 エルフたちも、私の慈悲に感謝しているでしょう」

姫が冷たくそう言い放つと、
一同は王国に帰還した。

その日からーーー
王国は恐怖と憎悪が支配する
”暗黒世界”へと突入していくのだったーー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

反逆者としてエルフたちが皆殺しになってしまいました…

果たして、これからどうなるのでしょうか?
続きは明日です!

コメント

No title

ここでもエルフの村が焼かれてる( ˘ω˘ )

Re: No title

> ここでもエルフの村が焼かれてる( ˘ω˘ )

反逆者の村は焼かれる運命にあります!
ひひひ…(?)
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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