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<憑依>血に染まる王国②”姫の暴政”

魔王ダークネスに憑依され、
圧政を始める姫。

そんな異変に気付いた騎士たちの決断はー?

王国は血に染まるのか、
それとも平和を取り戻せるのか?
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「一部のエルフが、東の村に匿われているみたいですね」
姫が家臣や騎士を集めて、冷たい声でささやいた。

「---」
騎士ジョナスは、背筋の凍る思いでその言葉を聞く。

あの日ー、
姫がエルフの村を焼き払うと宣言した日、
ジョナスは使者を走らせて、村の外に居たエルフたちに
絶対に村には戻らず、東に存在する、のどかな村に逃げるように
指示して、数名のエルフたちを助けたのだった。

東に存在する、ロード村は、
のどかな村で、農業を中心に栄えている村だ。

あそこの宿屋には、ジョナスも何度か世話になったことがある。

ロード村の村長に、ジョナスが事情を話すと、
村長はエルフを匿うことを約束してくれた。


だが…
何故?
姫に何故その情報が入ったのだ?

「---誰か、、エルフを助けた者が居ますね?」
パール姫は冷たい声で玉座から立ち上がり、
騎士たちを見渡した。

「---名乗り出なさい」
高圧的に言い放つ姫。

だが、誰も名乗りでない。

ジョナスは冷や汗を垂らした。
姫とは幼馴染だ。

だがーー
最近の彼女の様子はどうにもおかしい。

ここ1週間で、姫に逆らった家臣が
3人、処断されている。

人が変わってしまったかのようだ。

民衆からも重い税を搾り取るようになっており、
民たちからの信望も落ち始めている。

「・・・・・」
冷や汗を書き、黙り込むジョナス。

後輩の女性騎士・アリシアがジョナスの方を
心配そうに見つめている。

「---ジョナス」
姫が、ジョナスの事を冷たく見下ろしながら囁く。

「--あなたじゃ、ないわよね?」

姫がジョナスを睨むようにして見る。

「---ーーー」
ジョナスは意を決した。

「姫…。私は、、、エルフの虐殺は
 間違えだと考えています」

ジョナスが言うと、
姫は明らかに不快そうな表情を浮かべた。

「---なんですって?」
激しい口調でジョナスに怒りを向ける。

だが、ジョナスは臆することなく姫を見た。

「---罪もないエルフたちを村ごと焼き払うなんて
 間違ってます!

 姫!あなたはいつも慈悲と愛、慈愛を持って
 民衆に接していたじゃないですか!
 お忘れですか!」

ジョナスは真剣なまなざしで姫を見据える。

だが、姫はジョナスを力強くビンタした。

「--騎士風情が!思い上がるな!」
姫が2回、3回とジョナスをビンタする。


だが、ジョナスも引かなかった。


「姫!どうか、清きお心を取り戻してください!
 我がパールホワイト王国の誇り高き魂を!」

ジョナスが言うと、
姫が笑った。

「あっははははは、そんなもの一銭にもなりはしない!
 ジョナス。いい?
 王国を守るためには犠牲が必要なの!

 私は民とこの国を守りたいの!

 余計な口を挟まないで頂戴!」

姫はそういうと、怒り狂った様子で壇上に戻った。

そしてーーー

「-ーー生き残りのエルフが潜伏する村を焼き払います。
 反逆者には死、あるのみ。
 ロード村のものたちもまとめて焼き払いなさい!」

姫が怒り狂って叫ぶ。

「---姫様!もうおやめください!」
騎士のアリシアが叫ぶ。

「---姫!お気を確かに!」
騎士団長のユリシーズも、姫をたしなめようとする。

だがーー

「ええい!うるさいわ!私の命令が聞けないの?
 これは命令よ!
 徹底的にエルフたちを焼き払いなさい!!
 
 村の人間もろとも!」

姫の、狂気に染まった言葉に…
反対できる人間はもういなかった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ロード村に火がつけられている。

「---ジョナスよ…」
騎士団長のユリシーズが、村人や、
エルフたちの悲鳴を聞きながら悲しそうな声で言う。

「は…」
ジョナスも悲しそうに返事をすると、
ユリシーズが言う。

「どうも最近、パール姫の様子がおかしいように
 思うのだが、お前はどう思う?」
ユリシーズの言葉にジョナスも頷く。

「はい。。。どう考えても普通じゃありません。。」
ジョナスが言うと、ユリシーズが険しい表情で言う。

「--姫が豹変したのは、魔王討伐の翌日からだ」
ユリシーズの言葉にジョナスはハッとする。


「---魔王は、本当に滅んだと思うか?」

ユリシーズの言葉に、ジョナスは険しい表情を浮かべた。

「まさか…」
ジョナスの言葉にユリシーズが頷く。


「あぁ…俺は内密に調査を進めてみる。
 直属の部下にも話は通してある。
 
 魔王ダークネスは…まだ滅んでいないのかもしれん」

ユリシーズの言葉に
ジョナスは目を細める。


「あはははははっ!燃えろ!燃えろ!
 燃えてしまえ!この私に逆らったバツよ!」

パール姫が村の方で笑い声をあげている。

エルフたちの悲鳴ー
村人たちの悲鳴ー。

「--た、、たすけ…」
村長が、姫に踏みつぶされて悲鳴をあげている。


「---お待ちくだ…!」
ジョナスが姫の方に走って行こうとしたが、
ユリシーズがそれを制した。

「------」
険しい表情でユリシーズが首を振る。
”命を無駄にするな” と。

「----くそっ」
ジョナスがつぶやく。

確かに、今、止めに入っても
パール姫は話を聞き入れないだろう。

「--私を謀った罰だ!
 うふふふふふふ、ははははははははは!」

姫が何度も、何度も村長を剣で刺している。

返り血を浴び、炎のそばで不気味にほほ笑む姫はーー
まるで魔王かのように見えた。。

ロード村は、村人やエルフもろとも焼き払われた。
命乞いをする、子供のエルフも、全てー。


「酷すぎる…これじゃあ魔王とやってることが同じだ…」
ジョナスは、そう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも姫の暴走は続いた。

人が変わったかのように、隣国の村を突然攻撃し始めた。

隣国の女王・メリウスとは、”親友同士のようだ”と呼ばれるほど
仲が良かったパール姫。

しかし、今のパール姫には、そんなことすら関係が無い事のようだった。

重税を課し、払わない民を容赦なく粛清していく。

その姫の姿はもはや、暴君と称するべき姿だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジョナスは隣国の女王、メリウスと極秘で会談していた。

「--我々も、困惑しています。
 パール姫がどうして、豹変したのか」

ジョナスがそう言うと、
おしとやかな雰囲気の姫・メリウスが悲しそうにつぶやいた。

「そう…」

メリウス姫とパール姫は幼馴染。
小さいころはよくジョナス、パール、メリウスの3人で遊んでいた。

「---今、私と騎士団長のユリシーズを中心に、
 調査を進めています。
 メリウス姫もお辛いでしょうが、もう少し、時間を頂けないでしょうか」

ジョナスは、
戦争に発展しそうな状態を打破するため、
隣国・ライトピース王国を訪れていた。

「・・・わかりました。 家臣たちは何とか説得します。
 ですが…」

メリウス姫が、悲しい目でジョナスを見た。

「家臣たちは”反撃すべき”だと言っています。
 パール姫が、これ以上、私たちに危害を加えるならば…
 私も…悲しい決断をしなければなりません」

メリウスの言葉を聞き、ジョナスは険しい表情でうなずいた。


早くーー

早く、姫の乱心を止めなくてはならない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パールホワイト王国に戻ると、王宮前に人だかりができていた。

”罪人”が連行されている。


その罪人の姿を見て、ジョナスは目を疑った。。

「--ユリシーズ騎士団長!」
ジョナスが叫ぶと、列が足を止める。

パール姫の近辺を探っていたユリシーズ団長が何故?

「--な、、何があったんですか?」
ジョナスが訪ねると、ユリシーズは悔しそうにつぶやいた。

「---はめられた…
 姫に…無実の罪状を押し付けられた…」

すっかりやつれたユリシーズが言う。

「--そんな…」
ジョナスが悲しそうにつぶやくと、
ユリシーズはまっすぐジョナスを見て言った。

「--ジョナス…
 後はお前に託す。
 必ず、姫をお救いしてくれ」

ユリシーズの言葉にジョナスは
「何か分かったのですか!?」と叫ぶ。

ユリシーズは小声でジョナスに告げた。

”姫の背後に黒い影が見えた”  とーー。


そして、ユリシーズは兵士に連行されていき、
即日、斬首となった。


「--団長…俺は必ず…
 必ず姫をお救いします」

ジョナスは改めて、姫の異変の謎を突き止めることを
誓ったのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その夜。

ジョナスは姫の元を訪れる決意をしていた。

「姫に…真意をお尋ねしなければ」

姫は最近、毎週のこの時間、
宮殿の離れにある、宴会用の会場で、
何かを一人でしていると言うのだ。

「----」
1対1で話をするにはちょうど良い機会。

ジョナスは剣を見つめ、
意を決し、自分の部屋から出た。

「---先輩!」
背後から後輩の女性騎士・アリシアの声がした。

「--アリシア?」
ジョナスが驚いて振り返る。

「--、ひ、、姫様の元を訪れるんですよね」
走ってきたのか、息を切らしているアリシア。

「--……ああ」
ジョナスが言うと、アリシアが意を決して言う。

「--私も、私も連れて行ってください」
アリシアの言葉に、ジョナスは顔をしかめた。

”これは、自分の戦い”

殺されるかもしれない。

そんな戦いに、将来有望なアリシアを巻き込むわけには…。

後輩騎士のアリシアは、
19歳にして、現役の女性騎士として活躍している。
その実力は、騎士隊長クラスも顔負けのほどだった。
それでいて、容姿も愛嬌があり、可愛らしいことから、
狙っている騎士も多いのだとか。


「---お願いです!私だって騎士の一員です。
 姫の異変について、私も知りたいんです!」

アリシアが真剣な表情で言う。

「------」
ジョナスは考えた末に呟いた。

「分かった…
 だが、、、姫と戦いに行くわけじゃない。
 あくまでもお話をお聞きするだけだ」

ジョナスが言うと、
アリシアはうなずいた。

「はい!ありがとうございます」

ジョナスとアリシアは宮殿の離れを目指した…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ククク…適度に私の国と、
 ライトピース国を攻撃してもらえるかしら?」

パール姫が冷たい声で言うと、
背後に立っていた魔物ーゴブリンが、頷いた。

「イインデスカイ?」
ゴブリンの言葉に姫はうなずく。

「”戦争”の口実をつくる為よ…
 ククククッ…
 この世界を”暗黒世界”にしてやるの…」

姫が表情を邪悪に歪めて笑う。


その時だったーーー


「---姫……」
ジョナスが柱の影から姿を現した。

「--酷い…暗黒世界って…」
騎士アリシアが目に涙を浮かべながら言う。


姫は驚いた表情をしていたが、すぐに笑った。

そしてーー
ゴブリンを斬り捨てると、
ジョナスの方を見た。

「--なにかしら?」

証拠隠滅の為、切り捨てられたゴブリンが断末魔の叫びをあげる。

「---姫…どういうことなのです?」
ジョナスが言うと、姫は笑った

「あはははははははははっ…
 どういうことも何もないわよ!
 王国を守る為でしょう?ジョナスー」

笑いながら言う姫。

しかしーー。
ジョナスは目をつぶり、、、
そして、決意して叫んだ。

「--姫、、、いやーーー
 魔王ダークネス!
 お前の好きにはさせない!」

そう叫ぶと、姫の表情が歪んだーーー

そしてーーー

「くひひひ、、、ひははははははははは!
 やっと、、やっと気づいたのかぁ!!!

 あっははははははは!」

姫が狂気に染まった表情で笑う。

そして、自分の胸を両手でわしづかみにして叫んだ。

「今やこの女は我のものだ!ぐはははははは!」
汚しく笑う姫に剣を向けるジョナス。

「---ダークネス…
 今すぐ、姫から出ていけ!」

「・・・断ると言ったら…?」
姫が不気味に体を震わせながらジョナスを睨む。

「----お前を、斬る!」
ジョナスが叫ぶ。

「---私も援護します!」
アリシアが細剣を取り出して構える。
彼女はフェンシングのような剣技を使いこなす。

「--くくく・・・やってごらんなさい!」
姫が叫び、、、そして…

目を赤く光らせた。

「---!?」
ジョナスが目を逸らす。

そして、次の瞬間ーーー

「えい!」
アリシアが突然ジョナスを攻撃した。

「ア…アリシア!?」
ジョナスが驚いてアリシアの方を見る。

アリシアはうつろな目で剣をジョナスの方に向けている。

「--ー貴様!」
ジョナスが姫の方を見ると、姫は椅子に座り、
足を組んで、見下した様子で笑った。

”あの赤い光かー”

ジョナスはそう思い、アリシアの方を見た。

「--姫様に逆らうものは、私が斬る…」
アリシアが感情のない声で言う。

「---くっ・・・目を覚ませアリシア!」
ジョナスは叫ぶ。

しかしーー
その声はアリシアには届かない。

「---反逆者!許さない!」
アリシアがリーチを詰めて、ジョナスに剣を振りかざした。

咄嗟に避けたジョナスは、アリシアの方を見て呟いた。

「くそっ…やるしかないのか!」


不気味に笑う姫ーー

敵意をむき出しにするアリシア―。

ジョナスの身に”死”が迫っていた…


③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

②で終わる予定だったのですが
考えていた内容が予想以上に長く、
③までになりました(汗)

続きは明日です!

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