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<憑依>”性”徒会③「崩壊」(完)

生徒会長・晴美の豹変の元凶が待つという
倉庫に、イケメン生徒会男子、目黒と共に向かう
副会長の京香。

倉庫に足を踏み入れた京香を待っていたのは…
-----------------------------

倉庫の前に立つ二人。

既に日は暮れている。

不安そうに京香が、目黒の方を見ると、
目黒は優しく微笑んだ。

「大丈夫だよ。もし何かあっても村瀬さんのことは
 俺が絶対”守るから”」

目黒の言葉に、京香はうなずく。

この倉庫の中に、
生徒会長の晴美や、後輩の茉莉、
そして原坂先生が豹変した元凶が居るのならばー。

京香は意を決して倉庫を見る。

目黒が手で合図をして、先に倉庫の扉を開ける。

男子として、女子を守ろうとする目黒の
優しさだった。

倉庫に入るとー、

そこには、茉莉と原坂先生が、
メイド服を着て微笑んでいた。

「---き、、来ちゃダメ!」

倉庫の中央部に生徒会長の晴美が
制服姿のまま、縛り付けられていた。

「---晴美!」
京香は叫ぶ。

その様子は、”いつもの晴美”のように見えた。

「---ダメ!京香ちゃんは来ちゃダメ!」
晴美が懸命に叫ぶ。

最近、学校で見せていた
高飛車な雰囲気ではないー。

いつもの優しい晴美だ。

「--どういうこと?」
京香が訪ねる。

すると晴美は叫んだ。

「わたし…体をアイツに乗っ取られてたの!!
 茉莉ちゃんと原坂先生はアイツに変えられちゃって…」

そこまで言うと、晴美は目に涙を浮かべた。

「わたし…心の中に抑え込まれていて…
 自分が何をさせられていたか…全部、分かってるの…」

晴美の目から涙が零れ落ちる。

「---ごめんね…京香ちゃん…
 わたし…生徒会長なのに、、あんなことしちゃって…」

”あんなこと”

生徒会室で、生徒会メンバーの田口と抱き合ったりだとか、
挑発的な言動を繰り返したことだろう。

「--いいの!晴美は悪くない!
 私のほうこそ、気づけなくてゴメン」

京香はそう言い、
晴美の方に駆け寄る。

そして、尋ねた。

「あいつって誰なのー?」
京香が訪ねると、
倉庫の奥から、一人の男子生徒が姿を現した。

ーーその生徒は、
停学処分中のはずの、田久保万次だった。

「よぉ…副会長」
万次が、京香を睨む。

「アンタ・・・」
京香が負けじと万次を睨み返す

「全部テメェのせいだぜ。
 俺のあることないことをこの先生に吹きこみやがって。
 おかげで俺は停学になっちまった」

万次がうつろな目でメイド服を着ている
原坂先生の頬を、いやらしい手つきで触りながら笑う。

「---あんたが、悪いんでしょ!
 普段から素行が悪いから!」

京香が言うと、万次は言った。

「ケッ…お前はいつもいつも
 いちいちうぜぇんだよ…。

 お前の復讐のために、俺は”憑依薬”ってのを使ってなー。
 ここにいる会長に憑依した」

万次が晴美の方を見てニヤリとすると、
晴美は悲しそうに目を伏せた。

「---酷い…
 ねぇ!早く、茉莉ちゃんと先生を元に戻して!」

京香が叫ぶと、
万次は笑う。

「そいつは無理な相談だ。
 この二人はな、俺が憑依して
 ”脳”を塗り替えちまった。

 俺の意識を強く送り込んだ結果
 本来の人格は”上書き”されて、俺色に染まっちまったんだよ。

 なぁ!茉莉!」

万次が茉莉を呼ぶと、
茉莉は「はい、ご主人様…」と幸せそうな表情で呟いた。

「ちょ……ふざけないで!
 茉莉ちゃん!そんなのでいいの!?
 あんたの大切な弟くんが、悲しむよ!!
 ねぇ、目を覚まして」

そう言って、茉莉の腕をつかむ。

しかし、茉莉は腕を振り払った。

「わたし、変えられちゃったんです 先輩。
 今のわたしは、ご主人様にお仕えすることが
 何よりの幸せなの…♡

 あっ…ご主人様ぁ…♡」

万次の方を見て、うっとりとした表情を浮かべる茉莉。

「---ま、、茉莉ちゃん…」
唖然とする京香に茉莉は言う。

「変えられちゃったけど…わたし、幸せ♡
 これからは一生、ご主人様に尽くすの!

 弟なんて、もうどうでもいいの!うふふふ♡」

京香は言葉を失い、
万次の方を見る。

「---アンタ、最低!」
京香が叫ぶと、
万次はニヤリと笑みを浮かべる。

「本人は幸せだってよ。
 警察にでも通報するか??
 でも、意味ねぇよな?

 本人が幸せだと言ってるんだからよ…。

 なぁ!先生!」

万次が言うと、
先生も満面の笑みで、
「このエロい体は、ぜんぶあなたのためにあるの♡」
と嬉しそうに呟いた。

「---悪魔!」
京香が叫んで、晴美の方に近づく。

「晴美!今、助けるから!
 こいつのこと、全校中に教えて、茉莉ちゃんたちを助けよう!」
京香が晴美の方を見て、力強く言う。

すると、晴美は涙を浮かべた。

「ダメ――――!
 今すぐ逃げて!!!」

晴美が叫ぶと同時に、京香は背後から掴まれて投げ飛ばされた。

「--きゃっ!」
投げ飛ばされた京香が顔をあげる。

そしてーー
目を震わせた。

「め…目黒くん…?」
一緒に来たはずのイケメン男子・目黒が京香を投げ飛ばした。

「ごめんね~村瀬さん…
 ちょっと手荒になっちゃってさ」

目黒がいつものように優しい笑みを浮かべる。

「…ど、、どういうこと・・・?
 アンタ!目黒くんにも何かしたの!?」

京香が万次を睨む。

だが、目黒は笑った。

「俺はコイツに何かされるほどバカじゃないよ」
目黒の言葉に、万次が苦笑いしている。

「俺さ、コイツと同じ中学の出身でさ、
 実は親友なんだよね…。

 まぁ、俺は”表面上優等生”で居たいから
 表だっては万次のやつと絡まないけどさ」

目黒の言葉に万次は笑う。

「ずるがしこいヤツだよ。
 俺の憑依薬の存在を知って、こいつも話に乗ってきた」

京香は恐怖に体を震わせた。

味方だと思っていた目黒も、
万次の味方をするーー
つまり、憑依側の人間だった。

「--さぁ、そろそろ俺たちも体を手に入れようぜ!」
目黒が笑う。

「そうだな…”俺の復讐”が終わったら、
 ”やる”約束だもんな…」

そう言うと、万次が憑依薬を口にして、
体が透き通った色になり、やがて見えなくなった。

「さぁ、村瀬さん、始まるぞ!
 最高のショーが…
 くくく…」

目黒がイヤらしい笑みを浮かべて笑う。

「ひっ…!?」
晴美は体をビクンと震わせて、
うめき声をあげる。

「は…晴美!?」」
京香が叫んで晴美の方に駆け寄る。

「--万次が、晴美ちゃんに憑依したよ。
 でもさ、もう晴美ちゃんの意識は必要ないから
 ”染め上げるってさ”」

目黒が笑いながら、京香の顔を覗きこみ、続けた。

「今から見られるぞ…
 ”生”で染め上げられる様が…。

 この十数年、晴美ちゃんが積み上げてきた
 ”人生”が塗りつぶされる瞬間を!

 はははははは!」

笑う目黒に京香が叫ぶ。

「ふざけないで!やめて!やめて!」

だが、目の前の晴美に異変が起きた

「いやぁ…わ、、私の…
 わたしの頭の中が…へん…
 
 た、、、助けて京香ちゃん…」

晴美がもがきながら、
涙を流している。

「あ、、、、、ちがう、、、ちがう、、やめて!」
晴美が体をビクンビクンと震わせている。

「--あ、、、わたしの、、ごしゅじんさまは、、まんじさま…」
うつろな目になって呟き始める晴美。

そんな晴美の様子を見て、京香は慌てて晴美に近づいた。
そして、晴美を縛っているロープを乱暴にほどく。

束縛から解き放たれた晴美は
頭を抑えてうずくまっている。

「---ごしゅじんさま…ちがう…ちがう…
 私は…、、……」

懸命に闘っている様子の晴美に、京香は叫んだ。

「そんな奴に負けちゃダメ!
 晴美!意識を強く持って!」

晴美を抱きしめるようにして京香が言う。

「お願い晴美!負けないで…」

他にかける言葉が見当たらない。

だがーー。

「---万次様は…私のごしゅじんさま…」
晴美がそう呟いた。

「違う!違うよ!晴美!ねぇ、しっかりして!」
晴美の体を揺さぶる。

けれどーー
もう、意識の改変は止められないーー

「・・・万次様は、私のご主人様」
ハッキリとした口調、ハッキリとした目つきでそう言う晴美。

「---は、、、晴美…」
京香が唖然とした様子で呟く。

目黒は笑いながらその様子を見ている。

「--うっ、、あぁぁっ!」
再び晴美が頭を押さえてもがきはじめた。

白目を剥き、
ビクンビクンと体を反り返らせている

「はっ、、、や、、やめてぇ…
 わ、、わたし…やめて…おかしくなっちゃう!」

晴美が仰向けに倒れ、そのまま体をえびのように反り返らせている。

「ひぃぎっ♡ あ、、、わたし、、、
 そんなえっちなこと… あ、、、あ♡ やめ♡ やめ、らめぇ…♡」

だんだんと、晴美の声が甘い声に変わっていく。

唖然として涙を流すことしかできない京香の
ポニーテールに手を触れながら、目黒は背後から
京香の耳元でささやいた。

「万次のやつが、
 晴美の脳の仲で、思考を染め上げているんだよ
 万次色にな。。

 大丈夫、心配いらないよ。
 晴美ちゃんはすぐに、幸せになれるから・・」

その言葉に京香はひざを折って涙を流す

「は…晴美ぃ…」

そして…晴美は立ち上がった。

「うふふふ…わたし、生まれ変わっちゃった♡

 本当はうまれかわりたくなかったのに、
 一生、万次様のために尽くす、えっちな女の子に
 なっちゃった…♪」

晴美が笑う。

「---」
京香は涙ぐんだ目で晴美を見るー。

晴美は京香を見て言った。

「---あなたのせいよ。
 わたしはあなたのせいで変わっちゃったの。
 私は、、あなたを許さないー

 ----永遠に」

晴美が京香の方に近づいて京香を睨む。

「--晴美…ごめんね・・・
 巻き込んでごめんね…」

京香はその場に泣き崩れた。

自分が、、万次のことを停学にしようとなんか
しなければーーー
晴美は巻き込まれなかった。

茉莉もーーー
原坂先生もーーー。


「----わたし…将来の夢があったのに
 それもぜ~んぶ奪われちゃった。。。えへへ…」

晴美が笑う。

そして言う。

「あぁ…興奮してきた…
 わたし、えっちな女に作り替えられちゃった…
 もう、、、もう我慢できない!」

そう言うと、晴美は自分の制服を引きちぎるように
して脱ぎ始めた。

「やめて!!もうやめてよ晴美!」


晴美に近づこうとする京香を
茉莉と原坂先生が押さえつける。

京香はーーー
真面目だった晴美が、一人喘ぎ狂い、
絶頂に達する様を見せつけられたー。

目を逸らすことさえ、許されなかった

「あっ・・・♡ あ・・・♡」
放心状態の晴美。

そして、晴美がビクンと震えると、
ニヤリと笑みを浮かべた。

「どうだー?
 晴美本人はもう、塗り替えちまった」

晴美の口調が変わる―。
憑依している万次が表面に現れたのだ。

「これから俺はー、
 いや、わたしは、晴美として生きていくから…」

思考を変えられた挙句、
さらにその上から意識まで乗っ取られた晴美が笑う。

「--あんたのおかげで、わたし、人生狂っちゃった♪」

京香が泣き叫びながら地面に蹲る。

晴美はそれを見て、笑いながら立ち上がった。

そしてー

「目黒…、俺の復讐は終わった。
 あとは好きにしろ」
目黒にそう呟くと、目黒はニヤリと笑みを浮かべた。

いつも偉そうな生徒会副会長の京香の絶望する顔が見たかったー。
ただ、それだけのために晴美、茉莉、先生の人生は壊された。

晴美と、それに続いて茉莉、原坂先生がメイド服を
揺らしながら、倉庫の外へと出て行った。

「----村瀬さん」
泣いたままの京香の方を見て、目黒が優しく微笑む。

「--俺、ずっと村瀬さんのこと好きだったんだ。
 好きで好きで、たまらなかった。

 いつしか、俺、”村瀬さんになりたいー”
 そう思うようになったんだ。
 
 毎日、毎日、夜に村瀬さんになっている夢を見ては
 夢精したよ」

目黒が狂気の笑みを浮かべながら言う。

「-村瀬さんの着ている私服を調べて、全部買ったよ。
 村瀬さんのポニーテールそっくりのウィッグも買って、
 村瀬さんの服を着て、髪をまねて、
 化粧をして…

 俺、村瀬さんになりきったこともある。
 超興奮したよ!」

目黒が熱く語る。

「でもさぁ、やっぱ違うんだよ!
 俺は、村瀬さんそのものになりたかったんだよ!

 だから、俺、万次のやつから憑依薬の話を
 聞かされたときに決めたーーー

 ”俺が村瀬さんになる”ってなー」

目黒が万次から渡された憑依薬を手にしたー

精神崩壊状態の京香は泣き続けている。

目黒は、京香の耳元でささやいた。
「約束したよね?
 ”何があっても村瀬さんのことは守る”って」

目黒が笑う。

「つらいよな。
 自分のせいで友達が変えられちゃって…。
 その気持ち、分かるよ。

 だからー楽にしてあげるよ。
 村瀬さんの心、俺が守ってあげる」

そう言うと、目黒は憑依薬を飲み干した。

「--俺が村瀬さんになって、体も心も守ってあげる―」

目黒の体が消え、
京香はーー自分の中に入ってくるそれを、
受け入れてしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日。

生徒総会が開かれた。

体育館に集まる生徒たち。

いつものように、適当な話が生徒会から行われる
退屈な集まりだ。

生徒会の一人、坊主頭の田口は
「目黒のやつ、最近いねぇな」とつぶやく。

そしてー
生徒会の話が始まった。

会長の晴美、副会長の京香、そして後輩の茉莉が
3人でマイクの前に立つ。

3人とも最近は男の噂が絶えない。
どことなく、行動も色っぽくなった。

「---今日は全校生徒のみなさんに
 お話があります」

晴美が笑う。

京香が怪しく微笑んでいる。

そして、京香が手にしていたポスターのようなものを
掲げた。

「--今日から生徒会は、
 ”性”徒会に改名します」

高らかに宣言する晴美。

京香が性徒会と書かれた紙を掲げている。


どよめきが起きる。
先生の一人が「おい、何言ってんだ?」と不思議そうに尋ねる。

「ーー最高の性教育を!」

先生たちの列にいた、原坂先生が叫んだ。

その言葉に万次が憑依している晴美は笑う。

”全校生徒”を全員、
下僕にしてやるー と。

晴美と京香は、新たに手に入れた
「分裂憑依薬」で、自分たちの魂を全ての生徒に憑依させようと考えていた。

「さぁ、みなさんー喘ぎ狂いましょう!」

晴美はそう宣言して、
自分と、目黒の魂を、体育館中に放出させたーーー


もう、戻れないー

全校生徒はーーー
性に狂うーーーーーーー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

救いのないお話しでした(汗)

生徒会系統の作品は、出尽くしていると思うので
なかなか大変でした!

やっぱり私は”変わった題材”の方が得意かもしれません(笑)

ご覧いただき、ありがとうございました!

・・・目黒くん、変態すぎですね(笑

コメント

No title

ほんと良く思いつきますよね(感心)

Re: No title

> ほんと良く思いつきますよね(感心)

色々思いつきますが、私は危険人物ではありません!(笑)

No title

ただ巻き込まれただけの人間が目の前で憑依され、塗り潰されていくのを見せ付けるとは良い追い詰め方ですね!
心を折ったところでもう1人の変態外道が待ち構えているというのもナイスな構造です!

Re: No title

> ただ巻き込まれただけの人間が目の前で憑依され、塗り潰されていくのを見せ付けるとは良い追い詰め方ですね!
> 心を折ったところでもう1人の変態外道が待ち構えているというのもナイスな構造です!

ありがとうございます!
とことん絶望する内容になりました(笑)
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プロフィール

無名

Author:無名
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