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<憑依>婚約破棄③ ~破棄~(完)

竜輝と真由里…。

二人の不信感はもう、戻れないところまで来てしまった。

そして二人に憑依しているのは
一体誰なのか…

二人は、婚約破棄を避けることができるのか…。

婚約破棄・最終回です!
------------------------------

男は笑った。

”真由里は俺だけのものだ”

竜輝と真由里を別れさせることで、
真由里をこの手に収める。

天使のようなあの笑顔ー
美しいあの体ー。

真由里は俺のものだー。

そう、俺だけのものだー。

アイツには、別れてもらう…


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

仕事帰り。

スーツ姿の
原田 誠一郎は一人、街を歩いていた。

竜輝が、真由里に暴力を振るった。

真由里から聞いた話が、彼にはいまだに信じられなかった。
あの、竜輝がー?

竜輝や真由里と大学時代からの付き合い。
竜輝がそんなことをするはずは…。

「ーーーーーー」
誠一郎がちらっと後ろを見る。

女子高生が、
慌てて路地に入る。

「・・・・・・・」
誠一郎は、最近、
”謎の女子高生”に後をつけられていた。

「---ストーカーか…?」
誠一郎はそう呟き、足早に自宅へと向かうのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

竜輝の家では、二人が憎しみのまなざしを相手に向けていた。

「俺が、アニメオタクだってこと、知ってただろ!?
 何でだよ!どうして!?

 何で俺の許可なく、持ちだしたんだ!?」

竜輝が泣き叫ぶ。
アニメグッズのことになると、彼は取り乱してしまう。

「…な、、何なのよ!私じゃないって言ってるでしょ!」
真由里も泣き叫ぶ。

睨み合う二人。

そこには、愛情など無かった。

「---…竜輝はもうわたしのこと、嫌いになったんだね」
自暴自棄な様子で真由里が言う。

「あぁ?それは俺のセリフだよ!」
竜輝が叫ぶと、真由里が言う。

「じゃあ昨日のは何?
 私が性奴隷?肉便器?雌?
 ふざけないで!」

真由里が叫んだ。

「---はぁ?誰がそんなこと言ったよ!?」
竜輝が声を荒げる。

真由里も負けじと声を荒げた

「あんたよ!わたしが怒らないからって
 バカにしないで!」

真由里は初めて自分の意思で
”怒っていた”

「ーーふざけんなよ!
 俺のアニメグッズ盗んで勝手に売りやがって!」

竜輝が言うと、
真由里が唖然とした表情で言う。

「はぁ?最低!
 わたし、そんなこと…」

「--今、お店から電話があった!」

竜輝が叫ぶ。

「--ど、、どういうこと?」
真由里が少し冷静さを取り戻す。

なんだかおかしいー。
まるで、誰かに仕組まれ…

「ひっ!?」
真由里が体をビクンとさせた。

「---売ったらなんだってんだよ!?」
真由里が再び男に憑依された。

”最後の仕上げのために”

「クソオタク野郎が!
 わたしにアンタみたいな男が釣り合うと思ってんの?」

真由里が激しい形相で、竜輝の胸倉をつかむ。

「---ふ、、、ふざけんな…
 それが真由里、お前の本心なのか?」

竜輝が言うと、
真由里が笑った。

「あははははは!そうよ!
 あんたを金づるにしてやろうと思ったけど、
 その役割すら果たせない!

 あんたの給料、わたしが満足すると思った?」

真由里がバカにしたようにして言う。

プライドをさらに傷つけられた竜輝は叫ぶ。

「---なんて女だ!この野郎!」

「ふふっ♡なんとでも言いなさい!
 わたし、アンタにどう思われたって関係ないから。」

そう言うと、真由里は自分の服をはだけさせて笑う

「こんなにスタイルの良いわたしが
 あんたみたいな根暗っぽい男と付き合うと思った?」

真由里の肌があらわになる。
確かに真由里は美人だーーー。

だがーー。

「ーーお前がそんな女だとは思わなかった!」
竜輝が叫ぶ。

しかし、真由里は言った。

「昨日、お前、
 わたしのこと「肉便器」だとか何だとか
 言いやがったよな!」

乱暴な口調。

竜輝は「?」を浮かべる。

「な、なんのことだ!」
騒ぐ竜輝。

しかし、真由里は竜輝を蹴り飛ばした。

「わたしは誰にも渡さない!
 わたしはあの人だけのものなの!
 ううん、わたし、あの人と一つになるの♡」

うっとりした表情で言う真由里。

「--お前!誰かと浮気してるのか!?」
竜輝が叫ぶ。

真由里は微笑むだけだった。

「じゃあね!婚約は破棄するわ!
 他の女でも探しなさい。

 わたし、あんたみたいなくっせぇ男に
 もう用はないから!」

そう言うと、真由里は乱暴に自分の荷物をまとめ、
竜輝の家に唾を吐き捨てた。

「貴様ーー!」
我慢ならない竜輝が叫ぶ。


「---さようなら。蛆虫男!」

そう言うと、真由里は大笑いしながら
家から出て行ってしまった。


「--ふざけんな!俺の方こそ婚約破棄だ!」
竜輝は苛立った様子でそう叫んだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

出勤した真由里は、
頭を抱えていた。

”昨日の記憶”

つい感情的になって婚約破棄を告げてしまった。

憑依した男によって、そう記憶を書き換えられていた。
竜輝もそれを承諾した、と。


もう、戻れないーー

「別れちゃったみたいだね~」
太った社員の永坂 陸男が笑う。

正直、今日はこの男の相手をする気力すらない。


「くふふふふ~じゃあ、きみも 
 竜輝とかいう彼氏も相手なしか~。
 ザンネンだねぇ~」

陸男がいつものようにデリカシーのないことを
口走っている。


「---!!」

真由里は咄嗟に思う。
”なんで、コイツが竜輝と別れたことを知っているー?” と。

「ーー永坂さん!」
真由里が陸男を睨んで立ち上がる。

「どうして、わたしと竜輝が別れたことを知っているんですか?」

そう、告げると、
陸男は突然、挙動不審になる。

「か、、、風の噂だよ…
 あ、、、、そうだ、部長から呼ばれてるんった。
 失礼するよ」

陸男は慌てた様子で立ち去って行く。

「ちょっと!」
真由里が叫ぶ。

だが、陸男はそのままどこかにいってしまった。



「はぁ・・・はぁ・・・」
ロッカールームにかけこんだ陸男の手には
”憑依薬”があった。

「---肉便器野郎が…」
陸男はそう呟いた…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方。

「---そっか…別れたのか」

仕事帰りに、誠一郎と会った、真由里は
竜輝と別れたことを告げた。

「わたしのこと…
 肉便器だとか…性奴隷だとか…
 酷いよ…」

真由里が涙を流す。

誠一郎は難しい表情をして呟く。


「---アイツがそんなことを…?」

何かがおかしいー。
竜輝がそんなことを言う筈がない。


誠一郎は真由里を慰める。

「--とにかく、俺が力になるから。 な…?」
誠一郎が優しく微笑むと、真由里は少しだけ微笑んで、
言った。

「わたしー
 実家近いし、一旦実家に戻ることにしたの…」

真由里が言うと、
誠一郎が笑う。

「そっか。それがいいよー」

誠一郎は、大学時代から真由里の事が好きだった。

だが、竜輝が付き合い始めたことで真由里のことは諦めていた。

しかしーー


”もしかしたらー今なら…”
誠一郎はそんな風に思った。


誠一郎と真由里は手を振り、別れる。

「---真由里…。
 俺が力になるからな…」

誠一郎は、ニヤリと笑った。


そして、
誠一郎と別れた真由里は不気味に呟いた

「あ の 男 も か…」
怒りに震えながら言う真由里。

彼女は再び憑依されていた。

「真由里は おれの ものだ…」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜。

誠一郎は
竜輝豹変の理由を必死に探った。

彼は、情報収集に長けていた。
なぜなら彼は、警察官だからー。

そしてーーー
”憑依薬”に辿り着いた。


「---まさか」

誠一郎はさらに調べる。

そして、竜輝と真由里の身近に
”永坂 陸男”という憑依薬を購入した男がいることに気づいた。

「---チッ」
誠一郎は舌打ちすると、
永坂陸男の家に向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

永坂陸男は一人暮らしだった。

誠一郎が訪ねると、
陸男は玄関から出てくる。

太った男だ。

「--なんでしょう?」

誠一郎は警察手帳をみせる。

慌てて玄関を閉めようとした陸男を抑えて
家の中に引きずり込む。

「貴様!憑依薬とはなんだ!?
 あれで真由里と竜輝を滅茶苦茶にしたのか!?」

誠一郎は頭に血が上った様子で叫ぶ。

憑依薬などというものが実在するとは思えない。
だが、竜輝の豹変が本当ならー。


警察官としてではなく、
誠一郎として彼は陸男に問いかけた。

陸男はーーー
あっけなく認めた。

「す、、すみませんでした…
 お、、、俺…好きだったんです…

 だから憑依して二人の仲を裂こうと…」

土下座する陸男。

こんな小物にー。

「--竜輝と真由里に憑依したんだな?」

そう言うと、
陸男は突然叫んだ。

「---違う!」

「---?」
誠一郎が不思議そうな顔をする。


「俺が憑依したのは彼氏のほうー
 ”竜輝”ってやつだけだよー。

 女の子の体に憑依しようなんてそんな」

とぼける陸男。

誠一郎は激怒した。

「貴様ぁ!あいつらは俺の大学時代からの友人だ。
 警察官としてではなく、俺個人としてここにきてるんだ!
 とぼけるなら容赦は…」

誠一郎は陸男の顔を見てハッとした。

「--本当だよぉ~~~」
泣きじゃくる陸男。

”こんな小物が嘘をつくのか?”


「俺、、、真由里ちゃんを迎えに来ている彼氏の
 竜輝を見てーーー
 一目ぼれしたんだ…

 いや、俺も男だけどさ…
 どうしても、あの竜輝を俺のものにしたかった…。

 だから、彼女の真由里が邪魔で、
 仲を引き裂こうとして、竜輝に憑依したんだ。

 本当だ!信じてくれ!
 真由里ちゃんには憑依していないーー」


・・・・・

「-----どういうことだ?」
誠一郎は呟く。

「ーーーー憑依薬はどこだ?」
誠一郎が言う。

陸男が憑依薬を差し出すと、
誠一郎はそれを捨てた。

法律上、陸男を逮捕することはできない。
これが、誠一郎にできる限界だ。


すっかり気弱な陸男を放置して、
誠一郎は家から飛び出した。


「---真由里に憑依したのは
 あの男じゃない。

 では、誰がーーーーー」

ズキッと背中に痛みが走る。

夜の人通りのない路地。


「----?」
誠一郎が振りかえると、
そこには
最近、誠一郎をつけていた女子高生がいたーーー。


「あははははははははは!
 お前もか!」

女子高生が狂った様子で叫ぶ。


「な・・・・なに・・・」
誠一郎の背中にはナイフが刺さっている。

「あははははは!真由里は誰にも渡さない!
 お前、さっき夕方、真由里に会ったとき、
 顔を赤らめてたよなぁ?

 竜輝だけじゃなくてお前も!
 お前も!俺から真由里を奪うのかぁ!?」

女子高生が叫ぶ。

「---お前・・・
 まさか…お前が真由里に憑依していた男か!?」

誠一郎がそう叫ぶと

「そうだよ!」と女子高生が叫ぶ。

彼はー
真由里だけでなく、
女子高生に憑依して、
真由里と親しく見える誠一郎のことも見張っていた。

「---俺は真由里を守る為なら、何でもする!
 無関係の女子高生に憑依して人殺しだってする!」

刃物を誠一郎にさらに突き刺す女子高生。

「あ・・・がっ…」
誠一郎はその場に倒れる。

雨が降ってきた…。

濡れた女子高生が血を舐めながら笑う。

「あ~あ、わたしも人殺しになっちゃった♪
 でも、わたしがどうなろうと関係ないし!」

女子高生を睨む誠一郎。

だがーー
笑う女子高生は誠一郎にトドメの一撃を加えたーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ピンポーン

インターホンを男が鳴らしている。

宅急便の男だ。

表札には「野川 竜輝」


「---変なニオイがするな…?」
宅急便の男が恐る恐る中を覗くと…

そこには
”変わり果てた姿の竜輝”が横たわっていた。


「ひっ!?」

真由里の彼氏ー
野川竜輝も、何者かに始末されてしまった…


後日ー

竜輝を刺した犯人として
近所の女子大生が逮捕された。

そして、誠一郎を殺害した女子高生も逮捕された。

しかし・・・
二人とも、記憶にないと泣き叫ぶばかりだったー。

二人の犯行であることは事実なのにー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ある日の早朝

実家に戻っていた真由里は哀しみに暮れていた。

別れたとはいえ、竜輝が、
そして親切にしてくれた誠一郎がーーー


「真由里、元気を出せ」

父が優しく言う。

「---うん…でも…」
真由里が涙ぐんでいる。

「--ーー」
父は無言で優しく真由里の頭を撫でた。


そしてーー
娘が落ち着いたのを見て、
父は部屋へと戻る。


「-----」
父は引き出しから
”憑依薬”を取り出したー。

竜輝という彼氏が出来てから、
真由里は竜輝にばかり時間を使うようになった。

父には、それが我慢ならなかった。

「---真由里はーーー
 俺の娘だ」

父がつぶやく。

「真由里は誰にもやらん」

父はー
昔から女好きだった。

そんな父にとって、真由里は理想の娘。

その美貌は、実の娘でありながら
父を興奮させた。
彼は、家族には隠していたが、筋金入りの女好きで、
高校時代に痴漢で停学になったこともあるのだ。

「--真由里は俺のもの。
 心も、体も全てだー。
 真由里は俺のために存在し、俺は真由里のために存在するー」


真由里に憑依して、
竜輝と別れさせたのは、
真由里の父親だった。

竜輝が真由里を肉便器と呼んだのには驚いた。
だが、それがヤツの本性だったのだろう。

そしてーー
あの日、竜輝は真由里に謝りたいと電話をしてきたー。

”しつこいヤツめ”

そう思った父は方針を変えた。

真由里に近づく男は全て消すー。

だからー

竜輝を、
誠一郎を、、

そしてーーー
会社で娘にアプローチをかけていたーーーー



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


出勤時間帯。
川辺に浮かんだ男の死体で、周囲は騒然としていた。

笑いながら女子中学生が男を刺殺して、川に放り投げたのだと言う。

警察官が言う。

「被害者は、永坂 陸男。
 近所の会社に勤務していた男です」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「邪魔者は全て消した」
父は呟く。

娘は父である俺のもの。

誰にも渡さない。

真由里は俺のものなのだ。


父はニヤリと笑みを浮かべた。

「真由里ー
 ひとつになろう」

部屋で一人そう呟くと、
彼は憑依薬を一気に飲み干した。

次第に自分に歯止めが聞かなくなった父は
最悪の選択をしたー。

自身が、真由里になるという選択をー。


「ひっ!?」
真由里の体がビクンと跳ねるようにして動くー。


「どうしたの?真由里?」
母が心配そうに尋ねる。

真由里は、母の方を振り向いて、不気味な
笑みを浮かべた。

「なんでもないよ。お母さん」

ーーーと。


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

親バカ憑依人…

”娘はやらんぞ”という定番のセリフから
思いついた小説です。

友人の誠一郎を疑っていた方も多いのではないでしょうか?笑

このあとは父親が娘になって、
やりたい放題です^^


お読み頂きありがとうございました!

コメント

No title

この展開は全く予想できなかったw面白かったです

Re: No title

> この展開は全く予想できなかったw面白かったです

ありがとうございます^^
捻くれた結末にしてみました!
(続きもいつか書くかもしれません)
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
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基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

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