FC2ブログ

<憑依>本心① ~我慢~

本心ー。

人は誰しも、本心を心の奥底に封じ込めている。

ーーとある高校。
大人しく、心優しい少女は、自分勝手な彼氏を前に
いつも”我慢”していた。 

しかし、その”我慢”は憑依によって、終わりを告げるー。
------------------------------------

「俺さ~エッチとか嫌いだからさ、
 福島さんとは、ずっときれいな恋愛をしていたいんだ~」

男子高校生の、西川 太司(にしかわ ふとし)が言う。

その言葉を聞いた、女子高生、
福島 美雪(ふくしま みゆき)がほほ笑む。

メガネをかけた綺麗な黒髪が特徴的な
大人しそうな子だ。

しかし、容姿がとても可愛らしいことから、
男子生徒からは人気が高い。

「----うん、そうだね・・・。
 わたしも、そういうの好きじゃないよ」

「はは、ちょうどいいや!似たもの同士!」
太司が嬉しそうに言う。

「--あ、そうそう、来週のデートだけどさ、
 ちょっと、欲しいゲームソフトの発売日と重なっちゃったから
 キャンセルでいいかな!?」

太司が言う。

「え・・・」
美雪がとても残念そうな顔を一瞬浮かべたが、
すぐに笑みを浮かべた。

「そっか。楽しみなんだもんね。
 うん、、、わかった!
 だいじょうぶ、また違う日にしようね」

彼氏とのデートを何よりの楽しみにしていた美雪は
突然のキャンセルに傷ついていた。

しかし…
それを口に出すことはなく、
美雪は笑みを浮かべたのだった。

彼氏・太司は、自分勝手でワガママな男子生徒だ。
それは、彼女の美雪に対しても変わらない。

対する美雪は、
見た目通り大人しく”何事にも我慢する”タイプの人間。
良く言えば、人に対して配慮や遠慮ができる、
悪く言えば、自己主張が出来ない。

そんな感じの子だ。

だからこそ、美雪は、不満や悲しいことがあっても、
それを太司に言うことはなく、
いつも自分の中にため込んでいた。

例え自分勝手でも、太司のことが好きだからー。

半年前、美雪がとある行事の際の山登り中に
足をけがしたことがあった。

その際に、太司は必死に美雪に力を貸して、
美雪と一緒に下山してくれた。


普段いい加減な太司も、
ここぞというときには頼れる存在。

その時の太司の優しさがきっかけで、
二人は付き合うことになったのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日の昼休み。

ざわめく教室の中で、
太司が美雪に近づいてきた。

「---悪い美雪!
 一昨日借りたボールペンだけど、
 なくしちゃったよ!」

太司が言う。

「---…あ、、そ、そうなんだ。
 大丈夫、気にしなくていいよ」

美雪が笑みを浮かべて言うと、
太司は笑った。

「あはは、悪いな!

 あ、あと、そうだ!ちょっとさ、
 お金貸してくんない?
 昨日言ったゲームソフト買うお金なくてさ…」

太司の言葉に、美雪は嫌な気持ちになる。

「---お、、お金を…?
 ごめん、それはちょっと…」

美雪が申し訳なさそうに断ると、
太司は「え~~~~!」と不満そうに声を出す。

「・・・・・・・・・ち、、ちゃんと返してくれるよね?」
美雪が、悲しそうな表情で言う。

「---あぁ、もちろんだぜ!」
太司が自信満々に言う。

しかし、以前もデート中に1000円を借りたことがあったが
それを返していない。

「-----」
美雪は”前にわたしから借りた1000円、返してもらってないよ”と
言いたくなったが、それをこらえて、
微笑んだ。

「うん、じゃあ、放課後ね」
美雪が優しく微笑んで、教室から出て行く。

「よっしゃ!」
太司は一人、ガッツポーズをして、笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

廊下で悲しそうな表情をしながら歩いている美雪。

「---わたし、都合のいい彼女なのかな…」
ボソッとつぶやく。

けれどー
大人しい美雪には、彼氏が出来ただけで嬉しかった。

この幸せを手放したくない。
たとえ、太司があんな彼氏でも…。

「ーーーあ」
美雪は、自分の目が涙ぐんでいることに気づき、
慌ててそれを指でふき取った。

「---……
 わたしがもっと、太司くんのこと、考えてあげなくちゃいけないんだよね…」

そう呟いて、廊下を歩いていく美雪を、
別の男子生徒が見つめていた。

そして、その男子生徒は呟いた。
「太司のやつ…
 福島さんをあんなに悲しませて…
 ゆるせねぇ…」

ーーーと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日の夜。

「-はぁ…」
勉強を終えて、時計を見る美雪。

時間は既に23時。

「そろそろ寝ようかなぁ…」


ーーーーーー!?

突然、体が金縛りにあったかのように動かなくなった。

「え!?!?
 …な、、なにこれ・・・!」

美雪が恐怖を表情に浮かべる。

口以外が動かない。


「---ど、、、どうして、、えっ…」

そしてーー
”何かが”自分に入ってくる感触がした。


「あっ…いやぁ…な、、、なに…
 だ、、誰か…たすけっ…」

突然 体がビクン!と激しく震え上がり、
そのまま美雪の体が力なく倒れる。

倒れたあとも美雪は
ぴくぴくと痙攣している。

目からは一筋の涙がこぼれていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

クラスメイトの一人が風邪で休んでいる。
そろそろ風邪が流行ってくる季節ということだろうか。

だが、クラスメイトたちはそんなこと気にも留めず、
いつものような日常を送っていた。

「--美雪!
 そういえば、昨日借りたお金だけど、
 あれさー」

太司がいつものように
無理難題を言おうとした時だった。

「---ねぇ…」

美雪が太司をにらんだ。

いつも、何があっても、優しく微笑んでいる美雪がー、
太司を睨んだのだ。

「---ど、、どうした?」
太司が、美雪の”いつもと違う様子”に気付いて声をかける。

本当は
”昨日借りたお金、返すのそのうちで良いか?”と
聞こうとしていたのだが、とても、聞けるような雰囲気ではなかった。

「---あのさ…今日の放課後、
 南校舎の空き教室に来てくれる?
 …話があるの」

いつも、穏やかな雰囲気、
どことなくほんわかとした口調の美雪。

しかし、今日はいつもより早口で
刺々しい感じだった。

「---わ、、分かったよ…」
太司はそれだけ言うと、気まずそうに教室の前を向いた。

「-----」
美雪は、その日の間ずっと、不機嫌そうな様子で授業を受けていた。

太司と目が合うと、舌打ちをしたり、
授業中、貧乏ゆすりをしていたり、
昼休みも不機嫌な様子でスマホをいじっていた。

「---どうしちゃったんだ…?美雪?」
そう呟く太司は、不安に思いながら
呼び出された空き教室へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

空き教室に入ると、美雪が、
壁に背を向けて、片足をあげて壁につけるようなポーズで
面倒臭そうに腕を組んで立っていた。

「---美雪…ごめん、待たせたかな?」
太司が言うと、
美雪は太司を睨んだ。

「---わたしがこうやって少し不機嫌にすると、
 すぐそうやってかしこまるの?」

低い声で言う美雪。
明らかにいつもと様子が違う。

「---お、、怒ってるのか…美雪?
 お、落ち着いてくれよ…
 お金のことだろ??
 悪かったよ

 ほら、すぐに返すから」

太司が財布を取り出してお金を手に取る。


「はい、5000円!
 美雪!機嫌なおしてくれな!」

太司が悪びれる様子もなく、美雪にお金を差し出す。

美雪は、太司の方に近づいてきて微笑んだ。

「うんーーー」

その言葉に、太司は心から安心した様子でほほ笑む。

「良かった~!
 機嫌直してくれたんだな!
 いやぁ~どうしようかと思ったよ!美雪に嫌われたんじゃないかってさ!

 美雪の機嫌は5000円で買える!
 な~んてな!あははははは!」

太司がいつもの様子で冗談を言いながら笑う。

ーーその時だった。

「っざけんじゃね~よ!」
美雪が突然、激しい口調で太司を蹴り飛ばした。

「---ぐえっ!」
突然のことに蹴りがクリーンヒットした太司はその場でもだえ苦しむ。

「そうやって、いつもいつも、バカにしてるのか!
 ふざけやがって!」

激しい口調で罵る美雪。

こんな口調で喋ることができるのか、と
太司は思う。

「---み、、美雪…
 わ、、、悪かった、悪かったよ!
 いつも調子乗ってごめん!」

太司にも自覚はあった。

だが、ついつい調子に乗ってしまうのだ。

「---っざけんじゃねぇよ!そんなモンで
 許されると思ってんのかよ!」

美雪が乱暴な口調で太司の胸倉をつかみ、
そのまま壁に叩きつけた。

「ヒッ…み、、美雪?」
美雪の目を見る。

その目は憎しみに満ちていて、
メガネで大人しそうなイメージ の彼女はどこにもなく、
今日の美雪の表情は自信と憎しみに満ち溢れていた。

「---美雪は優しいから、
 ”本心”をお前に言わず我慢してたんだ」

美雪が自分のことを”他人”のように言う。

「--な、何だって?」
壁に押し付けられながら太司が聞き返す。

「--お前の酷い態度、見てたぜ、いつもいつも。
 でも、美雪は優しいから何も言わない。

 お前は知ってるか?
 美雪がいつも影で、悲しそうにしていたのを。

 お前は知ってるか?
 いつも美雪が”自分が足りないから”と自分を責めていたのを」

美雪の言葉に太司は思わず叫んだ。

「---ま、、まさか!二重人格!?」
「ちげーよ!」

強烈な蹴りが、太司に直撃した。

「ぐっふ…!」

「-ーーー美雪ちゃんの本心をお前に教えてやろうと思ってな。
 今、俺が美雪ちゃんに憑依してるんだよ…」

美雪が笑いながら言う。

いつものような優しい笑みじゃない。


「--俺は吉本だよ」

美雪が男言葉で話す。

「---吉本だと?」

欠席していたクラスメイトの名前だ。
美雪とは幼馴染だったはず。

「--俺さ、美雪に彼氏出来て良かった!って思ってたんだよ。
 でもよ、何だぁ?お前の美雪ちゃんに対する態度は!!
 見ててイライラして仕方がねぇ!」

美雪が叫ぶ。

「---く・・・くくく・・・
 くくくくくく!」

太司が笑い出す。


「----あん?」
美雪が不機嫌そうに声を出す。

「---芝居だろ!?
 憑依だぁ?冗談きついぜ美雪~!
 十分楽しめたからも・・・」

突然、美雪がスカートをめくり上げた。

下着や、スタイルの良い、足があらわになる。


「----み、美雪!な、、、何をやって…!?」

「あん♡ あぁん♡」

そして、美雪が喘ぎだした。

よく見ると、胸を自分で気持ちよさそうに触っている。


「--わたしが、こんなことする?」

その言葉に、太司は唖然とした。
こ、、、これは、本当に”憑依されている”

そう、確信せざるを得なかった。

「----お、、、お前・・・」

そう言うと、胸を触るのをやめ、
スカートを元に戻した。

「---お前!ふざけるな!美雪を返せ!
 美雪を傷つけるな!」
太司が叫ぶ。

「---ふふっ、傷つけてるのは、太司くんのほうよ」
憑依している吉本は、あえて美雪の口調で話した。

「---わたし、憑依されてるから、今、わたしの記憶、
 ぜ~んぶ、吉本くんに読み取られてるの!」

嬉しそうに言う美雪。

そして、邪悪にほほ笑んだ。

「今から美雪は、太司君のこと、
 ”本当はどう思っているか”教えてあげるねー。

 私の「本心」を…
 ふふっ♡」

いつもと同じ口調。
だが、自信に満ち溢れた表情の美雪が、
太司の方を向いて、不気味にほほ笑んだ。


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回はため込んでいた本心の暴露タイムです!(え?

スポンサーサイト
[PR]

[PR]

コメント

非公開コメント

プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
の小説を公開していきます!

基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

ツイッターやってます!

PR

カテゴリ

検索フォーム