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<憑依>親友のねがいごと①~百合~

「わたしたち、親友だよね…?

 だったら、わたしのお願い…
 聞いてくれるよねー?」

彼女は、そう言って、不気味にほほ笑んだ…。
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とある高校。

チャイムが鳴り響く。
登校時間を知らせるチャイムだ。

そのチャイムが鳴り響く中、
廊下を走る一人の女子生徒が居た。

坂本 麻美子(さかもと まみこ)
ショートヘアーが特徴的な、
活発な少女だ。

明るく元気な性格で、
クラスメイトにも友達が多い。

「---セーフ!!!」
麻美子はそう叫びながら、
教室に飛び込んだ。

8時33分。
ちょっと遅れたがこのぐらいなら先生は教室には来ない。

「ま…麻美子…!」
クラスメイトで親友の月村 梨恵(つきむら りえ)が言う。

清楚なイメージ通り、
大人しい性格で、生徒会書記を務めている子だ。

梨恵が指をさした方向を見る
麻美子。

そこにはーー。

「ひっ…!せ、先生!?」

いつも35分ぐらいまで来ない先生が、
今日に限ってもう来ていた。

「なにがセーフだ!坂本!」

そう言うと、先生は麻美子の出席簿の欄に
「遅刻」のチェックをつけた。

「ついてなーい!」
麻美子が叫ぶと、
先生は「遅刻は遅刻だ!」と叫んだ。


今日も穏やかな日常が流れるー。


昼休み。

麻美子と梨恵が、
二人で廊下を歩いていた。

「ごめんね…手伝わせちゃって!」
梨恵が申し訳なさそうに言う。

”どこか守ってあげたくなるような雰囲気”の梨恵は、
男子生徒からの人気も高い。

最も、本人は男子との交際にも消極的なのだが。

「いいのいいの、
 私たち、小学生からの付き合いでしょ」
麻美子が言うと、

「そうだね」と梨恵がほほ笑む。

二人は性格は全く違えど、
小学生時代から大の仲良しだった。

ショートヘアーの麻美子に
ロングヘアーの梨恵。

活発で明るく元気な麻美子に、
おしとやかで控えめな梨恵。

まるで正反対。

静の梨恵ー
動の麻美子。

そんな感じだ。

「あ、そうだ、今日、放課後にさ、
 ちょっと話があるんだけどいいかな?」
麻美子が言うと、
梨恵は「うん、いいよ」と優しく微笑んだ。


麻美子はあることを決意していた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方。

強い西日が差しこむ廊下で、梨恵と麻美子は
合流した。

梨恵が生徒会活動で30分ほど麻美子を待たせたため、
他の生徒はほとんどが下校を終えていた。

「--お待たせ!ごめんね、待たせちゃって」
梨恵がほほ笑む。

「うん、大丈夫大丈夫!」
麻美子が笑いながら返事をする。

梨恵は一息ついてから、
口を開いた。

「で、麻美子…、話ってなに?」
梨恵が尋ねると、
麻美子が、ゴクリとつばを飲み込んだ。

いつも活発な麻美子が口を閉ざしている。

「あ・・・あの…さ」
目を逸らしながら壁に寄りかかって、
気まずい雰囲気で喋りはじめる麻美子。


ーーー二人は知らなかった。
”悪意”が近付いていることを。

”それ”はちょうど校舎の近くをさまよっていた。

「くそっ…くそっ!くそっ!」
男の霊体がそこに居たー。

彼はーー
つい数時間前に交通事故に遭い、
こうなってしまったのだ。

「俺にはまだやりたいことがあったのに…!」
30代後半だろうか。
その独身男性はぶつぶつとつぶやいている。

このまま成仏することになるのだろうか。

ーーと。

男は霊体となったあと、
なんとなく自分の母校であるこの高校に辿り着いたのだ。

「…ちっ…体が薄れてきてやがる…。
 俺、このまま…消えるのか」

男はそんな風に思いながらふと
”あること”を思いついた。

そう言えば・・・
小さいころ見た幽霊モノの作品で、
幽体が、人間に憑依して体を奪うと言うものが
あった気がする。

ーーどんどん薄くなっていく霊体。

男は、決意した。

「--ど、どうせ消えるなら!」

眼下には二人の女子高生。
あのときと変わらない制服。
あのときと変わらない廊下。

「--どっちにしようかな…」
男は呟く。

ショートヘアーで活発そうな少女か、
それともロングヘアーの大人しそうな少女か。


「---ええい!俺はまだ死ねない!
 それに…ちょっと、、女の子にもなってみたいしな!」

そう言うと、男の霊体は、二人に向かって飛んで行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「わ、、、わたしさ…
 実は…その…」

麻美子が顔を赤らめる。

彼女はーーー
好きだった。
梨恵のことが。

同性なのはわかっている。

けれども、いつしか親友から、恋愛対象として
梨恵を見るようになってしまったのだ。

「----ど、どうしたの?顔、真っ赤だよ?」
微笑む梨恵。

その微笑みを見て、
麻美子は最後の踏ん切りをつけて叫んだ。

「わたし、梨恵の事が好きなの!」

叫ぶ麻美子。

驚く梨恵ーー。


「ひぅっ…!?」
梨恵がふいに変な声を出した。

「あっ…あ、、、あ、、、あ・・・っ」
梨恵が恐怖に体を震わせる。

体の自由が突然奪われていく。

”何かが”体の中に入ってくる。

「-----お願い!わたしと付き合って」
麻美子は頭を下げて目をつぶっている。

梨恵に、この想いは届くのだろうか。
こんなこと言って、嫌われてしまわないだろうか。

色々な想いが、麻美子の中を駆け巡る。


「---ふふふ…いいよ♡」
梨恵が優しく微笑んだ。

「----え…マジ!?」
麻美子が予想外の返事に、驚いて梨恵の方を見る。

「---わたしのこと、そんなに愛してくれていたのね…?
 梨恵、嬉しい!」

梨恵が”いつもとは違う口調”で話しながら近づいてくる。

その笑みには、
”狂気”すら浮かんでいるように見える。

「--わたしも、好きよ?」
そう言うと、梨恵は麻美子の唇に自分の唇を重ねた。

そして、そのまま麻美子を抱き寄せる。

「り…梨恵!?」
麻美子は驚いて声をあげる。

梨恵の胸が麻美子にあたる。

「---あ、、ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、タイム!タイム!」
麻美子が慌てて梨恵を引きはがした。

「チッ・・・」
梨恵が舌打ちをした。

「---?」
麻美子は、”今、舌打ちが聞こえたような?”と思いつつも
それは詮索しないことにした。

「付き合ってもいいよ…
 でも…麻美子。その変わり、
 わたしからの”お願い”聞いてくれる?」

梨恵が笑う。

なんだか雰囲気がおかしい。


「--お願い…?い、いいけど」
麻美子が言うと、梨恵がさらに笑う。

「--わたしと…エッチしよ?
 …今、ここで・・・」
梨恵がイヤらしい表情で、自分の太ももを触って
笑っている。

「--り、、梨恵…?」
だんだん不気味になってきた麻美子は
表情をゆがませる。

「---うふふ・・・
 わたしのこと、好きなんでしょ?

 だったらエッチしようよ…!
 二人で喘ぎまくろうよ!

 女の子の喘ぎ声、聞いてみたぁ~い!
 くふふふふふふっ♡」

様子がおかしい。
麻美子はそう思った。

「ど…どうしたの…梨恵?」
麻美子の問いかけに、梨恵は笑う。


「どうもしないよ…
 わたしはわたしでしょ?」

胸を触りながら、「んはぁっ…♡」と色っぽい声を出している梨恵。

ゼッタイにおかしい…。

「--り、、、梨恵…だよね?」
梨恵に決まっている。
そう思いながらも、何故かそのセリフを口から出さずには
居られなかった。


「----うふふ♡」
梨恵は笑うだけだった。


ーーー変だ。

ぜったいに。

「---あ、、、あんた…
 アンタ!梨恵じゃない!」

麻美子は叫んだ。

そんなことあり得ない。

だがー、
麻美子の直感が”梨恵じゃない”と告げていた。

梨恵は否定も肯定もしなかった。。

代わりにー
”もの凄く低い声”で脅す様にして呟いた。

「わたしたち、親友だよね…?

 だったら、わたしのお願い…
 聞いてくれるよねー?」

微笑む梨恵。
だがーー
目は麻美子を睨んでいた。

「---り、、梨恵…」
恐怖で足がすくむ麻美子。

梨恵に何が起こっているのかは分からない。
けれどーーー。


「---わ、、、、、わか…った」
戸惑いながら、そう返事をした麻美子。

「--ここじゃ、先生に見つかっちゃうから…
 あっちにある空き教室に行こっ!」

笑いながらそちらの方向を指さす梨恵。

「-----」
冷や汗をかきながら麻美子は空き教室の方に歩いていく。


背後を歩く梨恵の表情は
”欲望”に歪んでいた。

片手で胸を、
片手で太ももを触りながら…。


「---まさか本当に憑依できるなんて…
 くくく…」

梨恵は、憑依されていた。

そして、
その手は歓喜に震えていた。

「女同士の激しい時間ーーー
 一度味わってみたかったんだよなぁ…くくくくく!」

小声でつぶやく、梨恵のスカートの中は
既にグショグショに濡れていたーー。


②へ続く

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コメント

次回は女子高生同士のアツイお時間が…(汗)

百合憑依・・・ってことですね^^
何気に初めて書くタイプかもしれません


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無名

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