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<憑依>サタンクロース②~聖夜~(完)

3人の友人のクリスマスを滅茶苦茶にしてやろうと決意した
男子高校生・倉橋。

手始めに、友人・我妻の彼女を狂わせてやった。

残るは2組ー。

メリークリスマス!
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ファミレスで、インテリ男子高校生・都留が、
微笑みながら、彼女の古田 彩恵(ふるた さえ)と
話している。

彩恵は、ポニーテールが特徴的な活発系女子だ。
ボーイッシュな性格で、クラスメイトたちからの人気も高い。

”自分にない部分がある”
インテリ系の都留にそんな理由から彩恵は惹かれて行った。

おしゃれにも気を使っていて、
明るく、元気で、可愛らしい。
そんな子だった。

「---倉橋、今頃どうしてるかな…」
都留がメガネをいじりながら呟く。

「ま、倉橋には悪いけど、僕は楽しませてもらいますけどね…」

その言葉を聞いて彩恵は笑う。

「--そんなこと言わないの!
 倉橋くんだって、好きでくりぼっちなわけじゃないでしょ!

 倉橋くんには倉橋くんのいいところがあるわよ」

彩恵が言うと、
都留はニヤリと笑う。

「じゃあ、彩恵は、倉橋くんと付き合うのかい?」

その言葉に彩恵は言葉を詰まらせる。

「ほら!、即答できない。
 それはつまり、彼に魅力がないってことですよ」

料理が運ばれてくる。
彩恵は「ま、そ、そうかもしれないけど!」と
投げやりな様子で、ケーキを食べ始めた。

「--ま、彼のことなんて放っておいて…」
都留が、飲み物の入ったコップを、彩恵に差し出す。

「メリークリスマス♪」
二人は仲良く乾杯した。

だがーーー
その様子を、霊体となった倉橋が見つめていたー。


「---言ったな。
 地獄を見せてやる。
 悪夢をプレゼントしてやる!」

そう言うと、倉橋は、彩恵の体の中に突撃した。


”一瞬で全てをぶち壊しにしてやる”


「-クリスマスって本当に…ひっ!?!?」
彩恵が体をビクンと震わせた。

「ーーーん?」
都留が、チキンを食べながら彩恵の方を見る。


「---本当に…」
彩恵が不気味な笑みを浮かべた。

「本当にくっだらないよねぇ~~~~!!!」
大声で叫ぶ彩恵。

「---!?」
都留は驚いた表情を浮かべる。

「ーーさ、彩恵?」

都留の驚きを余所に彩恵は、机の上に飛び乗り、そのまま
反対側に座る都留の方に寄ってきた。

「--お、おい!?」
机の上から都留を見つめる彩恵。

そして、都留の方に降りてきて、
そのまま都留を抱きしめて熱いキスを始めた。

彩恵の胸が都留に接触する。

「----ふぉ、だ、、大胆ですね…」
冷静を装いながら、都留の興奮はいきなり限界に
達していた。

「んっ…♡ ふぅ♡ は…♡ はぁっ♡」
彩恵が甘い声を出しながら、都留を抱きしめ、
舌をからめさせながらキスをしている。

「------」
都留は興奮のあまり言葉を失った。

これがディープキスというやつか。
彩恵のやつ、なんて大胆なんだ!
なんてエロいんだ!

でもーーー
そういう彩恵も、好きだ!

都留はそう心の中で叫ぶ。

「---んふふっ♡」
彩恵は唇を都留から話すと、
可愛らしく微笑んだ。

スカート姿で都留の膝の上に乗るような
カタチになっているため、
スカートの感触が都留を興奮させる。

「---彩恵…」
都留が嬉しそうに彩恵を見る。

彩恵は微笑んだ。

「----わたし、あなたに
 とびっきりの悪夢をプレゼントするね…!

 彩恵、サタンクロースになっちゃう♡」

そう言うと、彩恵は再び机の上に乗った。

そして机に立ち、叫んだ。


「あはははははっ!
 リア充ども!メリークリスマス!!
 
 クリスマスなんて、超くだらないわ!!」

そう叫ぶと、机の上の料理を蹴り飛ばして、
自分の服を引きちぎり始めた。

「---彩…恵?」
唖然とした表情で都留が戸惑う。

恥ずかしさから顔を真っ赤にしている。


「--お客様!何をやってるんですか!?」
女性店員が注意に入る。

「--うっせぇ!黙ってろ!」
彩恵が恐ろしい罵声を浴びせると、
そのまま服を脱ぎ捨てて、となりのテーブルの客に投げつけた。
さらにスカートも脱いで、
近くのおじさんに対して放り投げた。

おじさんは「ふぉっふぉっ」と謎の声を出している。

「---うふふ♡」
彩恵は笑いながら、綺麗な肌を露わにして笑う。

「メリークリスマス♡ メリークリスマス♡」

そう叫ぶと、料理の付け合せのソーセージを
手に取り、自分の下着を脱ぎ捨て、だらしない格好で
ソーセージをそこに突っ込んだ。

「んおっほっ♡」

狂った表情で、体を震えさせながら快感の声をあげる彩恵。

「あはぁん♡ はぁっ♡
 くりすますぅ♡ くーりすますぅ♡
 あははは♡ うふっ♡ うふふふふふふっ♡」

ソーセージを激しく動かしながらテーブルの上で
喘ぎまくる彩恵。

周囲の客は唖然としている。


「-----お客様、連れの方ですか?」
女性店員が怒った様子で都留に言う。

唖然としていた都留は正気を取り戻し、言った。

「--いや、僕は知りません。相席です。
 失礼します」

都留は会計もせずに、他人のふりをして
そのままレストランから立ち去った。


「あはははははははっ♡ ばんざーーーーい♡」
彩恵が大声で叫ぶ。

「ばんざーーーーー・・・・ぁ・・・」
倉橋が抜け出し、彩恵は万歳したまま、突然その場に倒れて転倒した。

ーーーその後、
店は、大騒ぎになってしまった・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

霊体に戻った倉橋はガッツポーズする。

「ざまあみろってんだ!」

そして、最後の一組―。
イルミネーションを見に行く増森と、
その彼女、天堂 奈菜葉(てんどう ななは)。

「---あいつらも、壊してやるぜ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

増森と奈菜葉は、
イルミネーションを見つめていた。

「綺麗…」
奈菜葉はロングヘアーの儚げな風貌の少女だ。
とても弱弱しい印象で、守ってあげたくなるような
雰囲気の少女。

反面、スタイルはとてもよく、
”モデルのようだ”と言われるほど。

「----あいつらからLINEの返事がないな」
増森が言う。

増森は、友達想いだった。

我妻と都留の二人から
「これからデート」という言葉以降、
LINEの返事が無いのが気がかりだった。

「---また友達のこと?」
奈菜葉がふてくされた様子で言う。

「ねぇ、わたしだけを見て。お願い」
奈菜葉は言う。

奈菜葉は、正直言えば面倒くさいタイプの女子だった。
可愛くてスタイルも良いのだが、
独占欲が非常に強い。

「ーーーご、ごめんよ」
増森がスマホをしまう。

「---増森くんは、わたしだけのもの♡」
奈菜葉が嬉しそうに増森の方に寄り添う。


「今だー!」
上空で待機していた倉橋が、
奈菜葉の体に突撃した。

そしてーーーー

視界が開けてきたーーーー。


ーーーーーー!?

見えてきたのはイルミネーションではなく…

真っ黒な空間…?



「---な、、、なんだここ…?」
倉橋が戸惑う。

「----ふふっ、ご苦労様」
暗闇の中からー
憑依したはずの奈菜葉が姿を現した。


「--え…?天堂さん…ここは…?」

すると、奈菜葉は微笑んだ。

「わたしの、精神世界とでも言うべきかな…」

その言葉に意味が分からず、倉橋が言う。

「い、意味が分からない。
 どういうことなんだ?
 今、俺は、きみに憑…」

そこまで言って倉橋は口を塞いだ。

憑依なんて言うわけにはいかない。


「----憑依、でしょ?
 いいよ、分かってるから」

儚げに笑うと奈菜葉は続けた。

「ねぇ、彩恵と汐音、壊してきてくれた?」

ーーーー!?

「ど…どうしてそれを・・・」

それにしても…
奈菜葉はスタイルが良い。

…そういえば、
憑依薬をくれたライダースーツの女も…

「----!? まさか…」

奈菜葉は微笑んだ。

「そう、あれはわたし。」

そしてさらに続けた。

「わたしね、増森くんとずっと一緒に居たいの。
 だから、増森くんに話しかけるアンタたちが邪魔だった。

 倉橋くん、我妻くん、都留くんの3人とー、
 紗江と汐音がね…」

唖然とする倉橋。
奈菜葉は微笑む。

「--だから、エロいアンタに、
 私が開発した憑依薬を渡したの。
 渡せばきっと、汐音と彩恵に憑依して
 めっちゃくちゃにしてくれるって!

 みんなが居なくなれば、増森くんは私だけを見てくれる。
 アンタたちに邪魔なんてさせない!」

奈菜葉にとってはーーー
邪魔だった。

増森の友人カップルと友人が。
”増森の時間は全て自分のもの”

そんな歪んだ想いが、
奈菜葉は憑依薬を作り出す活力をも与えた。

「---俺を、はめたのか!
 あの2組のカップルを滅茶苦茶にするためにーー」

倉橋が言うと、
奈菜葉は可愛らしく手を振った。

「ばいばいー!」

奈菜葉が作り出した憑依薬ー。
”奈菜葉”自身に憑依したモノは、
”薬の副作用”により消滅するように作ってある。

「ーーーま、、待って…俺はーーー」

そう叫んだところで、
倉橋は”自分の全て”が消える様な感覚を味わって、

ーーー何も考えられなくなった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ふふっ…♡」
奈菜葉がふいに笑った。

増森が不思議そうに声をかける。

「---どうした?」

その言葉に、奈菜葉は微笑んだ。

「ううん…!なんでもない!」


そして、奈菜葉は増森の方を見ながら
笑みを浮かべた。


”これからはー、増森君は”私だけ”のものー”


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

倉橋は、自宅の部屋で意識不明となり発見され、
今も眠ったままだ。

汐音と彩恵、二人の女子生徒は、
精神的ショックから立ち直れず、退学になってしまった。

都留と我妻、二人の彼氏も、
彼女の豹変にふさぎ込んでしまう。


結果、増森の周囲からは邪魔者が消えた。
全て奈菜葉の思い通り。


昼休み。

奈菜葉は増森と手をつないで廊下を歩いていた。

「---これからもずっとずっと、一緒だよ」
奈菜葉がほほ笑む。

「あ、あぁ!」
増森が返事をしたー。


だが…

増森は、内心
”奈菜葉”の執着に、怯えはじめていた。

彼は、この1か月後、
奈菜葉に別れを告げる。


そしてーーーー







おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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メリークリスマスです!
皆様良いクリスマスを!

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無名

Author:無名
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