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53万アクセス記念短編!「悪の魂~サボリタイム~」

憑依空間が53万アクセスを達成しました!
ありがとうございます!ありがとうございます!

今回は記念短編
「悪の魂~サボリタイム~」をお送りします!
結構久しぶりの悪の魂ですね^^
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ワインを掲げながら男は笑う。

「---あけましておめでとう」
検死官・ジョーは、振り向いてニヤリと笑みを浮かべた。

「ん?もう3月だって?
 そうだな…。
 だが…
 私は…去年の12月以降、一度も出番が無かった!!!

 だから、遅れた新年のご挨拶だ・・・」

ジョーは一人で、そう呟いた。
一体、誰に語りかけているのだろう。

「--私は最近、悪の魂を人に投げ込むのを
 サボっていてな…
 おかげで出番が無くなってしまったのだ…クク」

ジョーが部屋の隅のとある機械に目を向けた。

「-ー腹が減っては戦はできぬ、というだろう?
 私も、腹が減ったのでな。」

月明かりだけに照らされた部屋で、
ジョーはソファーに腰掛けると、
笑みを浮かべながらテレビをつけた。

「妹から取り出した悪の魂で妹を蘇えらせる。
 その大儀を忘れたわけではない。

 正義(ジャスティス)は私にある。
 これは、動かぬ事実だ」

ジョーは、テレビの入力を「HDMI」に変えた。

「--でもな」
ジョーは微笑む。

「大儀よりも、大事なことがこの世にはあるのだ」

ピッ

とジョーが、とある機械の電源を入れた。

そして、
テレビに画面が映し出された。

「できないことができるって最高だ!」
ジョーはそう叫ぶと、
コントローラーを手に握った。

ボンスターハンターワールド。

彼の世界で大ヒットしているゲームだ。

プレイ時間の表示は、既に350:32となっている。

「--一狩行こうぜ!」
ジョーは一人叫び、
子供のような無邪気な笑みを浮かべて
ゲームを遊び始めた。

彼は・・・
ボンスターハンターワールドにはまっていた。

いや、寧ろ、廃人同然になっていた。

ジョーが
悪の魂の投げ入れをやめた理由、
それは…

ゲームにはまったからだった。

「--ヒャッハー!」
ジョーはそう叫びながら大音量でゲームをプレイする。

「漫画家だってボンハンをやって
 休載することもあるんだ!
 この私が同じ事をしても、構わないだろう?

 正義(ジャスティス)にも、休息が必要だ!」

検死官ジョーは叫んだ。

検死の仕事も、
悪の魂もそっちのけ。

彼は、現在の自分を冷静に、5日間かけて
分析して、こう名づけた。

”ネオ・ニート” と。

ピピッ…

本体から不穏な音がした。

ジョーは驚く。

「----エラーが発生しました…だと…!」
ジョーが唖然とした表情で、ゲーム機の電源ボタンを
再度押す。

しかし、
ゲーム機はうんともすんとも言わなかった。

壊れてしまっていたーーー。


「----ぬおおおおおおおおおおおおおお!」
ジョーは叫んだ。

ジョーは有料会員になっていない。
つまり、本体が起動しなければ、今まで遊んできたデータも
パーなのだ。


「----私の350時間がああああああああああああ!」

ジョーは怒りのあまり、悪の魂を投げつけるかのごとく、
ゲーム機を窓の外にぶん投げた。


「----なるほど。
 こういう感情だったのか…

 地球で絶滅した恐竜たちの屈辱は…!」

ジョーは、自分の今の感情が、地球上から
絶滅した恐竜たちが最後に感じたであろう感情と
同じものだと確信した。

そして、呟いた。

「----私に、仕事をしろということか…」
ジョーはゲームソフトのパッケージを
怒りに任せて口に咥えて、そのまま噛み砕いた。

そして、ワイングラスを手に、
月に向かってひとり、乾杯した。


1時間後、
ジョーは、ボンスターハンターワールドの
レビューを書きおえ、投稿した。

”クソゲー”

と。

腹いせにレビューを投稿したのだ。
ジョーは器の小さな男だった。

レビューを投稿し終えたジョーは、
立ち上がった。

「---壊れてしまったゲーム機から 取り出した悪の魂」

ジョーの手には灰色に輝く悪の魂があった。

「これを、放り込んでみるか」
ジョーは動き出した。再び、悪の魂と共にー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

…なんて、書きつつ
ジョーさんは再び数ヶ月間ニート状態かも!?

ちなみに「ボンスター」になっているのは
わざとです。
商標的に配慮して…!

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