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<憑依>わたしは元優等生②~汚れた花~

生徒会長の奈緒美が憑依された。

憑依された奈緒美は、
自らの手で、学校内の花を踏みにじるー。

全ては汚されたー。
学校の花もー、彼女の尊厳もー。
-----------------------

「ふふっ…♡」

早朝。
奈緒美が、校舎脇の草花が生い茂る箇所に
除草剤をかけていた。

「--わたしったら、
 悪い子になっちゃって… 
 くふふ…
 この背徳感…さいこうっ♡」

奈緒美が狂気の笑みを浮かべながら
除草剤をかけ終えると、
髪をかきあげながら笑った。

「--憧れのわたしが、
 こ~んなことしてるって知ったら、
 恵里ちゃん、どうなっちゃうかな~~」

そう言いながら嬉しそうに、足をじたばたさせる
奈緒美。

「くくくくく…
 たまんねぇ…!
 あははははあっ!
 早くあいつの驚く顔が見てぇ!!
 いひひひひひっ!あはははははははっ!」

奈緒美の笑い声が、校舎脇に響き渡った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー
生徒会室は重い空気に包まれていた。

「--酷い…」
書記の恵里が悲しそうに言う。

「--また、あの子たちかしら?」
副会長の則子が首を傾げる。

花壇の花が、
まるで憎しみでもあるかのように、粉々に
踏み潰されていたのだ。

「---」
奈緒美も”悲しそうな”表情を浮かべる。
本当は、笑い出したくて仕方がない奈緒美は、
笑いをこらえるのに必死だった。

左手でスカートの中を弄びながら、
奈緒美は言う。

「--犯人のこと、許せない?」
恵里の方を見て言う奈緒美。

「---はい」
恵里は悲しそうに言う。

「--そうよね…」
奈緒美はニヤリと少しだけ笑みを浮かべた。

「もしもーーー…
 もしも仮に、犯人がわたしだったとしても?」

奈緒美が低い声で呟いた。
恵里は「え?」と声をあげる。

「例えの話よ…
 もしも犯人がわたしだったら、
 恵里ちゃんはどうする…?」
奈緒美が、意地悪そうに尋ねると、
恵里は答えた。

「・・・誰であっても…
 花にあんなことするなんて、許せません」

そして、恵里は笑って続ける。

「でも、先輩はそんな人じゃないって、
 わたし、分かってますから!」

屈託のない笑顔で言う恵里。

奈緒美は今、ここで
「わたしがやったのよ!」と叫んでやりたい気分になった。

けれど、それを抑えた。

「---そうね。
 わたしも……」

奈緒美は必死に笑いをこらえた。
なんて、陳腐な台詞なのだろう、と思いながら
その言葉を口にする。

「わたしも、花を踏みにじるなんて
 絶対に許せないー。」

奈緒美の手は震えていたーー

怒りにではなく、
笑いをこらえるのに必死で。


「----」
副会長の則子は、その様子を、冷めた様子で見つめていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、学校内の花や植物が荒らされる日が続いた。


そんなある日ー。

1年生の教室では、とある男子生徒が
一人、考え込んでいた。

正文と一緒に、植物を荒らしていた1年の男子生徒、
猛ー。

彼は思う。

"最近、正文のやつ、こねぇな”

と。

正文と猛は、花に悪戯行為を繰り返していたため、
停学処分になっていた。

とっくに停学は終わったのだが、
停学処分後、正文は登校しておらず、
連絡もつかない。

「--あいつ、学校やめる気なのか…?」

そのときだった。

他のクラスメイトから声をかけられた。
”生徒会長に呼ばれている”と。

「え…何で?」
猛は、嫌な気持ちになりながら、
呼び出された教室へと向かう。

そこには、生徒会長の奈緒美が一人で
待ち構えていた。

「ーーあら、遅かったじゃない」
高圧的な様子で言うと、
猛は「す、すみません・・・」と申し訳なさそうに言う。

「---そ、、それで何か・・・」
猛は少し怯えた様子で尋ねる。

元々猛は、仲良くしていた正文の影響で
粋がっているだけであり、
猛個人は、臆病な性格の持ち主なのだ。

「--ふふ…
 これ見て・・・!」

奈緒美が袋から乱暴に何かを取り出して、
空き教室の床にばらまいた。

「--え・・・えぇ・・・?」
猛が困惑する。

奈緒美は、それを笑いながら見つめて、
教室の壁に足をつけて寄りかかった。

腕を組んで、高圧的な様子で猛を見て笑う奈緒美。

「--どう?凄いでしょ?」
奈緒美の言葉に、猛は返事をすることができない。

「--こ…これは…」

奈緒美がばらまいたのは、
校舎の裏庭で咲いていたひまわり---。
その無残な残骸だった。

「--わたしね…
 あなたや正文君がやっていたことを見て、
 思ったの…

 楽しそうだなって…
 うふふ♡」

奈緒美が、歩きながら言う。

猛は、冷や汗のようなものを感じながらも、
奈緒美の言葉を聞く。

「---だってバカみたいじゃない?
 花、花、花。
 くだらない。」

吐き捨てるようにして言う奈緒美。

生徒会長の奈緒美は、1年生の猛にとって
1年先輩。
そこまで詳しく知るわけではないが、
こんな人だっただろうかー。

「--せ、先輩…」
猛がふと、停学になる直前、正文が言っていた言葉を
思い出す。

「---あいつ…
 その”憧れの先輩”が花を荒らしてたら
 どういう顔するんだろうな?」


思わず、猛は尋ねた。

「あ・・・あの…先輩、
 正文か何か言われたんですか?」

この生徒会長がそんなことするはずがない。
猛はそう思った。

正文が、奈緒美を脅しているならーー。

「--正文くんに??
 何言ってるの??

 わたしは、私の意思で、
 わたしがやりたいから花を踏みにじってるの。

 こんな風にね!」

奈緒美はそう言うと、
教室の床になげたひまわりの花をー
力強く踏みつぶした。

「---うふふふふふ…うふふふふふふふっ!」
目を見開いて、グリグリとひまわりを踏みにじる奈緒美。

「---せ、、先輩…
 あ、、、あの、、、俺…
 
 俺…正文のやつの、花を踏みにじる行為…
 本当は止めようと思ってたんです」

猛が本心を吐露した。

「--ーー」
奈緒美の表情から笑みが消える。

「--あ、、あいつ・・・その、やりすぎだなって…
 だから…あいつから何か言われてるなら…
 俺も、力を貸しますから…
 先生に相談して…」

猛がそこまで言うと、
奈緒美は「あっそ。ありがと」と
そっけなく言った。

「---もういいや。話は終わり。
 出てって」

突然、イライラした様子で言いだす奈緒美。

「あ、、あの…俺…」
猛は困惑した。

「---早く出てって!聞こえないの!?」
怒鳴り声をあげる奈緒美。

猛はビクッとして「は…はい」と答えて
そのまま教室から出て行った。

猛が出て行ったのを見て、
奈緒美は教室の入り口を恐ろしい形相で睨みつけた。

「----猛…俺のことそんな風に思ってたのか」
奈緒美は、イラついた様子で髪をかき分けると、
力強く教室の机を蹴り飛ばした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからさらに数日が経過したー。

部活終わりの猛が、
ため息をつきながら一人で歩いていると、
突然、誰かに口をふさがれた。

「----!?」

猛が驚いて振り返ると、
そこには、生徒会長の奈緒美の姿があった。

制服のボタンをはだけさせて
不敵にほほ笑む奈緒美。

「---セ、先輩…?」
猛は驚く。

しかし、奈緒美は有無を言わさず、猛にキスをした。

「---うふ♡…
 猛くんったら、可愛いだもん…♡
 わたし、我慢できなくなっちゃった♡」

制服を半分脱ぎ、顔を赤らめて猛を見る奈緒美。

「---せ、先輩…な、、、何を…ちょ、やめてください!」
猛は顔を真っ赤にしながら叫んだ。

「---いいから、わたしを楽しませて!」

そう言うと、奈緒美は、校舎裏の壁に猛を押し付けて、
そのまま、猛に熱いキスをしたーー。

「あぁん♡ たけるくぅん♡ わたし…
 わたし…壊れちゃう…♡ うふぅ♡ うふふふふ♡」

学校内でもかなりの可愛い部類に入る
奈緒美に突然襲われて、猛もつい浮かれてしまうー。

言葉では否定しつつも、猛は奈緒美を受け入れた。


「--あははぁ♡ あぁん♡ もっと♡ もっとぉ♡」

奈緒美の甘い声が響き渡る。

「----?」
たまたま近くを通りかかった生徒会副会長の則子が足を止める。

校舎裏でエッチ?
どうしようもない生徒もいるのね…

そんな風に思いながら、声に聞き覚えがある気がしてー、
則子は、校舎脇から覗いてみたー。

そこにはーー、
猛の耳を飢えた雌の表情で舐める奈緒美の姿があった。

「---な、、奈緒美…!?」
驚いてその場に立ち尽くす則子。

「---猛くん…わたしと…
 一緒に、この学校、めっちゃくちゃにしない?」

身体を押しつけながら言う奈緒美。
猛はーー興奮のあまり断ることができなかった。


「----」
則子は、花を踏みにじっているのが
生徒会長の奈緒美ではないかと瞬時に疑った。

そしてーー

「---な、何してるの!」
則子が影から飛び出して叫んだー。

突然の則子の声に、奈緒美も猛も、驚いて振り返った…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー。

「--綺麗な花ですねー!」
生徒会書記で、1年生徒の恵理が嬉しそうに言う。

先週まで、生徒会書記として活動していた男子生徒が
過程の事情で転校した。
その置き土産として、彼は花を生徒会室に送ってくれた。

花が好きな恵里は、嬉しそうにその花を見ている。

「---嬉しそうね。」
生徒会長の奈緒美が言う。
一瞬、奈緒美は不気味に笑ったー。

けれど、誰もそのことには気づかなかった。

「----…でも気を付けた方がいいわよ」
生徒会副会長の則子が言う。

「--彼は退学になったとは言え、
 まだ花を荒らす子がいるかもしれないから」
則子の言葉に、恵里はうなずく。

最近多発していた、
花を荒らしていた犯人はーー
1年生の、神子上 猛、という生徒だった。

猛は、生徒会長の奈緒美を襲っていたところを、
生徒会副会長の則子に発見されて、
そのまま退学となった。

則子が、猛から聞き出したところによれば、
正文と共に停学になったあと、
猛は鬱憤を晴らすため、花を一人、荒らしていたのだと言う。

「---」
奈緒美と則子が一瞬目を合せて
何かの意思疎通をしたーー

「---あ、で、今日のお話しはなんですか?」
恵里が、ゴキゲンな様子で、二人に尋ねた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後。

雨が激しく降ってきた。

生徒会の話し合いが終わって、部活の作業を終えた恵里は、
ふと、生徒会室に忘れ物をしたことに気づき、
生徒会室へと戻ることにした。

「---?」
恵里は、教室から物音がするのに気付いた。

パリィン!

何かが割れる音ー。

「--あはははははははっ!
 あのクソ女!!
 この花がボロボロになってるのを見たら
 どういう顔するのかしら!
 くくく…あははははははっ!」

既に18時近くー
誰も居ないはずの教室から女の声がするー。

恵里ははっとして教室の扉を開けた。

そこにはーーー


放課後の生徒会室ー。
割られた花瓶と、引き裂かれた花を前に、
一人の女子生徒が笑っているー。

そして、もう一人の女子生徒は信じられないという
様子で、それを見ている。

「--先輩!ど、、どうしてですか!」
恵里が叫ぶ。

「---どうしてって…?」
粉々にされた花を前に笑うのはー。

誰からも慕われているはずだった
心優しい生徒会長のー奈緒美

不気味に笑う彼女に、その優しさは無い。

「--真面目に生きるなんて、
 バカらしいじゃない…?」

奈緒美が吐き捨てるようにして言う。

「--そ、、そんな…先輩!
 嘘だって言ってください!
 先輩は…」

恵里がそう言うと、
奈緒美は机を蹴り飛ばした。

「--この学校がウゼェんだよ!」

奈緒美の怒鳴り声に、恵里は、悲しそうに
目に涙を浮かべたーーー。

「-ーーねぇ、恵里ちゃん?
 どうしたの?」

意地悪そうに笑う奈緒美。

「言ったよね…?
 犯人がわたしだったとしても、許さない…って」

奈緒美の言葉に、恵里は、以前の会話を思い出す。

「例えの話よ…
 もしも犯人がわたしだったら、
 恵里ちゃんはどうする…?」

「・・・誰であっても…
 花にあんなことするなんて、許せません」


「--そ、、それは・・・」
恵里が目に涙を浮かべる。

「--花を荒らしていたのはわたし…
 あんた、見ていてイライラするの…。」

奈緒美が低い声で言う。

「--そ…そんな…せんぱい…」
恵里が目から涙をボロボロとこぼす。

「---ねぇ、許せないんでしょ?」
奈緒美が恵里の髪を引っ張る。

「ねぇ?わたしをどうするの?蔑むの?罵倒するの??
 先生に言いつける???

 ふふふ…ねぇ、恵里?どうするの?」

奈緒美が恵里をそのまま壁に押し付けて
続ける。

「--ほらぁ、わたしを憎みなさいよ!
 正文君たちが花を踏みつぶしていたのを
 見つけたときみたいな威勢はどこに行ったの?

 なぁ???えぇ???」

奈緒美が脅迫じみた声を出す。

「---嘘…うそ……嘘…!」
恵里は信じられないと言う様子でその場に泣き崩れる。


「-----…」
生徒会室の外では副会長の則子が、その様子を
聞いていた。

そして、則子は、少しだけ笑みを浮かべたー。


③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

学校モノは、ありふれた題材ですが、
書きやすいデス!
定期的に、こういう内容を書きたくなります!



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