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<入れ替わり>煉獄②~奪われた人生~

42歳無職男に奇跡が起きたー。

真面目な女子高生と身体が入れ替わったのだった。
男は決意する。
この子の人生を奪ってやる、と。

一方、無職男の身体になってしまった女子高生も、
そのまま諦めるはずがなかった…。
-------------------------

生徒手帳から学校を特定し、
事前にネットで調べた愛梨は、
学校登校した。

朝、女子高生の制服を着るときは
とても興奮した。

そのままヤッてしまおうかとも思ったが、
この身体はもう他人のものではない。

入れ替わるー。
すなわち、この身体が自分のものになるということ。

この子の人生をそのまま奪うつもりだったから、
滅多なことは出来ないのだ。

「--おはよ!」
背後から声がした。
友人の理紗だった。

「おう」
ついクセで変な返事をしてしまう愛梨。

「なぁにそれ?変なの!」
理紗が笑いながら、横に並ぶ。

「--あれ?何か今日、髪型変じゃない?」
理紗が言う。

「--あ?…あ、…え?そうかな?」
愛梨が言うと、
理紗は、な~んか雑な感じ!寝坊でもした?と
笑いながら話した。

「----理紗!」

背後から男の声がした。

「---え?」
理紗が振り返ると、そこには太ったみすぼらしい男が居た。

「---」
愛梨も振り返る。

そこにいたのは”元 自分の身体”だ。

「ど、どちらさまですか?」
理紗が不思議そうに尋ねる。

「---怪しい人だよ。関わらないほうがいい。
 いこっ」

愛梨が言う。
入れ替わってる、なんて誰も信じることはないだろうが
万が一ということもある。

「---理紗!!!」

男がもう一度叫んだ。

「--ね、、ねぇ、話だけでも聞いたほうが…?」
理紗の言葉を無視して、愛梨はそのまま理紗を引っ張る。

「ねぇ!愛梨!」
理紗が愛梨を振り払った。

「--話だけでも、聞いたほうがいいよ」
理紗が言う。

愛梨は思わず舌打ちをしてしまう。

「愛梨…?」
不思議そうに言う理紗。

そこに、男が近づいてきた。

「ね…ねぇ、理紗!助けて…
 わたし…わたしよ!愛梨よ!
 信じてもらえないかもしれないけど…
 この男と、身体が入れ替わっちゃったの!」

女言葉で話す男を前に、理紗は戸惑っている。

「---あ、、あの…何言ってるんですか?」
愛梨が臆病な様子で尋ねる。

「--な、何って?わたしの身体を返してよ!」
男が叫ぶ。

「---意味わかんないこと言わないで!きもい!」
愛梨が感情的になって叫ぶ。

「--ーーねぇお願い!わたしの身体返して!」
さらに男は叫ぶ。

「--いい加減にして。警察呼ぶわよ」
愛梨は、恐ろしい形相で男を睨んだ。
男は黙り込んでしまう。

そんな男はあざ笑うようにして、愛梨は理紗に
「いこっ!」とだけ告げて、早足で歩き始めた。

理紗は、困った表情をしながら、
愛梨のほうについていくのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

女子高生としての学校生活は全てが新鮮だった。

トイレもそう。
スカートから流れ込む風もそう。

そしてー
体育の前の着替えの時間もそう。

「--だ、大丈夫?愛梨…」
友人の理紗が訪ねる。

愛梨はニヤニヤしながら顔を赤らめて
周囲を凝視していたのだ。

「---え、う、うん 大丈夫!
 体育ってわくわくするよね…
 ふふふふふ♡」

そう言いながら立ち去って行く愛梨を見ながら
理紗は不安そうに愛梨の後姿を見つめた…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休み。

教室で一人さびしそうにしている
眼鏡男子の庄助(しょうすけ)に、愛梨は声をかけた。

愛梨としての記憶はない。
ただ、LINEの記録などから人間関係をわずかながら
把握していたし、
何より、愛梨に憑依した無職男、太郎は、
眼鏡男子の庄助を見て、
自分と同じ香りを感じていた。

”こいつは、モテない童貞野郎だ” とー。

「クス…」
愛梨はニヤリと笑みを浮かべて、庄助の机に近づいて行った。

「永手くん、勉強お疲れ様」
愛梨が微笑みながら声をかけると、
庄助は目を遭わせることもなく、顔を赤らめて
「う、うん…」とだけ答えた。

愛梨は、顔をわざと真横に近づけて
庄助のノートを見た。

「わぁ…すごい…永手くんって頭いいんだね!」

ノートに書かれた計算式を見て
愛梨が女らしく感心してみせる。

「--あ、、、あり、、、ありがとう」

庄助は極度の緊張状態にある。

「--わたし、頑張る男の子、大好き」
愛梨が、庄助の方を見て、ほほ笑むと、
庄助は「あ、、え、、、あ、、その…」と
言って、顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。

愛梨はさらに顔を近づけて耳打ちする。

「ねぇ、永手くん…
 女の子とえっちしたことある?」

「え…え・・・」
庄助は戸惑って、顔を真っ赤にしている。

「--ふふふ、今度、わたしとえっちなことしよ?」

混乱して、汗をかき始めた庄助を見て、
笑いながら愛梨は教室を後にした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後。

彼氏の祐樹と共に下校していた愛梨。

「---愛梨と居る時が一番幸せだよ」

「うん、わたしも!」

愛梨はそう言いながら、
意地悪そうな笑みで、チラリと反対側の通りを見た。

太郎ー
”元の自分の身体”がそこには居た。

「---しつこいやつ」
愛梨はニヤリと笑いながら、
祐樹の腕にしがみついた。

「祐樹のこと、大好き!」
甘えて見せる愛梨。

祐樹は、奥手な愛梨の積極的な行動にたじろぎながらも、
顔を赤らめた。

通りの反対側から様子を見ていた太郎…
つまり、本来の愛梨は、
悲しそうにその光景を見つめた。

「--祐樹!気づいてよ!!
 それは私じゃないの!」

けれどー
どうすることもできない。

母も、理紗も信じてくれなかった。
たぶん、祐樹も…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

太郎の身体で自宅に帰るー。
もちろん、本来帰るべき家ではなく、
この体ー太郎の家に、だ。

「--あんた、そろそろ働きなさいよ!
 お母さんだって、いつまでも…」

かなり高齢な母親が言う。
その目には、ダメ息子に対する失望だろうか。
涙が浮かんでいる。

「---お母さん…ごめん」
太郎の中に居る愛梨は思わず涙ぐんで
謝ってしまう。

「--そんな言葉聞きたくないよ!
 口じゃなくて行動で示しな!」

母親の怒りに、太郎の中に居る愛梨は
ごもっともだと思いながら
”どうしてこんなにお母さんを悲しませるようなことを
 すえうんだろう…”と
悲しい気持ちになりながら部屋に行く。

太郎の部屋にはー
フィギュアやアダルトゲーム、女装道具などが
並んでいる。

「---もう嫌…」
太郎はその場にふさぎ込んだ。

そして、ゾッとするーー

こんな趣味の男に、自分の身体が乗っ取られた。

と、なればーーー

「--やめて…私の身体で遊ばないで」
一人、太郎はその部屋で泣き崩れた。


その時だった。
スマホが鳴るー

スマホには”自分の番号”が表示されていた。

「---も、もしもし」
太郎が弱気な様子で電話に出ると、
電話の向こうからは愛梨のー、
そう、自分の声が聞こえた。

「--ふふふ、惨めなおじさん。こんばんは。
 流石に可愛そうだから、
 明日、お話ししてあげる。
 
 わたし、学校に行くから、放課後、西地区の
 廃工場で会いましょ?」

愛梨が笑いながら電話先で言った。

「--ふ、ふざけないでよ!わたしの身体を返し…」

プッーーー

用件だけ伝えると、愛梨は電話を切ってしまった。

太郎になってしまった愛梨は悲しそうに、
その場に蹲った…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

指定された廃工場に、太郎はやってきた。

「--こんばんは…。ふふふ…」
暗闇から愛梨が姿を現す。

肩を出して、
生足を大胆に露出したショートパンツ姿ー。

「--わ、、わたしにそんな格好させないで!」
太郎が叫ぶ。

愛梨は笑う。

「--ふふ、わたしが、自分の身体で
 どういう格好しようが、自由…でしょ?」

愛梨は自分の太ももを両手で触った後に
イヤらしい目付きで、太郎を見た。

「---それはわたしの身体よ!」
太郎が叫ぶ。

愛梨は、ヤレヤレと言う様子で首を振りながら、
近くのモノに腰かけて、タバコに火をつけた。

「--ちょっと!やめてよ!
 わたし、まだ17歳なのよ!!ねぇ!やめて!」
太郎が容姿に似合わず泣き叫ぶ。

「--ふん…わたしがどうしようと勝手でしょ?
 お・じ・さ・ん!」

タバコの煙をふかしながら笑う愛梨。

「---ねぇ…返してよ…わたしの身体…」
太郎がその場に泣き崩れる。

「--今日、あんたをここに呼んだのは、
 ”もう付きまとわないで”っていう警告のためよ」
愛梨が鋭い目付きで言う。

「---」
太郎は泣いたまま蹲っている。

「--ねぇ、今の状況で通報したらどうなると思う?
 ”最近、変な男に付きまとわれている”って外に助けを
 求めたら、どうなると思う?」

愛梨が太郎の顎をつかんで言う。

「--あんたは捕まるか、注意されるわよ…
 うふふ♡
 世の中はねぇ、俺…みたいな男に厳しいんだよ
 俺は小さいころから奥手で、太ってて、
 自分にも自信が無かった。

 キモいとか言われたし、大学時代は告白しただけで
 指導対象になったよ。

 分かるか?このくやしさが。

 でも今は違う!
 俺…いいえ、わたしが何をしても、みんなは
 チヤホヤしてくれる!まさに夢のような
 人生じゃない!!!

 せっかく手に入れたこの体、
 あんたになんか、ゼッタイに返さない!」

愛梨が叫んだ。

「---ねぇ、、、返して!!!!!!!!!」
太郎が大声で泣き叫んだ。

「あんたに、わたしの人生をあげるー。
 嬉しいでしょ?フィギュアやアニメグッズに
 囲まれた日々を送ることができるのよ!」

愛梨が表情をゆがめて笑う。

「そんなのいらない…返して・・・返して・・・」
太郎が泣き崩れる。

「わたしは、週末に祐樹とデート!
 ふふ、ホテルに行っちゃおうかな♡」

愛梨が嬉しそうに言う。

「--やめて!!!それだけはやめて!!」
太郎が叫ぶのを無視して愛梨は続ける。

「ふふ・・・メイドカフェでバイトを始めて~
 クラスの童貞くんを誘惑して~~
 祐樹をわたしのしもべにして~~
 うふふふふふ…♡ 楽しみがいっぱい!」

愛梨は、太郎の方を見て笑う。

「---あんたは、その体で人生楽しみなさい。
 周囲から蔑まれて決して、天国のような人生を送ることはできず、
 かと言って地獄に行く勇気もないー

 天国と地獄の狭間の”煉獄”のような人生をー
 あんたにあげるわ」

愛梨はそこまで言うと、あざ笑うようにして廃工場の
出口に向かった。

「----返して!!!!!」
太郎が大声で叫んだ。

「---いやだ」
愛梨はそれだけ言うと、工場から立ち去って行った。


一人残された太郎は、その場で泣きじゃくった…。
彼氏の祐樹にも、午前中に連絡してみたけど、
やっぱり信じてもらえなかったー。

もう、誰にも信じてもらえない。

このまま、あいつの言うとおり”煉獄”のような人生をーー。

「-----」
けれど、太郎の身体になってしまった愛梨は強い子だった。

その瞳の輝きは、まだ、失われていなかったーーー。

泣きながらも、太郎になった愛梨は立ち上がる。
そして、拳を強く握りしめた…。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

小説とは何も関係のないお話しですが、
飴が歯型に上手く引っかかって、抜いた際に
舌を傷めて口内炎が出来てしまいました(笑)

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コメント

No title

愛梨にとってつらい展開、さてどうなるんでしょう。
大きな口内炎がようやく治りかかってます(笑

Re: No title

> 愛梨にとってつらい展開、さてどうなるんでしょう。
> 大きな口内炎がようやく治りかかってます(笑

今は辛い展開ですね!
口内炎ですか!
お大事になさってください!!
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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