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<憑依>変態教授の憑依学

大学で妙な講義が開かれていた。

”憑依学”

聞けば、ずっと研究室に引きこもっていたという
”変わりもの”の教授による講義のようだ。

興味本位で参加した学生たち。
しかし…
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”左京教授”

その名を知らない人間は、この大学には居ない。
彼は、大学に在籍しながら、研究室に籠り、
とある研究をずっと続けていた。

大学のお偉いさんの親戚であるということから
左京教授はそれでも許されており、
ずっと一人、研究を続けているのだった。

しかしー
ある日突然、その”左京教授”が、
講義を開いたのだった。

それがーー

”憑依学”に関する講義。

「うわ、左京だってさ」
大学生の山本 健史(やまもと たけし)が笑いながら言う。

引きこもって研究している
”左京教授”は大学内でも有名だった。
もっとも、実際に左京教授にあったことのある人間は
数えるほどしかいないのだけれども…。

「憑依学…なんか気持ち悪い…」
健史の彼女、
湯川 美菜(ゆかわ みな)が言う。

その言葉を聞いて、健史は笑った。
「ちょっと見にいってみないか?」と。

「えー、何だかわたし、行きたくないなぁ」
綺麗なロングヘアーをなびかせながら、美菜が呟く。

「--まぁまぁ、大したことのない講義だったら
 もう行かなきゃいいんだし。な?」
健史の言葉に、しぶしぶ美菜も頷いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

講義が行われる場所に入ると、
前にホワイトボードが置かれていて、
そこの前に白衣を着た髭の男が立っていた。

見るからに、世間体というものを気にしていない様子の容姿。
おそらくは、彼が、左京教授だろう。

「--よく集まってくれた」
ボソボソと言い出す左京教授。

集まった学生たちは、どことなく
バカにするような笑みを浮かべて、
左京教授を見つめている。

「突然だが諸君。
 人の身体に憑依してみたいと思ったことはあるかね?」

左京教授は、学生達に問いかけた。

「我々人間は、自分というものを選ぶことはできない。
 生まれながらにして、肉体という牢獄に
 閉じ込められているのだ。

 君は、女の子に生まれたいと思ったことは、あるかね?」

学生の一人を指さして言う。

「--い、いえ、僕は」
男子学生が困った様子で言っていると、
左京教授は笑った。

「わたしは、あるー。
 君たちの中にも、そう思ったことのある者も
 いるはずだ」

左京教授の演説に、あきれ返るような視線を
送る学生も多い。

しかし、左京教授は、そんな学生たちの心境を
見透かしたかのように笑い、そして、言った。

「私は肉体という牢獄を抜け出す研究を
 ついに完成させた。」

そう言って、緑色の液体を取り出す。

「--これが憑依薬。
 人類は、また1歩、新たな扉を開いたのだ。
 この偉大なる私の研究によってな」

学生の一部が笑い出した。

「教授、冗談きついっすよ。
 その緑色の液体で何をするって言うんすか?」
バカにしたように笑う学生。

「--憑依だ。
 これを飲めば、ここにいる君たちの誰にでも
 憑依することができる」

左京教授が真顔で言った。

「は、、はははははは!」
健史は思わず笑ってしまった。

「-教授、引きこもってばかりで、
 現実と仮想の区別がつかなくなったんじゃないですか?」

健史が笑いながら言うのを
彼女の美菜は「やめなよ。何か気持ち悪いよあの教授…」と
呟く。

美菜は不安に思っていた。
”もしもあの憑依薬とやらが本物だったら…”と。

「--ほう」
左京教授が健史の方を見た。

「--では、私が今、この場で証明してみせよう」
左京教授はそういうと、
自分を馬鹿にした健史の隣に居る、
彼女と思われる女子学生ー、美菜を指差した。

「-きみ、こちらに来なさい」
左京教授が手招きする。

「え…わ、わたしは・・・」
美菜が恐怖を覚えてそう返事をすると、
健史が笑った。

「大丈夫だよ、美菜。
 人間への憑依なんて出来っこない。

 もし何かあっても俺が居るから心配するな」

健史は、左京教授の憑依薬が絵空事だと
思い込んでいた。

美菜は不安そうな表情を浮かべたまま、
左京教授の下へと向かう。

「--可愛いネェ」
左京教授がイヤらしい顔つきで、美菜を見た。

そしてーー
「私の研究成果!とくと見たまえ諸君!」

そう言うと、左京教授は緑色の液体を一気に飲み干して、
その場に倒れた。

ざわつく学生たち。

「おいおい、死んだんじゃねぇの?」
「まさか?」
「救急車、呼ぶ?」

学生たちが困惑している中、
不安そうに立っていた美菜が突然、
「うっ!」と声をあげた。


「---?」
学生たちが美菜の方を見る。

美菜はーー
笑みを浮かべていた。

「---ふふふふふふ・・・
 どうだ諸君!」

美菜が嬉しそうに手を広げて語りだした。

「これが憑依だ!」

叫ぶ美菜。


「はは、湯川さん!冗談きついよ!」
「教授とグルだったのかー!」

ざわめく学生たち。

「--ふふふ…諸君・・・」
美菜は得意気な表情で言った。

「憑依の醍醐味…
 そ・れ・は♡
 わたしのような、真面目な子が・・・
 ぜ~ったいにしない、ことを
 させることができちゃうってこと!」

そういうと、美菜は嬉しそうに服を脱ぎ始めた。

「--お、おい?美菜!」
健史が叫ぶ。

「--じゃ~ん!どう?私の身体?」
美菜がポーズを上半身下着姿になって、
ポーズを決めている。

「ーーうぉっ…」
男子学生たちがなんとも言えない声を上げている。

「-ちょ、ちょっと…」
女子学生たちが呆れて声を上げる。

「--諸君!これが憑依だ!」
美菜は両手を広げて、まるで大統領が演説するかのように
自信に満ち溢れた表情で宣言した。

「--こんなに可愛い子を、好き放題できるんだよ!
 その子の人生全てを”奪う”
 一瞬にしてな!

 そして、ほら、わたしっ!今、こんなに楽しそうにしてるっ!
 みんなの前で服を脱いで、こんなに楽しそうにしてるっ!!

 本人が絶対にしないであろうこと…!
 本人なら泣き叫ぶであろうことを
 笑顔でさせちゃう!
 これが憑依の醍醐味!

 うふふふふ、はははははははっ!」

講堂内が静まり返る。

特に、美菜を知るものたちは、
美菜がこんなことをするはずがないと分かっているから、
余計に青ざめていた。

「--じょ、冗談やめろよ、美菜」
たまらず、健史が立ち上がり、美菜のほうに近づいていく。

「きみが彼氏か?」
美菜が笑いながら言う。

「み、美菜…も、もうやめよう。
 みんな、混乱してる」
健史が混乱しながら言うと、
美菜は叫んだ。

「ふふふ、私の人生台無しー!」
そう言うと、美菜は嬉しそうにスカートも放り投げて、
下着だけの姿になってしまった。

「や、やめろよ!」
健史が叫ぶ。

「だからぁ、憑依薬で、わたし、乗っ取られちゃったの!
 わかる?
 これが、わたしの研究成果」

美菜はそう言うと、自分の手をぺロリとなめて、
健史を見つめた。

「貴様ぁ!」
健史が叫んだ。

「左京!俺の彼女から出て行け!」
健史の怒りが爆発する。

美菜の胸倉をつかんで、ホワイトボードにたたきつけた。

講義に参加していたほかの学生たちがざわめき出す。

「---くくく…憑依の醍醐味をもう一つ君に教えてあげよう」
胸倉を捕まれた美菜は、笑いながら言う。

「”自分の身体”じゃないから、
 何されても、自分自身には影響がないの・・・!」
美菜は挑発的に目を見開いて言った。

「どうするの?彼氏クン!
 わたしを殴るの?でも痛いのはわたしだよ?
 ふふふっ」

美菜の言葉に、健史は怒りの拳を
ホワイトボードにたたきつけた。

「---ごめんなさいは?」
美菜が言う。

「--く…貴様ぁ…」
健史が喉の奥底から怒りの声を絞り出す。

「ふぅん。そういう態度取るんだ。」
美菜は呆れたように言うと、
講堂に居る大学生たちに向かって叫んだ。

「諸君!見ておけ!
 憑依の醍醐味!
 それは、人間一人の人生を簡単に壊すことができることだ!」

美菜はそう叫ぶと
大笑いしながら窓を開けて、下着姿のまま外に飛び出した。

「うふふふふふふふふ!
 わたしの人生終わっちゃうー!
 あは、あはは、あははははははははは~~~~!」

大笑いしながら狂ったようにスキップして、
美菜はそのまま大学の敷地内から飛び出したー。

「-----み…美菜・・・」
健史は悔しそうに床を叩いた。

こんなことになるならー
左京教授の授業になど、出なければ良かった…


「--そして!」

講義に参加していた眼鏡の女子学生が叫んだ。

「--身体を乗り換えすることができる!
 ひははははははっ!」

眼鏡女子が狂ったように笑い始める。


周囲の生徒が驚いて、その女子生徒から遠ざかる。

「--うはぁ…わたしの胸…おっきぃ!」
嬉しそうに自分の胸をもみ始める女子生徒。

「-や、やめろよ!」
彼氏と思われる人物が叫ぶ。

「どうして?”わたしの身体”をどうしようと
 わたしの勝手でしょ?」
女子学生はそう言うと、狂ったように胸を揉みまくり、
大声で喘ぎ出した。

「あぁっ…どう、えっちし放題なのよ♡
 ふぁっ…すごい・・・すごいすごい!!
 わたし、興奮でおかしくなっちゃう♡」

「やめろよ!」
彼氏が眼鏡女子を抑えようとする。

しかしー。

「どけ!」
眼鏡女子は、彼氏を突き飛ばして、
そのまま喘ぎ続けた。

興奮のあまり、眼鏡を振り落とし、
そのまま眼鏡を踏み潰しながら、
喘ぎ続ける女子大生。

「--ま、、まじかよ…」
健史は呆然とする。

それよりー
外に走り去った美菜は…。

「--」
健史が美菜の走り去った方向に向かおうとすると、
一人の女子生徒が叫んだ。

「--この変態!」
敵意を向ける女子学生。

「---変態?」
眼鏡をかけていた女子大生が不気味に笑う。

「--そうよ!いい年したおっさんが、
 引きこもって研究して、やっと出てきたと
 思ったら何よ!
 憑依?人のこと好き勝手にして
 踏みにじって、何が楽しいの!」

気の強そうなポニーテールの女子大生。
名前は確か…多恵子だったか。

健史がそう思いながら成り行きを見守っていると、
眼鏡をかけていた女子大生が突然倒れた。

「---!!」
多恵子が驚いて目を見開く。

そしてーー

「うっ…!」
多恵子がビクンと身体を震わせた。

「--」
周囲の学生達は恐怖からか静まり返っている。

「--ひひひひひひ…
 ははははははははは!」
多恵子がポニーテールを引きちぎるようにして、解きながら
大笑いし始めた。

「憑依の醍醐味!
 君たちにもう一つ教えてあげよう!」

多恵子はそう言うと、笑いながら壁のほうに向かって歩き始めた。

「見たまえー!」
多恵子が叫ぶと、突然彼女は壁に頭を力強く打ちつけ始めた。

ガン!ガン!
と物凄い音が響き渡り、
多恵子は頭から智を流している。

「どうだ…!
 邪魔な人間を、はむかった人間を、
 自殺させることもできるんだよ!」

多恵子は笑いながらなおも、頭を思い切り
壁に叩きつけている。

「---ーひっ…」
「や、、やめろよ!」
「うわああああああ!」

学生たちが悲鳴を上げる。

多恵子は、満面の笑みを浮かべたまま、
その場に崩れ落ちた。

「--ね、、ねぇ…もう帰ろう!」
一人の女子学生が叫ぶ。

「---こ、こんなところに居たらわたしたちもみ あぁっ・・・!」
女子学生の一人がビクンと跳ね上がるようにして硬直した。


そして、笑みを浮かべると
支配者のような余裕を漂わせて語り始めた。

「諸君。
 わたしは、その気になればここにいる誰にだって
 憑依できる。
 わかるか?」

怯えていた女子大生は、目に涙を浮かべながら笑っている。

「--ふふ、この子も可愛いなぁ・・・
 よし、決めた
 わたしはしばらくこの子として生きる」

「--お、、おい・・・!由利恵!じょ、冗談よせよ・・・!」
憑依された子の彼氏と思われる人物が言う。

「冗談じゃないよ。
 見たでしょ?あそこのゴミ」
血を流して倒れている多恵子を指差す。

「--みんな、今日のことは黙ってなさいよ。
 もしも広めたらー、
 そのときは、あそこに転がってるゴミと同じ運命に
 なるのよ。いい?」

由利恵の脅迫じみた発言で、皆、震え上がってしまった。

「じゃあね♪うふふ、今日からわたし、女子大生!」
そう言うと、由利恵はーー
いや、左京教授は女子大生に憑依したまま、
どこかへと走り去ってしまった。

学生達はーー
皆、左京教授に憑依されることを恐れ、
口を閉ざしたー。

「---美菜!」
健史は慌てて美菜の走り去った方向に向かった。


そしてーーー
大学のすぐ外で、人だかりが出来ているのを健史は見つけた。

そこにはーー
警察に連行される美菜の姿があった。

「美菜!」
健史は叫んだ。

だが、美菜は怯えきっていて、泣きながら
そのまま警察に連行された。


「----くそっ!あの変態教授め!」

健史は叫んだ。

由利恵という子に憑依した左京教授。
脅しになんか屈するものか!

健史は走った。
由利恵の立ち去った方向に向かって・・・。



1時間後ー
大学構内で次々と女性に襲い掛かっては
乱暴をしている男子大学生が居た。

健史だった。

彼は、突然人が変わったかのように
大笑いしながら、周囲の女子大生を襲い始めた。

程なくして、健史は逮捕された。

周囲の事情を知らない学生たちは連行される健史を見ながら言った。

「あいつ、急におかしくなりやがった」

「きっと、疲れがたまっていたんだねー」と。

真実を知るものは、
ごくわずかだった。


そしてまた、
連行される健史を見ていた、女子大生の一人が
不気味な笑みを浮かべていたー。


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

2話か3話で書けばよかったかな、と
思いつつ1話で完結しました!

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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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基本的に毎日更新しています!

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