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<憑依>フュジティブ~ロードオブポリス~②”憑”

憑依薬製造工場に突入した警官たち。

しかし、若き女性刑事が、
憑依薬の餌食になってしまうー。

一方の龍平は、
由香里からのお願いを引き受けることにしたものの・・・
-----------------------

「---…が…ま…まさか…!」
歪んだ笑みを浮かべる女性刑事・史恵の方を見て
刑事の南は声をあげた。

「----残念だったわね…
 わたしの体、乗っ取られちゃいましたぁ~♡」

史恵がスーツの上から胸を触って喜んでいる。

「くくく…
 市民を守る立場のわたしが、
 こんなことしちゃってる♡
 
 この背徳感…たまらない…!」

真面目な史恵が涎を垂らしながら
笑みを浮かべている。

史恵の垂らした涎が床にこぼれ落ちる。

「---き…貴様…!
 雪野を解放しろ…!」

苦しみながら叫ぶ南。

”そっちはどうだ?”

孝彦から無線連絡が入った。

南は慌てて応答しようとする。

しかしー。
史恵の足が南の手を踏みつぶした。

「がぁぁっ…!」
苦しみで声をあげる南。

「--先輩…
 余計なこと…すんじゃねーよ!」

史恵が無線機を蹴り飛ばして、
自分の無線機を手にする。

「--はい!こちら異常ありません!」

そう言うと、文恵は微笑んだ。

「---うふふ・・・
 憑依薬って凄いですよね…!

 わたしになりきることも可能なのですから…♡」

史恵は、笑いながらも冷たい目で
倒れている南を見つめた。

「---ねぇ、先輩。
 わたし、女の体、試してみたいんです…。

 ここで、わたしとヤッちゃいましょ?」

そう言うと、文恵はスーツを脱ぎ捨てて
シャツをはだけさせて微笑んだ。

「---やめろ・・・目を覚ませ…」
南は苦しみながらそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---」

放課後のとある用事で遅くなった龍平は、
たまたま、同じく用事で遅くなった彼女の
彩香と一緒に帰っていた。

”今日の夜ー
 ちょうどお父さんとお母さんが居ないから、
 わたしの家に取りに来てくれるかな”

由香里の服を受け取ることにした龍平。

別に、女物の服が欲しいわけではない。
ただ、座間に憑依されていた件を知る人間として
困り果てている由香里を放っておくことは
できなかった。

彩香とは、帰宅中の途中で方角が違う為、別れる。

その後、少し寄り道をして、
由香里の家に立ち寄り、
洋服を受け取ることにしよう。

「--ねぇ…」
彩香がつぶやいた。

「え?」
上の空だった龍平が彩香の方を見る。

「なんか・・・上の空だけど、だいじょうぶ?」
彩香が尋ねる。

「え…あ?うん、大丈夫大丈夫」
龍平が笑顔を浮かべて答えるも、
彩香は、目を細めて龍平の方をじーっと見た。

「---本当に~?
 顔、赤いけど…?」

彩香が何かを疑っている。

「え…ち、、ちがっ・・・?」
龍平は、年頃の男子だ。
特別な下心は持っていないものの、
座間に憑依された由香里が
そういう服を着て楽しんでいたと思って
ついつい想像してしまった。

「---じゃあ、何で赤いのかな?」
彩香が微笑んだ。

やばい。怒ってる。

龍平は、そう思った。

「--ほ、、ほら…あの、えーっと…」
龍平が慌てふためいた様子で言うと、
彩香は、続けた。

「------えーっと?」
彩香が先を促す。
顔は笑っているが、心は笑っていない。

「--あ、彩香ちゃんは…?」

うっかりと、昼間、由香里に言われた言葉を思い出してしまった。

メイド服やチャイナドレスを、彩香が使うのではないか、と
由香里が天然発言をしたことを。

「---ぐふっ」
龍平は、想像の彩香の姿にノックアウトされてしまった。

「ちょっと!何想像してるのよ!
 こら!龍平!」

彩香は弟を諭すかのように、
説教じみた口調でそう言ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パァン!

廃工場内に銃声が響き渡った。

「--がぁっ」
苦しそうに足を抑える粗暴そうな男。

「---確保」
龍平の父・孝彦は
憑依薬製造工場に潜んでいた男の一人を確保した。

これでー4人。
孝彦が2名、
後輩刑事の南と史恵が一人ずつ。

前情報が正しければ、あと一人のはず。

「--二人目を確保した。
 そちらの状況は?」

孝彦が無線で問いかけると、
無線から返事が来た。

”--助けてください!
 わたしと、先輩が…!

 あっ…きゃあああっ”

無線越しに
史恵の声が聞こえてきた。

「くそっー!」

史恵が憑依されていることを知らない孝彦は、
慌てて史恵や南が向かった方向へと向かうー。

そして…

駆け付けた先では、
背を向けて倒れている南と、
肩から血を流して抑えている史恵の姿があった。

史恵はシャツをはだけさせて、
乱れきった様子だー。

犯人に乱暴でもされたのだろうか。

「--大丈夫か!」
孝彦が叫ぶ。

「---わ、、、わたしは大丈夫です…でも、 先輩が!」
史恵が目に涙を浮かべて叫ぶ。

「--あ・・・あ…」
南が振り向いて青白い顔で何かを口にしようとしている。

「---」
周囲を警戒した孝彦は、周囲に人影がないことを確認して、
南に駆け寄った。

「大丈夫か!南!
 今、応急処置を…」

そこまで言いかけると
南が振り絞るようにして言った。

「---ひ ょ… うい…」

と。


孝彦は咄嗟に後ろを振り返った。

「---死ねぇ!」
史恵がナイフを手に、そう叫んだ。

咄嗟に孝彦はそれを押さえる。

「--雪野…まさかお前・・・!」

そう言うと、
史恵はナイフを舐めながら笑った。

「---憑依薬の力、すっごいですよね…うふふ」

「貴様!」

孝彦が、格闘術を仕掛けようとすると、
史恵はバック転をしてそれを回避した。

史恵にそんな運動能力はないー。
完全に史恵は支配されているー。

「--…ったくよぉ」
史恵がつぶやいて、足元に転がっている南を踏みつけた。

「さっきのエッチで、力尽きたと思ってたのに
 まだ生きてやがったか」

史恵の別人のような口調に孝彦は戸惑う。

ハッキリと言うならばー
孝彦は”恐怖していた”

あらゆる事件に向き合ってきた孝彦でさえー、
”憑依”は未知なる存在。

いつも穏やかな史恵が豹変している。

近しい存在を支配され、
しかも、その存在が、自分に牙を剥く…。

恐怖以外の何物でもなかった。

「龍平…おl前はこんな恐怖と…向き合っていたのか」
孝彦は呟く。

クラスメイトや彼女を憑依により奪われて、
それと向き合った龍平は、
どんなにつらい思いをしたのだろう。

目の前で、彼女の彩香や
クラスメイトの由香里が支配されているのを見て、
どんなにつらかったことだろう。

「--今度は、俺が向き合う番か」

孝彦はそう呟いて、史恵の方を見た。

「--どうしますか?先輩~?
 わたし、こんなことしたくないのに…
 先輩に銃を向けさせられちゃってます…
 ふふふ♡

 その気になれば先輩の頭を
 撃ちぬくことだってできますよぉ~」

史恵が不気味に笑う。

「---先輩!」
背後から南が叫んだ。

南の言いたいことは分かる。

”雪野を射殺”
そうしろと伝えているー。

孝彦は史恵に銃を向けた。

「--あれぇ?先輩…!
 わたしを撃つんですか?
 将来有望な女刑事のわたしを…!

 ふふ、わたしったら、犯罪者に
 体を乗っ取られたまま撃たれちゃう!」

史恵が嬉しそうに体をくねらせながら言っている。

「-----」

「---もしも・・・
 もしも仮に、誰かが”憑依”された場合、
 ”もろとも”で構わないー。
 射殺を許可する。

 憑依薬…
 あんな悪魔のようなものを広げるわけにはいかない。
 事後処理は私が内密に行う」


孝彦は、上層部の佐倉の言葉を思い出す。

「---」
孝彦は銃を史恵に向けながら、あの日のことを思い出した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

修学旅行に行っていた息子の龍平が、
病院に緊急搬送されたと連絡を受けた。

孝彦は、その日のうちに病院に駆け付けた。

病室にはー、
龍平の彼女である彩香が居た。

「--龍平のお父さん…」
彩香が振り返って会釈をする。

「あぁ、彩香ちゃんか…
 何があったんだ?」

孝彦が聞くと、
彩香は言った。

凶悪犯罪者の座間がクラスメイトの由香里という
少女に憑依していて、
それに気づいた龍平が、由香里を救う為に
身を賭した行動に出たのだと。

龍平は、由香里にキスをして、座間を
自分の身体に憑依させたあと、
整備中の電気設備に自ら突進して、
電流を浴び、座間を消し去ったのだと。

「----龍平」
眠ったままの龍平を見つめて父の孝彦は呟いた。

そして、息子の龍平の手を握り、
父親として息子の無事を祈った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---」
孝彦は銃をその場に投げ捨てた。

「---は?」
史恵が、不思議そうに声をあげる。

「--俺には自分の部下を射殺することなんてできない」
孝彦はそう言って俯いた。

息子の龍平が、身を挺して友達を助けたというのに、
父である自分が、部下を見捨てることなどできない。

「くく…」
史恵が表情をゆがめる。

「くくくくく…
 はははははははははっ!
 あはははははははははははははっ!」

史恵の高い笑い声が、廃工場に響き渡った。

「---バカな警察官だぜ!」
史恵が表情をゆがめて言う。

「--この女の身体がありゃ、今まで以上に
 色々とやりやすくなる…!

 ふふふ…色目を使ってね♡」

妖艶にほほ笑む史恵。

「----」
孝彦は目をつぶった。

自分には、龍平のようなことはできないー。
龍平の覚悟と勇気は本物だ。
少し悔しい気もするけれど、孝彦に、それをまねすることはできなかった。

息子はいずれ父を越えていくもの。
孝彦は「龍平…お前は俺の誇りだ」とつぶやく。

そしてー

「---だが、俺は俺のやり方で…」

孝彦は手錠を取り出した。

「--話は署で聞く」

”逮捕”

すぐには史恵の身体を取り戻すことはできないかもしれない。

だがー。
それでも、時間がかかってでも、
彼女を救う方法は見つけ出して見せる。

「---俺は捕まらねぇよ」
史恵はつばを吐き捨てて笑った。

そして、孝彦に銃を向けた。

「--死ね」

パァン!と銃声が工場内に響き渡った…。


③へ続く。

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憑依薬が悪用されたら、
大変なことになっちゃいますネ…!

明日が最終回です!



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無名

Author:無名
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