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<憑依>花園③~幸福~(完)

お嬢様が多く通う女子高は、
一人の男によって、完全に歪められようとしていた。

広がり続ける悪意から、
もう、逃げることはできない…。
-------------------------------

「---みんなどうしちゃったんだろう?」
ゲラゲラと笑う女子生徒を影から見ながら、
二人の女子生徒は言う。

「--わからない」
亜佳音はそう答える。
どんな時でも冷静な女子生徒の亜佳音は、
こんな状況でも冷静だった。

みんなの憧れだったはずの生徒会長・春華が
おかしくなったのが、始まりだった。

次第に、生徒たちの様子がおかしくなり始めてー、

そう、まるで男かのように、”奇行”に
走り始める生徒が大勢現れたのだった。

「--怖いよ…」
理津奈が言う。
気弱な生徒の理津奈は、
自分と似たような性格の夕美と親友同士だった。

けれど、今、その夕美は、この学校の異変の元凶、
源左衛門に憑依されてしまっている。

「---ダメね」
亜佳音がつぶやいた。

校舎から外に出る場所には、
若い女性教師が複数の生徒を引き連れて立っていた。

「---どこ行くの?」

亜佳音たちよりも先に、昇降口から逃げようとした生徒が
女性教師に無理やり手を握られて、握手されている。

次第に、その生徒の口元には、イヤらしい笑みが浮かび始め、
やがて、他の生徒と同じような状態になってしまった。

「--」
亜佳音はその様子を見て思う。

何かが感染している?
これは一体何?
洗脳?それとも?

「と…とりあえず、職員室に向かいましょう」
亜佳音が言うと、理津奈はうなずいた。

二人が目指す場所、職員室ー
2人にとっては、最後の希望ともいえる場所。
しかし、そこは、既に…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--はぁ♡ あぁん♡ あぁっ♡ あああっ♡」

「最高♡ わたしたち♡ えっちすぎ♡」

「---あぁ♡ あああああっ♡」

女子生徒3人がお互いを抱きしめ合い、
激しくキスをしている。

男性化してしまった生徒たちは
自分の身体や、周囲の生徒の身体に興奮して、
今や校舎中に喘ぎ声が響き渡っていた。

「---地獄…」
亜佳音がつぶやく。

「……怖い…怖いよ…」
理津奈が耳を塞いで蹲る。

「---ダメよ理津奈。
 わたしたちがしっかりしなきゃ。
 職員室に行けば、きっと大丈夫」

亜佳音は理津奈を励ます。
少しして、理津奈が落ち着いたのを見計らって、
亜佳音は、理津奈の手を引きながら職員室を目指した。

職員室に向かう途中ー
亜佳音は足を止めた。

「--?」
空き教室の中から喘ぎ声が聞こえてきた。

ふと覗くと、生徒会長の春華が、
机の角に自分の身体を押し付けて、
顔を真っ赤にしながら喜んでいた。

「---んあぁっ♡ あぁああっ♡ あぁあああああっ♡」

もうその表情に生徒会長の面影はない。

「--どうしたの?」
理津奈が不思議そうに亜佳音の方を見る。

「--いいの。何でもない」

これ以上、理津奈を不安がらせるわけにはいかない。
職員室は、目の前だ。


ガラッ!

職員室に入ると、先生たちが”いつものように”
机に座っていた。

「あの…失礼します」
亜佳音がそう言って、先生の一人のもとに向かう。

「--先生、大変なんです。
 みんなが、おかしくなっちゃって」
しかし、亜佳音が話しかけた先生は、何の反応も
示さなかった。

何故だろうか。

とにかく、無反応だった。

「----」
うつろな目で正面を見つめる先生。

「--ど、どういうこと?」
亜佳音が他の先生のことも見るが、
どの先生の反応も”同じ”だった。

「---ちょ…ちょっと…!」

「--ね…ねぇ…先生たち、どうしちゃったの?」

”異常”だ。
先生たちまでおかしくなっている。

「--なんとか逃げないと」
亜佳音が言った
その時だった。


「--逃がさないわよ」
背後から声が聞こえた。

そこには、露出度の高い服を着て、
自信に満ち溢れた表情で二人を見つめる夕美の姿があった。

「--ゆ、夕美ちゃん…?」
理津奈が夕美を見て言う。

まるで別人ー。
女であることを強調した、妖艶な雰囲気の夕美。
いつもは、自分と同じようにおどおどしているのに。

「---ゆ、夕美…」
亜佳音が言うと、夕美は笑った。

「二人も、早くみんなと一緒になりなよ? 
 ”精神男性化”すれば、きっと自分の身体に
 興奮できるようになるよ?
 ふふふふふふっ♡」

夕美が可笑しそうに笑う。

「---ゆ、夕美!何言ってるの?
 精神男性化ってなに?」
亜佳音が言う。

精神男性化。
確かに、春華をはじめとする生徒たちは
”まるで男のよう”になっていた。

「---まさか、アンタがやったの!?」
亜佳音が夕美に言うと、
夕美は大笑いして、二人の方を見た。

「ふふふ、そうよ!
 わたしがこの学校を壊したの!
 大人しくて、真面目なわたしがね…!うふふふふふっ♡」

夕美は二人を馬鹿にするようにして笑うー。

「--ゆ、夕美ちゃん!どうして!
 どうしてそんな酷い事するの!?」

理津奈が叫んだ。

夕美は冷たい目で理津奈を見つめながら言った。

「--ふふ、可愛いじゃん」
イヤらしい目で理津奈を見つめる夕美。

夕美は、身体が火照っていくのを感じた。
理津奈を見て、興奮している。

「---ねぇ!夕美ちゃん!」
理津奈が夕美の肩に手を振れた。

「----」
夕美は、ニヤリと笑みを浮かべた。

憑依したされた人間、
源左衛門によって男性化した人間ー
それに触れるだけで…
”悪意”は汚染する。

一瞬だった。
けれど、理津奈への浸食はもう始まっている。

「---ふん」
夕美は鼻で笑って、二人に背を向けた。

「昇降口、解放しておいてあげる。
 逃げたければ、逃げなさい」
夕美の言葉に、亜佳音は不振そうに
顔をしかめた。

「--い…いこうっ…行こうよ!」
理津奈は恐怖におびえていた。
夕美が、他のみんなが、おかしくなっている、
自分は、そうはなりたくない、と。

理津奈に言われて亜佳音も頷いた。

夕美は思うー。
”昇降口”につくころには、理津奈の精神男性化は
終わるだろう。

と。

「--もう、この身体もいらないな…」
そう呟くと、夕美は、ふっと意識を失って
その場に倒れた。

夕美の中から出てきた源左衛門は、
笑みを浮かべると、歩き出す。

「---う…」
夕美が正気を取り戻した。

自分がエッチな格好をしているのを見て
夕美はーーー

”笑みを浮かべた”

「くふふふふふっエロい…!エロすぎるぜぇぇ!」
長い間憑依されていた夕美は、
完全に男と化していた。

一心不乱に胸を揉み始めて、
その場で狂ったように叫び声をあげた。

「あぁあああああああっ♡ あぁああああああああっ♡」

夕美はその場で何度も何度も何度も絶頂を迎えた。
もう、自分がどうなろうと構わなかった。
この快感を味わえるのならー。

夕美は、失神するまで、その場で一人、行為を続けるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「こっちよ!」

前を先導してくれる亜佳音を見ながら、
理津奈は何故か、エッチな気持ちになり始めていた。

「---(どうして?)」
理津奈は不安に思う。

自分も、みんな見たくなってしまうのではないか、と。


でもーー、
あと少しで、脱出できる。

昇降口に向かう途中、
キスをして抱き合っている二人を見かけた。

理津奈は興奮した。
「----」
一緒に抱き合いたい。
そうも思った。

そもそも、何でここから逃げないといけないのか。

それにーーー
自分の身体が、今はとても愛おしく思えた。

理津奈は、自分に自信のない少女だった。
可愛らしい雰囲気をしながら、自分では、その魅力に
気づいていない。

けれど、今は思う。

”わたしの身体、なんてエロいの…”

と。

理津奈は足を止めた。

思わず、自分をその場で抱きしめてしまう。

「あぁ…♡」
うっとりとした声を出してしまう。

「---どうしたの?」
亜佳音が昇降口を前に、異変に気づき、
振り返った。

振り返ると、そこには
スカートの中に手を突っ込み、顔を赤らめている
理津奈の姿があった。

「り…理津奈?」
既に、彼女の精神は、ほとんど男性化していたー。

「---うふふふふふ・・・」
他の女子生徒と同じ表情。

亜佳音は青ざめた。

「--ねぇ、亜佳音ちゃん…
 わたし… いや、”おれ”こんなエロい身体
 してたんだね」

理津奈が表情をゆがめて笑う。

「---ちょ、理津奈!」
亜佳音が理津奈の方を見ながら
怯えた表情を浮かべている。

冷静な亜佳音は、恐怖した。

理津奈はつい数分前までー。

「--怖がらなくていいよ。
 俺と一緒に…楽しも?」

理津奈はそう言うと、
怯える亜佳音を優しく抱きしめたー



低いうなり声。
喘ぐ声。
狂ったように笑う声。

女の肉体を手に入れた男たちー
いや、男の心を持った女たちが、
欲望の雄叫びをあげている。

源左衛門は校門前で、校舎のほうを振り返って
笑った。

「---幸福を楽しめ」

と。

魅百合女子高等学校は
支配したー

だが、源左衛門にとって”支配したあと”には興味がない。
支配するまでの過程こそが、彼にとっては、何よりの楽しみなのだ。

ーもう、魅百合高等学校に、用はない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日、魅百合高等学校の異変は大々的なニュースになった。

生徒たちが突然、不適切な行為に走ったとして
報じられている。
また、先生たちは廃人のようになってしまったとも、報じられている。


源左衛門は、部屋の片隅にあった
可愛らしい女子高生の写真を見つめる。

20年前の写真だ。
この子は、誰なのだろうか。

何故だか、自宅にあったこの写真。
だが、不思議なことに源左衛門は、どんなに考えても
この子が誰なのか、思い出せない。

恋人か?それとも女友達か?
姉か?妹か?

いや、自分は一人っ子だし、それは無い。

ならばやはり、初恋の相手なのだろうか。
20年前と言えば、自分も高校生の年齢だ。

きっと、振られたのだろう。
振られて思い出せないのだろうー。

辛い記憶は、忘れるものだー。

源左衛門は、いつものように自問自答を
繰り返したあと、その写真から視線を逸らして、
別の部屋へと向かっていくのだったー。


ーーー彼は、知らない。

いやーーー
”彼女”は知らない。

その写真の女子高生はー
”20年前の自分”であることにー。

源左衛門は、
20年前ー、
ある男によって憑依されたー

源左衛門の持つ憑依の力は、
その男に憑依された際に、得たものー

そして、当時、女子高生だった源左衛門は、
1か月間、憑依されたまま、好き勝手に身体を
使われていたー

精神は男性化したー
いや、それだけではない。
長すぎる憑依期間は、精神だけでは無く、肉体も変化させた。
男のそれに。

ーー憑依から解放された彼女は、
憑依していた男に記憶を書き換えられた。
”男”として、”源左衛門”として。


心優しく、真面目な女子高生だった彼女ー

けれど、彼女はもう居ない。
精神も、肉体も男性化して、
源左衛門として生まれ変わった。

彼は、知らない。
自分が、本当は女であったことを。

自分が、今もなお、20年前に自分に憑依した男の
影響を受け、その男の欲望のままに
突き動かされていることを…。

穢され、踏みにじられた花が
再び咲くことは、
もう、二度と、無いー。


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

「憑依されて精神男性化」のリクエストをもとに
考えた作品でした!
希望通りな内容に仕上げられたかはわかりませんが、
皆様に楽しんでいただけると嬉しいです!



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No title

そしてまともな女子は誰もいなくなった…。もう最高のバットエンドですね。最高です。面白すぎます。この後の女子校だけにとどまらず女子アナとかに標的にしたりしてと妄想が膨らみます。またほかの作品も期待してます

Re: No title

> そしてまともな女子は誰もいなくなった…。もう最高のバットエンドですね。最高です。面白すぎます。この後の女子校だけにとどまらず女子アナとかに標的にしたりしてと妄想が膨らみます。またほかの作品も期待してます

ありがとうございます!
楽しんでくださったみたいで嬉しいです!
今後も楽しみにしていてください!
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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基本的に毎日更新しています!

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