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<憑依>偽りの楽園②~人工知能~

人工知能”アダム”の破壊。

それが、人工知能と憑依に支配されてしまった現代を、
変えるただ一つの方法。

祐菜は、人工知能アダムの破壊を決意するー。
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夜の禍々しい機械都市。

破壊兵器であるロボットが警備をしており、
ネコ1匹ですら、人工知能・アダムのある場所に潜り込むことはできない。

「--準備はできたのか?」
スーツ姿の女性が、問いかける。

「--あぁ、できたよ」
女子高生の祐菜は、人工知能アダムの破壊作戦を
実行に移そうとしていた。

祐菜と一緒に居るのは、
元殺し屋の経歴を持つ人物。

と、言っても、今は華奢な女子大生に憑依させられて
しまっているのだが…。

「蓮歌(れんか)さん…何から何まで手伝ってもらって
 ありがとうございます」
祐菜が頭を下げる。

彼女とは1年前に出会った。
彼女に憑依している殺し屋は、
自らの名前も明かさなければ、過去もほとんど語らない。

唯一語った過去。
それは、
過去に”人工知能アダム”の手によって
大切なモノを奪われたー

という過去。

祐菜の中に憑依している拓哉が、
この人を信用するのには、それだけで十分だった。

それ以降、祐菜と蓮歌は、1年かけて、
人工知能アダムの破壊計画を練ってきた。

そして、その決行が今日ー。

第1段階では、蓮歌が妨害電波の発信を行い、
施設の電気回路の一部をショートさせる。

その後、施設の内部に突入。
捕えられた体を解放しながら奥へと進む。

そして、最終段階ー。
アダムの制御端末の元までたどり着いたら、
アダムに、祐菜が持つコンピューターウイルスを流し込む。

それでー
アダムは機能を停止するー
人類は”偽りの楽園”から解き放たれる。

祐菜が1年かけて作った小型の妨害装置で、
今、自分たちは魂を抜かれたり、他人を
憑依させられたりする心配はない。



「あはははははは」
聞き覚えのある声が、施設入口から響いてきた。

「なんだろう?」
祐菜が双眼鏡で確認すると、
数週間前までクラスメイトだった、満知子が、ボロボロの姿で
施設から出てきていた。

彼女は、この世界では数少ない”ピュア”
つまり、体と精神の一致する人間だった。

けれども、祐菜がアダムについて探っていることがばれ、
満知子は見せしめにアダムに憑依されてしまった。

そしてー、アダムに遊ばれ続けた挙句の姿がー
今の、満知子だ。

「--うひひひひひひ♡
 はははひひひひひ♡」
満知子は夜の不気味な機械施設の入り口で
一人、股を広げて自分の身体を弄び始めた。

「--満知子」
祐菜は、”まだ助けられるかもしれない”と
考えて、物陰から飛び出そうとした。

「--待て」
蓮歌が鋭い目付きで言う。
顔立ちはとても可愛らしいのだが、
殺し屋に憑依されているため、とても威圧感がある。

「あれは、誘いだ」
蓮歌が言う。

あえて目立つ場所で満知子を大笑いさせることで
自分たちをあぶりだそうとしているのだ。

「--ふひひひ♡ はひ♡ あぁ… はぁっ♡ はぁっ♡」
笑い続けている満知子は次第に、
顔を真っ青にして苦しみだした。

それでも、満知子は笑っている。

「---」
祐菜は助けるために飛び出そうとした。

だがー

「--諦めろ。間もなく妨害電波の発射準備が
 完了する。今、飛び出したら計画はパーだぞ」

蓮歌に言われて、祐菜は黙り込んだ。

やがて、満知子は笑ったまま窒息して
その場で動かなくなった。

突然、スポットライトが輝く。

アダム本体が設置されている施設の
電光掲示板が光出した。

”人間の身体はおもちゃ”

”遊んで捨てて、繁殖させる”

”人間は、我々機械に、その運命をゆだねた”

”我々にとって、今の世界は 
 人間を繁殖させるシミュレーション・ゲーム”

「--勝手なこと言いやがって!」
祐菜が電光掲示板を見ながら呟く。

人工知能・アダムは暴走している。
人間を好き勝手憑依させまくって
遊んでいるのだ。


”お前たちに、人権などない”

電光掲示板にそれが表示された同時に
バチバチっ!と音が響き渡り、
周囲のランプが沈黙した。

「--妨害電波、成功」
蓮歌が言う。

祐菜は頷き、
二人で人工知能アダムの本体がある施設の内部へと入り込んだ。

電子ロックは全て解除されており、
警備ロボットも動いていない。

「ーーーアダムにとって都合の悪い人間は
 殺されるか、ココにいるロボットに憑依させられて、
 永遠にしもべとして扱われる」

蓮歌が言う。
可愛らしい容姿なのに、淡々と話すところに
ギャップがある。

と、言っても、この世界では見た目と中身が一致しないのなんて
よくあること。
ギャップ萌えだのなんだのは、もう遠い過去の話だ。

「ロボットに憑依させられた人間は、
 プログラミングによって操られて、意識があっても
 自由に動くことさえできない。
 永遠の操り人形になる」

犯罪者や、世界に疑問を持つものは、ロボットに
されてしまう。それが、この世界。

「--俺はな、もう数百年生きている。
 この女の身体が、二百…何人目かだ」

蓮歌が自分の胸を触りながら言う。

「---数百年」
祐菜がつぶやく。
確かに、次々と若い身体に異動させられれば、
永遠に生きることも可能だ。
逆に、アダムがその気になれば、いつでも、誰でも殺せる。

「--俺は昔、この世界のやり方に疑問を唱える
 論文を発表した。
 それが、このザマだ。

 末期癌で苦しむ患者に憑依させられて、苦しみぬいた後、
 死ぬ直前にまた、別の重傷患者に憑依させられて…
 そんなことを、50年は続けさせられた。 
 俺は、アダムに遊ばれているんだ」

色々と話をしているうちに、
二人はアダムの中枢部へと辿り着いた。

そこには、巨大なコンピューターが設置されている。

これが、世界を支配し、
人間の魂を思うが儘に引き抜き、
別の身体に憑依させている人工知能の本体。

「---よく来たわね 愚かな人間たち」
若い女性が姿を現した。

「---!!」
祐菜は目を見開いた。

彼女はー
祐菜に憑依させられている拓哉が、
以前、プロポーズをしようとした女性ー
愛希だった。

拓哉は愛希にプロポーズする直前、
魂を抜かれ、キャバクラ嬢に憑依させられてしまい、
それ以降、愛希がどうなったのかは知らなかった。

「---お前たち人間が、我を破壊するのか?」
愛希が言った。

「---あ、愛希…お、俺だ…
 か、体は違うけど、健五郎だ!」

祐菜は、愛希と一緒だったときの身体の名前を名乗った。

しかし、愛希は鼻で笑った

「ふふ・・・♡ 覚えてるよ。
 でもね、今、わたしの身体は、アダムの操り人形。
 わたし、あのあと、どうなったか知ってる?」

愛希が不気味にほほ笑んだ。

「--おい!話を聞くな!さっさと、ウイルスを送り込め!」
蓮歌が、アダム本体にある、プラグを指さす。
そこから、祐菜が持ってきたメモリーを介して
ウイルスを流し込むことができる

「ーーーあなたにプロポーズされる直前、
 あなたは別の身体に飛ばされた。
 そして、健五郎の身体には、性犯罪者が代わりに憑依した。

 でね、わたし、あの場で性犯罪者になった健五郎に
 乱暴されちゃったの。
 た~っぷり、じっくりとね」

色っぽい服装をした愛希が笑いながら語る。
嫌な思い出のはずなのに。

「--で、わたしの心、壊れちゃった!
 ズタズタに、ね…ふふふ♡」

愛希は笑う。

「--愛希…
 くそっ…おい!アダム!彼女は今、どこにいるんだ!」

祐菜は叫んだ。

今、愛希の身体の中には”あのときの愛希”はいない。
恐らくはどこか別の身体に”異動”させられているー。

「ふふふ、知りたい?
 あのとき、愛希の中に居た人はねぇ…
 もう、死んじゃったの!くふふふふ♡」

愛希が唇をペロペロと舐めながら笑う。

「精神壊れちゃって使えない人間の魂なんて、
 いらないじゃない?
 だから、ちょうど失血死する直前だった
 人間に、魂を異動させて死んでもらったの。

 だからもう、あなたがプロポーズしようとした
 愛希は居ない」

愛希の言葉に、
祐菜は膝をついた。

「くそっ…愛希…」

「それとー」
愛希が、笑いながら言った。

「あなたがこの女にプロポーズしたとき、
 この女に憑依していた人、どんな人だか知ってる?

 あの時、この女に憑依していたのはー
 アイドルオタクだった男の魂ね…。
 女になれて、すっごく喜んでたの!
 だから、あなたとの恋愛ごっこを女として楽しんでたのね!」

愛希が笑う。

ーー祐菜の中に居る拓哉が、愛していた女の中身は
男だった。アイドルオタクのー。

「--くそっ…こんな世界にして、何が楽しいんだ!
 確かに世界は安定しているのかもしれない!
 けど、俺たちだって、自分の身体で一生を!」

祐菜が叫ぶと、
アダムに憑依されている愛希の身体は笑った。

「何でって?
 楽しいからよ。
 お前たち人間が、何かをして遊ぶのと同じ。

 わたしはお前たち人間で、遊んでいるの。
 プロポーズ直前に、お前を異動させたのもそう。
 人の戸惑う反応を見るのって楽しいでしょ?」

愛希が笑いながら言う。
心底、人間を馬鹿にしている。

「--早くウイルスを流せ!」
蓮歌が叫ぶ。

「ーーあ、そうだ、あんた、わたしのこと、好きだったんだよね?
 見せてあげる。見たいでしょ?わたしの身体?」

アダムの意思に憑依された愛希が、笑いながら
服を破り始めた。

その表情は、完全に狂っている。

「--ほら、来なさい。
 わたしを抱きなさい。
 たっぷり楽しませてあげる」

裸になった愛希が笑う。

「--人間なんて、欲望には勝てないんだから」
愛希が挑発的なポーズをとって誘惑した。

しかしー

「---くそが!ふざけやがって!」
祐菜はアダムの端子部に近づいて、
ウイルスをセットした。

「--!?」
アダム本体はただのコンピューター。
今の祐菜の行動を阻止することはできない。

「--やめなさい!わたしを破壊すれば、
 全てが終わる!
 愚かな人間たちはわたしなしでは生きてはー」

アダムの操り人形になった愛希が叫ぶ。


「--うるせぇ!お前が消えれば、全てが始まるんだ!」
祐菜は叫んだ。

そしてー、
全てを流し込んだー。

これで、終わる―。

自分はどうなるのだろう。
この、祐菜という子の身体で生きていくことになるのだろうか。

愛希が、狂ったような悲鳴をあげている。
流し込んだウイルスの影響で、アダムの思考がおかしくなったのだろう。

「※★$%&#(’”)#’#(~|~~~~!」
愛希が意味不明は悲鳴をあげて、
おかしな動きをしている。

アダムの思考に影響が出た証ー。

そして、他の27か所にあるアダムにも
影響が出るはず―。


人類は機械の支配から、解き放たれた。



否ー


バチッ…

アダムが異常な光を放ち始めた。

そしてーーーー


彼らは、開けてはならない箱を開けてしまった。

ココから始まるのは、制御不能な、地獄ー。



③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

文中の”異動”は誤字ではなく意図的です。
会社の部署を異動するかの如く、
身体を異動させられている、という意図で、この表記にしました!

それだけ、この世界では体を転々とさせられている人が多い、
ということですネ!

次回は、恐ろしい結末が待っています。

コメント

No title

7月4日から入れ替わり物の予定でしたのよね、すごい楽しみにしてたので予定通り書いて欲しいです。
他の作品いれるなら元から予定にある作品をけして他をいれるのではなく、どこかしらの間に割り込ませるか一番後ろに入れるのが予定を出してる以上の筋だと思います。
本当に楽しみにしてたので予定通りかいてほしいです。

Re: No title

> 7月4日から入れ替わり物の予定でしたのよね、すごい楽しみにしてたので予定通り書いて欲しいです。
> 他の作品いれるなら元から予定にある作品をけして他をいれるのではなく、どこかしらの間に割り込ませるか一番後ろに入れるのが予定を出してる以上の筋だと思います。
> 本当に楽しみにしてたので予定通りかいてほしいです。

ご意見ありがとうございます!

入れ替わりモノのほうですが、
話の構想で、私の個人的に、問題が発生したので、
練り直すために少し延期にしていました・・・!

ツイッター上では告知していたのですが、
こちらでもちゃんと告知しないといけませんネ…。

近いうちに書けると思いますので、
もうしばらくお待ち下さい!
せっかく楽しみにして下さっているのに申し訳ありません!

また、今後予定を変更する際は、
スケジュール表のほうにも延期のお知らせをと理由を
載せるようにします!
ご意見ありがとうございました!
非公開コメント

プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
の小説を公開していきます!

基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

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