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憑依小説 ”悪の魂” ①

男の名はジョー。

彼には不思議な能力があった。
それは遺体から”人の悪い部分のみ”を取り出せる能力。

彼は、取り出したソレを
”悪の魂”と呼んでいたー。
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俺の名はジョー。

仮名だ。
検死官として働いている。

本名?
そんなことはどうでもいい。

大事なのは俺がこれから話すことだ。

俺はある能力を持っている。
それは、死んだ人間から”悪の魂”を取り出すことのできる能力だ。

人間の悪い部分のみを取り出すことのできるこの能力。

最初は「意味のねー能力だな」そんな風に思っていた。
特に意味もなく、検死のついでに悪の魂を取り出し、
自宅でかざっていた。

だが、俺は死者から悪の魂を取り出しているうちに気付いた。

”取り出す”こともできれば”入れる”こともできるのだと。


それ以降、俺には密かな楽しみができた。

真面目な人間に、悪の魂を入れ込んだらどうなるのか?

俺は今までに100人近くの人間に死んだ人間から取り出した
悪の魂をねじ込んできた。

人の悪い心の部分だけを、他の人間に憑依させるのだ。
もちろん、死人の魂だから、そこに意思はない。
ただ、思念として残った”悪意”が入れられた人間を
蝕んでいくのだ。

反応は様々だった

控えめだった性格がねじ曲がり、暴力的になった女。
清楚なアイドルから体を売るアイドルに変貌した女。
優しい夫からDV夫に変化した男。
良い子で評判だった子に入れた時は突然ヤンキーになったりもした。


俺にはたまらなく楽しかった。

悪の魂が同化し、変わっていくサマが…。

人間とはこんなにも愚かなのだと。


今まで、俺が悪の魂をねじ込んだ人間は
誰一人として自分を保てなかった。

全員が、悪の道へと堕ちた。


「さてさて、今回はどうかなーー?」


俺は”98人目の獲物”を既に定めていた。


今回のターゲットは俺の近所の高校に通う子。

西原 愛華(にしはら あいか)。


彼女は、学年一の優等生で、
小さいころに父を亡くしているから、苦労したらしい。
それゆえ、真面目で、優しい性格に育ったのだとか。

そんな子に”悪の魂”をいれたら、どうなるんだろうな?
楽しみだぜ。

今回こそ、悪の魂を乗り越えられるのかーーー?


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「……またいじめられたの?」

私は幼馴染の黒滝くんに話しかけた。

「うん…
 栗本さんたちが…」

”栗本さん”
この高校の陰険な女子グループのトップに立つ子で
かなり陰険な性格をしている。

「…そう、、大丈夫?」

黒滝くんは小学生時代からの幼馴染。
元々気弱な子だったものの、
最近は栗本さんらのターゲットにされて、
さらに元気をなくしてしまっている。

「…何かあったら私も力になるから…
 がんばろ?」

私がほほ笑むと、黒滝くんも少しは元気を出してくれたみたいだった。


人の笑顔を見ると、何となく心が安らぐ。

よく、お人よしと言われるけれど、
私もうれしい気持ちになるし…


放課後、私は親友の紗枝ちゃんと帰る約束をしていた。

紗枝ちゃんを待つ間、教室で私は一人待機していた。

「紗枝ちゃん、まだかな~」
紗枝ちゃんは部活で少し遅れると言っていた。


その時だった。
突然、窓の方から人の気配がした。


そして、何かが私の体にぶつかってきた気がした


「えーーーー?」

私は慌てて振り返ったけれど、
そこには誰もいなかった。


「いまのはーーー?

 …気のせいかな。」

私は何事も無かったことに安心して、一息ついた。


「あ、ごめんごめん 愛華」

「あ、紗枝ちゃん」

紗枝ちゃんは私と同じく、大人しめの方だと思う。
けれども、しっかりモノで、一緒に居て安心できる存在だった。

「じゃ、行こう」
教室から紗枝ちゃんが先に出て行こうとする。


その時だった、
紗枝ちゃんのカバンから財布が零れ落ちた

紗枝ちゃんは気づいていない


教えてあげなくちゃーー。

私は手を伸ばして財布を拾う。


財布を見ていた私に、ある考えが浮かんできた


”1枚ぐらいお札を抜いても、ばれないかな…”


!???!?


「えーーー」
私は今、自分の頭の中に浮かんだ考えに驚き、
声をあげてしまった


「--どうしたの?」
紗枝ちゃんが不審げに振り向く


「あ、私の財布、拾ってくれたんだー!
 ありがと愛華!」

そう言うと、笑顔で私から財布を受け取った。


「----…うん、良かった、
 私が気付けて」

私は紗枝ちゃんに微笑んだ


でもーーー
今のはーーーー

私 今 一瞬、変な事を…?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その様子を俺は遠くから眺めていた。

「いまのところ…変化なし…か。」

”悪の魂”は徐々に入れられた人間の精神と同化していく。

俺は、その人間の精神力が強ければ、悪の魂に呑まれることなく、
”自分”を保ったままでいられると思っている。

だが、今のところ、俺が実験した全員が悪の道へ進んでしまった。


「彼女は、どうなんだろうな…」



そう呟くと、ジョーは意味深な笑みを浮かべた。


②へ続く

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