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<憑依>元カノの報復D②~執念~

わたしはー
あなただけのもの。

あなたはー
わたしだけのもの。

わたしは、あなたを逃がさない。
こんなに、こんなに愛しているのだからー

理紗は、あなたのものー。
あなたは、理紗のものー。
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水が音を立てて顔の汚れを落とすー。

洗面台の前で、智香は微笑んだ。

「--ふふふ…最高じゃない」
智香に憑依している理紗は
”あること”に気付いた。

まさか、憑依にそんな力があったなんて
思わなかった。

「この子も可愛いけど…
 わたしには遠く及ばないわね…ふふふ」

智香は自分の顔をつねくりながら、
不気味にほほ笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イケメン先輩の将司と、
優奈は大学の廊下を歩きながら
話を続けていた。

「そっか…友達との関係か」
将司はそう呟いた。

優奈は、せっかくの先輩の好意を無駄にはできない、と、
憑依のことだとか、細かい部分はかくして、
将司に相談した。

「--まぁ、女の子の関係って色々難しいよな」
将司がそう言いながら微笑む。

「はい…色々難しいところはありますね」
優奈がほほ笑むと、
将司が顔を赤らめた。

「--あ、ごめん。僕、このあと講義の予定があるんだった」
将司がそう言うと、
優奈はお礼の言葉を口にした。

「また時間があるときに相談に乗るよ!じゃっ!」
将司はそう言って、立ち去って行った。

立ち去りながら将司は不気味に口元をゆがめた。
「---ゆ・う・な」

そう呟きながら将司は
イケメンとしての顔を不気味に歪めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---そっか、分かったよ。じゃ、
 そのことは俺に任せて」

義信がそう言うと、
サークルの後輩・奈津子が嬉しそうにほほ笑んだ。

「--先輩、本当に頼りになりますね」
奈津子は顔を赤らめながら言う。

「え、あ、いや、それほどでもないよ」
サークル内のトラブルの仲裁を買って出た
義信も、顔を赤らめながらそう答えた。


そんな二人のところに、優奈がやってきた。

「--あ、義信!取り込み中?」

優奈がほほ笑む。
優奈は、他の女子と喋っていても、別に
束縛するような子ではないし、
ちゃんと理解してくれている。

「あぁ、サークルでトラブルがあって、ちょっとな」
義信が言うと、
優奈が「そうなんだ」と言って、
サークルの後輩、奈津子に会釈した。

奈津子と優奈は面識がほとんどない。

「--彼女さん、ですか?」
奈津子が言うと、
義信が「あぁ、そうだよ」と笑いながら答えた。

すると、奈津子は今一度、優奈に会釈をした。

「--じゃ、また何かあったら、すぐ言ってくれれば
 俺がどうにかするから」

義信がそう言うと、
奈津子は嬉しそうに会釈した。

義信はサークルでも慕われている中心人物ともいえる存在だった。

義信と優奈が立ち去る。

一人残された奈津子は呟いた。

「--先輩…わたしが・・・」

そこまで呟くと、奈津子は、
優奈の後姿を睨みつけた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3日が経過したー。

智香が指定した”タイムリミット”

優奈が食堂で義信と一緒に昼食を食べていると、
そこに智香がやってきた。

「--3日。お別れしなかったのね」
智香が二人を睨む。

ミニスカート姿で女を強調した格好の智香を
見て、優奈が言う。

「り、理紗さんなんでしょ?
 智香にそんな格好させないで…!」

優奈がそう叫ぶと、
智香は笑う

「--ふふふ、私の身体よ?
 わたしがどうしようと、勝手じゃない。

 二人がお別れすれば、
 出て行ってあげてもいいけど?」

智香が挑発的に言う。

迷う優奈。

そんな二人の会話に、
義信は割って入った。

「---理紗…
 俺たちはお前に屈したりはしない」

義信が鋭い目付きで理紗を見つめる。


「---お前とは、お別れしたんだ!
 何があろうと、俺はお前と付き合ったりはしない!」

義信がさらに叫んだ。

「--しつこいんだよ!このストーカー女!」

ーーーブチン

理紗の中で何かがはじけ飛んだ。

「--くくく…あははは…あははははははははははっ!」
智香が大声で笑う。

そしてーー

「--ぶっ壊す…
 二人の愛を滅茶苦茶にする・・・・!
 義信、あなたはわたしのもの!
 わたしはあなたのもの…!」

狂ったように笑みを浮かべる智香を見て、
優奈は恐怖の笑みを浮かべた。

そしてーー

「行こう…」
義信が優奈を守るようにして、
足早に食堂から立ち去った。

「---そろそろかな」
智香は不気味にほほ笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日から、智香の執拗な嫌がらせが始まった。

鳴りやまないスマホ。

「--くそっ!」
義信は困惑した様子でスマホを見つめる。

智香は、義信の連絡先を知らない。
だが、智香の中に憑依している理紗は
義信の連絡先を知っている。

”愛してる”

”狂っちゃいそう”

”わたしを抱いて”

次々と愛の言葉が送られてくる。

義信は、すべての着信やメッセージを
拒否して、頭を抱えた。

一方、優奈の方にも、智香は
嫌がらせを行っていた。

「ねぇねぇみんな聞いてよ!」
優奈が友達たちと昼食を食べている最中に
智香が声をあげた。

「--優奈、彼氏と毎晩エッチしてるんだって~!
 大学では真面目そうな顔しちゃって
 案外、ヤルよね~くふふふ!」。

周囲が優奈の方を見る。

智香は意地悪そうな笑みを浮かべて、
続ける。

「パイズリとか、フェラとか、
 なんでもやってあげてるんでしょ~
 優奈ったら~」

智香が優奈のあることないことを
言いふらし続けて笑う。

「---やめてよ!」
優奈が叫ぶと、
智香は舌打ちして言った。

「--あんたみたいなビッチ女、
 地獄に堕ちろ!」

吐き捨てるようにして言うと、
智香は不機嫌そうに立ち去っていく。

「--ねぇ、智香ちゃんと何かあったの?」
優奈と智香が仲良しであることを
知っている周囲の友達は、
不安そうに尋ねた…。

大学からの帰り道、
突然、優奈は後ろから髪を引っ張られた。

驚いて、振り向くと、
そこには智香が居た。

人気のない路地に引っ張り込まれて、
優奈は怯えた表情を浮かべる。

「--義信はあんたには渡さない」
智香の表情には狂気が浮かんでいる。

「--や、、、やめて!もうやめてよ!」
優奈が涙を浮かべながら叫ぶ。

しかしー
智香にーー
智香に憑依している理紗にそんな言葉は通じない。

「--やめない…!
 義信の愛はわたしのもの…
 わたしはこんなに義信のこと愛してるのに…!」

智香が、ミニスカ-トを湿らせながら言う。

「あぁ…義信のこと考えてたら
 この身体、欲情してきちゃった…くふ、くふふ」
大人しい智香がこれまで見せたことのないような
飢えた表情を浮かべて言う。

「--と、智香を返して!」
優奈が叫ぶ。

しかし、智香は笑うだけだった。

「--あんたが義信と別れるまで、
 この身体は、わたしのおもちゃよ!

 そうだ、
 この子も結構可愛いよね?
 エッチな動画、あげちゃおっかな~?」

智香が横目で優奈を見ながら言う。

「や、、やめて!智香の人生を壊さないで!」
優奈が嘆願するようにして言う。

そんな優奈の胸倉を智香は掴み、
睨みつけた。

「なら、別れろってんのよ!」
智香の目は本気で優奈を憎んでいる。

「智香…目を覚まして・・・!」
優奈が悲痛な叫びをあげる

「--ふふ、覚まさない!
 この身体も、心も、わたしのものよ!」

智香は笑いながら優奈から
手を離すと呟いた。

「-早くしないと
 ”取り返しのつかないこと”になるよー」

そう言って、智香は立ち去って行った。

「--うっ…う…ごめん…わたしのせいで…」
優奈は智香のことを想い、
その場に泣き崩れた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その夜ー

智香の部屋は
義信の写真だらけになっていた。

智香は下着姿になって、
義信の写真の唇にキスをした。

「はぁ…♡ 義信…♡」

写真に向かって舌を出して
くちゃくちゃと音を立てながら
それを舐める智香。

「義信…♡ 義信ぅ♡ はぁ♡ はぁ♡」

智香の身体は、理紗に支配されるがままに
興奮して、液体を垂れ流しにしている

「んふ…♡ あぁ…♡ 義信♡
 すき♡ すき♡ すき♡ すき~~~~♡」

机の角に張り付けた義信の写真に
向かって角オナを始める智香。

智香の喘ぐ声が部屋中に響き渡った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---そっか」
先輩の将司が、優奈の元気がないことに
気づき、悩みを聞いて、
友人の智香との間にトラブルがあることを知り、
悲しそうにつぶやいた。

「---」
優奈は、昨日のことで、”智香を助けるために
義信と別れなきゃいけないのか”と
ずっと考えていた。

今日は、義信のことを意図的に避けている。

どこにいても、智香に見張られている気がする。
これ以上、義信と一緒に居たら、智香は…

「---・・・・・・今夜、話がしたい」
将司は、真剣なまなざしで優奈を見て
微笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方ー

「-ありがとうございます」
サークルの後輩、奈津子と、
サークル内のトラブルを解決させた
義信は「いや、構わないよ」とほほ笑んだ。

ふと、義信が目をやると、
笑いながら大学から出ていく優奈と、男の姿が見えた。

「--優奈?」
義信が首をかしげると、
サークルの後輩、奈津子が言った。

「あ~、倉橋先輩、最近、あの人とよく一緒に居ますよー」
奈津子が言う。

「え?」
義信がそう返事をすると、
奈津子は続けた。

「---浮気、されてるんじゃないですか?」
奈津子がそう言うと、
義信は「優奈はそんな子じゃないよ」と
即答で否定した。

「--あ、そろそろ俺行くよ!」
義信が言うと、
奈津子は「あ、はい、ありがとうございました」と
言って頭を下げた。

一人残された奈津子はーー
舌打ちをしたーー。



義信は思う。
そう言えば今日は、優奈に避けられている気がした。
もしかしてー

不安が義信の脳裏をよぎった。

そしてー
その様子を、智香が物陰から見つめて笑っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日 朝。

「--ご苦労様でした」
智香が足を組みながら笑う。

一緒にいるのはーー
優奈の先輩・将司だった。

「--ちゃんと、撮れたのか?」
将司の言葉に、智香がうなずく。

「えぇ、あなたと仲良さそうに食事している
 写真を撮れたわ」

智香がそう言いながら笑うと、
将司が言った。

「なぁ、本当に、優奈を、
 今いる彼氏と別れさせてくれるのか!?」

将司の言葉に、智香は笑う。

「えぇ、もちろん。
 そしたら、優奈は、あなたの好きにしなさい」

そう言って、智香は立ち去った。

智香は、
優奈に密かに好意を寄せている先輩、将司に
話を持ちかけた。

”優奈と彼氏の義信を別れさせてあげるから、
 協力して欲しいー”と。

二人を別れさせて、
智香は、義信を、
将司は、優奈を手に入れるための同盟ー。

智香は歩きながら笑うー

「義信ーー…
 あなたはわたしのもの」

と。


昼ー。
義信は、食堂で、優奈と鉢合わせをし、
一緒に昼食をとることになった。

「--なぁ、どうして俺を避けるんだ?」
義信が言う。

優奈は悲しそうに目をそむける。

”このままじゃ、智香はー”


そこに、智香がやってきた。

「--私が教えてあげる…
 今夜…”思い出の場所”で待ってるから、
 二人で来なさい」

そう言うと、智香は義信に微笑みかけて
立ち去って行った。

「・・思い出の場所」

義信には、それがどこかわかった。
義信と理紗が、付き合いだした場所のことだ。

「--」
義信は不安そうに、立ち去る智香の後姿を見つめた。

智香は立ち去りながら、不気味な笑みを浮かべていた。


「---今夜が、私たちの”第2の記念日よー”」


③へ続く

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元カノの狂気は未だに
とどまるところを知らないようです!
次回が最終回です!お楽しみに~!

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無名

Author:無名
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