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<憑依>未知の惑星ポゼロン③~地球~(完)

スライムが巣くう未知の惑星から脱出し、
地球への帰路につく、調査隊たち。

憑依された魅音を乗せたまま、
地獄の結末へと一向は向かっていく…。
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「かゆい…かゆい…かゆい…」
アドバイザースタッフのケイトが、
青ざめた表情で、全身をかきむしっている。

「--大丈夫か?」
艦長のケネスは、心配そうに
ケイトを見つめる。

ブロンドの髪は乱れ、
いつもの、凛々しいケイトの姿はそこにはなく、
ただただ苦しむケイトの姿がそこにあった。

「--ふふ・・・ふふふふふふ♡」
魅音はそのケイトの姿を見ながら微笑んだ。

「--緑の恵みを受け入れられないなんて、
 なんて脆弱なの…」

魅音は自分の手を舐めながら微笑む。
この身体はもう”同調”した。
だから、緑の雨の影響は受けない。

「--くそっ…シンディが居れば…」
ケネスは呟く。

医療スタッフのシンディは、
惑星の中でスライムに憑依されてしまい、
行方不明だ。

戦闘班のトーマスと相打ちになったのか、
それとも…?

「うぼぁああ!」
ケイトが緑色の液体を口から吐き出した。

「ひっ!」
宇宙船・ダイダロス号の中で悲鳴が上がる。

緑色の雨の影響だ、とケネスは思う。
同時に”この症状がもしも感染するのであれば?”と
不安を感じるケネス。

「--か、、、か、、、かんせんは、、ありません」
ケイトが苦しみながら言った。

「ウイルスによるものではないので……
 わ、、わたしが、、、し、、死ぬだけ…」

ケイトはそう呟いた。

ケネスは微笑みながら
「あと数日で地球に戻れる。
 だから頑張れ。
 うまいものもいっぱい食わせてやる」

と、ケイトを元気づけようとした。

ケイトは青ざめた表情でほほ笑み
「わたし…ダイエット中なので」と
冗談を口にした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--アラン!」

ダイダロス号の整備クルー、
アランは背後から声をかけられた。

そこにはー
全裸の魅音が居た。

「--!?」

魅音は色っぽい声を出すと、
口から大量のスライムを吐き出して、
アランに襲い掛かった。

数秒後、アランは”破裂”した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魅音は、ダイダロス号内の
自分の部屋でほほ笑んでいた。

「--美しい」
鏡の前で、自分の姿を見ながら
涎を垂らす魅音。

その涎には、スライムのような
生命体が交じり合っている。

「あぁ♡ きれい…♡ わたし、きれい…!」
魅音は嬉しそうに、自分を抱きしめた。
両手で愛おしそうに自分の身体を抱きしめている。

「あふ…♡ ふふふふふふ♡」
未知の惑星…ポゼロンに、住んでいた
スライムのような生命体には
”個”というものが無かった。

個性も無ければ、みんな同じような容姿、
性格の違いも、それほどない。

だが、驚異的な繁殖力と、
強靭な生命力で、あの惑星の支配者と
なっていたのだった。

しかしー
人間の身体はイイ…

「---ふふふ♡ あひひひひひひひっ♡」
魅音は、笑いながら、口からスライムのような
生命体を、
下半身から、愛液を垂れ流した…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

ダイダロス号は、順調に、地球へと進んでいた。
しかしながら、通信設備が故障してしまい、
地球との連絡が上手く取れずにいた。

突然帰還すれば、地球政府は戸惑うだろうが、
通信システムが壊れてしまった以上、
仕方がない。

「か…ゆ…い」
医務室では、ケイトが、うつろな目で呟いていた。

髪は全て抜け落ち、
歯も半分ほど抜け落ちている。

ケイトが言っていた通り、
緑の雨は、人体のあらゆる箇所を破壊した。

「--ケイト、頑張れ」
艦長のケネスは言う。

もう、ケイトはダメだ、そうわかっていても、
ケネスは、前向きな言葉をかけ続けた。

そしてー
ケイトは老人のようにしわくちゃになって、
その日の夜に息を引き取った。

「----」
悲しそうにするケネス。

そこに、魅音がやってきた

「艦長!もうすぐ地球ですね!
 わたし、ワクワクします!」

魅音は嬉しそうに言った。
クルーが全員疲れている中、
魅音だけはとても嬉しそうだった。

まるで、これから遠足に行く、
子供かのように。

「---あぁ、だが、我々は新しい星を
 見つけることはできなかった」

ケネスは落胆する。

地球は、数百年以内に、太陽に
飲み込まれる。


そうなる前にー

「クスッ…」
魅音がふいに笑った気がした。

地球で、人間の女性を乗っ取り、
そして、自分たちの故郷に帰還する。

人間と言う器を手に入れた自分たちは、
さらに繁栄できるだろう。

そう思った魅音は、興奮を隠しきれなかった。
あまりの興奮に、下着がぬれてしまう。


数時間後。

「---…」
ケネスはふと疑問に思う。

そう言えば、クルーの姿が、
何人か見当たらなくなっている気がする。

ケイトのことに気を取られて、
うっかりしていた。

「---人数が、少なくないか?」
ケネスが、操縦士のトムに尋ねると、
「確かに、そう言われてみれば…」と答える。

1日ごとに点呼を取るが、
今日の朝の時点で、数名が点呼に参加していなかった。

日本人スタッフの魅音が、点呼に参加していないスタッフは
B区画でエンジンのメンテナンス中だと言っていたが…


「うわああああ!」

ーー!?
近くから悲鳴が聞こえて、
ケネスはそこへと走った。

するとー、
服をはだけさせた魅音が、
満面の笑みで顔を赤らめながら、
口から”例のスライム”を吐き出していた。

「--み、魅音!」

ケネスが唖然としながら叫ぶ。
魅音の近くにには”肉片”が散乱していた。

まさかー

「--お前・・・奴らに…」
ケネスがそう言うと、
魅音がほほ笑みながら振り返った。

「えへへへへ♡ ばれちゃいましたぁ…」
魅音が口から、鼻から、耳から、
ドロドロとしたスライムを放出している。

「すごいんですよぉ♡
 こ・の・カラダ!
 興奮すればするほど、わたしたちが増殖できる」

魅音は、カラダをベタベタと触りながら
嬉しそうに顔を赤らめている。
興奮しているのか、自分の身体を抱きしめて
カラダを震わせている

「んあああああああああっ♡」

スライムたちにとって、人間の女性の快感は
初めての経験なのだろう。

「---目を覚ませ」
艦長のケネスは言った。
無駄だと知りながらー。

「---目??えへへへ!見てください~♡
 わたし、目、開いてますよォ~~~
 あは、えへ、うへへへへへへ♡」

魅音が身体をゾンビのように揺らしながら
ケネスの方に近づいてくる。

「--動くな」
ケネスは鋭い視線を魅音に送る。

「---艦長~♡
 わたしを撃てるんですか~?
 わ・た・し、死んじゃいますよぉ~
 きゃはははははっ!」

笑いながら魅音が近づいてくる。

魅音は”ケネスは仲間思いの艦長”として
絶対の信頼を置いていた。

その記憶を読み取ったスライムは
ケネスが自分を撃つことは100パーセントあり得ないと
考えていた。

それがー
ただ記憶を読み取ってなぞることしかできない
スライムの限界ー

銃声がダイダロス号の中に響き渡った。

「---いひぁああっ…」
魅音の身体が、衝撃で吹き飛ばされて、
血まみれになる。

「あ・・・あ・・・あ・・・」
痙攣しながら、魅音は驚きの表情でケネスを見た。

「---お前はもう魅音ではない。
 お前は…エイリアンだ」

そう言うと、魅音にトドメの銃撃を加えた。
魅音の身体が破裂して、大量のスライムが
飛び出してきたが、マシンガンで、
ケネスはスライムを全滅させた。

「-----」
ケネスは、悲しそうに眼を閉じると、
操縦席の方に戻った。

「---何事ですか?」
操縦士のトムが尋ねる。

ケネスは無言で首を振った。

確認したところ、既にクルーは
ケネスとトムを含む、4名しか生き延びていなかった。

他は、魅音に殺されてしまったのだろう。

「--あと数時間で地球の座標に到着します」
操縦士のトムが言う。

「---」
ケネスはトムを見て口を開いた。

「--ずっと操縦してて疲れただろう。
 操縦を代わろう」

ケネスが言うと、トムが少し迷った後に頷いた。

ケネスも、操縦の資格は持っている。

「--部下を気遣うのも、艦長の役目だからな」
ケネスが優しく言うと、トムは「ありがとうございます」と頭を下げて、
そのまま休憩室へと向かった。

地球まで、あと少し。
多くの犠牲を払った上に、
新たな安住の地を見つけることもできなかったが、
ひとまず、帰還しなくてはならない


そしてー

地球についた

「-----!?」
ケネスはダイダロス号のコックピットの外を見て
唖然とする

「--なんだ、これは?」
赤茶色になった惑星が目の前に存在している。

「---座標を間違えたのか?」
ケネスは、コックピットのスクリーンを確認する。

しかし、ダイダロス号のいる場所は、確かに、
地球の座標だ。

「こ…これは?」

そして、ケネスはあることに気付く。
”光”がない。

ただただ、漆黒の宇宙空間が広がっている。

「太陽はー?」
ケネスはそう呟いて、はっとした。

未知の惑星に居た時
”時計の針が猛スピードで回転していた”

「まさかー」

ケネスは、宇宙船内のコンピューターをいじり、
現在の日付を確認した。

するとー

「----なんてことだ」

宇宙船が表示した日付はーー
500年以上先の日付だったー

ケネスは悟る。
あの惑星では磁場が乱れていた。

時間が、通常とは異なる、
猛烈なスピードで進んでいた…。

あの惑星の外と、あの惑星では
時間の経過速度が違ったのだと。

自分たちがあの惑星で過ごした1日の間に、
惑星の外では、500年以上の年月が経過してしまった、と。

”地球はあと数百年しか持たない”
それが、地球政府の見解だった。

と、いうことは…

「うわあああああああ!」
冷静なケネスが悲鳴をあげてその場に蹲った。


地球は既に滅んでしまっているー
太陽と共にー
目の前にあるのは、役割を終え、冷たくなった、死の星ー

地球の人類は、
新しい惑星を見つけて既に移動したのかー
それともー。

いずれにせよ、ケネスがそれを知ることはできないー


絶望するケネスの背後から
”何か”が迫っていた。

スライムに支配されたー
ケイト―。

死後、スライムが入り込み、
ケイトは生ける屍になったー。

操縦士のトムたち、生き残り3人のスタッフは
ケイトに殺された。

そしてー

「---!?」
ケネスもー。


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依空間初の宇宙モノでした!
お読み下さりありがとうございました!

SF系は結構難しいですね!


コメント

No title

スライムもダイダロス号の船員も目的を果たせず仕舞いでしたねw

Re: No title

> スライムもダイダロス号の船員も目的を果たせず仕舞いでしたねw

スライムさんも無駄足でした…
そこまで考えが行かなかったのでしょう…!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

無 様

ありがとうございます!
スライムにも時間云々まで計算することは
できなかったようです!

とは言え、スライムは絶滅したわけではないので
(未知の惑星にまだいる)
また何か考えるかもしれませんね!
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プロフィール

無名

Author:無名
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