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<憑依>復讐の社蓄③~復讐の果て~(完)

ブラック企業への復讐。

怨霊と化して、もはや歯止めのきかない啓也は、
幼馴染の優美香の身体を使って、
復讐を続けていく。

そして、最後には…。
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社長室の扉が開く。

社長室には、40代後半の眼鏡の男が、
パソコンを忙しそうに叩きながら、
ため息をついていた。

「---何かな?」
社長の武井 慎太郎が、
入ってきた女性社員に、声をかける。

優美香は「失礼しま~す!」とバカにした様子で、
社長室に入った。

モデル歩きのような歩き方をしながら
社長の机に近づくと、
その机に飛び乗って、机の上に座り、
社長を見下すような目付きで見つめた。

「……君!無礼だぞ!」
慎太郎が怒りを露わにして立ち上がる。

すると、優美香は、ほほ笑みながら、
とある資料を手渡した。

それはー
労働基準法に違反している証拠、
会社の不正取引の証拠ー
そして、慎太郎の息子である亮輔に対する贔屓…
慎太郎自身の裏取引…

様々な黒い部分が書かれていた書類だった。

泉谷部長に指示して、無理やり手に入れた書類だ。

「---何が望みだ?」
慎太郎は動揺を見せずに、そう言った。

「---要求は3つ」
優美香は早速本題を切り出した。

「ひとつ、会社の不正を認め、公に謝罪会見を開き、謝罪すること」
「ふたつ、息子の亮輔を懲戒解雇すること」
「みっつ、自殺した新崎啓也の自殺を、会社のパワハラによるものだと
 認め、公に公表すること」

「-----」
慎太郎は、黙って優美香を見つめた。

「わたしを、脅すのか?」
慎太郎はあくまでも冷静だった。

”悪魔の実業家”の異名を持つ慎太郎は
会長である剛三郎よりもやり手で、
強引な方法で会社を拡大してきた
これまでにも、いくつもの”法律の網”を潜り抜け、
それなりの修羅場を経験している。

こんな小娘一人の脅しに動じる慎太郎ではない。

「---Noと言ったら?」
慎太郎が言うと、
優美香は、慎太郎の方を向いて、
慎太郎の股間のあたりを足を踏みにじった。

「--お前の息子を、殺す」

優美香が不気味にほほ笑む。

「---なに?」
慎太郎は、優美香の足を振り払うと、
立ち上がって行った。

「--今の言葉、録音させてもらった。」
慎太郎は、用心深い男で、
社長室にボイスレコーダーを仕込んでいる

これを自分の都合の良いように編集し、
いままで、自分にとって都合の悪い人間を、
何人も葬り去っているのだ。

「---ばらしたければばらすがいい。
 うちには、優秀な弁護士が居る。」

慎太郎は微笑む。

「---そうかそうか。」
慎太郎は笑いながら呟く。

「自殺した新崎と君は同期で幼馴染だったな。
 大方、君は新崎のことが好きだったのだろう?
 それで自殺した新崎の無念を晴らそうとしている。
 違うか?」

慎太郎が眼鏡をいじりながら笑う。

「---ふっ…バカが!」
優美香が吐き捨てるように呟いて、
慎太郎に唾を吐き捨てた。

「---な…!貴様…!」
慎太郎が怒りをあらわにする。

「----俺が新崎啓也だよ」
優美香は目を赤く光らせて、
慎太郎を睨んだ。

「---な…」
慎太郎は、唖然とする。
この女が自殺した新崎啓也?
そんなバカな、と思いながら。

「--明日の昼までに
 わたしのLINEに連絡をください」

社長にLINEでの連絡を要求するなど、
失礼な行為だが、優美香には
そんなこと関係なかった。

「--連絡がそれまでになければー
 全部、壊すー」

優美香はそう言うと、
くくくくく…と笑いながら、
可愛い顔をゆがませて、
社長室を後にした。

「---」
慎太郎は、舌打ちすると、
おもむろに電話をかけた。

「---俺が。消してほしい女がいる。」
慎太郎は裏世界とも繋がりを持っているー。
彼はー危険な手段を選んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----くくくくく」
優美香は夜の街を歩きながら
不気味に笑っていた。

通行人たちが、不気味なものを見る目で
優美香を見る。

「----…」
優美香は、尾行されていることに気づいていた。

そしてー
裏路地に入ると、優美香は振り返った。

怪しいマスク姿の男3人に囲まれる優美香。

「---悪いな。へへへ…!」
男の一人がナイフを手に、優美香に襲い掛かった。

しかしー
次の瞬間、優美香から、紫色の
怨念が噴き出したー

「----」

そしてー
裏路地には、”蒸発”した人影が3つ、
残されていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

「----バカな女だ」
慎太郎は、社長室で昨日の
優美香との会話を思い出しながら微笑んだ。

泉谷部長の後任の部長によれば、優美香は出勤
していないと言う。
予定通り消されたのだろう。

「---私はこれまで、どんな手を使ってでも
 邪魔者を排除してきた。
 そう、これからも…」

慎太郎がほほ笑むと、
社長室の扉が開いた。

「---誰に向かってしゃべってるんだ?」

優美香だった。
ミニスカート姿の挑戦的な格好で、
もはや、その挑戦的な態度を隠すつもりも
無さそうだった。

「---!?お前・・・」
慎太郎が驚く。

「---死んだ…はずでは?」

その言葉に、優美香が笑う。
そして、スマホを慎太郎に向けた。

”た、助けてくれ~”

廃工場のような場所に、
慎太郎の一人息子である亮輔…。
啓也の営業成績を横取りしていた男が
映っていた。

「--な!」
慎太郎がおびえた表情を初めて見せる。

「--か、、監禁したのか!
 これは犯罪だぞ!」
慎太郎が言うと、
優美香は目を赤く光らせて、
慎太郎を抱きしめた。

「---言っただろ?新崎啓也だって」
優美香が甘い声でほほ笑む。

「通報して、この女が逮捕されても、
 俺は次の身体でお前らを追いつめる?
 あ?
 通報して俺を怒らせるか?
 それともここで俺に土下座するか?」

優美香が目を真っ赤に光らせながら
慎太郎を脅した。

慎太郎は、手を震わせた後に、
優美香の置いたスマホを見て、決心した。

「--す、すまなかった…!
 き、きみの言う3つの条件、受け入れる…
 だ、だから許してくれ!」

慎太郎が土下座をすると、
優美香は、ハイヒールで、その手を踏みにじった。

「くふふ・・・無様ですねぇ、社長。
 じゃあ、会見、今日中に開いてください。
 俺の自殺への関与、会社の不正の発表。
 そして、お前の息子の亮輔の懲戒解雇!」

優美香が怒りに手を震わせながら慎太郎の
顎を掴み、睨みつけた。

慎太郎はそのまま、恐怖して座り込んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

午後ー

武井グループの緊急記者会見が開かれた。

会社の不正ー
自殺した社員へのパワハラが発表された。

優美香は、ワインを飲みながら
足を組んで、それを微笑みながら見つめていた。

その足元にはー
冷たくなった亮輔の身体があった。

「---約束、お前らも守らなかったもんなー」

優美香は、亮輔を殺した。
別に、優美香が犯罪者になろうと構わない。
やつらだって、社員にウソをつきまくったのだ。

これは、報復だー。


「--!!」
優美香の、映像を見つめる表情が歪んだ。

社長の慎太郎の父である、
既に70の会長・剛三郎が、
”すべての責任をとって辞任致します”と
宣言した。

社長の慎太郎は無関係だと。

「---くそっ!」
優美香はワイングラスを床にたたきつけると、
怒りの形相で会社に向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----」
会社では慎太郎が不気味な笑みを浮かべていた。

既にボケはじめている70の父を誤魔化して
父に全ての罪をなすりつけた。
あの女の要求は全て飲んだ。
約束は守った。
”お前が辞任しろ”とは言われていない。

パン!パン!パン!

廊下から変な音がした。

そしてー
社長室の扉が開いた。

「---亮輔!」
慎太郎が驚いて立ち上がる。

優美香がー、
亮輔の遺体を引きずって社長室に入ってきた。

「--な、、な、、な、、殺したのか!」
慎太郎が叫ぶ。

「--これは復讐だ」
優美香が目を真っ赤に光らせて笑う。

「---な、、な、、約束は守っただろ!」
慎太郎が叫ぶ。

その身体は恐怖に震えていた。

何故なら、優美香の手には、銃が握られていた。

数日前、優美香を襲った裏世界の男が
持っていた銃を奪っておいたのだ。

「---ま、、まて、、わかった…
 し、新崎くん…すまなかった」

慎太郎が笑いながら封筒を取り出した。

「こ、ここに、1000万入っている…
 だから…もう、、やめよう…な?」

慎太郎が言うと、優美香がほほ笑んだ。

「--いらねぇよ!」
と怒声と共に、社長室に銃声が響き渡った

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜のビルの屋上に、
優美香はいた。

ハイヒールを脱ぎ捨てて、
ビルの端の方に進んでいく。

復讐は終わりだー

「ふふふ…わたしも、
 新崎くんを傷つけたから、罰を受け入れるの♪」

優美香は嬉しそうに、
風でなびいた髪をかきあげながら微笑む。

これで、復讐は終わりだー

両手を広げて優美香が笑う。

「あはははははははは!あ~~はははははははは!」

そして、優美香は、両手を広げたまま
嬉しそうにビルの屋上から飛び降りた。


ーーーざまあみろ

啓也はそう思った。
そして、復讐を終えたことに満足して、
成仏したー


「---え?え!?」
空中で優美香が、正気を取り戻した。

優美香はー
状況を理解する前に、地面に激突したーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日。
武井グループの株は大暴落。

そのままライバル企業に買収されて消滅した。

追い詰められた一人の若手社員が
引き起こした悲劇の復讐ー。

その引き金を引いてしまったのはー
誰だったのだろうー。

復讐が終わった今、
それは、誰にもわからないー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

怨霊と化した若手社員の復讐憑依でした。
ダークな展開になりました…!
好き嫌いは分かれそうです…!

ともかく、
お読み下さり、ありがとうございました。


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無名

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