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憑依暗殺部隊 ① アルファ

裏の世界では恐れられている暗殺集団が居たー。

彼らは名乗らない。

コードネームでそれぞれ
”アルファ”
”ベータ”
”ガンマ”
”デルタ”
と呼ばれている4人のメンバーで構成されている。

彼らの恐ろしいところは
”他人に憑依する能力”を全員が持つことだ。

彼らは暗殺対象に近しい女性に憑依し、
その体で暗殺を実行するのだ。

彼ら曰はくー
女性の方が対象を油断させやすいーのだとか。

暗殺対象本人の命を奪うだけでなく、
その大切な存在の尊厳まで踏みにじる彼らを
裏世界ではこう呼んだー


”憑依暗殺部隊”--ーと。


昼。彼らのアジトで
リーダー格の”アルファ”が言った。

「任務が入った。
今回の暗殺対象は家族持ちでありながら数々の詐欺を
裏で行っている詐欺師だ。」

アルファが言う。
彼は女性に憑依した後も、何にも興味を示さず、
ただ、任務のみを忠実に実行する男だ。

憑依される側の女性にとっては、
この”アルファ”に憑依されるのが一番マシかも知れない。



「へぇー任務ですか。
 今日は、俺気乗りしませんわ」

”ベータ”が言う。
女好きの彼は、憑依した体を遊びつくしたあとに
暗殺を行う。

憑依された方にしてはたまったものではない。
殺しをさせられる上に、自分の体をもてあそばれて
しまうのだからー。


「……ちょっと今日は僕も別任務が入ってるので、
 パスさせて頂きます」

”ガンマ”が言う。

演技派の彼は憑依した女の記憶を一瞬で読み取り、
瞬く間に”本人になりきる”
そうして、対象を油断させ、暗殺するのだ。


「ハッハッハ、、なになに、憑依対象は
 女子高生??
 じゃーー、俺はやめとくか。
 さすがに可愛そうだ」

豪快な男”デルタ”が言う。
彼は”憑依した女性”の意識をわざと表に出させたまま
体を操り、対象を暗殺する。

他の仲間からは「趣味が悪い」と評判の男だ。



「---そうか」
他の3人の返事を聞き、リーダーのアルファが言う。

「では、、私がやろうーー」

あくまでも憑依は暗殺手段としての行為。
彼は、今まで一度も憑依した女の体で遊んだこともないー

憑依はー暗殺の為の手段にすぎないのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ただいまー」

女子高生、柿原萌愛(かきはらもえ)は帰宅すると、
リビングで水分補給を済ませて、自分の部屋へと向かった。

セミロングで、目の大き目な可愛らしい容姿をしている。

しっかりと制服を着こなし、
真面目な印象が漂っている

「あ、お姉ちゃんおかえり」
妹の涼香が出迎える。

姉の萌愛は微笑んで、ただいま、とつぶやいた。

二人はとても仲が良い。
今日もこのあと、二人でショッピングに行く
約束をしていた

「お姉ちゃん はやくはやく!」
急かす涼香に苦笑いしながら、

「ちょっと待ってねー!」
と、萌愛はクローゼットから、このあとのショッピングに着ていく
服装を選んでいた。

その時だった。


変な感覚が萌愛を襲う


ーー何かが自分に入ってくるような感触

「えーー何??」
あわてて萌愛は体を動かそうとしたが、
体が動かない

力が入らないーー

そして、助けを呼ぼうとしたときには、
急激な眠気に襲われて、そのまま闇へと落ちたーー。


「……よし。」
萌愛はそう呟いた。

その表情からは笑みが消え、
無表情になっている。

「……暗殺対象は帰宅前か…」
萌愛はそう愛想なくつぶやくと、
自分の部屋の方に戻った。

先ほどまでの笑顔の似合う様子が嘘のようだ


部屋に戻ると、萌愛は自分のスマホを手に取り、
専用の連絡サイトを開いた。

憑依した体で、仲間と連絡を取る為の専用アプリだ。


「---ねぇ」
萌愛が口を開く。

さっきまでとは打って変わり、
愛想なく言う姉に妹は違和感を感じた

「--どうしたの?」

涼香が訪ねると姉の萌愛は、

「--お父さん、何時に帰ってくる?」
とだけ尋ねた

「えーっと、、確か18時ぐらいだよ」
涼香はそう言ったあとに
笑顔を浮かべて続けた

「ねぇお姉ちゃん!スマホなんかいじってないで
 早く行こうよ」

ショッピングの約束を急かす。

しかし姉の萌愛は妹の方を見もせずに
面倒そうに頬杖をつきながら言った

「今日は中止。
 また今度ね」

萌愛が愛想なく言うと、
涼香が怒りっぽい声を出した

「えーーー!何でよーー!
 行くって約束したじゃん!」

その言葉を聞き、萌愛が涼香の方を見る。


しかし萌愛は乱暴に髪をかきむしると、
そのまま涼香から視線を逸らした


「何よ!お姉ちゃんなんて知らない!」
涼香がひねくれて部屋を飛び出した。


いつもの萌愛なら、慌てて後を追いかけて謝っただろう。

しかしーー今の彼女には
どうでもよかった


「---18時か」
笑みの一つも浮かべず、萌愛はそう呟いた。

女子高生の制服を着たまま、
萌愛は静かに暗殺決行の時を待った。

時間まですることが無い。
アルファは萌愛の体の中で休んでいた。

憑依されている萌愛は
じっと無表情で正面の壁を見つめていた。

・・・。

独自に生成した毒液を手に持つ

萌愛は無表情でそれを見つめた。


彼女は知らないうちに”自分の父を暗殺”するという
とんでもないことをしでかそうとしていた。

しかし、萌愛は意識も体も完全に支配されていた。

今の萌愛は、何の感情も持たないアルファの思うが儘に
動く殺戮マシーンと化していた。

スカートをふわふわさせながら萌愛が立ち上がる。


「…これだな」
萌愛は壁に貼ってあったアイドルのポスターを乱暴に
引きはがすと、それの形状を確認した。


これに毒を塗り、顔に押し付け、暗殺するーー。


「……あと30分か」

いつも優しく微笑んでいる萌愛の表情は
無表情だった。

まるで、別人かのように。。


ーーーただいま。

玄関から父親が入ってきた。

家族には内緒に詐欺を働いている男。


萌愛は部屋から立ち上がった。
そして自分のスマホを粉々に砕いた。

仲間と連絡を取る専用アプリは
履歴に残らないから大丈夫だとは思うが用心のためだ。


萌愛は自分のスマホの破片でけがをした。

だが、そんなことは今の萌愛にとってどうでもよかった。


手に切り傷が出来ているが、
萌愛はその手を血を乱暴になめまわすと、
そのまま玄関へと向かったーーー。



「お、萌愛~ 涼香~おみやげだぞ~」
父が近所のお店のたいやきを買ってきていた。

先に玄関に来ていた涼香が笑って父と話している。


「--今だ」
萌愛は無表情で父の方へ向かう


「あれーー?今日は遅かったのか?
 まだ制服姿なんて…」

父が萌愛がまだ着替えていないことに違和感を感じる。

その時だった。

アイドルグループのポスターで父親の顔を萌愛が
包み込んだ

「うっ!も、、萌愛!な、なんだ!」
父がわめく。

だが萌愛は表情一つ変えずに、
毒を塗ったポスターを父に押し付けた。


自分の父の息の根を止めようとしているのに、
萌愛は無表情だ。

「---お姉ちゃん!何してるの!ねぇ!」
涼香がなきながら姉を引きはがそうとする。


「邪魔をするな!」
萌愛が乱暴に言い放ち、涼香を突き飛ばした。


「お、、お姉ちゃん~~
 どうしちゃったのーー」

涼香が泣きながら姉を呼ぶ。

しかし、姉は返事をしなかった。


そしてーーー父はその場に崩れ落ちた


萌愛は残酷な表情で倒れた父を見下した。。


ーーその表情には冷徹さがにじみ出ていたーーー

萌愛であればーー
こんな表情、一生浮かべることもなかっただろう。


「---終わりだな」
萌愛はそう呟くと、ふっと力が抜けてその場に崩れ落ちた


「お、、、お姉ちゃん!?!?」
涼香が姉に駆け寄る。


ーーーまもなくして萌愛は意識を取り戻した。
しかし、このあと萌愛は”絶望”することになるーーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「流石リーダー、鮮やかな暗殺でした」
ガンマが言う

「いや~でもつまんねぇよ!
 あんなかわいい子なら俺が言って
 遊べばよかった!」
ベータが言う。
もしも彼が今回の任務を行っていたなら
萌愛の体は遊ばれつくしていただろう。

「…ふん」
デルタは短くそう呟いた


「---これは任務だ。
 遊びじゃない。」

萌愛へ憑依していたアルファはそう言った。


彼にとって女性への憑依は
”娯楽”ではない”仕事”だーー。


そこに、遊びの要素など何一つないーー。



「…格好いいねぇ。リーダーは。。
 さて、別の依頼も来てるみたいだし、今度は俺がやるかぁ!」

遊び人の隊員”ベータ”はそう呟いた。

彼は暗殺前に憑依した体で遊びまくるーー。
それゆえ、チーム内では「遊び人」と呼ばれていた。



②へ続く

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Author:無名
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