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<憑依>未来の医療①~進歩~

2071年ー

医療は進歩していた。

開発された憑依薬を用いて、患者に憑依して、
患者の状態を知るー。

そんな世界の、物語ー。
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「--先日から、咳が止まらなくてー」

20代の若い女性患者が言う。

「そうですか…
 では、ちょっと見てみましょうね」

内科医のDr友崎が言うと、
友崎が突然、何かを飲み、”うっ”と叫んで倒れた。

目の前で医師が倒れても女性患者は
特に驚く様子はないー

「--うっ!」
女性患者が身体をビクンと震わせる。

そしてー
「---なるほど」と呟く。

女性患者は、目の前に居た、
Dr友崎に憑依されていた。

これはー、別に珍しいことでもなんでもない。

この世界では、当たり前のように行われていることだー。
2058年、世界初となる医療用の憑依薬が開発された。

医療においてー、
患者と医師の意思疎通がうまく行うことができず、
結局、間違った診断をされてしまい、治療が後手に回ったりするケースが
多く存在していたー。

それを、根底から覆すのが、
医療用の憑依薬の登場だったー。

これにより、医師は、患者の身体に直接憑依することで、
自分の体調を正確に把握することができる。

従来の問診では不可能だった
”正確さ”を実現することができるようになったのだった。

この憑依医療により、
医療は進歩した。
患者の状態を自分の感覚で知ることができるため、
医師は、患者の状態を正確に把握することができ、
その診断に大いに役立つようになったのだ。

もちろん、最初は戸惑いの声もあった。

身体をそのまま乗っ取られてしまうのではないか、という懸念だ。

しかし、それは払しょくされた。
医療用の憑依薬の効力は20分に制御された。

20分経てば、憑依薬の効果は切れて、
憑依されていた医師は元の身体に戻るー。

そしてー
診察室には監視カメラが設置されており、
医師が、患者の身体でおかしなことができないよう、
工夫されているー

だからこそ、憑依医療は広まり、
今では医療の中心として、活躍しているのだった。

「う…」
女性患者が目を覚ます。

女性患者の前には、Dr友崎が居たー

「---憑依させて頂き、
 確認しましたが、ただの風邪ですね。
 心配はいらないですよ」

Dr友崎が優しく微笑むと、
女性患者は、安堵の表情を浮かべるー。

「ありがとうございました」

診察を終えたDr友崎は、休憩時間に入り、
廊下を歩いていた。

すると、反対側から同じ内科医のDr中岡が歩いてきた。

「---よぉ、お疲れ」
中岡の言葉に友崎が「どうだ?これから飯でも?」と
昼食に中岡を誘う。

中岡は「いいね」と呟き、2人は共に昼食を食べることになった。

近くのコンビニで適当に昼食を買い、
自分たちの部屋で、昼食を食べるー。

「---そういえばよぉ」
Dr中岡が笑いながら言う。

「この前、すっげぇ可愛い女子大生が患者で来てよ。
 憑依しながらゾクゾクしちまったぜ。
 このまま俺がこの女になってみたい、ってな」

Dr中岡の言葉に
Dr友崎が呆れた様子で返事をする。

「またか。憑依薬は患者を助けるためのものだぞ。
 変な気を起こすなよ」

友崎が言うと、中岡はおにぎりを口に運びながら笑った。

「起こさねぇよ。
 研修のときに、ちゃんと言われてるだろ?
 憑依薬の悪用はできないってこと」

中岡がコーヒーを口にしながら呟く。

憑依薬の効力は20分、
さらには、監視カメラによる監視ー。

そう、悪用は不可能なのだ。

「--逮捕された馬鹿とは違う」
中岡が言う。

過去に、数回、女性患者の身体に憑依したまま、
好き勝手やろうとしたり、
そのまま病院から立ち去ろうとしたりして、
逮捕された医師がいる

”憑依薬取扱法違反”

懲役10年以上という厳しい刑罰が下される。

そのため、憑依薬を悪用しようとする医師は
少なかった。
20分の欲望のために、10年を無駄にするのか。
そんな、阿呆はまず、いない。

「---ならいいけどよ。妄想もほどほどにしとけよ」
Dr友崎がサンドイッチを食べ終えて、お茶で
流し込みながら言うと、Dr中岡が「想像するだけなら罪じゃないぜ」と笑った。

二人は、同期の医師で、
お互いに総合病院の内科医として勤務しているー。

憑依医療ー
問診に使われるだけではなく、
手術前の患者の不安を和らげるために、
オペ室に向かうまでの間、憑依して、意識を奪ったり、
そういった用途にも使われる。

また、簡単な手術や注射などの痛みを、
医師が代わってあげることもある。

憑依薬は、悪い薬ではない。
確かに、悪用されれば危険だが、
厳重に管理されているうえに、
”20分”というリミッターがあるからこそ、
人々は、安心して憑依医療に身を委ねることができるのだ。

「--さて!休憩おわり!」
Dr友崎が伸びをしながら言うと、
中岡が「お、もうそんな時間か…」と呟く。

「じゃあ、俺は先に行くわ」
Dr友崎が、控室の出口に向かうと、
Dr中岡は「おう、頑張れよ~」と手を振った。

控室の扉が閉まる。

一人残されたDr中岡は笑みを浮かべた。

「--見つけたぜ、”抜け道”」

とーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休み後、
Dr中岡が診察を再開した。

「--それで、大丈夫だと思いますよ」

「ありがとうございますー」

いつものように診察を続けるDr中岡。
しかし、彼は待っていた。

いよいよ”準備”が出来たのだー
”抜け道”を使う準備がー。

入念に実験を重ねた。
入念に準備をしたー

「--お大事にどうぞ~」

診察を終えたおばあさんが
診察室から出ていく。

おばあさんはターゲットではない。
彼が待ち望んでいるのはーーー

「--よろしくお願いします」
若い男性が入ってきた。

Dr中岡は”早く来い”と
望む身体が来るのを心待ちにしていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一方、Dr友崎は診察をしながら思案していた

友人でもあるDr中岡ー

彼は、危ういー

「この前、すっげぇ可愛い女子大生が患者で来てよ。
 憑依しながらゾクゾクしちまったぜ。
 このまま俺がこの女になってみたい、ってな」


確かに、監視カメラはあるー。
そして、憑依薬は20分の時間制限があるー。

それにー
監視カメラで、診察室の様子は、
管理医師によって監視されているー。

もしも誰かが、憑依したまま、診察室から外に出ようとすればー
管理医師の丸神内科部長によって、オートロックがかけられ、
診察室から外には出られない

それでもー

Dr友崎は知っている。
Dr中岡の執念深さをー。

もしも、、もしも彼がー
”抜け道”を見つけたらー。

彼は、迷わず、その抜け道を使うだろうー、と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「よろしくお願いします」
Dr中岡の診察室に、
制服姿の女子高生が入ってきた。

「---昨日から、風邪引いたみたいで…」
可愛らしい黒髪の女子高生は、そう言った。

「--そうですか」
Dr中岡はそう言うと不気味な笑みを浮かべた。

”来たーーーー”

彼は、そう思った。

長い綺麗な黒髪に、
スタイルの良い身体。
しかも、女子高生ー。

カルテを見つめるー

”田畑 沙緒梨(たばた さおり)”
17歳ー。

「ーーー使わせてもらうぜ、抜け道」

彼はそう呟くと、

「じゃあ、ちょっと体調を拝見させて頂きますね」

と言って、いつものように憑依薬を口にした。


「--うっ…!」
沙緒梨が、ビクンと身体を振るわせる。

そしてー
Dr中岡がしたことは、診察ではなかったー

沙緒梨は、胸を触っていやらしい笑みを浮かべた。

「---今日から、この女が俺の身体だ!くふふふふ」
沙緒梨は乱暴に椅子から立ち上がると、
監視カメラの方を見つめた。

「--はははははっ!これは俺の身体だぜ!」
そう叫ぶと、とある引き出しから、何かを大量に取り出して
診察室から外に出ようとした。

オートロックがかかる。

そして、診察室に音声が響いた。

”内科部長の丸神だ。
 何をしている?
 Dr中岡。今すぐバカなマネは止めなさい”

その言葉に、沙緒梨は、笑みを浮かべた。

「--馬鹿な真似?
 ふん、止められるモノなら止めてみろよ!」

可愛らしい綺麗な声で、そう叫ぶ沙緒梨。

丸神内科部長は、警備員たちに無線で連絡を入れる。

しかし、その時だった。

背後から、丸神内科部長は、何科で叩かれて気絶してしまうー。
憑依の悪用を防ぐために、診察室は常に監視されている。
監視は、4人で行っているのだがー

そのうちの一人が、Dr中岡と結託していた。


ピッー

オートロックが解除される

「--ふふふ、ありがと!お礼は身体でするね!」
監視カメラに向かってウインクする沙緒梨。

Dr中岡は乗っ取った身体でのお礼を条件に
監視係の一人を手ごまにしていたー。

「--とまれ!」
警備員たちが駆けつける。

「ーーーククク、この女は俺のものだ!」
沙緒梨は自分を抱きしめながら叫んだ。

「--な、、何をやっている!やめろ!」
警備員たちが、沙緒梨を取り囲むようにして言う。

周囲が騒然としているー。
他の患者たちが、”何事が起きたのか”という沙緒梨と
その周辺の警備員たちを見つめる。

「--取り押さえろ!」
警備員が叫んだー。

これ以上、騒ぎを大きくされるわけにはいかないー。
”憑依された患者”が、そのまま診察室から出てしまうこと自体、
この世界では大問題なのだ。

「----動くんじゃねぇ!」
沙緒梨が乱暴な口調で叫ぶと、
持っていた、ナイフを自分の首に押し付けた。

「いいのか?この女、死んじゃうぞ?」
沙緒梨が笑いながら、自分の首筋にナイフを当てながら言う。

警備員たちは足を止める。

「--ふん、この女は俺の物なんだよ!
 誰にも邪魔はさせねぇ!」
沙緒梨はそう言いながら、髪を乱暴にかきあげて、
警備員たちをに睨んだ。

自分の首筋にナイフを当てながら、
出口の方へとゆっくりと向かっていく沙緒梨。

警備責任者が小声で言う。

”15分経過しているー”と。

あと5分。
あと5分すれば、憑依は終わるー

それまで、時間を稼げばいい。

警備の責任者は”手を出すな”と指示をした。


18分が経過したー

沙緒梨は、出口の方にゆっくりと向かっている。
警備員たちをにらみながらー。

そして、可愛い腕時計をちらりと見ると、
沙緒梨は微笑んだ。

「---わたし、大好きな飲み物があるの!」

そう言うと、持っていた鞄から、
”憑依薬”を取り出した。

診察室から持ち出したものだー

それをー

彼女は、飲んだーーー

「--んはぁぁあぁ、おししぃぃぃぃぃ!」
叫ぶ沙緒梨。

沙緒梨は、警備員たちの方を見て笑った。

そして、20分が経過した。

しかし、沙緒梨は邪悪な笑みを浮かべたままだー

「--憑依薬…
 憑依されてる人間が飲むと、、、
 憑依憑依の時間が長くなるんだよ~ふふふふふふっ」

唖然とする警備員。

沙緒梨が鞄を開く。
そこには、大量の憑依薬が入っていた。

「-ーーー今日から俺は、田畑 沙緒梨だ!!
 あはははははははははっ!」

そう叫ぶと、沙緒梨は出口に向かって走り出した

警備員たちが「取り押さえろ!」と叫ぶ。

しかし、沙緒梨は「近寄るな!」と叫んで
また、ナイフを首筋に当てる。

「---くそっ!」
動揺する警備員たち。

そこにー
騒ぎを聞きつけたDr友崎がやってきた。

「---中岡!」
友崎が叫ぶ。

彼が、危惧していた通りになってしまった。
中岡は、抜け道を見つけてしまった。

「---おぅ、友崎!」
沙緒梨が叫ぶ。

「どうだ?カワイイだろ?」
手を広げて微笑んでみせる沙緒梨。

「--馬鹿な真似はやめろ!」
友崎が叫ぶと、沙緒梨は、不気味な笑みを浮かべたー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

未来の医療とその抜け道…
この後はどうなってしまうのでしょうか~!

次回をお楽しみに!


コメント

No title

医療用憑依薬とは面白い発想ですね!
医療従事者でも自分の状態を自分で判断するのは、実はそう簡単な事ではないですが。あったら色々と便利そうです。

Dr.中岡はこんな大っぴらに暴走して、後どうする気なのか…
何か策があってのことか…次回が楽しみですね〜。

No title

俺も好条件持ちかけられたら結託し協力するかも
ただ後々切り捨てられそうなのでやはり自分も憑依する側かもしれないけどフフ

Re: No title

> 医療用憑依薬とは面白い発想ですね!
> 医療従事者でも自分の状態を自分で判断するのは、実はそう簡単な事ではないですが。あったら色々と便利そうです。
>
> Dr.中岡はこんな大っぴらに暴走して、後どうする気なのか…
> 何か策があってのことか…次回が楽しみですね〜。

ありがとうございます~!
自分の状態を把握するのは、確かに難しいですよネ…!
この後は、驚き(?)の展開になるかもです~

Re: No title

> 俺も好条件持ちかけられたら結託し協力するかも
> ただ後々切り捨てられそうなのでやはり自分も憑依する側かもしれないけどフフ

コメントありがとうございます~!
リクエストも受け取りました!
かな~り先になるかもなので気長にお待ちください~☆

確かに、切り捨てられそうな感じはしますね笑
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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