FC2ブログ

<洗脳>悪魔の眼鏡③~光~(完)

眼鏡に完全に洗脳された朱莉は、
とある神社を訪れるー

”悪魔の眼鏡”に支配された少女の運命はー?
-------------------------

昔ー
あるところに、眼鏡職人が居ました。

夫婦は仲睦まじく、
いつも、人々のためになる、眼鏡を作り、
その一人息子も、元気いっぱいに育っていましたー。

ある日ー、
眼鏡職人の長男は、同じ高校に通う女子生徒に恋をしました。

彼にとっては初めての恋。
彼は、嬉しそうに、そのことを両親に告げました。

そんな中、初恋の相手の彼女が、
眼鏡を壊してしまいました。

そんな様子を見た、眼鏡職人の長男は、
両親に言いました。

「あの子に、眼鏡をプレゼントしてあげたいー」

と。

純粋に、親切心からー
ちょうど、クリスマスも近かったことから、
長男はクリスマスプレゼントとして
両親が作ってくれた「可愛い眼鏡」をその子に
あげることにしましたー


けれどー

「--何それ?いらない」
その子は、眼鏡を受け取ってはくれませんでした。

「ってかさ、冗談は顔だけにしてくれるかしら?
 あんたが私に告白?ありえないんだけど」

初恋の相手に、辛辣な言葉を投げかけられるー
それは、どんなに辛かったことでしょうか。

「そんなださい眼鏡、どこで買ったの?」
初恋の相手が笑いながら言う。

純粋だった彼はー
全てが打ち砕かれるほどのショックを受けましたー。

そしてー
”そんなださい眼鏡”

純粋すぎた彼はー
歪み、憎悪し、その憎悪は両親に向けられましたー。

彼は眼鏡を持ったまま走りー
家に帰宅すると、怒りの形相で両親を
その手にかけー

「----お…俺は…俺は…」

我に返った時には、もう手遅れでした。

振られたショックから、彼は両親をも殺してしまった。

「うああああああああああああああああ!」
彼は自分のしてしまったことに絶叫し、
この世を呪いー

そして、その場で自らの身体を破壊してー
命を絶ちましたー

これが、
幸せだった眼鏡職人の家族の末路ー

そして、その現場には
可愛らしい眼鏡だけが残されていましたー

数十年が流れて、
そこには神社が出来ました。

しかし、ある日、神社の持ち主である老婆は、
眼鏡に救う悪霊に気付いてしまいます。

悪霊は、老婆を脅しました。
眼鏡には、
いつしか、眼鏡職人の長男の怨念が
宿っていましたー

そしてー

老婆に言いましたー

”あいつを、探せー”

とー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

神社の前にやってきていた朱莉は、
不気味に微笑んだ。

「ははははははは!
 ついに、ついに俺はお前と一つになれる!」

眼鏡から発される紫色の光に
完全に肉体と精神を奪われた朱莉は、
銅像の前で手を広げて笑っていた。

”清子ー
 俺、お前に振られてからずっと、ずっと、ずっと、ずっと、
 お前のことを憎んでいたー”

銅像から声が聞こえるー

数十年前に自ら命を絶った眼鏡職人の長男の声だー


朱莉はー
長男が恋をした相手、清子によく似ていたー

だから、朱莉が狙われたのだ。

眼鏡を通じて、恐怖の光景を見せつけて
朱莉の精神を破壊し、そして、朱莉を完全に洗脳したー

洗脳した朱莉をこの場所まで、連れてきて、
そしてーーー
自分が乗っ取るー

それが、悪霊の目的だった。

「--うふふ♡
 さぁ、わたしの身体はあなたのものよ!」

朱莉が大声で叫ぶと、
銅像から、人のシルエットのようなものが
湧き出てきたー

眼鏡職人の長男の悪霊ー

「---ふふふふふふふ♡はははははははははっ!」

完全に洗脳されている朱莉は、
その悪霊を受け入れようとしたー

しかしー

「もう、、、やめなさい!」
老婆が叫んだ。

悪霊に指示されるまま、
朱莉に眼鏡を渡した老婆が叫ぶ。

「------」
朱莉が、老婆の方を見る。

「--ごめんよ…
 わたしは、自分の神社の呪いを解くために
 あんたを利用しようとした…」

老婆の言葉に、
朱莉は笑みを浮かべた。

「邪魔すんじゃねぇよ!ババア!
 この身体は、もうすぐ、奪われるんだよ!ははは!」

悪霊の方を見て、朱莉が「さぁ!この身体はあなたのもよ!」と叫ぶ。

「--だめ!目を覚まして!」
背後から別の声がした。

朱莉が振り返ると、
そこには、友人の郁恵の姿があった。

「---……次から次へと…!」
朱莉はうんざりした様子で叫ぶ。

老婆は、銅像の前にやってくると、
何かお祓いのようなことを始めた。

”ババア~”

銅像の中に宿っていた
眼鏡職人の長男の悪霊が叫ぶ。

”壊せ”

”壊せ”

”邪魔者は壊せ”

朱莉の眼鏡には
そう表示されているー

「---」
朱莉には、親友の郁恵が、
モンスターに見えていた。

「---私は正義よ!」
朱莉はそう叫ぶと、郁恵の方に向かって歩き出した。

「--朱莉!目を覚まして!朱莉!」
郁恵は何度も叫ぶ。
けれど、その言葉は朱莉には届かないー

容赦なく襲い掛かってくる朱莉。
朱莉の目は、もはや正気ではない。

「---逃げなさい!」
老婆が叫んだ。

関係のない少女を、これ以上巻き込むわけにはいかない。

この悪霊を消し去るのは自分の役目ー

「--わたしなら大丈夫ですからー」
郁恵が悲しそうに老婆の方を見た。

「---!!あんた…!」
老婆は気づくー

駆けつけた少女はーー
もう”死んでいるー”

校舎内で朱莉を呼び止めた際に、
モップで頭部を何度もたたかれてー
彼女はもう、”死んでいる”

「-----お前…!」
朱莉もそれに気づく。

朱莉は既に、眼鏡に完全に洗脳されていて、
眼鏡に表示される文字に従って
行動していたー

既に、朱莉は悪霊の完全な操り人形に
なっていて、自分では何も考えられない状態になっている。

「--くくく…もう遅い!この女は完全に俺のものになるんだ!」

眼鏡に表示された文字をそのまま読み上げる朱莉。
手を広げて嬉しそうに笑う。

銅像の方を振り向く朱莉。

あとは、この身体に自分自身が憑依するだけー。
遠隔操作の状態から、直接自分がこの女を支配するだけ。

「そんなことさせない!朱莉は、朱莉は助けて見せる!」
郁恵が叫ぶ。

郁恵は死してなお、朱莉を救いたいという気持ちで、
霊体になってここまでやってきたー

死んだ今、郁恵は全てを知った。

朱莉は悪霊に操られているのだと。

「無駄だぜ!この女はもう、俺の言いなりだ!」
朱莉が可愛い声で叫ぶ。

胸を触りながら、朱莉が笑みを浮かべる

”揉め”

”揉め”

”揉め”

眼鏡に何度もそう表示される。

「あっ♡ あっ♡ ふふふふ♡ あはははははははっ♡」
朱莉は嬉しそうに喘ぎ始める。

「---許さない!」
郁恵がそう叫ぶとー
郁恵は光になって、朱莉の方に突っ込んだ。

「なにーっ!?」
朱莉が、驚いた直後、
郁恵だった光が朱莉を包み込む

「朱莉ー、悪霊になんか、
 操られるなんて、
 どこまでも…ドジなんだからー」

親友の郁恵は小さいころからの朱莉との
思い出を思い出す。

いつも、ドジばっかりで、
放っておけなくて、
けれども一緒にいると安心できてー

「--朱莉ー」

郁恵の強い思いが、
朱莉を洗脳していた邪悪な悪霊をーー
取り払ったー

「--な、、、、な、、、うぎあああああああああ!」
悲鳴をあげる朱莉。
苦しむ朱莉から、眼鏡が落ちるー。

「-----あ…あああ…!」
銅像の中に潜む、眼鏡職人の長男の怨念が
恨みの声をあげる。

パリィン!

眼鏡が砕け散るー


そしてー
郁恵だった光はー
銅像めがけて高速で移動しー
悪霊の潜む銅像を粉々に打ち砕いたー


「---!!」
一瞬の出来事だったー

朱莉は気を失い、神社の近くに倒れている。

郁恵は、人間の姿に戻り、
老婆の前に近づいた。

「---あとは、よろしくお願いします」
郁恵は微笑む。

「--あんた…」
老婆が言うと、郁恵は少しだけ微笑んだ。

「---私、操られた親友に殺されちゃうなんて…
 ドジなのは、私の方だったのかもしれませんね」

そう言うと、郁恵は光になってー
そのまま消えた。

最後に一つだけ、やらなくてはいけないー

このままじゃ、朱莉が殺人鬼に
されてしまうからー

そう思いながら郁恵は最後の力を
振り絞って、光の雨となって、
空から降り注いだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日ー

朱莉はいつものように学校に登校していた。

「はぁ~…眼鏡のお金、お母さん出してくれなかった…」
朱莉は溜息をつく。

結局、自分の貯金で、新しい眼鏡を買うことになってしまった。

「---そういえばさ、あの机、前から誰も使ってないよな」

「確かに。なんで空席なんだろうな?」

クラスメイト達が言う

そういえば、このクラスの真ん中の机は
前から”誰も使っていない”

何故だろうー

朱莉は、何か大事なものを忘れているような
気がしてならなかった。


ーー郁恵は、最後に、
”自分が存在していたこと”をこの世から
消して消滅した。
親友の朱莉が、悲しまないためにー
親友の朱莉が、殺人犯にされてしまわないためにー

なぜ、そんなことができたのかは分からない。
親友を思う強い思いからかー、
それとも、悪霊に殺されたことによって何か特別な現象が起きたのかー

けれど、
この世界に郁恵が存在していた記憶はー
無くなっていたー。


図書室で本を読みながら、
朱莉はなんとなく、何かを失ったような感覚を振り払えずに居たー。

図書委員会の仕事で、ほんの整理をしていた朱莉は、
転んでしまう。

「いたたたたた…」
一人、やれやれと言う様子で、落とした本を拾う朱莉。

”まったく、ドジなんだからー”

ふと、そう聞こえた気がした

「え?」
朱莉が、声のした方を見る。

けれども、誰もいないー

「------あれ…」
朱莉は自分の目から涙がこぼれていることに気付く。

「あれれ…わたし、何泣いてるんだろう…
 おかしいな…」
朱莉は、一人自虐的な笑みを浮かべながら
図書室のカウンターに戻った。

少しだけ考えて、朱莉は、図書室の窓の外を
見つめながら呟いた。

「・・・・・・・ありがとう…」

何がありがとうなのか、
誰にありがとうなのか、
自分でも分からない。

”忘れてしまった何か”を
思いだすことは、もうできないー

けれど、朱莉は、その何かに向かって
お礼の言葉を述べずにはいられなかったー

”どういたしましてー”

朱莉の耳に、
ふと、そんな返事が聞こえた気がしたー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

眼鏡の悪霊は、無事に浄化(?)されました。

お読みくださりありがとうございましたー!


コメント

No title

BADEND必至かと思われましたが、郁恵の親友を想う気持ちが通じましたね
この上なくきれいな終わり方だったと思います。

Re: No title

> BADEND必至かと思われましたが、郁恵の親友を想う気持ちが通じましたね
> この上なくきれいな終わり方だったと思います。

第2話時点でどう見てもバットエンドだろうと思わせてからの、
なんとか助かるエンドにしてみました!
お読み下さりありがとうございます~!
非公開コメント

プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
TSF/憑依系メイン
の小説を公開していきます!

基本的に毎日更新しています!

無断転載はご遠慮下さい。。

ツイッターやってます!

カテゴリ

検索フォーム