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<憑依>独裁国家レギン①~独裁~

悪魔のような独裁国家があった。

その名は「レギン」。

40年ほど前に、突然独立を宣言した国だ。
その国は”憑依能力”を持っていたー。
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40年ほど前、ひとつの国が生まれた。

その名は、レギン。

とある若者が、まだどこの国の領土でもない島で、
突然独立を宣言したのだ。

「今日から俺は、国王だ!」

とー。

当時、18だった若者・
中谷 辻男(なかたに つじお)。

最初は、誰もが頭のおかしい学生だと、
相手にしなかった。

島を不法占拠している変な若者だと。

だがー
すぐにその考えは打ち崩された。

彼の宣言を世界は認めざるを得なかったー

何故ならー
最初に、彼の逮捕に向かった国の人間はー
”一人残らず死んだ”からだー。

世界は恐怖したー。

それなりの規模の大国がー
”彼一人”によって殺されたのだー。

彼はー
”憑依能力”を持っていた。
しかも、自分の魂を、細胞単位で分裂させることができるー。
その数は、億を超えるー。

つまりー
彼は億の魂を同時に、他の人に憑依させ
同時に操る力を持つのだー

その力で、自分に逆らう国家の
人間を全員、自殺させたのだー。

世界は、彼の唱える
”独立国家・レギン”を認めざるをえなくなった。

国家として認められた彼は、
日本に残っていた自分の友人たちを呼び寄せ、
好き放題し始めた。

貿易などでもやりたい放題。
他国は、不利な要求を突き付けられても、
従うしかなかったー。

レギンの傲慢な態度に我慢ならなくなったとある国が、
全武力を持って、島を制圧しようとしたー

が…
すぐに国民と政府関係者全員が憑依されて、
全員、殺されてしまったー

それ以降、レギンに逆らう国は居なくなったー。

”憑依”
これでは、戦争をするための力がいくらあっても、
勝てるわけがないー。


15年前ー。
中谷 辻尾が、水死体で発見された。

レギンの創設者だった男だー。

そして、レギンは、
美晴(みはる)という美少女が、国王に就任したー。

世界は理解していたー
中谷 辻尾がこの少女に憑依して、
自分の身体を破棄したのだとー。

そしてー
独裁国家レギンが生まれてから40年が経過したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人口12万人ー。

「---あははははははは!」
現国王の姫香が宮殿で笑っている。

「--いやぁ、お前はすげぇよ!」
側近の男ー
チャラそうな男が笑う。

「--だろ?憑依能力に目覚めたとき、
 俺は確信したよ。
 俺が世界を支配するってな!」

高校生ぐらいだろうか。
姫香と呼ばれる少女はセーラー服姿で、
偉そうに座ってふんぞり返っている。

彼女はー
レギン創設者・中谷 辻尾の”現在の身体”だー。

「--ははははは!まさか国まで作っちまうとはな!」
友人たちが笑う。

辻男は、国を作った後に、
自分の友人や親しいものを政府の中心に添えるために
この島に呼び出した。

今では、独裁国家レギンは、
辻男と、その友人12名が支配しているー。

「---これからも、楽しもうぜ!」
姫香がそう言うと、
未成年の身体で、姫香は酒を飲みほした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

市民たちの生活は悲惨だったー。

各国から強引に集められた優秀な技術者のおかげで
大都市のような街並みになってはいたものの、
その生活は悲惨そのもの。

国王である姫香には絶対服従ー。

しかも、姫香はことあるごとにこう言っていた。

”国民の身体は全て私のものである”

とー

逆らえば憑依され、
一方的に気に入られても憑依されー
戯れに憑依されー

そもそも…
レギンの国民たちは、他の国から
無理やり連れてこられた人間たちだー

国王である姫香(辻男)の友人である12人のうちの一人・
康史(やすし)という男が
国民選別官という役職についており、
他国を訪れては気に入った人間を見つけると、
辻男に連絡を入れて、辻男が魂の一部を憑依させ、
強引にレギンに連れ込んでしまうのだー

そしてー、
一度レギンに連れ込まれたらもう逃げることはできない。
12人のうちの一人、翔希(しょうき)が、国への出入りを
厳しく見張っており、逃げようとすれば、辻男に憑依されて
永久的に強制労働させられるか、その場で笑いながら自害
させられてしまう。

この国は、完全に、独裁国家だった。

他国も、手出しはできないー


「---お姉ちゃん!」
宮殿に忍びこんだ少女が叫んだ。

「---何奴!」
男が叫ぶと、
女王である姫香は微笑んだ。

「---あら?この身体の妹?」
姫香は微笑む。

姫香は、元々、この国に連れてきた姉妹の姉だ。
辻男が一目ぼれをし、その前に支配していた身体、OLの女を
処分して、乗り換えたのだ。

「---お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
少女が泣きじゃくっている。

「--ふふふ、泣かないの…。」
姫香はにやっと笑うと、
”妹”に向かって近づいていく。

「--お姉ちゃんねぇ、身体、盗られちゃったの!
 えへへ…!
 でもね、見て!
 お姉ちゃん、すっごく今、幸せなの!」

姫香が笑いながら、叫ぶ。

「--ほ~ら!こんなに豪華な宮殿で
 贅沢三昧できてるのよ!
 憑依されて身体を奪われたことに感謝しなくちゃ!」

「--ふざけないで!
 お姉ちゃんの身体で勝手なこと言わないで!」
妹が叫ぶ。

中2ぐらいだろうか。

「--……
 この女も、お前も、俺の身体の一つなんだよ!
 そのことを忘れるな!」

姫香が本性を現して乱暴な口調で叫ぶ。

「--お願い…お姉ちゃんを…返して」
妹は泣きだしてしまった。

姫香は溜息をつくと、
にやりと微笑んだ。

今日もたっぷり、楽しめそうだー

と。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

独裁国家レギンが出来てから
既に40年ー。

最初、レギンで暮らす人々は、他国から
無理やり憑依能力で連れてこられた人と、
一部のモノ好きだけだった。

だがー
40年が経過した今では、それも変わっており、
今では独裁国家レギンで生まれて、レギンで育っている
人々も存在する。

”外の国”を知らない人たちだー。

滝峰 隆吾(たきみね りゅうご)
高校2年生の彼も、
独裁国家レギンで生まれて、レギンで育った少年の一人だ。

彼は、外の世界を知らない。

国王は、次々と身体を乗り換える能力を持っており、
この国では”神”として扱われていた。

神に選ばれて身体を神に使われることは
光栄なことだと、
国民たちはそう教え込まれて、洗脳されている。

むろん、隆吾もそう思っていた。

だが、ある日、隆吾は知ってしまった。
この国の、秘密をー。

この国の国王は神でもなんでもない。

中谷 辻尾というただの一人の男。
人に憑依して好き勝手操る能力で、
人々を支配しているだけだと。

「---俺はいつか外の国に行きたい」
隆吾は、いつしかそれが口癖になっていた。

高校1年になってから、隆吾は、外の国について、
一生懸命調べた。

レギンは他国との交流を持たない上に
鎖国しているため、外の情報が入って来ない。

だがー
隆吾は知ってしまった。

秘密裏にこの国の取材にやってきたフリージャーナリストと
出会ったのは中学2年のときのことだった。
放課後、帰り道でたまたまその男と出会った。

その男は、鎖国している独裁国家レギンに密入国し、
その様子を取材している人物だった。

隆吾は、そのとき、はじめて独裁国家レギンが
世界的に”異端”の存在であることを知った。
最初は信じられなかった。
けれどー
男の言う”外の世界”は希望に満ち溢れていた。

こんな、自由のないレギンという国は
おかしいのだと、そのとき、初めて隆吾は気づいたのだった。


だがー
家族は、それを許さなかった。

「ーーーそんなことないわ!レギンは偉大な国よ!」
母は言うー

「あぁ、そうだ!国王様こそ唯一無二の存在だ!」
父も言うー。

「---隆吾、疲れてるんじゃない?」
高校3年の姉も、いつも、相手にしてくれない。

高校2年になった今、
隆吾は、家族からも孤立していた。

この国では、”悪口”は絶対に許されないのだ。
少しでも、悪口を言えば、
憑依されて、自ら身体を引き裂くことになってしまうー

今までにも、
独裁国家レギンのやり方に
意を唱える人間はいた。

だがー、
1年前、女子大生が
”外の国との交流を持つべき”という意見を
大学の発表の場で堂々とした際には、
発表終了直後、その女子大生がいきなり笑いながら
手にしたハサミで自らの身体を切り刻んで、死んでしまった。

これが、
独裁国家レギンの”死刑”

あらゆる場所に設置された監視カメラが、
”反乱分子”が居ないかどうかを、
監視している。

そして、反乱分子と判断されれば
弁明の機会も何も与えられず、
あっという間に”処分”されてしまう。

国王の魂の一部に憑依されて、
自ら命を絶たされてしまうー。

「--大丈夫?」
姉の朋美(ともみ)が隆吾の部屋にやってきた。

両親は、隆吾を”反乱分子”として扱い、
食事すら出してくれなくなった。

そんな隆吾に、姉の朋美だけは、
いつも心配して、少ないながらも
ご飯を運んできてくれるのだった。

「---姉さん…
 俺は、この国はおかしいと思う」

隆吾が言うと、
朋美は「またそんなこと言って…」と呟く。

「---明日の国民大集会で…俺…やるよ」
隆吾が呟く。

明日は
国民大集会ー。
独裁国家レギンで2か月に1回開かれる集会で、
国民全員の参加が強制される。

いかなる事情でも、欠席は許されず、
欠席すれば、憑依されて、操り人形にされてしまう。

「--やるって、何を?」
朋美が言うと、
隆吾は真剣な表情で言った。

「国王に、”お前は間違ってる”って言ってやるんだ」
隆吾が笑う。

「--や…やめなよ…!そんなことしたら、隆吾…」
朋美が心配そうにつぶやき、
そして続けた。

「--国王様は神様よ。
 神様に逆らうことがあってはならないの」

優しい姉だが、
姉も、レギンの考えに洗脳されてしまっている。

何を言っても、姉は、
独裁国家レギンを崇拝し続けるだろう。

「---明日、世界は変わる」

隆吾は、
中学2年のころ、密入国したジャーナリストと出会ってから
ずっと、密かに計画を練ってきた。
ジャーナリストを通じて、外の世界と連絡を取り、
ずっと計画を練ってきたのだ。

独裁国家レギンに対するクーデターを。

「姉さんの目も、俺が覚まさせてあげるからー」
隆吾は、姉の身を思って、そう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

国民大集会に参加する為、
家族は準備をしていた。

しかし、隆吾は別の準備をしていた。

”国王”を暗殺する準備をー。

独裁国家レギンの独裁は
国王・中谷 辻尾一人によるものだ。

周りにいる側近たちは、怖くなんてない。
憑依する力も何も持っていないのだから。

つまりー
中谷さえ排除すれば、
この国は解放されるー。

隆吾と密かに連絡を取り合っている
国の諜報部員も、今日の国民大集会を
攻撃することになっている。

「--姉さんも、父さんも母さんも俺が救う!」

独裁国家レギンの洗脳から、目を覚まさせてやるのだ。


だがー

「--さぁ、そろそろ出かけるわよ!」
母が言う。

「--遅刻したら死罪だからな」
父が言う。


「---わ、分かったよ!」
隆吾も、父と母に促されて父の運転する車に乗る。

会場についたら、行動開始だー。

「-----反乱は、死罪よ」
隆吾の隣に居た、姉の朋美が呟いた。

「え?」
隆吾が驚いて朋美の方を見ると、
朋美が表情を歪めていた。

ーーーー!!

隆吾はそれが何を意味しているかすぐに分かった。

姉の朋美がー
国王の中谷に憑依されたのだー

「--く…!」
クーデターの計画がばれてしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

隆吾は、全国民が見つめる大広間で、
裸にされて、椅子に縛り付けられていたー

”見せしめ”

「---反逆罪がどういうものか、
 教えてあげる」

憑依されてしまった姉の朋美がそう言うと、
笑いながら、演説を始めるのだった…


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依薬による独裁国家のお話です!
果たしてどうなってしまうのでしょうか?


コメント

No title

今回は救いようのないくらいダークな舞台ですねぇ。
1話からいきなり詰んでる気がしますが、果たして今後クーデターは成功するのか…
どう続くのか楽しみです!

Re: No title

> 今回は救いようのないくらいダークな舞台ですねぇ。
> 1話からいきなり詰んでる気がしますが、果たして今後クーデターは成功するのか…
> どう続くのか楽しみです!

ありがとうございます!
1話から詰んでしまいました(笑)
どうなるかは、明日以降のお楽しみデス!
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プロフィール

無名

Author:無名
憑依小説好きです!
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