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<入れ替わり>汚染される心②~こころ~(完)

おっさんになってしまった舞ー

可憐な少女になった健一。

入れ替わった二人には
次第に”とある異変”が起こって行くー。
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登校した舞(健一)は、だらしない格好で
座席に座っていた。

片膝を立てて、
スカートの中が見えてしまっているような状態。

制服の第1ボタンを空けて、
「ふあぁぁ」と大口を開けてあくびをしている。

「--ちょっと、舞ちゃん?」
友人の理沙子が呆れた様子で言う。

「あぁ、理沙子ちゃん!」
舞(健一)が笑いながら手を振る。

”なんでこの子の名前を知っているのだろう?”
そう思いながらも、近づいてくる理沙子を見つめた。

「--そんな格好しちゃダメじゃない!
 先生に怒られるよ?」

だらしない制服の着こなしや
座り方を注意する理沙子。

「--あんだよ うっせーなぁ」
舞(健一)は頭を掻きながら呟く。

いつもはストレートへアーの舞は、
今日は髪を結んで、邪魔にならないようにしていた。

「今日、いつもと違う感じだね?」
理沙子が舞の髪型も含めた
色々な部分に対してそう言った。

舞(健一)は「髪の毛邪魔だからさ~」と笑いながら
返事をする。

近くに居た下心丸出しの男子生徒が
「邪魔ならその髪の毛俺にくれよ~!」と笑いながら呟く。
それを聞いた舞(健一)は、その男子生徒に
「わたしの髪ならいくらでもさわっていいぞ~!」と笑いながら
髪の毛を男子生徒に触らせる。

友人の理沙子が「やめなよ!」と叫んでいたが、
そんなことはお構いなしにー

目の前に髪の毛がちらちらしてとにかく鬱陶しい。
今日の放課後に床屋にでも行くか、と思いながら
舞(健一)は大あくびをして、トイレに向かう。

「----」
舞(健一)はふと思う。

そう言えばー
昨日は何度もトイレに失敗したが、
今日は自然と”女として”用をたせている。

「---俺も、女子っぽさが身についてきたのかな?
 くへへ…」

汚らしく笑う舞(健一)。

しかしー
健一が思っているような簡単な問題ではなかった。

次第にー
”異変”が進んでいることに
健一は気づけていなかった。

トイレから出た舞(健一)は、
”中学校ってこんな感じだったか~”などと思いながら
廊下を歩く。

学校の空気ー
とても、懐かしい。

いじめられて過ごした中学時代を思い出しながらも
”今は違うんだ”という優越感に浸りながら廊下をがに股で歩く。

そして、水道の前に辿り着くと、
蛇口を上に向けて水を口に含み、
うるさく音を立てながら何度も何度もうがいをし、
最後にたんを吐き捨てた。

「---まるで、おじさんみたい」

隣にいた女子生徒がクスクスと笑う。

舞(健一)は、その視線に気づき、
顔を赤らめた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---どうしよう…どうしよう…」

ボロアパートにいた健一(舞)は困惑していた。

自分の家がわからないー
自分の名前がわからないー

どんなに名前を思いだそうとしても、
浮かんでくるのは
原谷 健一という名前ー

つまり、このおっさんの名前だ。

「---どうすれば…どうすればいいの!」
頭を抱える健一(舞)。

自分の記憶が次第に薄れていくー
そんな、気がする。

汚らしい部屋に寒気を感じながらも、健一(舞)は
どうにかして自分の身体を取り戻そうと考える。

このままではー
自分はこのおっさんになってしまうー。

そんな、恐怖を覚えながらー

ガン!

ガン!

ガン!

ぼろアパートの扉が激しく叩かれた。

健一(舞)はビクッとしながら
アパートの鍵を閉めていなかったことに気付く。

そしてー
すぐに”それ”は入ってきた。

黒スーツの男が
「原谷~!」と叫びながら、汚い部屋の中に入ってくる。

「ひっ・・・!厳河原さん!」
健一(舞)はとっさに叫んだ。

ーーー!?

なんで、この人の名前をわたしは知っているの?

健一(舞)は思うー
厳河原が、何かを叫びながら、
健一の身体を殴ったり、けったりしている。

しかし、そんなことは頭に入って来なかった。

自分は何故、
この男の名前を知っているのかー

”おれはなぜ”
この男の名前を知っているのかー

そればかりを考えていた。

「くそが…!
 このままで済むと思うなよ」
厳河原が、健一の身体を散々、ボコボコにすると、
捨て台詞を残して立ち去って行ったー。

”そうだー”

健一(舞)は思う。

借金…
借金を返さないと…

どうすれば…
どうすれば…!

健一(舞)の不安はー
別のものに変わっていた。

自分の身体を取り戻す方法ではなくー
借金を返す方法しか考えられなくなっていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後ー

舞(健一)は、
床屋に向かって歩いていたー

その足取りはーー
がに股ではなく、少女らしい歩き方になっていた。

「邪魔くせえな…髪…」
床屋に前に立った少女は、躊躇なく
床屋の中に入る。

そしてー
「できるだけ短めに」
とだけ宣言すると舞(健一)は、
戸惑う店主をよそに、雑誌を読み始めた。

足を組んで、雑誌を読む舞(健一)

数十分ぐらい雑誌を読んだだろうか。
ようやく、自分の順番が回ってきた。

鏡に映る自分の姿を見つめる舞(健一)。

「--だ、大丈夫かい?
 本当に切っちゃっていいんだね?」

店主が心配そうに言う。

「----!!」
舞(健一)ははっとした。

「--あ、、、や、、やっぱり、、切らないで!」
とっさに叫んだ。

そして、謝りながら慌てて床屋から飛び出す舞(健一)

「--ど、、どうして”わたし”髪の毛を切ろうとなんてー」
舞(健一)は自分の髪を大切そうに触りながら
足早に家へと帰って行ったー。

自宅に戻った舞(健一)は困惑していた。

今日はこの女の身体で遊んでやろうと思っていた。
だがー。
何故だろうか。

そんなつもりになれない。

「----どうしたんだろ…わたし」
だらしなく足を広げて座りながら呟く。

髪の毛を触りながら舞(健一)は
何故自分が髪の毛を切ろうとしたのかと
考えた。

朝、自分はこの大事な髪の毛を”邪魔”だと
思っていなかっただろうかー。

不安に思いながら舞(健一)は鏡を見つめた。

「----…あっ」
だらしない格好で座っていたことに気付き、
顔を赤らめながら舞(健一)は、足を閉じた。

「---…ち、、違う」
彼女は立ち上がると、叫んだ。

「お…俺は…!原谷 健一だ!」
舞(健一)は焦った様子で言う。

自分が自分でないような、
そんな感覚を覚えたー

健一は焦りの感情に支配されていた。

確かに、女の子になれたのは嬉しい。

だがー
自分を見失いたくはない。

「…く…くそっ!
 俺は…俺は…
 俺は原谷 舞だ…!くそっ!」

舞(健一)は叫びながら
疑問を感じるー

今、自分のことをー?

「うあああああ!俺は男だ!」
舞(健一)はそう叫びながら
自分の胸を触った。

「ほら!俺はエッチなおっさんだ!
 ほら!ほら!ほら!」

舞(健一)は無我夢中で胸を触りまくる。
まだ発展途上の胸を狂ったように触りながら彼女は叫ぶ。

「うへへへへへへへへっ!
 ははははははははははは!」

自分が自分で無くなりそうな不安を抑えながら、
舞(健一)は、胸を触りながら叫ぶ

「私はーーー瀬上 舞 よ!」

とーーー。

ーーー!?

「---えっ…」
舞(健一)は慌てて胸から手を放した。

「わ、、わたし…今…?」
自分が胸を触っていたことに、恥ずかしさを覚えて
舞(健一)は自分の机に座った。

「--な、なにやってたんだろ…?わたし…?」
舞(健一)は顔を赤らめながらそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…一方ー

健一(舞)は、
自分のアソコを激しくこすりながら
笑っていた。

「わたしは…わたしは…ま…ま…舞」
目に涙を浮かべながらも笑っているー

健一の脳に浸食され、
何が何だか分からず、
健一のエッチな記憶と、舞の心がまじりあい、
まるで自分が女の子であるかのような錯覚をし、
健一(舞)は激しく興奮していた

「わ…わ・・わたしはけんいちぃ~~~!」
大声で叫びながら健一(舞)は射精してしまったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。
学校に登校した舞は、理沙子とあいさつを交わし、
廊下を歩いていた。

その歩き方はー
がに股などではなく、
普通の少女の歩き方だった。

「--昨日は、どうしたの?なんか変だったけど」
理沙子が言うと、舞(健一)は答えた。

「---え?あ、う~ん、
 疲れてたのかも」

笑いながら歩く舞(健一)。

教室につくと、いつものように
授業の支度をしながら、舞(健一)は窓の外を見つめたー

”なにか、忘れているようなー”

そんな風に思いながらも、舞(健一)は
不思議と穏やかだった。

昨日は、何かに焦っていた気がするけれどー。

”俺は健一だ”

ふと、そんな言葉が頭に浮かんだ。

「--わたしは、、舞よ…」
それにつられて、小さい声で舞(健一)は口ずさんだ。

「---」
脳内で思ったことが、自然と女子の言葉として
発されるようになってしまっていたー

健一であった頃の記憶がおぼろげになり、
自分は舞であると、
そう思いこみ始めていたー

とある学者は言った。

「--体を入れ替えても、
 最後には、”元の人間”に戻る、ということですー。
 Aの身体に入ったBの心は、
 Aの脳に浸食されて、完全にAになってしまうー
 そういうことですー」


とー。

A…つまり舞の身体に入った
B…健一の心は、
舞の脳に浸食されて、舞になってしまったのだー

「---うへへ~今日も」
下心丸出しの男子生徒が、舞の髪を触る。

「ちょ、ちょっと!やめてよ!」
昨日は嬉しそうに髪を触らせていた舞が、
嫌悪感を丸出しにして叫んだ。

「--な、なんだよ~昨日はイイって言ってたじゃないか!」
男子生徒がふて腐りながら立ち去って行く。

理沙子はそんな様子を見ながら
舞の方を心配そうに見つめていた。

舞はそんな理沙子に微笑みかけた。

「昨日は疲れてたみたいー
 ごめんね。理沙子!」

とー。

”舞”の不安は完全に取り除かれていたー

そうだー
わたしは瀬上 舞だー
何も、不安に思うことなんてないー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数年後ー

高校生になっていた舞が叫ぶ

「あ~~~!電車いっちゃったぁ~」

20分に1回しか電車の来ない駅で
ギリギリ電車に乗れず、
落ち込む舞。

可愛らしいツインテール姿の舞は、
そのまま駅の椅子に座る。

ツインテールは”健一”が好きだった髪型だー。

「あ~~あ…早く帰りたいのになぁ」

そんな舞の隣に、
ランニングシャツ姿の小汚い男が居た。

「---あ、ごめんなさい」
独り言を聞かれたと思って舞が、
謝ると、その男は笑った。

「いや、大丈夫だよ」

健一だった。

健一は舞の方を見ながら、ふと、涙を流した。

「え…?」
舞が目の前の男が突然涙を流したことに驚いていると
健一は言った。

「…あれ?何だこれ?
 俺、何で泣いてるんだ?」

健一は涙を拭きながら言う。

「--な、、なんか、君を見てたら、
 なんか、、、急に悲しくなってきたーー」

健一がボロボロと目から涙をこぼす。

「----」
舞も、健一の方を見ながら”何か”を思いだしそうになるー


健一は、あのあと、借金を返すこともできず、
夜逃げして、ホームレスになっていたー。

「--大丈夫ですか?」
舞が、健一にハンカチを差し出しながら言う。

「--あ、ありがとう」
健一はハンカチで涙をぬぐうと苦笑いした。

「女子高生の前で急に泣きだすなんて
 完全に変質者だな、俺」

と。

確かにそうだ。

だが、舞は、目の前の男とどこかで会ったことが
あるような気がして、親近感を覚えていた。

当たり前だー
”自分の元々の身体”なのだからー

「--あ」

そうこうしているうちに電車がやってきた。

「わたし、もう行きますね」
舞が微笑みながら挨拶をして
電車に乗り込んでいく。

その後ろ姿を見ながら、
健一は思いだせない何かに違和感を感じながら
ボタボタと涙を流し続けたー

けれども、もう、
健一はー
彼女は思いだせないー

自分こそが、今、話していた女子高生であったことをー

もう、2度と、思い出すことはできないー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを元にした入れ替わりモノでした~!

3話構成にしてもうちょっとゆっくり浸食を
書いていきたかったなぁ~とも、思いましたが、
2話だったのでこうなりました!

お読み下さりありがとうございました!

コメント

No title

この段々と自分が自分でなくなっていく不安、恐怖……精神浸食はこれが美味しいですね!
そして、完全に相手になりきったように見えて
元の自分が好きだったツインテに名残が見えるのがまたグッド!
良かったです!

No title

成長した元の自分の身体に気付けないラスト、汚染されていく感じもとても好きです。ごちそうさまでした。

Re: No title

> この段々と自分が自分でなくなっていく不安、恐怖……精神浸食はこれが美味しいですね!
> そして、完全に相手になりきったように見えて
> 元の自分が好きだったツインテに名残が見えるのがまたグッド!
> 良かったです!

ありがとうございます!
入れ替わりは今後もいろいろ書いていきます~

ツインテの名残は、最後の最後で追加したシーンです!笑

Re: No title

> 成長した元の自分の身体に気付けないラスト、汚染されていく感じもとても好きです。ごちそうさまでした。

ありがとうございます!
美味しくお召し上がり頂けて何よりデス!
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無名

Author:無名
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