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<二重人格>精神崩壊~ココロコワレル~②

彼女の中に眠っていたもう一つの人格ー。

世のすべてを憎悪しー、
優香の”負の部分”を背負う悪魔のような人格ー。

もう一つの人格を前に、彼氏の誠吾は…!
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悲鳴が響き渡る。

「やめてよ!やめてよ!」

「うるせぇ!」

泣きじゃくる母親を、父親が振り払う。

父親の拳が、血に濡れているー

そう、あれはー小学生の時のことー。
雷が鳴っていた、嵐の日のことー。

会社をリストラされて酒に酔った父が、
弟に暴力を振るい始めた。

きっかけは何だったのだろうー
今となっては分からない。

「痛い…たすけて…たすけて…!」
小学1年生の弟は、
血を流しながらー
”わたし”を見たー。

けれどー
わたしは震えていたー

怖かった。

父がー。

何もすることができなかった。
ただ、震えて、
その場にー

父に殴られて次第に弱って行く弟ー。

わたしはそのとき思ったー

強くなりたい
ツヨクナリタイ
強くー

そして、自分を呪ったー。

目の前で弟が弱って行くのにー
何もできない自分をー。

父はー
弟を殴り殺したー。

そのまま父は逮捕され、
弟は死んだー。

弟の葬儀の時ー
私は、わけが分からなくなって、
暴れたと母から聞いているー。

母が必死にわたしを抱きしめて、
わたしを止めてくれたとも聞いているー。

けどー
母も変わった。

夜の仕事で出会った男と再婚して、
毎日のようにエッチに明け暮れる日々ー。

次第に、わたしを邪魔者として扱うようになったー

”うざい”
この世は”うざい”

何も、かも。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

図書室に重い空気が流れる。

「ご…ごめん…僕、何かした…?」

”ウザい”と言われた誠吾は思わず不安になって
優香の方を見て言う。

すると優香は鼻で笑うようにして誠吾を
睨み返した。

「ーーあんたさぁ…さっき、私のこと
 見捨てようとしたよね?」

優香がいつもとは違う棘のある口調で言う。

「---え…そ、、それは…」
A組の後藤を前に、誠吾はビビッてしまった。
優香を助けようとしながらも、
何もしてあげることができなかった。

優香の脳裏に”昔の光景”が浮かぶー
父に暴力を振るわれて悲鳴をあげる弟ー

「---何が”僕が守る”だ!」
優香は持っていた本を投げつけてきた。

図書室に居た生徒たちがびっくりして優香と誠吾の方を見る。

「--守る守る言っていて、何もできない…
 そうヤツ、ホントにむかつくんだけど」

優香が誠吾の胸倉をつかみながら誠吾を睨む。

「ご…ごめん…ごめんってば…」
誠吾が言うと、
優香は「あ~あ!うぜぇ!」と大声で叫ぶと
そのまま図書室から出て行ってしまった。

「田内さ…!」
追いかけようとした誠吾は、
図書室を利用していた他の生徒たちの視線に気づいて
「あ、、あははははは」と笑いながら
図書委員の仕事を思い出して、優香を追いかけることはできなかった…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

5時間目ー

教室に戻ると、
優香が不機嫌そうな態度で、座席に座っているのが見えた。

「--あ、あの…」
誠吾が話しかけると、
優香は「近寄るな!」と叫んだ。

驚くクラスメイトたち。

三郎は「お~?喧嘩?」と
笑ながら誠吾を茶化している。

「--ご、、ごめん」
誠吾は優香に向かって謝罪の言葉を述べると
そのまま自分の座席へと戻って行った。

・・・・・・・・・・・・・・・

放課後。

優香は足早に教室から立ち去ってしまった。

「---田内さん…」
誠吾は不安になった。

昼休みにA組の後藤が”放課後に”と
優香と何か約束をしていた。

誠吾は友人の三郎から、
”前に優香が後藤とイチャイチャしていたのはどこか?”聞くと、
その空き教室に向かった。

空き教室に到着した誠吾は耳を疑う。

「あぁ♡ ふふふ♡ もっと♡ もっとぉ♡」

女の甘い声が聞こえてきた。

誠吾は”誰の声だろう?”とふと思うー。
イヤらしい感じの声ー
何がおきているのか、エッチに疎い誠吾にも
なんとなく予想ができた。

「学校で…大胆だなぁ」
誠吾は信じられないというような表情を浮かべながら
教室を覗いた…。

すると、そこにはーーー

A組の後藤とーー
後藤の上で、服を乱しながら喘いでいる優香の姿があった。

「--た、、田内さん…!」
誠吾は目を震わせた。

嘘だ。

嘘だ…

そう思いながら…。


誠吾が信じられないという思いでその光景を見つめていると、
後藤と優香は抱き合ってキスをし始めた。

「んん♡ はぁ♡ あぁ♡」
優香が甘い声を出しながら顔を赤らめている。

「--んあぁぁ♡ ウザいの♡
 何もかも…♡
 わかってくれる?」
優香が言うと、後藤が「あぁ、もちろんだぜ」と微笑み返した。

誠吾は、震えながら
教室に飛び込んだ。

「た…田内さん!何してるんだよ!」
誠吾は泣きそうになりながら叫ぶ。

「---なんだぁ?」
後藤が不機嫌そうに誠吾の方を見る。

一方の優香は笑いながら言った。

「なにって?エッチしてるのよ」

とー。

「た、、田内さん…じ、、自分が何をしてるのか…
 わかってるの?」

誠吾が泣きそうになりながら言うと、
優香は服を整えながら微笑んだ。

「わかってるわよ。
 知ってる?わたしの親…
 毎日昼からず~っとエッチばかりしてるの。

 今のわたしみたいにね。
 うざいと思わない?」

優香が誠吾の方に近づいてきて笑う。

「---……だ、、、だからって…」
誠吾はやっとの思いで言葉を絞り出した。

目の前にいる優香はー
まるで別人のようだったー

誠吾はファミレスの時のことを思い出すー
優香は、子供に怒鳴った記憶がないそぶりだったー。

もしかして、今もー?

誠吾はそう思いながらも
そんなこと、あるはずが、と思う。

「---そうだ」
優香が意地悪そうな笑みを浮かべて呟く。

「--あんたの彼女とかマジありえないから。
 別れましょ?」

優香が微笑む。

誠吾はその言葉に凍りついた。

「え…そ、、そんな…嫌だよ…僕…!」
もう半分泣いていたー。

「--ふぅん」
優香は、今までに見たことのないような嫌悪感を浮かべると、
突然教室内の椅子を手に取り、叫んだ。

「じゃあ、私のこと嫌いにさせてあげる!」

そう叫ぶと、ウゼェんだよ!と叫びながら
椅子を窓ガラスに叩きつけた。

音を立てて割れるガラス。
椅子が、教室から飛び出して外に落下する。

「わ~お!」
後藤が、キャラメルポップコーンを噛み砕きながら拍手をして笑っている。

「---ねぇ、わたしのこと好きなんでしょ?」
優香が意地悪そうな笑みを浮かべながら、
誠吾の方に近づいてくる。

「----た…田内さん…」
誠吾は困惑の表情を浮かべながら呟く。

「--わたしのこと好きならわたしの罪を被って
 あんたが窓ガラスを割ったって、先生に言えるよね?」

優香は笑みを浮かべる。

「--あんたがわたしをかばわなければ、わたしは停学になるわ。
 くくくっ…どうする?ねぇ、どうする?
 聞かせてよ!ほら!ほら!」

誠吾を睨みながら優香は笑う。

誠吾は目に涙をためながら優香の方を見つめた。


そしてー

「---何をしてる!」
生活指導の先生が窓ガラスが割れたことを知り、駆け付けた。

先生が後藤と優香と誠吾の方を見る。

「---俺じゃねぇぜ、先生」
後藤はキャラメルポップコーンを食べながら
堂々と宣言した。

優香が微笑む。

「---」
誠吾は思うー

もし、自分が名乗りでなければ、
優香が停学になってしまうー。

急にこんなおかしなことをするには何か理由があるはず。

それにー
自分は”何が合っても守る”と約束したー

「先生…僕がやりました」
誠吾が言うと、
後藤と優香はにやりと笑みを浮かべたー

先生は”お前が?”と驚いていたものの、
優香も”誠吾がやった”と証言したため、
誠吾はそのまま停学になった。

優香と誠吾が仲良しなのは、先生たちも知っていたし、
優香が優等生だー
その優香の言うことであれば、と
あっけなく誠吾は停学になった。

「----」
昇降口を一人寂しく通過する誠吾。

「--ーーふふふ…ばっかみたい」
優香がそんな誠吾に声をかけた。

「--田内さん…どうして」
誠吾は振り返りながら悲しそうに呟いた。

「--どうしてって?とにかく全てがウザいからに
 決まってるじゃない…
 あんたも、他のみんなも!」

優香の言葉に誠吾は何て返したらいいか
分からず、困惑するー

「--かっこつけてわたしのことかばったんでしょ?
 そういうのホントむかつく!

 あんたみたいなやつは…!」

ーー!?

誠吾が優香の手を握った。
優香は驚いて誠吾の方を見る。

「約束したからー」

「---大丈夫。何かあったら、、
 その、、、」
「その、、僕が、、ま、守るから…」


誠吾は約束した。
何があっても優香を守るとー。

「--田内さんと約束したから…
 だから僕は、どんなことをされても…」

優香が瞳を震わせながらその誠吾の方を見つめている。

そしてー

「ふ…ふざけんな…!
 調子に乗るな!」

優香が怒鳴り声をあげて誠吾の手を振り払う。

「---うざい!消えろ!さっさと消えろ!」

ヒステリックに喚き散らす優香。

誠吾は「--何があったか知らないけど、
僕が守るから…」と呟いて、
そのまま学校を後にしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

停学期間中。

誠吾は優香の豹変について考えていた。

停学2日目。
優香からLINEが届いた。

何事かと思えば
優香からの謝罪の言葉だった。

そしてー
自分の記憶がおぼろげであることを不安に思うような
言葉も書かれていたー

暴力的になる優香ー

その間の記憶がない優香ー

誠吾は必死に考えていた。

どんなことが、考えられるのか。

誠吾は
優香が豹変した時のことを考えてみたー。

最初はファミレス。
子供たちが喧嘩をしていたときー

次に学校。
後藤が三郎を殴り飛ばしたときー。

「---暴力…」
誠吾は呟く。

ネットで”彼女 豹変”などと検索しながら
必死に頭をフル回転させたー。

「--……う~ん」
誠吾は思う。
最近になるまで優香が豹変することはなkった。

彼氏をからかっている可能性もある。

だがー
そのために後藤とエッチしたり、窓ガラスを割ったりするような子ではない。

そんなことを考えていた誠吾は、
ふととある記述に目を止めた。

解離性同一性障害ー
二重人格ー。

誠吾はそのサイトを眺める。

「---何らかのトラウマ…」
誠吾が、2回の豹変を思い出す。

2回とも、優香が何らかの”暴力”を見たときに
豹変しているー。

「田内さん…そういえば、父親が暴力事件を
 昔に起こしたって前に言っていたような…」

そう思いながら、誠吾がネットでさらに調べ進めるー。

誠吾は、
優香が暴力にトラウマを持っていて、
それがきっかけで人格の分裂を起こしているのではないかと
考えたー

けれど、そんな人に今まで会ったこともないー。
どちらかと言うと、フィクションの中での話だと
誠吾は考えていたー。

優香は確かに、過剰なまでに暴力を嫌っていた。
もしかしたら暴力にトラウマを持っているのかもしれないー

でも、最近まで豹変することなんてなかった。
もしもこの解離性同一性障害なら、
何かきっかけが…

誠吾ははっとした。

教室の”誰も居ない机”を思い出すー

そうだー
あの机はー

1か月前に退学になった岩淵(いわぶち)という生徒のものー。

今でこそ調子に乗っているA組の後藤でさえ、
岩淵の前では直立不動になるほど、
岩淵は恐れられていたー。

彼は、超がつくほどの悪で、
1か月前に先生に重傷を負わせるほどの暴力をふるい、
警察に連行され、そのまま退学になった。

そのときの優香はー
真っ青になって震えていたー

もしかしたらあれが引き金で過去のトラウマが再燃してー

「---」
誠吾は、優香を助けるために、
さらに情報を調べることにしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

停学が明けたー

「ーー田内さん」

教室に入ると、
優香のところに近づいていく。

「---誠吾…」
優香は目に涙を浮かべて振り向いた。

そしてー

誠吾は優しく微笑んだ。

「何があっても、僕は、田内さんー
 ううん、優香のことが大好きだからー」

誠吾は初めて優香のことを下の名前で呼んだー。
顔を真っ赤にしながら誠吾が恥ずかしいという
思いに耐えていると、
優香は嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとうー」

と。

誠吾はまだ知らないー
このあとの自分の一言が、
優香の心を壊してしまうことをー


③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

お読み下さりありがとうございます!
明日もお楽しみに~

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Re: リクエストです。

リクエスト受け取りました~!
書くまでに時間がかかりますが、気長にお待ちください~!

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無名

Author:無名
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