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<憑依>堕ちた姫①~平和~

とある王国ー
国中を騒がせていた大悪党が捕まったー

サファイア王国の姫は、
その大悪党の処刑に立ち会うも…?

※リクエスト作品デス!
------------------------

サファイア王国ー
国の中心に飾られた巨大なサファイア、
ビッグ・サファイアを平和のシンボルとし、
長く繁栄してきた王国。

サファイア王国の姫・カナン姫は、
心優しく、国民一人一人に慈悲の心を
持って接する人物だった。

母が若くして病死し、父が病床に伏しているため
現在は、このカナン姫が、サファイア王国の
トップに立っているー

しかし、若く美しいだけではなく、
優しく、時に凛とした強さを持ち、
国民からの支持も絶対的なものだった。

カナン姫のもと、
サファイア王国は平和を謳歌しているー

が、そんなサファイア王国では
ここ1年で、連続強姦、盗み、数々の悪事を働くものが居たー。

辺境の地域の盗賊団を率いる男・ペレアス。

ペレアスは、数々の悪事を働きながらも、
数多くの悪巧みを企てて、
サファイア王国の王宮騎士団の追撃も逃れていた。

それでもー
ペレアスは次第に追いつめられてー
ついに、王宮騎士団団長・シオンによって
捕えられたのだった。

「--姫様」
王宮騎士団団長のシオンが、廊下を歩く
カナン姫に声をかける。

「---姫様がペレアスの処刑に立ち会うというのは
 本当でございますか?」

シオンが姫と共に歩きながら言うと、
カナン姫は立ち止まってシオンの方を見た。

「--皆にだけ、苦しい思いをさせることはできませんから」

カナン姫が言う。

この国で処刑が行われるのは10年ぶり。
それほどまでに、ペレアスは大悪党だった。

「--いえ…カナン姫にご心労を与えるわけにはまいりません」
シオンがその場に膝をついて、
頭を下げると、カナン姫はシオンの肩に手を触れた。

「--シオン…この国で起きていることから、
 姫として、逃げることは、私にはできない…

 王宮騎士団のみんなにまかせっきりで、わたしは
 何もできなかった…
 だから、せめて最後だけでも立ち会わせて?」

カナン姫の言葉に、
シオンが顔をあげる。

「---姫」

「--昔はよく、わたしのお願い、聞いてくれたでしょ?」

カナン姫が笑う。

カナン姫とシオンは幼馴染だった。
しかし、今は、カナンは一国の姫。
一介の騎士の息子で、現在は王宮騎士団長ではあるものの、
その立場には、大きな差があった。

だから、普段は”幼馴染”としてではなく”臣下”として
振る舞っている。

「---姫…いけません…
 姫は、、一国を支える者…私などに」

シオンがそう言うと、
カナン姫は「堅いんだから…」と笑いながら顔をあげる。

「…でも、シオンがどう言おうと、私は決めたの。
 私には、この国を騒がせた大悪党の最後を見届ける義務がある…」

カナン姫は決意の眼差しでそう言うと、
シオンの方に向かって微笑んだ。

「--シオンの気持ちは嬉しいわ…!
 私を心配してくれてるんだものね…?
 ありがとう」

カナン姫の言葉に、シオンは顔を赤らめながら
頭を下げた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「これより、盗賊団団長・ペレアスの処刑を行う」

王宮前の処刑場で、
王宮の重臣であるレオニードが大々的に宣言した。

民衆が集まっている。

カナン姫と王宮騎士団長のシオンも、
その場にやってきていた。

カナン姫は当初、大悪党であるペレアスの処断にも
反対していた。

しかし、国の長老たちや重臣、国民たちの世論に
押し切られる形で、こうしてペレアスの処断を
行うことになったのだー。

「---くそっ…!」
ペレアスが中央広間に手足を縛られた状態で
放りだされる。

「---…この悪党が」
王宮騎士副団長のロクシアンが、剣を構えながら
ペレアスを見下す。

副団長ロクシアンー
サファイア王国内の強硬派で、
ペレアスの処断を進言していた人物のひとり。
盗賊団の残党が潜むと言われる地への侵攻も進言したが、
それは、姫によって、却下されている。

「---よくもこの国を騒がせてくれたなぁ?」
ロクシアンが盗賊頭・ペレアスの胸倉をつかむ。

「---く…俺は…俺は死なんぞ!」
ペレアスは処断間近でも、ロクシアンを睨みつけた。

そして、ロクシアンの顔に唾を吐きかける。

「貴様…!」
ロクシアンが激高して、ペレアスの顔面を思い切りなぐりつけた。

「--おやめなさい!」
カナン姫が声を上げる。

「--はっ」
ロクシアンが姫の言葉に反応して、ペレアスから離れる。


「---罪人・ペレアス。
 貴殿は…」

重鎮のレオニードが、罪状を読み上げ始める。

カナン姫とシオンがその様子を見つめる。

罪人・ペレアスはその罪状を聞きながら
心の中で叫んでいた。

”俺は、俺はしにたくねぇ”


とー。

ペレアスは顔をあげるー

少し遠くに、
心優しき姫が居るー

「くそが…!
 生ぬるい平和に浸かりやがって…!

 お前に、俺たちの苦労は分からないだろうよ…!」

ペレアスは内心で叫ぶ。

サファイア王国は平和だ。
しかしー
”影”の部分もあるー

辺境の村では、その日暮らしが苦しいような
状況になっているー

そういう”裏”があるのだー

カナン姫や、王国の主だった人間は、そのことを知らない。

重心のレオニードを中心とする人間たちが、
姫にも内密に、辺境の村を苦しめ、
私腹を肥やしているのだー

レオニードが罪状を読み終えると、
ペレアスをゴミのような目で見つめて微笑んだ。

ペレアスの心には怒りが巻き上がってくるー

そしてー
処刑の瞬間が訪れたー

王宮騎士副団長のロクシアンが剣を構える。

「あばよ、大悪党」
小声でロクシアンは呟いた。

姫はつらそうな表情で、処刑の光景を見ている。

「--姫…お辛ければ…」
シオンが言いかけると
カナンは首を振った。

「この国で起きていることから…
 目をそらすわけにはいきません」

カナンは、罪人であっても処断されることに
心を痛めていたー

民衆たちが、かたずをのんで状況を見守る中ー
ロクシアンは剣を振り下ろした。

”死にたくねぇ”

ペレアスはその瞬間、
そう思ったー

ーーーーーーー!

今まで感じたことのない激しい痛みー

死にたくない!
この世への強い未練からペレアスは
心の叫びをあげた。

そしてー
サファイア王国に対する強い恨みを
叫んだー

ーーー感覚が薄れていく。
激しい痛みは一瞬にして消えて、
自分が自分でないような感覚を味わうー

これで、終わりかー

「うっ…!」
低いうめき声があがった。

「---姫様?」

ーー?

そう言われて、ペレアスは首をかしげる。

ゆっくりと目を開くと、
そこには、今、自分が処刑されたはずの
王宮前中央広場の光景が広がっていた。

「---姫様?どうかなさいましたか?」

そう呼ばれて、ペレアスは
そちらの方を見た。

確かこいつは王宮騎士団長シオンとかいう男だ。

「---あ…?」
思わずそう言って、
口から出た声にペレアスは驚く。

ふと、目の前を見ると、
”処刑された自分”と、
「大悪党・ペレアスは死んだ!」と叫ぶ
騎士団副長のロクシアンの姿があった。

「---これは…」
ペレアスは、自分がドレスに身を包んでいることに気付く。

「---…え…え…」

ペレアスはーー
この世への強い未練からー
死の間際にカナン姫に憑依してしまったー

「--姫様?」
シオンが不思議そうに姫の方を見ている。

”ま…まさかこの俺が、カナン姫に?”

ペレアスはそう思いながらも、気持ちの整理が
つけられず、困惑した。

いやー待て。
ここにいるやつらは全員、俺が死んだと思っている。

ならー

「---ち、、ちょっと疲れました」

カナン姫のことは何度か見たことがある。
確か、誰に対しても物腰軟らかい感じだったはずだ。

「---はっ…」
シオンは”罪人と言えど、処断の光景を見て、心を痛めているに違いない”と
判断し、他の騎士を呼びつけ、
カナン姫を自室に連れて行くように指示をした。

「--おおおおおおおおお!」
民衆たちが湧きあがっている。

重臣のレオニードと
騎士団副長のロクシアンが、
大罪人・ペレアスの死で民衆を焚き付けている

「---」
シオンは、過激派であるロクシアンたちを
抑え込めるかどうか、不安に思いながら、
その光景を見つめたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--はい、ご苦労様…」

部屋まで連れ込まれたカナン姫は、
騎士に下がるように命じると、
部屋には一人残された。

「---」
鏡を見つめるカナン姫。

美しい姫の姿がそこにはあった。

「くくく…ふふふふふふふ…
 あはははははははははははは!」

綺麗な声で笑い出すカナン姫。

「--はははははは!神は俺を見放さなかった!
 まさか俺が姫になれてしまうなんて…!
 いひひひひひひひっ!あはははははははははは!」

狂ったように両手を広げて笑うカナン姫。

「--おらぁ姫さんよ…!
 どうしたよ?いつもの平和を望む笑顔はどうしたぁ?」

鏡に向かって話しかけるカナン姫の笑みは、
黒く染まっていた。

「--くくくくく…
 これからは俺が姫だ…」

震えながらカナン姫は呟く。

「俺がこの手で…
 いいや、私がこの手で王国を壊してあげるっ!
 うふふふふ、あははははははははは!」

目から涙が零れ落ちる。

「なんだぁ?泣いてやがんのか!?
 無駄だぜ!
 もうこの身体は俺のものだぁ!」

そう叫びながらカナン姫は乱暴に
自分の胸をわしづかみにして大声で喘ぎ始めた

「んふふふふふふふっ♡ あはははははははははぁ♡」

ビクンと身体が震える。

ーー!?

「--あ…ああああああああああ!」
身体が突然激しく痙攣して、
あまりの衝撃に、カナン姫はそのまま床を
転がりまわったー


小さい頃のことー

姫として民衆の前に初めてたったときのことー

騎士シオンとの幼い日々のことー

重臣たちとのやり取りー

最近の日々ー


あらゆる記憶が流れ込んできたー

そしてー
痙攣を終えたカナン姫は笑みを浮かべた。

「くふ…姫さんの記憶も、、ゼンブ手に入れたぜ…!」

カナン姫は不気味な笑みを浮かべて、
その場に立ち上がったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

姫として通路を歩いていると
騎士のシオンが声をかけてきた。

「--姫様!もう大丈夫でございますか?」
シオンが声をかけると、
カナン姫は「えぇ。もう大丈夫です」と答えた。

「---…」
シオンはそんな姫の様子を見て、
少し間をおいてから呟いた。

「なんだか、今日の姫様は嬉しそうですね。
 何か良い事でもありましたか?」

シオンがそう尋ねると、
カナン姫は微笑んだ。

「えぇ…とっても…
 ふふふ」

ーーー!?

シオンは妙な悪寒を感じた。

カナン姫の笑みに”不気味な何か”を
本能的に感じ取ったのだー

「--ふふふふふふふふ…」

シオンと別れたカナン姫は
悪魔のような笑みを浮かべていた-

王国にー
暗黒時代が訪れようとしていたー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエスト題材による作品です!
憑依された姫のご乱心は、明日のお楽しみ!!

コメント

No title

これは素晴らしくダークな話ですねぇ…!
姫の立場を使って何をしていくのか、次回以降が楽しみなのですよ

Re: No title

> これは素晴らしくダークな話ですねぇ…!
> 姫の立場を使って何をしていくのか、次回以降が楽しみなのですよ

ありがとうございます~!
2話構成なので、内容キッツキツだったりします汗
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無名

Author:無名
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