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<女体化>実は僕だから①~女の子に!?~

ごく普通の男子高校生ー

彼は、ある日、交通事故で命を落としてしまう。

しかし、そんな彼はチャンスを手に入れた。
生き返るチャンスを。
がー、何故か男ではなく女として、生き返ることになってしまった…
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「---僕、明日告白するんだ!」

男子高校生の木羽 康也(きば こうや)は、
息巻いていたー

小学時代からの付き合いの
幼馴染・富川 奈那子(とみかわ ななこ)に告白するー

そう決めたのだー。

「--はは、どうせふられるぜ?」

親友の健司(けんじ)が笑いながら言う。

健司も、小学時代からの付き合いだ。

「やってみなきゃわからないだろ~?」
康也が不貞腐れた様子で言うと、
健司は首を振った。

「富川さん、好きな人がいるって噂だぜ?」
健司が言う。

その噂は、康也も知っていた。

だが、あくまで噂であり、
奈那子本人からも、誰かと付き合っているという
話は聞いたことがない。

もちろん、単なる幼馴染の一人でしかない康也に
言うまでもない、ということかもしれないけれど。

「--新渡戸のやつ、モテモテだからなぁ~」

クラスのイケメン・新渡戸 金蔵(にとべ かねぞう)。

彼はモテモテだった。

友達とファミレスに行ったときに、
会計の時に5000円札を出し、
全員の分を驕ったというエピソードもある。

新渡戸は、金持ちのイケメンで、
勉強も運動もできるから、
モテモテなのだ。

「---ぼ、僕は新渡戸なんかに負けないぞ!
 明日、見てろよ!」

康也がそう言うと
「はいはい、楽しみにしてるよ」と健二は笑った。


放課後ー

「あ、康也!」

背後から声をかけられて康也はドキッとしてしまう。

幼馴染の奈那子の声。

「---え、、あ、、、あ、富川さん…!」

奈那子の方を振り向くと、康也は笑った。

「も~!なんで最近、他人行儀なの~?」
奈那子は笑うー。

奈那子は高校に入ってから特に可愛らしくなった。
元々小さい頃からの付き合いだから、
前は「奈那子ちゃん」と呼んでいたのだが
高校に入ったころから変に意識をしてしまって
下の名前で呼べなくなってしまった。

「---康也、わたしのこと、
 奈那子ちゃんって呼んでたのに」

不貞腐れた様子で言う奈那子

「え、、い、、いや、、その…」
顔を真っ赤にしていると、

「お~!フライングか?」

と、笑いながら親友の健司がやってきた。

フライングー
”告白は明日”と言っていたのに
今日するのか?という意味で
康也は言ったのだった。

「--え、、、え、、え…」

さらにパニックになる康也。

「フライングってなに~?」
奈那子が笑いながら言う。

「--くくく…実はな~!康也のやつ…」

そう言いかけた健司の口を塞いで、
康也は「なんでもないよ!」と言うと、
健司を引きずってそのまま学校から外に出たー。



「--も~なんだよ!
 なんで変なこと言おうとするんだよ~!」

学校から出たところで、康也が言う。

「--いやいや、悪い悪い、
 ついからかいたくなっちゃってさ」

健司がニヤニヤしながら言う。

健司は昔からこういうやつだ。

「---ま、明日の玉砕楽しみにしてるぜ!」
健司が笑う。

「---そんなに僕に振られて欲しいのかよ…」
康也が不貞腐れた表情でそう呟くと、

「もう、いいよいいよ~!健司なんか知らない!」

拗ねて康也は走り出した。

「おい~!拗ねるなよ~!」

冗談を言う健司ー


しかしー
次の瞬間ー
信号無視のトラックがやってきてー

「---!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あっという間の出来事だったー

康也は、死んだ。

即死ー。

唖然とする健司。

本当に、一瞬だったー
何も、できなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「う…」

気付くと、康也は、一面が白い世界に居た。

「---こ、、ここは…?」
康也が呟くと、
背後から声がした。

「--死後の世界…」

康也が驚いて振り返ると、
そこには、メガネをかけた可愛らしい女の子がいた。

同い年ぐらいの女子高生だろうか。

「---き、きみは…?」
康也は自分が轢かれて死んだことにも気づかぬまま
そう尋ねた。


”きみ?”
少女は不愉快に思ったー

人間を怖がらせないために、
過去に死んだ人間の身体を再利用して、
こうして、女子高生の姿をしているがー、
本当は、悪魔のような醜悪な姿だし、
そもそも、お前より何百年も長生きだ、

と、少女は思いながら口を開く。

「--わたしか?わたしはユリ…
 死んだ人間を連れて行く役目を…」

ユリと名乗った少女がそう言うと、
康也は叫んだ

「死んだ!?誰が?」

康也は周囲の不気味な真っ白を見渡しながら叫ぶ。

「--気付いてないのか?」
ユリが表情を歪める。

一瞬、ユリの顔が、醜悪な悪魔のような姿と重なって見えた。

「---お前は、死んだんだ」
ユリが言う。

「は、、、う、、嘘だ!?
 冗談きついよ!
 僕は普通に下校していてー」

そこまで言いかけて、康也は
かすかな記憶を思い出すー

健司にからかわれてムキになって、
走ってー

そのあとー
車がー

「---う、、嘘だ…
 ね、、、ねぇ、嘘だろ?
 僕はまだ死んでない!そうだろ!?」

ユリに向かって叫ぶ康也。

「---…」
ユリは哀れなモノを見る目で康也の方を見る。

「---嘘だ!僕は!!僕は!!!死んでない!嘘だ!!嘘だ!!!」

康也は泣きながらユリに手を触れて、
叫び続ける。

「---」

ユリが手にしている
見たこともない端末に
”エラー”の文字が表示されている。

人間の寿命は、ユリをはじめとする、
人間たちの言う”天国”そして”地獄”の住人によって
決められているー

だが、
時として、”エラー”が起きる。

天使や死神たちが決めた寿命とは
異なる寿命で、死んでしまう人間が
時々現れるのだー

康也も、その一人だった。

”エラー”と表示された画面にはー
康也のデータが表示されているー。

そこにはー
”76”と表示されていたー。


「----……」

ユリは死神だー。
死神として、これまで何人もの人間を
天使に引き渡したり、
そのまま地獄に連れて行ったりしている。

本来ならば、
ユリは、康也を天使に引き渡さなくてはいけない。

しかしー

「-----…」

”エラー”で死んだ人間を見るのは
ユリは、初めてだった。
まだ、彼女…いや、彼かも知れない死神は、
死神になって日が浅かった。

なんとなく、同情したー。
死神として、そんな感情は持ってはいけないのだがー
同情してしまった。

そしてー

「----!!」
ユリは、康也を見ていて、あることに気付いてしまった。

ユリは、瞳を震わせるー

本来であれば76まで生きるはずだったこの少年。

「----生き返りたいか?」

泣きじゃくる康也に、自分の動揺を
悟られないように、ユリはそう尋ねた。

「…え…」
涙をボタボタこぼしながら康也はユリの方を見る。

「---で、、、できるの、、、そんなこと…?」
康也がそう言うと、
ユリは首を振った。

「ふつうは、できない…
 だがーー」

そこまで言うと、ユリは言葉を飲み込んで、
別の言葉を吐き出した。

「お前は、特別だ。
 わたしがその気になれば、生き返ることもできる」

ユリがそう言うと、
康也は「ほ、ほんとう?」と泣きながら叫んだ。

「あぁ…ただし、条件がいくつかあるー」

ユリはそう呟くと、
にっこりとほほ笑んだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---!!」

康也は、生き返った。

何とも言えない、不気味な感覚だったー。

しかしー
康也は無事に、生き返ったのだったー


「----でも… 
 こ…これって…」

康也は自分の身体を見つめるー

そこにはー
さっきまで話していた女子高生風の死神・ユリの姿があった。

「---女の子じゃん!!」

康也は叫んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・

康也は、生き返る直前のことを思いだす。

「--条件?」
ユリから、生き返るのに、条件があると言われた
康也は不思議そうな表情で、その条件とやらを
聞き返した。

「--あぁ…そうだ」
可愛らしい容姿なのに、
どこか機械的なユリが言う。

「--そのまま生き返らせてやりたいところだが、
 お前の身体は事故でボロボロだ。
 もう使えないし、人間の医療で修復はできない。
 仮にそのまま生き返ったとしたら
 ゾンビのような容姿になってしまうー。

 だからー
 この身体の情報を元に、
 お前の身体を再構築して生き返らせる」

ユリが自分の身体に触れながら言った。

「ん?」
康也は首をかしげる。

「--難しい説明は省くが
 お前には、わたしの姿ー
 つまり、女子高生の姿で生き返ってもらう」

「えぇぇぇっ…!?」
康也は思わず叫んでしまった。

「--ぼ、、僕に、女の子になれってこと!?」
康也が言うと、
ユリは、静かに呟いた。

「--本来、死んだ人間を生き返らせることは
 我々死神のタブーだ。
 だから身体を新しく用意することはできない。

 今、私にできることはこれだけだ」

その言葉に、康也は迷う。

女子高生として、僕が生き返る…?と。

「--…少し人間の世界を操作して
 お前は、お前が通っていた高校に
 転校生として転入することにしておく

 名前は由梨(ゆり)ー。
 子供がいない夫婦の娘として
 記憶を刷りこんでおくから、
 自然に生活に馴染むことができるようにしておくー」

ユリの機械的な説明に康也は驚く。

けれどー
康也は頷いた。

まだ、自分にはやらなくてはいけないことがある。
奈那子にも告白していないし―、
まだ、やりたいこともたくさんある。

「---…もう、一つ…
 ここでの出来事を誰かに告げたらー
 私が即座にお前を迎えに行く…
 いいな?
 絶対に口外は無用だ」

「---う、、うん」
康也は少し怖くなってそう返事をした。

「---生き返ったらお前は、由梨だー。
 もう、康也ではないー
 お前が康也だと絶対に知られてはならぬ」

ユリの言葉に、康也は頷いた。

「---では…心の準備はできたか?」
ユリが言うー。

「--うん…」

ユリは、何故だかとても悲しそうな表情を浮かべていたー
眼鏡の下の瞳は、とても寂しげだー。

人間を生き返らせることもー
人間界に干渉することも、死神の禁忌ー

だが、ユリはそれをしたー。

そこまでして、康也を生き返らせる理由はー

「-----お前は…」

ユリは、そこまで呟いて、口を閉ざしたー。

康也の意識は
光に吸い込まれてー

・・・・・・・・・・・・・・

今ー
女子高生・由梨として再び
この世に舞い戻っていた。

「---ぼ、、僕が女の子になっちゃうなんて…
 冗談きついなぁ…」

髪の毛をかくー

長いサラサラした髪が身体に触れる。

「うおああああああ!?」
康也は思わず叫んでしまう。

「--か、、髪…髪…サラサラした髪ぃ!?」

女の子と付き合ったこともない康也は
女の子の髪を触っただけで
震えてしまっていた。

「----…!」

康也は自分の胸のふくらみを見つけて
それに手を触れた。

「ぶっふぉぉぉ!?」

康也はそのまま鼻血を噴きだしてしまい、
ノックアウトされてしまうのだったー。


「ーーー…あ、、あ」

しばらくしてようやく落ち着いた康也は、
見知らぬ両親に、囲まれながら
朝食を終えるー


「---も~!わかんない!」

制服に着替えながら
ブツブツと呟いている康也。

鏡には、不貞腐れた表情の由梨が
映っているー

眼鏡がよく似合う、とてもかわいらしい少女だー


生き返る直前、死神は言っていた。
この子も、以前、普通に生きていた人間で、
死んだ子なのだというー。

その身体を、あの死神が再利用していたのだともー。


そうこうしているうちに、目を瞑りながら
着替え終えた康也は、
鏡を見つめた。

目を瞑っていた理由は、
なんとなく、自分の身体だとは言え
女の子の身体を見つめるのが悪い気がしたからだ。

鏡に映る可愛い少女ー。

康也は呟いた。

「僕は康也ーー
 …じゃなくて…もう…由梨なんだ」

自分に言い聞かせるように呟く。

「---わ、、わ、、わたしは、、由梨…」

そう呟くと、康也ー
由梨は、自分の通っていた学校に、
その姿で向かうのだったー

今日は転入初日、ということになっているらしい。

「---な、、なんだか、、、スカートってきもちわるい~…」

由梨はそう呟きながら学校へと向かったー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

死後、女の子になって
生き返った康也くんの運命は…?

明日以降もお楽しみ下さい~!

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プロフィール

無名

Author:無名
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