＜入れ替わり＞わたしはお前のお姉ちゃん③～諦めない！～（完）

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瑠香が落とした入れ替わり薬の容器に
飛びつこうとする真梨ー

これを使えば
姉とホームレスを再び入れ替えて…

「－－－無駄よ」

背後から瑠香が叫んだ。

「－－－！」
真梨は振り返る。

瑠香は勝ち誇った表情で
腕を組みながら言うー

「その薬、”飲み方”を間違えると、　
　死ぬわよ」

笑う瑠香ー

「－－－…」
真梨は入れ替わり薬が入った容器を
掴みながら、身体を震わせるー

ハッタリかー
それとも…？

真梨は、泣き崩れているホームレスの男…
中身は姉のホームレスの方を見る。

「－－－…」
真梨の手が震えるー

もしもハッタリじゃなかったらー
姉は死んでしまうかもしれないー

「－－おら！返せよ！」
瑠香が乱暴に真梨から入れ替わり薬を
取り上げる。

そして、笑った。

「ははは！ザンネンでした！
　飲み方なんてねぇよ！」

瑠香が乱暴に叫ぶと、
その薬を真梨に無理やり飲ませた。

「－ほら！お姉ちゃんを助けるために
　お前が俺の身体になるんだろ！？
　キスしてこいよ！」

笑う瑠香ー。

今、真梨は入れ替わりの力を得ているー
ここで、キスをすれば相手と入れ替われるー

ここでー
姉の瑠香とキスをすればー
瑠香の身体に自分が入り、
ホームレスは、真梨の身体に入ることになるー

けどー
それじゃ、解決はできないー

真梨は、
入れ替わり薬を上手く取り上げられれば
ラッキーだと思っていたが
やはりそう上手くいかなかった。

”回りくどくて、危険なあの方法”を
使うしかないー

真梨は黙って
ホームレスの方に近づいた。

「－－ま、、真梨…」
ホームレスの男が”ダメ”と首を振る。

そんな男を見て、真梨は微笑んだ。

「－－お姉ちゃん…わたしに任せて…」
と。

「－－少しの間、わたしの身体で我慢してね…」

そう耳打ちすると、
真梨は、ホームレスの男とキスをしたー

倒れる２人ー

そして…

しばらくして、二人は起き上がった。
瑠香は、妹の真梨の身体にー
そして、真梨は、ホームレスの身体になってしまった。

「うっ…」
ホームレスの身体になった真梨は思うー

物凄い空腹と渇き…

「－－－ま、、真梨…」
妹の身体になった瑠香が困惑している。

「－－－あはははははは！
　お姉ちゃんを助けるために、
　自分の身体を捨てるなんて
　涙ぐましいなぁ…！」

瑠香が笑うー

そしてー
瑠香は容赦なく、ホームレスの男を
外に追い出した。

力なく追い出されるホームレス。

家の扉は閉まりー
姉の身体をしたホームレスと、
妹の真梨の身体になった瑠香だけが
家に残った。

「－－－くくく…」
瑠香は、真梨に抱き着く。

「－－ひっ！？」
真梨は怯えた表情を浮かべるー

「－－元・自分の身体と
　妹の身体でエッチをする…
　ぐへへへへ…楽しもうぜ」

瑠香はそう言うと、
真梨を押し倒したー

瑠香（ホームレス）と
真梨（瑠香）の
強引なエッチが始まるのだった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「－－－計画通りー」

ホームレスの身体になった真梨は
ガッツポーズした。

本当は、アイツから入れ替わり薬を奪って
戻れれば早かったけれどー
それができなかった今ー
真梨の考えていた”もう一つの作戦”に賭けるしか、ない。

急がないとー。

真梨は、ある計画を考えていたー

真梨は、男の記憶をなんとか
引っ張り出そうとするー

念じるようにしてー

そしてー
真梨は、男の記憶を引き出せることに成功したー

「やった！」

姉の身体になったホームレスが姉の記憶を
引き出していたことから、
ホームレスの記憶も引き出せると、
真梨はそう考えていたー

これは賭けだったー
もしも記憶を引き出せなければ
自分はホームレスの身体で過ごすことに
なってしまうかもしれなかった。

けれどー
成功。うまく、ホームレスの男の記憶を引き出せたー

そしてー

「－－そしたらさぁ、
　ホームレスの仲間のリュウさんがさ、
　ヒトと入れ替わる薬ってのをくれてさぁ～」

ホームレスが姉と入れ替わる前に言っていた
言葉を思い出すー

ホームレスの身体になった真梨は、
男の記憶を引き出しながら
自分の根城に向かいー
さらには、”ホームレス仲間のリュウさん”の
顔を浮かべながら、その人物を探すのだったー


「－－あ！」

男の記憶を引き出しながら、真梨は、
ホームレス仲間のリュウさんを見つけた。

「－－おう！リュウさん！」

真梨は、ホームレスの男の記憶を
引き出しながら、ホームレスの男のふりをする。

「おお！マツさん！
　入れ替わり、どうだった？」

リュウさんが言う。

「－－あぁ、最高だったわ…
　じゃなくて、最高だった！」

うっかり女言葉が出てしまうー

「－－－はははは！
　まだ女癖が抜けてないみたいだな！」

リュウさんが笑う。

ーーー真梨は唾を飲み込む。

もしもーー
もしも、
このリュウさんが
”入れ替わり薬”をもう持ってなかったらー
おわりだー

「－－あの、リュウさん…」

ホームレスの身体でそう呟くと、
リュウさんは「ん？」と微笑んだ。

「－－もう１回、入れ替わりの薬をくれないか？」

ホームレスの身体でそう呟く真梨。

リュウさんが「えっ！？」と言う表情を浮かべるー。

「－－－…」
真梨に緊張が走るー

真梨の計画はー
ホームレスの身体と入れ替わり、
ホームレスの記憶を引き出し、
リュウさんに接触、
入れ替わり薬を受け取りー
その薬を使って、
油断している瑠香（中身はホームレス）と
入れ替わるー

そして最後に、瑠香になった自分と、
真梨の身体に入っている瑠香で
入れ替わりをすれば、元通りー

と、いう計画ー。

姉の瑠香には、これはできなかったー。
何故なら瑠香は、身体の記憶を引き出せることを知らなかったため、
ホームレスの男の記憶を引き出せず、
結果、ホームレスの男の根城を見つけることもできなかった


けれどー

もしー
もしも、”リュウさん”が
もう入れ替わり薬を持ってなければー
真梨の計画は失敗だー。
あとは、家に殴り込みにでも行くしかないー

「－－－約束だっただろ？」
リュウさんが言う。

「絶対に悪用しない、
　身体は１日で返すー
　そして、１回きりだと」

リュウさんの言葉。

ホームレスの男の中にいる真梨は思うー

”全部、約束破られてるよ…”と。

「そこをなんとか…！
　あと１回だけ！」

ホームレスの男の身体で、真梨は土下座したー

すると、
リュウさんは溜息をついた。

”１回だけだぞー”

と。

入れ替わる時用ー
元に戻る時用ー

２回分の入れ替わり薬を手渡してくれるリュウさん。

「－－－あ、ありがとう！
　ありがとうございます！」

ホームレスの男の演技をすることも忘れ、
真梨はお礼を言うと、
そのまま自宅に向かって走り出したー

”今、元に戻してあげるからね　お姉ちゃん”

とー。

走り去るホームレスを見ながら
リュウさんはハッとするー

「まさかー…」

リュウさんは、
今、会話していたホームレスの中身が
別人…きっと入れ替えられた、どこかの少女で
あると悟ったのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「－－あっ…あっ…あぁあああ♡」

自宅ー

真梨は、大声で喘いでいたー

「－－えへへへへ…
　どうだ？妹の身体で感じる快感は～？」
姉の瑠香が涎を垂らしながら笑うー
獣のような目つきー

姉妹の関係は大きく変わってしまったー

服を引きちぎられながら、
真梨は震えているー

真梨の中身はー
姉の瑠香ー

そして、その真梨を襲っている姉の瑠香の中身は
ホームレスの男。

「－－－くへへへへへへ…
　お前のお姉ちゃんとして、
　お前をしゃぶりつくしてやるぞ！」

可愛い瑠香の声で
脅すようなことを口走ると、
瑠香はぐふふふふ…と笑いながら
真梨に襲い掛かろうとする。

その時だったー

♪～

家に誰かがやってきた。

「っ！なんだよ面倒くせぇな！」
瑠香が机を蹴りながら、
玄関の方に向かう。

「－－！」
玄関の方までやってきた瑠香は
来客を見て、あざ笑うー

さっき、姉の瑠香を助けるために
自ら入れ替わって、ホームレスの身体になった
真梨だった。

鍵を開けっ放しだったため、
勝手に中に入ってきたのだった。

「－－－なによ～？
　今更、後悔してももう遅いわ…くく

　お前は、元・俺の身体で
　生きていくんだよ！」

瑠香の姿をしたホームレスの男が笑う。

「－－－－そんなの、お断りよ」
ホームレスの男の姿をした真梨が言うー

２階から真梨（瑠香）も下りてくるー


「－－－もう、あんたの好きにはさせない」
ホームレスの男が、瑠香の方に近づきー

そしてーー

キスをしたーー

「－－！？！？！？」
瑠香は驚いて目を見開くー

二人はすぐに意識を失って、
その場に倒れたー

「え…？えぇ…！？」
困惑する真梨の姿をした瑠香。

これは一体…？

そう思っていると、
先に瑠香の身体が目を覚ました。

「－－－…え…えっと…」
真梨の姿をした瑠香は困惑するー

目を覚ました瑠香の身体の中身はー
妹の真梨なのか、
それとも、ホームレスの男なのか。

目を覚ました瑠香は
自分の身体を見て
「やったあああああ！」と叫んだ。

「！？」
真梨の姿をした瑠香は、
びくっと驚くー。

「－－お姉ちゃん！やったよ！
　大成功～！」

そう叫ぶ瑠香。

唖然としながら、妹の話を聞く姉。

妹の真梨はー
ホームレスの男の身体にわざとなって、
記憶を引っ張り出して、
入れ替わり薬をくれたホームレス仲間のリュウさんに
接触しー
新しい入れ替わり薬を貰って、
こうして、戻ってきたと言うのだー

そしてー

「最後に、お姉ちゃんとキスをすれば、
　元通り～！」

瑠香の姿をした真梨が言う

「－－う、、うん」
真梨の姿をした瑠香が頷く。

あと１回分ー
最後の入れ替わり薬を飲んだ瑠香が微笑む。

「－－－…な、、なんか…
　妹の身体で、自分とキスするって、
　変な気分…」

真梨の姿をした姉の瑠香は
ドキドキしながらそう呟く。

瑠香の姿をした真梨も、
ドキドキしているー

「－－－……いくよ…」

そう呟くと、
二人は抱き合ってキスをしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ん…」

ホームレスの男が目を覚ます。

「－－－…お、、俺は…！？」
周囲を見回すホームレスの男。

目の前には
瑠香と真梨がいるー

二人は、元に戻れたようだー

「－－－－－」

瑠香も、
真梨も軽蔑するようなまなざしで
ホームレスの男を見つめている。

「く…く…く…くそぉぉ！」
ホームレスの男は、
負けを悟り、２人の家から飛び出したー

元々彼はー
エリートサラリーマンだった。
しかし、出世していくにつれて本性が現れ―
部下の女性にセクハラをしたことで失脚ー
その後、道端でＪＫに声をかけて襲い掛かろうとしたことで
家族からも見捨てられてホームレスになった男だー。

「－－－リュウさん！もう一度、入れ替わり薬をくれ！」

根城に駆け込むホームレス。

しかしー

リュウさんとー
その仲間たちが、軽蔑の眼差しでホームレスを見つめていた。

「あんた…入れ替わり薬を悪用したな…？」
リュウさんの冷たい声。

「い…いや…お、おれは…」
ホームレスの男は慌てて言い訳しようとする。

しかしー

「ここにもうあんたの居場所はない。去れ」

リュウさんにそう言われると、
ホームレスは唇をかみしめて、
どこかへと歩き去ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

１週間後ー

「ごちそうさま～」
「ごちそうさま！」

姉妹が、食事を終えて、２階へと上がって行く。

その様子を見て、
母が微笑む。

「なんだか最近、二人とも
　前よりもっと仲良しになったみたい」

ーと。


食事を終えた瑠香と真梨は、
瑠香の部屋に入ると、
優しく微笑みあったー

「お姉ちゃん…」

「真梨…」

見つめ合う２人ー


あの日ー
元に戻る為、お互いにキスをした２人はー
その時のドキドキが忘れられずにー

目覚めたー

姉妹同士のー

熱い、愛にー


おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを元にした作品でした！

以前別のリクエストで書いた
「ストーカーはお姉ちゃん」と被らないようにしつつ、
別のテイストで書いてみました～


リクエストの原文なのですが

”ある姉妹の姉が男に憑依によって魂を入れ替えられて成り済まされてしまいます。
妹は入れ替わった瞬間を偶然目撃するのですが、
記憶や人格をまるまる乗っ取られて完全に姉になりきった人物が
実は他人だと誰に伝えても信じてもらえません。
逆に姉からは脅されて、強制的なレズプレイやオナニープレイを
されて妹はボロボロにされてしまいます。
そして姉になった男は、この身体には飽きたから今度は妹である
お前の身体と入れ替わると言われてしまいます。
妹が絶望していたところ、妹は外見そっくりの皮を作る道具を手に入れ、
それを使って姉を元に戻す決意をします。

妹は街を徘徊していた男になってしまった姉を見つけ、
男になった姉には妹自身の皮を着せ、自分自身は姉の皮を着ます。
そして姉になった男は睡眠薬で眠らせて本来の男の皮を着せます。
男は起きると入れ替わりの効果が切れたと思い込み、
今度は男は最後の憑依入れ替わりだと言って妹
（皮は妹、精神は姉、身体は男）に強力に憑依して入れ替わります。
男（皮は男、精神は男、身体は姉）と姉（皮は妹、精神は姉、身体は男）
の入れ替えによって姉は元の体を取り戻します。
妹の外見になった男は意気揚々とこれからは
第二の人生を歩むと言ってその場から逃げてしまうのですが、
妹は元に戻った姉から男の皮を脱がせて元通り、
妹自身も姉の皮を脱いで元に戻り、無事作戦は成功。”

と、いうものでしたが
後半の”皮”の部分は、
入れ替わりと皮の複合？は
分かりやすく描写するのが私の実力では難しいかも…
と、いうことで、今回は入れ替わりに絞って、
最終的に元に戻れるという部分は、リクエスト頂いた通りに
して作ってみました！
完全にリクエストにお応えできないことも
ありますので、その点はごめんなさいデス…！

最後に、
リクエスト＆お読み下さった皆様、ありがとうございました☆！