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<憑依>勇者崩壊①~魔王討伐~

滅ぼされた王国の末裔・セブンは、
自分自身の使命に気付き、
辺境の村から旅立つー。

魔王を討伐するためー。

旅は順調に進んでいたー。
しかしー。
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魔王クロノス。

この世界に君臨する、悪の魔王ー。

100年の昔、
かつてここに存在していた王国は、
魔王クロノスによって滅ぼされてしまったー

それ以降、
魔王とその配下によって
支配される時代が100年に渡り続き、
今や人間は、辺境の村で
細々と暮らすことしかできなかった。


しかしー
王国が滅ぼされた時ー
その末裔が魔王の手から逃れ、
密かに逃げ延びていた。

あれから100年ー
かつて滅びた王国の王族の血を引く
セブンは、自分の出自を知り、
魔王を討伐するため、旅だったのだった。


旅は、順調だったー
仲間にも恵まれて
勇者・セブンは順調に
魔王・クロノスの元へと向かっていたー。


「お…おのれぇ…!」

魔王軍の3幹部のひとり・
サキュバスが苦しみの声を上げているー

既に3大幹部のうちのひとり・
ケルベロスは、前に勇者たちが倒している。

残るは、たった今、追いつめているサキュバスー

そして、未だ姿を見せていない大幹部・デッドナメクジ。

「---セブン!危ない!」
幼馴染であり、
共に旅をしてきた剣士・デュオが叫ぶ。

「---!!」

勇者セブンに、サキュバスの放った攻撃が
当たりそうになる。

しかしー

「---そうはさせまんよ」

勇者一行の参謀的立ち位置に居るウイングが、
サキュバスの攻撃をバリアで消し去る。

そしてー

「--今よ!」
仲間のルナが、魔術でサキュバスの動きを封じるー

「これで、終わりだ!」
勇者セブンは、生まれ故郷から旅立つ時に
渡された剣でー
サキュバスを切り裂いたー。

サキュバスは悲鳴を上げて、
そしてー
溶けるようにして消滅した。

「はぁ…はぁ…」

赤い霧に包まれていた周囲ー
その、霧が晴れていく。

「やりましたね!」
回復担当のセレスが言う。

「---あぁ」
勇者セブンは嬉しそうに微笑んだー。


勇者一行は
近場の村に戻るー

最近は、この村を拠点に
魔王クロノスの軍勢と戦っているー

かつて滅んだ王家の末裔ーセブン。
気弱だった彼は、旅を通じて成長した。
村人たちに囲まれて、笑みを浮かべているー。

そして、魔法使いのルナー。
旅で最初に立ち寄った村で出会い、
行動を共にしている少女。
セブンととても仲が良く、
お互いに好意を抱いているー

幼馴染のデュオ。
同じ村の出身で、共に旅を続けてきた。

そして、参謀役のウイング。
一番最近加入した仲間だが、心強い味方ー

最後にー回復魔法使いの
セレスー。
旅の途中で立ち寄った神殿の巫女で、
若いながらもとても、心強い存在だー

この5人が、
魔王クロノスの元をめざし、
戦いを続けていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

3大幹部のひとり・サキュバスを倒したことで、
サキュバスに苦しめられ続けてきた村人たちは
宴を開いていたー

「--本当に、本当にありがとうございます」
村長が言うと、
セブンは「お礼なんて…」と苦笑いする。

仲間のデュオとウイングは
すっかり宴を楽しんでいるようだー

「これであとは…」
村長が言う。

「魔王クロノスとー
 最後の大幹部・デッドナメクジだけですな…」

「えぇ…」
セブンは頷く。

旅立ちから既に数か月ー。
今日倒した、サキュバスとも、これまで何度も
戦いを繰り広げて、ようやく倒すことができたー

前に倒した幹部のケルベロスもそうだ。

そう簡単な開いてではないー。
100年前に繁栄していたという王国を
滅ぼし、その後に100年もの間
君臨していただけのことはあるー。

今後、戦いは、もっと激しくなるだろうー。


村の宿場で、
月を見上げる勇者セブン。

「---セブン…」
背後から、ルナが声をかけた

「--ルナか」
セブンは振り返ると微笑んで見せた。

優しい少女ー
そう表現するにふさわしい容姿と
雰囲気を持つルナは、
セブンの方に近づいて行くー。

「--…あんまり…無理しないでね…」

ルナが悲しそうに言う。

「--だいじょうぶ」
セブンが優しく返事をしたー

ルナには分かっているー
セブンの身体は、常人であれば、
もう、限界だー

これまでの戦いで、
セブンは傷つき、
回復が追い付かないほどのダメージが
身体に蓄積されているー。

「---…」
セブンは今一度微笑んだ。

「--だいじょうぶ。
 一緒に生き延びて、
 俺の故郷を見せる約束だろ?」

旅の途中で出会ったルナはー
セブンの故郷を知らないー。

ルナとセブンは、
戦いが終わったら、
セブンの故郷に行き、
一緒に暮らす約束をしていたー。

「-ーーー約束だよ」
ルナは悲しそうにそう呟いたー

ルナの村は、もう、ないー。
ルナはー
魔王軍の魔物に故郷を奪われ
命をも奪われそうな時に
セブンたちに助けられて
こうして今、一緒にいる。

「あぁ…約束するよー」

満月の下ー
セブンとルナは
改めて生きて帰ることを約束するのだった。

「------」
そんな二人の様子を
巫女であるセレスは悲しそうに陰から見つめていた。

「---はぁ…」
セレスも、勇者セブンのことが好きだったー

が、ルナがセブンの事を好きな事を知っている
セレスは、その思いを口にすることはできなかった。

・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「--ー来週には、ここを立とうと思います」

セブンが言うと、
村長は「そうか、寂しくなるのぉ」と呟いた。

この村にお世話になって3週間ー。
魔王配下の幹部・サキュバスを倒した今、
セブンたちはさらに先に進まなくてはならないー

魔王軍の最後の幹部・デッドナメクジが
居座る場所までー。

「---魔王を倒したら、
 またご挨拶に伺います」

セブンが微笑むと、
村長も「それは楽しみじゃ」と優しく笑みを浮かべたー

勇者一行の一人・デュオがサキュバスとの
戦いで怪我をしたため、
その治療のために、来週までこの村に
世話になることになった勇者セブン一行。

旅は順調だったー

そう、
この日まではー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔王クロノスは、
幹部であるサキュバスが倒された報告を受ける。

「ケルベロスに続きー
 サキュバスもか…」

クロノスは、勇者セブン一行の
映像を忌々しそうに見つめるー。

「仕方がない…」
魔王クロノスは玉座から立ち上がるー。

「気乗りはしないがー
 我が禁断の秘術を使う時がきたようだ」

魔王クロノスの”禁断の秘術”

それはー
”憑依ー”

人間に憑依し、その身体を自由自在に
操る闇の力ー。

それを、クロノスは使うつもりでいたー。

魔王クロノスは非常にプライドが高く、
人間のことを家畜ぐらいにしか思っていない。

そのため、その家畜に憑依することは、
魔王クロノスにとっては、屈辱以外の
何者でもなかった。

しかしー
大幹部であるケルベロスとサキュバスは倒れ、
残るはデッドナメクジのみー。

確実に、魔王クロノスの軍勢は追いつめられていた。

もう、プライドがどうのこうの言っている状態ではない。

魔王クロノスは勇者一行の映像を見つめる。

「---ククク
 この小娘にするか」

クロノスの視線の先には、
勇者セブンの仲間である少女・ルナが映しだされていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

「--おやすみ」
勇者セブンが微笑みながら言う。

「うん。おやすみなさい」
少女・ルナが微笑み返して、
宿屋のそれぞれの部屋へと入って行く。

「----…」
ルナは寝る仕度をしながら思う。

数日後には、この村を出発する。

最後の大幹部・デッドナメクジの
実力は未知数だが、魔王クロノスにもっとも
近い魔物であると言われており、
これまで以上に厳しい戦いになるであろうことは
安易に想像が出来た。

セブンの身体は耐えられるのだろうかー

「---ククク」

ーー!?

ルナは、何か笑い声が聞こえたような気がして
周囲を見渡す。

しかし、そこには誰も居ないー

「クククククク」

だがー
今度ははっきりと聞こえた。

不気味な、笑い声ー。

「---だ…誰!?」
ルナが魔法を放つための武器を手に、
笑い声の主に問いかける。

「無駄なーーことだ」

!!

壁から、黒い影のようなものが
現れて、ルナの前に姿を現す。

「--新手の魔物!?」
ルナが戦闘態勢に入るー

剣術の心得などはないが、
ルナは魔法による戦闘や補助が得意で、
勇者セブンの一行も、これまでも
何度もルナのによって救われてきているー。

「---魔物?」
黒い影が不気味に笑う。

そして、告げたー

「我が名はー
 魔王・クロノスー」

ルナは驚いて目を見開く。

魔王・クロノスー
ルナ自身も、他の仲間も
その姿を見るのは初めてー

黒い影は実体化し、
禍々しい鎧を身にまとった
魔王クロノスが姿を現す

「--そ、、 そんな…」

この村に魔王が直接やってくるなんて…。

他の部屋にいる仲間たちも
呼んで、なんとか…

「---貴様には、邪魔者の勇者を消すため
 協力してもらうぞー」

魔王クロノスが笑う。

「だ、、誰があなたなんかに!」
ルナは叫ぶー

しかしー

「--嫌でも、協力してもらうぞ?」
魔王クロノスは、ルナの顎を掴み、
そしてー、キスをした。

「--!?!?」
驚くルナ。

魔王が霧状になって、ルナの身体の中に
吸い込まれていく。

「え…?あ、、、あ…ああああああ…」

ルナが苦しみの声を上げるー。

「--勇者と直接対決するのは分が悪いー。
 だからー
 お前自身が、その手で、
 仲間を手にかけるのだー」

「--や…やめ…」

ルナはピクンピクンと痙攣しながら
目に涙を浮かべる。

次第に、遠のいていく意識ー

「い…いや…いやだ…」
ルナは涙をこぼしたー

思い出がー
何もかもがー
吸い込まれるようにして、

消えていくー

「---セブン…」

ルナは大好きな
勇者セブンのことを思い浮かべたー

しかしー
それは、闇に飲まれールナの意識も
また、闇に飲み込まれてしまったー

「・・・・・・・・・」
ルナは笑みを浮かべる。

「くくくく…
 この小娘の身体でー
 愚かな勇者一行を血に染めてくれるわ…」

目を赤く光らせると、
ルナは部屋の外へと
ゆっくりと歩きだした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ん…」

勇者の幼馴染であるデュオは、
目を覚ましたー

「---…ルナ…?」

ベットの横には、
仲間の少女・ルナが微笑んでいたー

「---」
ルナは、優しい笑みを浮かべているー。

先のサキュバスとの戦いで負傷した
デュオ。
まずは、こいつからだー。

「---デュオ…
 魔王様に逆らうなんて、身のほど知らずよね」

ルナは優しく微笑みながら
けれども、低い口調で言った。

「ルナ…?」
寝起きでまだちょっと意識がはっきりしていない
デュオは不思議そうに首をかしげた。

「---ふふっふ」
ルナは笑いながらデュオの上に飛び乗る。

デュオは何かエッチなことでも
されるのかと一瞬思ったー

しかしー

「--我に刃向う愚か者よー」

ルナの目が赤く光り、
その可愛らしい声で
強い言葉を放った

「--死ぬがよい」

ルナは魔力を充満させた手で
デュオの首を強く握り始めた。

「--が…!あ…ル…ルナ…!?」
首を絞められたデュオはもがくー

何が起きているのかー?


それを理解できないまま、
勇者パーティメンバーのひとり・
デュオは、そのままこの世からー
消されてしまった。


「くくくくく…」
ルナは悪魔のような形相で笑う。

背後に魔王のシルエットが浮かび上がる。

魔王とルナの身体が同時に笑う。

「脆い…脆すぎるわ!」

魔王とルナは同時に吐き捨てるようにして言った。


「ククク…
 一人ずつ…一人ずつ地獄へ送ってくれるー。

 この少女の手でな…」

ルナは、亡骸になったデュオを背に、
両手を広げて大笑いし始めるのだったー


②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依されるまでが長くなっちゃいました(汗
次回からが勇者崩壊の本番デス~!

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プロフィール

無名

Author:無名
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