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<憑依>わたしとあたし②~異変~

交通事故に遭ってしまった彼女は、
偶然、近くにいたギャルの身体に
憑依してしまい、生きながらえたー。

新しい身体で、彼氏と付き合うことに成功した真彩。

しかし…
”異変”は始まっていたー
--------------------------

「----…」

真希になった真彩は困惑していたー。

この身体ー
真希の男友達・金吾に襲われたのに
その時のドキドキが忘れられないー

「わ…わたし…何かヘン…」
真希は呟く。

真希に憑依している真彩にとって
あの手の男はにがてなタイプだ。

ましてや、突然襲い掛かって来るような男なんて
絶対にお断り。

けれどー
何故だろう。

何故だか、金吾に襲われたときのことが
忘れられないー

ドキドキが、止まらないー

「--……」
真彩は思う。
真希の身体に染みついた快感ー、
とでも言えば良いのだろうか。

それに、影響されているのかもしれないー

「---…、、も、、もうこの身体は
 わたしのものなの!」

真希の身体は自分のものー。
改めてそう言い聞かせるように呟くと、
真希は、ベットに横たわるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---なんか、真希ちゃんって、ホントに真彩に似てるよ」

お昼ー。
大学で昼食を食べながら
彼氏の康史が笑った。

「--え?」
真希は、昼食を食べる手を止めて、
康史の方を見る。

「あ、いや、ごめん。
 前の彼女と比べるっていうのもイヤだと思うけどさ、、
 どうしても、真希ちゃんを見てると
 真彩を見ているような感覚になるんだ」

康史が言う。

「康史…」
真希は思わず微笑んでしまった。

だって、わたしが真彩だから、
と言いたくなる気持ちを抑える。

そのうちー
もしかしたら気が付いてくれるかもしれないー

もし、気付いてもらえなくてもー
こうしてまた、康史と一緒にいることができる。

それだけで、幸せー。

「---もしかしたら、
 前の彼女さんの魂が、わたしに
 乗り移っちゃってたりして?」
冗談のつもりで真希が微笑む。

「----!」

康史がそんな真希の方を見て、
はっとした表情を浮かべる。

「---真彩…?」

一瞬ー
目の前にいる真希に、真彩の姿がダブって見えた。

「--!?」
真希も、康史の言葉に驚く。

「--な、わけないよな」
康史が一人呟くと、
その話はそこで終わり、
別の日常的な話題になるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、康史との幸せな日々は続いたー

しかしー

真希のスマホに連絡が入る。
真希の男友達”金吾”からだー。

”明日の土曜日、会おうぜ?”

ーと。

真希は、こんな奴との関係、絶ちたい、
そう思っていた。

金髪にピアス。
鎖をじゃらじゃらとさせたファッション。
どう考えても、まっとうな男じゃない。
そもそもまっとうな男は、女友達を
路上で乱暴したりしないー

”うん!会いたい”

「--!?」
真希は自分で無意識のうちにそう
返信すると、
自分のしたことに、自分で驚いた。

「--あ、、あれ…?」
真希は混乱するー

しかしー
何だかわくわくしてしまった。

「わ…わたしには康史が…」
真希は動揺するー。

どうなっているの…?と。

何だかー
おかしいー

慌てて康史とLINEでやりとりを始める。
康史も、すぐにそれに応えてくれた。

「康史…」
安心感のようなものを覚えた真希は思う。

土曜日になったら、断ろうー
体調不良とでも言って。

そう思いながら、
真希は康史との楽しい会話を始めるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・

土曜日ー

真希は、ドキドキしながら
鏡の前に立っていた。

超がつくほど短いスカート。
胸元を強調した服装ー

それを身に着けて、真希は
自分の容姿をチェックしていたー

化粧をする真希。

金吾に、自分を見てもらいたい。

そう思っていたー
体調不良で断る?
とんでもない。

金吾が”あたし”の方を見てくれるならー。

真希はそう思いながら
派手な服装でポーズを決める。

ギャルメイクをした真希は、
元の真希のような姿に
少し、近づいていたー

黒髪のギャルー
そんな感じの容姿で、真希は
外へと出かける。

「----わ、、わたしには…康史が」
真希は呟く。

けれどー
我慢できないー
金吾と一緒にー

金吾にーー抱かれたい…


「---1日だけ。ごめん、康史…」
真希はそう呟くと、
金吾との待ち合わせ場所に向かったー

真希に憑依した真彩はー
徐々に、ギャルである真希の身体に
浸食されていたー

身体を乗っ取ったつもりの真彩ー
けれど、乗っ取られたはずの真希の身体に、
真彩は浸食されていたー

このままいけばー
最後にはーー
乗っ取られた真希の意識は消えたまま、
乗っ取った真彩の意識は、真希そのものになりー
真希でも真彩でもない、真希が生まれるー。


「--きゃははははははは!」
真希はゲームセンターで金吾とイチャイチャしながら遊んでいた。

「-くへへへへ!やっぱ真希はその方が似合うぜ!」
真希を抱き寄せながら言う金吾。

「最近どうしたんだよ?真面目くさってさぁ?」
金吾の言葉に
真希はうっとりした表情を浮かべる。

「あたしにも、色々あるの!うふふふふ!」

金吾とのデートが楽しすぎて
真希に憑依している真彩は自分を失っていた。

自然と、ギャルの真希としての振る舞いが出るー

平気で人前でキスをすると、
二人は、さらに遊び続ける。

ゲームセンターから出た2人は
そのままラブホに向かう。

「---…」
真希は戸惑いを覚える。

ラブホなんて康史とも入ったことないしー
断わろうー

「---……あ、、あのさ…」
真希はやっとの思いで口を開いたー

断わらなくちゃー。
真彩はそう思うー

けどー
身体は、ゾクゾクしている。
金吾とのエッチの快感を
覚えている身体が叫ぶ

”行くのよ”

とー。

「--あ、、、あ……」
真希は震えた。

だめー。
行っちゃだめー。

真希に憑依している真彩は
必死に叫ぶー。

けれどー
口から出た言葉はー

「あ……あたしを…たっぷり…楽しませてね」
真希は甘い声でそう呟いたー

「おう!ククク」
金吾は笑う。

真希にもう迷いはなかった。
金吾に身を任せて、
共にラブホテルに入っていきー
激しい一夜を過ごすのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日から、真希の身体に憑依している真彩は
急激に真希に染まりつつあった。

髪を茶色に染めて、
ピアスを身に着けて大学に行くようになったー

ギャルのようなメイクはしていないが、
真希に一歩近づいたー

「---最近、ちょっと派手になったな」
彼氏の康史が苦笑いする。

「え?そ、そうかな~?これがふつうだよ~」
真希は笑う。

”真希”にとっての普通ー
”真彩”にとっての異常ー

けれどー
その境界線は、曖昧になりつつあった

「----ーーー」

真希はふと不安を感じる。

なんだか、自分が自分で無くなってしまうような
感覚が日に日に強くなっている。

自分は真希ではない。
真希に憑依している真彩ー

けれどー
だんだんと、自分が真彩であることを
思い出せなくなってー

だんだんと、自分が真希そのものになってー…
そんな感じがする。

「---怖い…」
気付いたときには、真希は、康史にもたれかかっていた。

「ど…どうしたんだよ…?
 何かあったのか?」

康史は心配そうに真希の方を見る。

「--分からない。…わたしも…分からないよ…」
真希は目からポタポタと涙をこぼすー

自分の身に起きているのかー
それすらも分からなくなってくるー

「---真希…」
康史はそれ以上、何も聞かずに真希を抱きしめた。

「----」
しばらくの間、沈黙が流れるー

康史は、一度彼女を失ったことで、
今度は、大切な人を失いたくないと言う想いが強まっていたー。

「---…ぷっ」

数十秒が経過しただろうかー。
真希が突然笑い始めた。

「ぷっ…あはは、きゃはははははははは!」
大笑いしながら康史から離れる真希。

「---あはははは、ごめ~ん!
 あたし、どうかしてた!忘れて」

急に元気になる真希に戸惑う。

「あ、もう、あたし行くね!あははは!」

真希は、どうして自分が不安に思っていたのだろうと
思いながら、その場から立ち去って行く。

康史は戸惑いながら、ふと、近くに
置かれているノートに気付く。
真希が持っていたノートだ。
授業が何かで使っているノートだろう。

「あ、おい!真希!」
康史が”忘れてるぞ”と伝えようとしたが
真希には聞こえなかったのか、
真希はそのまま立ち去ってしまった。

「---」
康史は、ふと、そのノートを開く。

「---…!!!」
康史は、そのノートの中身を見て
目を見開いた。

「---真彩…?」

ノートの中の字はーー
死んだ彼女の真彩の筆跡そのものだったー。

真彩は、とても字がきれいだった。
あれほどまでに綺麗な字を書く人は
滅多にいないー。

「---……」

康史は気になって、そのノートの別の
ページを見る。

「---…!」
ノートの途中まではギャルっぽい字で
別人のような筆跡ー

「--」
そしてー
”あの日”からー
真彩が交通事故で死んだ翌日からー
ノートの筆跡が変っているー
まるで、真彩が書いたかのような筆跡にー

「--まさか…」
康史は、そのノートを見ながら
複雑な表情を浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真希は、自宅で一人エッチを繰り返していたー

身体に染みついた記憶に染められていくかのようにー。

ギャルであった真希は
毎晩、エッチなことを繰り返していたー

その欲望に引っ張られるかのように、
真希に憑依している真彩は、毎晩エッチをするようになった。

毎晩毎晩ー。
だんだんと、それは激しくなっていくー

「---……違う…!」

ある日ー。
真希は叫んだ。

姿見に映る、すっかりギャルの姿に戻った自分を見つめるー。

「---違う違う違う違う違う!」
真希はパニックを起こして叫ぶ。

「あたしは…わたしは真希じゃない…わたしは真彩…!
 わたしは…あんたなんかじゃない…!」

真希は激しい形相で、鏡に映る自分=真希を
睨みつけた。

だんだんとー
自分が真彩だと自覚している
時間が減っているー

ふと、思い出してはー
消えて行くー

真希として振る舞いー
また、ふと、思いだすー。

「---あぁぁあああああ!」
真希は言いようのない不安を感じて
部屋の中で暴れる。

「あたしは、、真彩!あたしは真彩なのに…
 消えたくない…消えたくない!」

狂ったように頭を抱えながら
泣き叫ぶ真希。

「あたしは…わたしは…真彩……
 康史…たすけて…」

真希は目から涙をこぼすー

消えたくないー

このままじゃー
自分は、真彩であったことを忘れて
真希そのものになってしまうー

自分は確かに死んだー。

でもー
今、こうしてここにいるー。

「---わたしへの…仕返しなの…?」
真彩は鏡に映る真希の方を見て呟く。

「わたしが、、あなたの身体を奪ったから…?」

真彩は呟く。
鏡の中の真希がふいに笑った気がしたー。

「--わ、、わたしだって…!
 好きであなたの身体に入り込んだわけじゃない…

 わたしは…あたしは…!」

真希は苦しむ。

不安に支配されて
泣きながら暴れていた真希は、
やがて、笑い始めた。

「きゃははははははは!
 なんか、あたし、、どうしちゃったんだろ~!あはは」

涙を浮かべながら笑う真希ー。

暴れるのをやめて
スマホを手に取るー

そこには、真希の男友達、金吾からのLINEが届いていた。

「----金吾ぉ…♡」
真希は、また、自分が真彩であることを忘れて
金吾への変身を入力し始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから、さらに1週間が経過したー。

「---……わたしね…」

真希が呟く。
真希はすっかりギャルに戻っていた。

一瞬、まじめな雰囲気になっていた
真希は何だったのか。

「--…」
康史は、”真希が書いているはずのノートの
筆跡が真彩のものであること”が
どうしても気になっていたが、
言いだせずに居たー。

そしてー
そのノートの筆跡が
徐々に真彩のもので無くなりつつあることに、
康史は不安を感じていたー

綺麗な真彩の字が、
日に日に、崩れて行き―
真希という子の本来の字体に
少しずつ、戻り始めているー

「---真彩…」
康史は、ふと、真希のことをそう呼んだ。

「--え?」
真希が康史の方を見る。

真希の目が震えているー

しかしー
すぐにその震えは止まり、
真希は微笑んだー

「--あたしは、真希だよ。真彩ってだぁれ?」

とー。

笑いながら、昼休みを終えて
立ち去って行く真希。

その後ろ姿を見ながら
康史は呟いた。

「--俺は…真彩…
 お前の幻を追ってるだけなの
 かもしれないな…」

康史は悲しそうに、
そう呟く…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「-----……」
真希は、ある決断をしていたー。

土曜日ー。

「--あたしは……」

真希に憑依している真彩は、
真希になりつつあったー。

もう、自分が真彩だと、思い出すことも
ほとんどなくなってしまったー。

真希に憑依している真彩が、
真希の身体に影響されて真希になりつつあるのかー

それとも、
真希本人の意識と混ざり合っているのかー

わからないー

けれどー

「----…」
真希は、最後の決断を下す。

康史と金吾のLINEを開くー

そしてー
二人に同じメッセージを送ったー。

”明日、夕方、会えるかなー?”

とー。

二人とも返事はOKだった。

康史には金吾が来ることを伝えず、
金吾には、康史が来ることを伝えずー
2人に同じ場所を指定したー。

「---…わたしは…あたしは……」

真希は、自分が真彩であったことを
忘れてしまう前にー
完全に真希になってしまう前にー
ちゃんと、話をしておきたいー

そう、決意して、ベットに飛び込んだー


③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回が最終回です!
真希になった真彩が、
最後に選ぶ運命は…

明日をお楽しみに~!



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プロフィール

無名

Author:無名
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